著者
佐藤 元泰 中谷 伸
出版者
特定非営利活動法人 日本電磁波エネルギー応用学会
雑誌
日本電磁波エネルギー応用学会機関誌 (ISSN:24341495)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.9-12, 2023 (Released:2023-08-15)

中谷伸君と私は、核融合中性子によって、定常運転する核融合と核分裂のハイブリッド原子炉の実現を目指しています。
著者
中谷 伸 佐藤 元泰 田中 基彦 行本 正雄
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
日本エネルギー学会誌 (ISSN:09168753)
巻号頁・発行日
vol.101, no.6, pp.108-113, 2022-06-20 (Released:2022-06-30)
参考文献数
9

高強度のマイクロ波照射下でハイドレート構造を分解するための予備実験を行った。純水とメタンを成分とする,液体窒素温度(-196℃)のメタンハイドレート(MH)に対し500 Wのマイクロ波を10秒間照射したところ,質量低下を示した。 これはMHが分解され,メタンが開放されたことによる質量低下である。MHを熱分解するには-76℃まで昇温させる必要があるが,実験では-196~-180℃の間で分解が起こった。これはマイクロ波の「仕事」による分解であると考える。
著者
冨尾 淳 佐藤 元
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
保健医療科学 (ISSN:13476459)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.243-252, 2020-08-31 (Released:2020-10-15)
参考文献数
60

目的:症例報告の法令・指針上の位置づけについて,人を対象とする研究との区別を中心にわが国と諸外国の現状を概説し,症例報告に関する今後の課題について検討した.方法:日本および主要先進国(米国,イギリス,フランス,ドイツ)の法令・指針等,学術機関・学会等の指針,主要医学雑誌の投稿規定および学術文献を参照し,症例報告の学術的な定義を確認するとともに,各国における症例報告の位置づけ(研究に該当するか否か)および,症例報告の個人情報保護に関連する規制・要件等について整理した.結果:症例報告は,日本,米国,イギリスでは,法令・指針により「診療」または「研究以外の活動」とみなされ,研究には該当しないとされていた.フランス,ドイツでは,法令・指針において症例報告についての明確な言及はなかった.いずれの国でも,症例報告の実施に際して,倫理委員会の承認を含む研究に対する規制は原則として適用されないが,症例報告の目的(研究目的か否か),施設の方針等により研究とみなされる場合もあり,規制の適用状況は一様ではないことが明らかになった.対象者の個人情報保護については,いずれの国も法令およびこれに基づく指針により匿名化と同意のプロセスが規定されており,学術誌や学会等でも同様の規定が適用されていた.結論:症例報告は,原則として研究に対する規制の適用を受けずに実施されていたが,実際は研究目的で実施される状況もありうる.医療および医学研究を取り巻く環境の変化を踏まえた上で,症例報告を定義・分類し,症例報告の目的と内容を考慮した規制枠組を構築することが望まれる.
著者
白 云哲 奥村 敏 常松 尚志 焦 其彬 小野 伸二 鈴木 さやか 黒谷 玲子 佐藤 元彦 南沢 享 石川 義弘
出版者
日本生理学会
雑誌
日本生理学会大会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.180-180, 2008

Objective: Autonomic nervous activity is altered under microgravity. Cardiac response to autonomic regulation is mostly determined by &beta;-adrenergic receptors/cAMP signal that is regulated by adenylyl cyclase (AC). We thus examined the role of a major cardiac AC isoform, type 5 AC (AC5), in the autonomic regulation of the heart under microgravity induced by parabolic flights. Methods: We used transgenic mice with either disrupted (AC5KO) or overexpressed AC5 in the heart (AC5TG), and analyzed heart rate variability during parabolic flight. Results: The standard deviation of normal R-R intervals, a marker of total autonomic variability, was significantly greater under microgravity in AC5KO while no significant changes in WT and AC5TG. LF (low frequency)/HF (high frequency), a marker of sympathetic activity, became significantly lower under microgravity in WT and AC5TG while there was no such a decrease in AC5KO. Normalized HF, a marker of parasympathetic activity, became significantly greater in WT under microgravity, and became even greater in AC5TG, while no such increase in AC5KO. Conclusions: Putting together, changes in autonomic indexes in response to microgravity were augmented in AC5TG while attenuated in AC5KO, suggesting that AC5 plays a major role in determining the magnitude of cardiac responses to autonomic regulation under microgravity. <b>[J Physiol Sci. 2008;58 Suppl:S180]</b>
著者
豊崎 浩一郎 井関 貞文 李 俊尚 佐藤 元通 渡部 祐司 河内 寛治
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.1993-1997, 2000-08-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
17

5-FUは数多くの悪性腫瘍に対して使用されているが,その副作用として心毒性はあまり指摘されていない.今回われわれは5-FU投与中に狭心症発作を頻発した症例を経験したので報告する.症例は74歳女性,心臓疾患の既往はなく,冠動脈危険因子も無い.平成10年1月膵頭体部癌に対し膵全摘術を施行し,術後22日目より化学療法(FP療法5-FU500mg/day, CDDP 6mg/day)を開始した.投与3日目に胸痛出現し心電図上虚血性変化を認めた. 5-FU中止,酸素投与,亜硝酸薬とCa拮抗薬の投与で消失した.自験例を含む報告例33例の集計では,冠動脈疾患の既往は9例,発作時に心電図上変化を認めなかった症例は11例,心原性酵素の上昇は7例に認め,投与総量と発作の相関関係は否定的であった.また,心停止も3例(うち1例死亡)も報告されており,心毒性を十分念頭においた投与の必要性が示唆された.
著者
川本 龍一 土井 貴明 山田 明弘 岡山 雅信 鶴岡 浩樹 佐藤 元美 梶井 英治
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.36, no.12, pp.861-867, 1999-12-25 (Released:2009-11-24)
参考文献数
17
被引用文献数
15 22

