著者
西川 清文 森 昇子 白木 雪乃 佐藤 伸高 福井 大祐 長谷川 英男 浅川 満彦
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.27-29, 2014-03-31 (Released:2014-05-31)
参考文献数
8
被引用文献数
1 2

国内外来種化による寄生虫相の変遷を分析するため,2010年と 2011年に旭川市内で捕獲されたアズマヒキガエル Bufo japonicus formosusの蠕虫調査をした。その結果,このカエルで既報告の 3線虫種と 1鉤頭虫種が検出された。北海道における当該カエル種の調査はなく,新記録となったが,寄生蠕虫相は本州に生息していた時の状態をほぼ保持したまま定着していたことが判明した。
著者
芦田 美輪 藏岡 愛 西村 香織 芦塚 文美 牛島 信雄 本間 喜蔵 西本 勝太郎 岩田 貴子 竹中 基 佐藤 伸一
出版者
Western Division of Japanese Dermatological Association
雑誌
西日本皮膚科 = The Nishinihon journal of dermatology (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.43-47, 2010-02-01
被引用文献数
1

15歳(中学生),地元相撲クラブの男子。体幹,四肢の鱗屑を伴う紅斑と左側頭部のBlackdot ringwormにて2007年3月に当科を受診した。<I>Trichophyton tonsurans</I>(<I>T. tonsurans</I>)を分離し,塩酸テルビナフィンの3ヵ月間内服にて治癒した。高校の相撲部に入部後も再発を繰り返し,その都度治療により治癒した。再発のたびに頭髪のhair brush法にてコロニー数を確認した。部内における皮膚の症状を認める部員は,試合や遠征合宿の後に増加する傾向にあった。アンケートによる調査で,顧問教官の指導がなく,<I>T. tonsurans</I>感染症の認識に乏しいことが分かり,再発を繰り返す原因として無症候性キャリアーの存在が考えられた。小・中学生の相撲クラブとの交流もあり,さらなる感染の拡大を防止するためにも,継続的な集団検診,指導者への啓発,治療の徹底が重要と考えた。
著者
佐藤 伸郎 サトウ ノブロウ Sato Noburo
出版者
大阪大学大学院人間科学研究科 社会学・人間学・人類学研究室
雑誌
年報人間科学 (ISSN:02865149)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.143-161, 2016-03-31

森敦が提起した境界論を考察する。かつて龍樹は空を考察し、その実践方法として結跏趺坐を提起した。また、石津照璽は、第三領域を考察し、その実践方法として絶体絶命の生命的危機を提起した。宮澤賢治は、第四次を考察し、その実践方法として農業従事を提起した。筆者はこれまで石津照璽の第三領域、宮澤賢治の第四次を龍樹の空の読み替えと捉え、研究をおこなってきた。森の用語でいえば、空は現実である。現実は流動し、言語はそれを固定化させる。ここに本来の存在と認識に矛盾が生じる。ひとは存在として流動するものなのに、認識するにはそれを固定化するほかはない。森の境界論は、言語によって固定化された現実を、言語によって流動化させる方法である。森は、この方法によって、ほんとうの自己に到達しようと試みたのである。
著者
長谷川 稔 佐藤 伸一 古瀬 忍 長谷川 洋一 森 俊典 八田 尚人 竹原 和彦
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.108, no.10, pp.1275, 1998 (Released:2014-08-19)

症例1は69歳,男性.1年半前より手指のこわばり,四肢の関節痛があった.また,両手掌に多発性の皮下結節と手指の拘縮が出現してきたため,近医にて全身性強皮症(SSc)と診断されていた.当科での精査では皮膚硬化は認められず,リウマトイド因子(RF)が陽性であった.両手のX線像で近位指節間(PIP)関節に多発性のびらんを認めた.Palmar fibromatosisを合併したRAと診断した.Palmar fibromatosisによる手指の拘縮により慢性関節リウマチ(RA)がSScと誤診されたものと考えられた.症例2は63歳,女性.半年前より朝のこわばりと多発性の関節炎が出現し,近医にて抗トポイソメラーゼⅠ抗体が陽性とされ,SScと誤診されていた.皮膚硬化はみられず、当科での再検では抗トポソイメラーゼⅠ抗体やRFを含む自己抗体はすべて陰性であった.両手のX線像でPIP関節の腫脹を認め,sero-negative RAと診断した.ELISAによる抗トポイソメラーゼⅠ抗体の疑陽性によりSScと誤診されたものと考えられた.症例3は47歳,女性.2ヶ月前からの朝のこわばりと多発の関節炎が出現してきたものの,X線上異常が検出されなかったためRAが否定され,近医にてSScと診断されていた.当科での精査では皮膚硬化は認められず,RFが陽性であった.両足のX線像で足趾に嚢胞形成を認めた.X線での骨変化が軽いためにRAが否定され,SScと誤診されていたと考えられた.今後はこのような誤診例が増加する可能性があり,注意が必要と考えられた.
著者
佐藤 伸治 小山 健一 糸谷 孝行 宮本 聖一 丸山 稔正
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. B, 電力・エネルギー部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. B, A publication of Power and Energy Society (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.123, no.4, pp.442-449, 2003-04-01
被引用文献数
4 6

