著者
山本 哲也 佐藤 寛 串崎 真志
出版者
関西大学大学院心理学研究科
雑誌
関西大学心理学研究 (ISSN:21850070)
巻号頁・発行日
no.5, pp.51-56, 2014-03

This article was intended to showcase an interdisciplinary approach—including psychology, psychiatry, cognitive neuroscience, neurobiology, molecular biology, and genetics. This approach might have the capability of facilitating a more mechanistic understanding of the neural basis of mental events and improving mental well-being, as well as diagnosis and treatment of mental disease. We suggest that future research will be key to performing multilevel integrative research in psychology.
著者
佐藤 寛 渡邊 裕亮 佐藤 美幸
出版者
関西大学大学院心理学研究科
雑誌
関西大学心理学研究 (ISSN:21850070)
巻号頁・発行日
no.5, pp.11-16, 2014-03

The purpose of this study was to evaluate the quality of Japanese websites that provide information about the treatment of eating disorders. Web searches were conducted using Yahoo! Japan and Google Japan. Two reviewers evaluated whether the websites were evidence based. A total of 41.9% (13/31) of the websites on anorexia nervosa and 57.1% (16/28) of the websites on bulimia nervosa were evaluated as evidence based. An assessment on accountability revealed that the overall quality of most of the websites was poor.
著者
佐藤 寛晃
出版者
産業医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

重症度の異なる4群の出血性ショックモデルを作製し,同ショック時の肺障害の重症度と好中球の出現頻度との関係について検討を行った。出血後,炎症性サイトカインである tumor- necrosis factor(TNF)-αおよびinterleukin(IL)-1βのmRNAの肺実質における発現および肺静脈血中濃度が出血量の増加に応じて強く上昇し,出血5時間後の肺実質における好中球の出現頻度も増加した。また,機能的肺障害を反映するpartial pressure of arterial oxygen (PaO_2)およびalveolar-arterial oxygen tension difference (A-aDO_2)は出血量に応じて増悪し,器質的肺障害を反映する血清lactic dehydrogenase-3 isozyme (LDH-3)濃度は出血量の増加に応じて上昇した。出血5時間後では好中球の出現頻度と血清LDH-3濃度とに正の相関関係が認められ,出血性ショック後の肺障害の重症度と好中球の出現頻度との関連性を明らかにすることができ,出血量の増加に応じた炎症性サイトカインの上昇が一連の病態に関与することが明らかとなった。
著者
佐藤 寛子 羽山 伸一 高橋 公正
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.81-86, 2007
参考文献数
22

ダイオキシン類は,実験動物あるいは野生生物が暴露した場合,甲状腺の機能や形態に影響を及ぼす。今回我々は野生ニホンザル(Macaca fuscata)の甲状腺におけるダイオキシン類の影響について報告する。野生サルはヒトの居住地の周辺で生活しており,生物分類学的にヒトに最も近い動物種である。野生サルの脂肪組織,肝臓,骨格筋からダイオキシン類(PCDDs,PCDFs,Co-PCBs)の残留濃度を分析した。また,甲状腺については病理組織学的に検索し,画像解析を用いて濾胞上皮細胞の肥大を定量的に評価した。PCDDs,PCDFs,Co-PCBsの残留濃度はいずれも0.2〜26pgTEQ/g-fatの範囲だった。病理組織学的検索において,TEQに関連した甲状腺の変化は認められなかった。さらに,濾胞の数や濾胞上皮細胞の大きさにもTEQに関連した変化は認められなかった。このように,野生ニホンザルは自然環境からダイオキシン類に暴露されてはいたが,検出されたレベルでは甲状腺の機能や形態に影響を及ぼさなかったと考えられた。
著者
河田 惠昭 林 春男 柄谷 友香 寶 馨 中川 一 越村 俊一 佐藤 寛 渡辺 正幸 角田 宇子
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