地域在住の高齢者を対象に, 主観的幸福感とその背景因子を解明するための横断調査を実施した. 対象は, 地域在住の自記式回答可能な高齢者であり, 調査は, 松林らの香北町健康長寿研究で用いられたと同様の Visual Analogue Scale を用いたアンケートを使って行われた.地域在住の自記式回答可能な高齢者2,379人中2,361人 (99.2%) より回答を得た. そのうち回答不備例を除く分析可能な対象は, 1,873人 (78.7%), 男性860人, 平均年齢72.7 (95%信頼区間: 72.3~73.0) 歳, 平均主観的幸福感69.1 (67.6~70.5), 女性1,013人, 平均年齢72.8 (72.4~73.1) 歳, 平均主観的幸福感68.5 (67.2~69.7) であった. 主観的幸福感と背景因子との関係については, 主観的幸福感は同居家族のいる人 (p=0.0051), 配偶者のいる人 (p=0.0240), 血圧の高くない人 (p=0.0096), 脳卒中歴のない人 (p=0.0039), 医師による定期的内服治療を受けていない人 (p=0.0039), 運動習慣のある人 (p<0.001), 仕事をしている人 (p<0.001) ほど有意に大きかった. 主観的幸福感と各種スコアーとの関係については, 主観的幸福感はADL, 情報関連機能, 手段的・情緒的支援ネットワーク, 健康状況, 食欲状況, 睡眠状況, 記憶状況, 家族関係, 友人関係, 経済状況の値が高いほど有意に大きかった (各々p<0.001). 主観的幸福感を取り巻く背景因子を説明変数とする重回帰分析では, 手段的支援ネットワーク (p<0.001), 情緒的支援ネットワーク (p=0.0254), 健康状況 (p<0.001), 記憶状況(p=0.0027), 友人関係 (p<0.001), 経済状況 (p<0.001) は有意な正の偏相関を示した. 抑うつ状態 (SDS) と主観的幸福感との関係では, SDSが重症 (高得点) になるほど主観的幸福感のスコアーは有意に小さかった (p<0.001).地域に在住する高齢者の主観的幸福感の向上のためには, 今回明かにされた背景因子の改善を計り, 今後経年的に経過をみて行くことが必要であろう.
著者
佐藤 元
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
保健医療科学 = Journal of the National Institute of Public Health (ISSN:13476459)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.292-296, 2015-08

医薬品の開発段階また新薬承認(上市)後の有効性・副作用監視においては,患者・一般国民の医薬品開発過程に関する理解,また臨床研究(試験)への参加・協力が不可欠である.そのため,臨床研究の公正確保,また出版バイアスの防止を主目的として,これらの事前登録制度が導入された.さらに,臨床研究(試験)に関する情報公開・普及啓発は重要な政策課題とされ,臨床研究(試験)登録情報の一般公開,さらに情報検索システムの利便性向上が求められるようになった.試験登録機関のみならず,先進医療の研究開発において大きな役割が期待されている国立高度専門医療センターや国立病院機構,各種研究・教育機関,製薬企業(団体),患者団体など多岐にわたる機関の取り組みが望まれている所以である.本稿は,我が国の臨床研究(試験)登録制度の歴史,情報の公開・利用促進が求められる背景を概説し,今後の課題を論ずる.
著者
高 夢璇 佐藤 元重 池谷 裕二
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.138, no.6, pp.809-813, 2018-06-01 (Released:2018-06-01)
参考文献数
7
被引用文献数
2

During the preclinical research period of drug development, animal testing is widely used to help screen out a drug's dangerous side effects. However, it remains difficult to predict side effects within the central nervous system. Here, we introduce a machine learning-based in vitro system designed to detect seizure-inducing side effects before clinical trial. We recorded local field potentials from the CA1 alveus in acute mouse neocortico-hippocampal slices that were bath-perfused with each of 14 different drugs, and at 5 different concentrations of each drug. For each of these experimental conditions, we collected seizure-like neuronal activity and merged their waveforms as one graphic image, which was further converted into a feature vector using Caffe, an open framework for deep learning. In the space of the first two principal components, the support vector machine completely separated the vectors (i.e., doses of individual drugs) that induced seizure-like events, and identified diphenhydramine, enoxacin, strychnine and theophylline as “seizure-inducing” drugs, which have indeed been reported to induce seizures in clinical situations. Thus, this artificial intelligence-based classification may provide a new platform to pre-clinically detect seizure-inducing side effects of drugs.
著者
佐藤 元泰 三井 利幸
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.4, pp.349-354, 1993-04-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
5

ニトラゼパムおよびジアゼパムをガスクβマトグラフ質量分析計(GC1MS)で測定後,得られた複数のフラグメントイオンのイオン強度を用いて,多変量解析法によりそれぞれの定量を行った。定量計算に使用するニトラゼパム,ジアゼパムおよび内部標準物質として用いたドトリア=ンタン(n-Cs2H66)の複数のフラグメントイオンは,数墨化理論第IV類を用いて抽出した。次に,抽出された複数のフラグメントイオンのイオン強度を基にして,クラスター分析,偏差値からのクラスター分析および主成分分析を行い,未知試料がどの既知試料に最も類似しているかを明らかにした。さらに,主成分分析から得られる主成分得点と固有殖を用いて,正確に未知試料の濃度を決定した。計算されたニトラゼパムおよびジアゼパムの濃度は,理論値とほぼ一致し,精度の高い定量が可能となった。