We developed a multifunctional vacuum interrupter that has three functions: current interruption, disconnection, and earth operation in a vacuum vessel. Using the multifunctional vacuum interrupter, we realized 24 kV, 630 A, 25 kA rated switchgear that do not use SF<SUB>6</SUB> gas. In addition, we could downsize the switchgear greatly compared with conventional switchgear by applying excellent vacuum insulation characteristics. In this paper, we report the backgrounds and the solutions of the following technical problems regarding vacuum insulation inside the multifunctional vacuum interrupter: (1) Improvement of breakdown voltage between the vacuum vessel and high voltage flexible conductors, (2) optimization on the shape of shielding electrodes set at both ends of an insulating rod, (3) removal of conductive micro particles and improvement of breakdown voltage between contacts by using AC working voltage, and (4) identification of long-term reliability of vacuum insulation under the continuous application of AC working voltage.
著者
葛西 敦子 三村 由香里 松枝 睦美 佐藤 伸子 中下 富子
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

養護教諭は,「子どものからだをみる」視点であるフィジカルアセスメントの知識・技能を身につけることが必須である。本研究の目的は,養護教諭養成教育や現職養護教諭研修において実践できるフィジカルアセスメント教育のプログラムを構築することである。そこで,(1)養護教諭養成大学の教員を対象とし「子どものからだをみる」フィジカルアセスメント教育に関する実態調査-養成背景別(教育系・学際系・看護系)の比較-,(2)養護教諭への模擬事例を用いたフィジカルアセスメント教育プログラムの実践および評価,(3)養護教諭養成課程学生への「頭が痛い」と訴える子どものフィジカルアセスメント教育プログラムの評価を行った。
著者
佐藤 伸宏 加藤 達彦 高橋 秀太郎 土屋 忍 野口 哲也 畑中 健二 森岡 卓司 山崎 義光
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

「小品」とは、明治時代の後半期に成立した短小な散文テクストであり、近代長篇小説の確立の傍らで、それとは異なる脱ジャンル的で多面的な性格を備えた特異な散文として、非常な隆盛を示すことになった。この「小品」に関して、先行研究の蓄積はほとんど皆無に等しい状況であったが、本研究では、雑誌メディアを対象とした文献調査をとおして「小品」という枠組みの成立と展開を跡付けるとともに、北原白秋や水野葉舟その他が生み出した「小品」の様式的特徴を明らかにすることによって、「小品」の性格と意義を解明した。
著者
竹原 和彦 白崎 文朗 佐藤 伸一
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

全身性強皮症は、皮膚や肺、心、腎、消化管などに広範な線維化や血管障害をきたす結合織疾患のひとつであり、その発症に関わる重要な細胞増殖因子としてトランスフォーミング成長因子(transforming Growth Factor-β,TGF-β)、結合組織成長因子(Connective Tissue Growth Factor, CTGF)が注目されている。本研究は、TGF-βの皮下投与により誘導される新生マウスの皮膚線維化モデルをトランスジェニックマウスを用いて作製し、CTGFの皮膚線維化機構における役割について検討した。使用したマウスは、1型コラーゲンのα2鎖をコードするproα2鎖(I)コラーゲン遺伝子のプロモーター領域にレポーター遺伝子を組み込んだマウスである。このモデルにおいて、皮下にTGFβのみを注入すると4日目に線維化が誘導されるが、8日目には消失する、しかし、TGFβを3日間注入し、次にCTGFを4日間注入すると線維化が持続する。コラーゲン遺伝子の転写活性は、TGFβ単独投与群では、4日目をピークに低下し8日目にはほぼ0になったのに対し、TGFβ/CTGF連続投与群では8日目まで高値が持続し、さらにTGFβ/CTGF連続投与群でコラーゲン遺伝子が転写されている線維芽細胞数が増加していた。このことより、CTGFはコラーゲン遺伝子を発現する線維芽細胞を増加させることにより、遺伝子の転写活性を維持し、コラーゲン産生を亢進させると考えられた。今後は、この皮膚線維化モデルにおけるサイトカインやケモカインの関与についてさらに検討したいと考えている。
著者
河本 章宏 佐藤 伸吾 大村 泰久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.344, pp.13-18, 2002-09-23
参考文献数
4

サブ100nmチャネル長領域においては、ソース・ドレインにおける横方向の不純物分布がデバイス特性に強く影響を与えると考えられる。本報告ではデバイスシミュレーションを用いてチャネル内最大電子速度(V_max)としきい値電圧(V_th)を導出して不純物の横方向分布がもたらす影響について検討した結果を述べる。横方向への不純物拡散は特にチャネル長20nm領域でデバイス特性に大きく影響を及ぼすことが示される。横拡散長の最適化を行った結果、デバイス縮小によって与えられる正味の性能向上が限定的であることが示される。また、high-k材料やSb,Inといった新しい不純物原子の導入が不可欠であることも述べる。