フィリッピンのイロコス・ノルテ州を流れるラオアグ川を対象として,発展途上国の開発と防災戦略の事例研究を実施した.この州とラオアグ市にとってはコンクリート製の連続堤防はいくつかの点で歓迎すべき構造物である.それは,台風のたびに発生していた洪水や浸水から開放されること,第二に旧河道や氾濫原において氾濫を」前提としない開発が可能になること,第三に頻繁な維持管理を必要としない構造物は,行政の維持管理能力の低さを補うことができることである.しかし,異常な想定外の外力が働いた場合,氾濫を前提としない開発や生活が被災し,未曾有になる恐れがある.援助側の技術者は,非構造物対策,すなわち,1)構造物を長期にわたって維持管理するための対策,2)住民の防災意識を高めるための対策,3)気象情報の収集と伝達,危険地域の把握,避難勧告など被害抑止のための対策,4)救援活動など被害軽減のための対策が含まれることを知らなければならない.すべての対策において,援助が何らかの役割を果たすためには,まず行政や住民の災害への対応の現状と過去を知る必要がある.調査期間中,台風が来襲し,堤防が決壊し被害が発生した.その原因としては,堤防建設技術の未熟さが指摘でき,防災構造物建設のための必要な知識や技術の取得と移転,実際の建設時における遵守など,構造物を根付かせるための対策も援助側は考えなければならないことがわかった.援助側の技術者は,非構造物対策を考慮に入れた上で,どのような構造物が地域に根付くかを計画する必要がある.そのためには社会を研究している専門家の参加を得て,地域の履歴を知ることは開発援助ではとくに重要である.それは,1)記憶の蓄積と共有化,2)被災者像,3)防災意識の向上の過程,4)防災対策の有無,5)被災者の生活・生計を誰が助けたのか,6)復旧における住民の労働力提供の有無を調べることは価値がある.
著者
宇田川 拓雄 辰己 佳寿子 浜本 篤史 鈴木 紀 佐藤 寛 佐野 麻由子 黒川 清登 RAMPISELA Dorothea Agnes 鯉沼 葉子 島田 めぐみ 片山 浩樹 斎藤 文彦 佐藤 裕 KIM Tae Eun KIM So-young 多田 知幸 MULYO Sumedi Andorono 中嶋 浩介 RUSNADI Padjung YULASWATI Vivi
出版者
北海道教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

開発援助では様々な社会調査が実施され評価に利用されている。参加型調査、民族誌作成、フォーカスグループディスカッションなど標準的な調査法以外の手法も使われている。JICAの評価システムは構造上、広汎な長期的インパクトの把握が難しい。また、質の高い調査データが必ずしも得られていないため、評価団がポジティブな現状追認型評価を行なった例も見られた。調査の倫理をしっかりと踏まえた評価調査法の開発と普及が望まれる。
著者
足立 明 花田 昌宣 子島 進 平松 幸三 佐藤 寛 山本 太郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究の目的は、開発過程を総合的に記録・記述する民族誌的プロセス・ドキュメンテーションの可能性を検討するところにある。いうまでもなく、開発は、開発援助機関、プロジェクトマネージャー、受益者といった直接のアクターのみならず、それを取り巻く多様なアクターとの関わりで、紆余曲折しながら進行していく。それは「複雑系」といってよい過程である。本研究は、参加型開発での現地調査をとおして、開発過程を記録し記述する手法を学際的に検討し、開発研究者や開発実務者のみならず、開発の受益者にも利用可能となるような汎用的記録法の可能性をさぐることを目的としていた。平成14年度は方法論的としてのアクター・ネットワーク論を議論した。平成15年度、16年度は、すでに検討した方法論をふまえて、開発プロジェクトの参与観察を行った。なお、現段階で収集した資料の整理がすべて終わったわけではないが、これまでに判明した点は以下である。1.調査を始めて見た結果、この研究はきわめて「時間のかかる」仕事であるということを実感した。たとえ実験的なプロセス・ドキュメンテーションの調査であっても、数週間から1ヶ月程度の期間でできることはきわめて不十分で、博士課程の院生が全力で取り組むような規模の研究課題である。2.方法論的な検討の結果、アクター・ネットワーク論は有効であることが分かった。例えば、「参加型」というフレームの成立、安定化、揺らぎを、アクターを追うことで、参加型開発の「公的台本」と「隠された台本」を見いだしうる。3.しかし、アクター・ネットワーク論的方法論を、事後的に使ってプロセス・ドキュメンテーションを描くことは、異種混交なアクター間の微妙な相互作用を見落としがちであり、事後的な分析ではなく、「アクターを追う」ことで、このような調査を継続し、方法論的な検討を深める必要がある。
著者
劉 柏立 佐藤 寛
出版者
中央学院大学
雑誌
中央学院大学社会システム研究所紀要 (ISSN:13462083)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.217-229, 2008-03

After 9.11 Terrorism in the United States in 2001, every countries and regions became markedly sensitive to terrorism. Global trades have also been forced to prepare strategies for terrorism. Under these conditions, the general assembly of World Customs Organization (WCO) adopted the "Basic Framework of Standards to Secure and Facilitate Global Trade" in June, 2005. In addition, Asia-Pacific Economic Cooperation (APEC) adopted the APEC Framework (Implementation of APEC Framework Based on the WCO Framework of Standards to Secure and Facilitate the Global Trade ) . This article analyzes the outline and background of the Framework of WCO, and discusses the practical experience of Japan on Authorized Economic Operators (AEO), the core of the Framework.
著者
佐藤 寛子
出版者
日本幼稚園協会
雑誌
幼児の教育
巻号頁・発行日
vol.105, no.10, pp.26-31, 2006-10
著者
佐藤 寛久 鈴木 洋子 山本 猛嗣
出版者
ダイヤモンド社
雑誌
週刊ダイヤモンド
巻号頁・発行日
vol.98, no.24, pp.24-63,66〜67, 2010-06-05
著者
佐藤寛
雑誌
行動療法研究
巻号頁・発行日
vol.32, pp.31-44, 2006
被引用文献数
1
著者
佐藤 寛 新井 邦二郎
出版者
筑波大学発達臨床心理相談室
雑誌
筑波大学発達臨床心理学研究
巻号頁・発行日
vol.14, pp.85-91, 2002
被引用文献数
2

近年,児童期の子どもにおいて抑うつは重大な精神的健康に関する問題であることが指摘されており,数多くの研究が行われている(e.g.,Kendall,Cantwell,& Kazdin,1989;黒田・桜井,2001;Stark,Sander,Yancy,Bronik,& Hoke,2000)。児童期において,抑うつ傾向の高さは学業成績の低下 ...
著者
佐藤 寛 新井 邦二郎
出版者
筑波大学心理学系
雑誌
筑波大学心理学研究 (ISSN:09158952)
巻号頁・発行日
no.25, pp.123-128, 2003-02-28

The purpose of this study is to compare and investigate models for a Japanese version of Depression Self-Raing Scale for Children (DSRS) through confirmatory factor analysis. The partocopants were 1375 elementary school ...
著者
佐藤 寛 新井 邦二郎
出版者
筑波大学発達臨床心理相談室
雑誌
筑波大学発達臨床心理学研究
巻号頁・発行日
vol.15, pp.37-43, 2003

不安障害とうつ病性障害は,児童期の子どもに見られる精神的問題の中でも有病率が比較的高く,長期にわたって維持される深刻な疾患であることが指摘されている(Ollendick & King,1994)。例えば,Anderoson,Williams,McGee, & Silva(1987)は,8~12%の児童が何らかの不安障害を抱えていることを報告している。また,うつ病性障害の診断基準 ...
著者
佐藤 寛修 阿部 清彦 大山 実 大井 尚一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.507, pp.15-20, 2006-01-05
被引用文献数
7

筆者らは, 自然光下でビデオカメラ1台とパソコンのみによる, 重度肢体不自由者向けの視線入力システムについて研究している.その応用として, コミュニケーション支援を目的に, 12個で構成される複数の指標群を切り換えることにより文字を直接選択する方式の, かな漢字変換が可能な文字入力システムの開発についてすでに報告している.このシステムを拡張して, ファイル操作や各種アプリケーション操作などWindowsの汎用的な操作機能をもつ視線入力システムを開発した.本システムは日本語文字入力を含むWindowsのすべての操作が視線のみで可能であり, 汎用的なコンピュータ操作支援システムとして完成させることができた.