著者
小出 晃 佐藤 一雄 田中 伸司 加藤 重雄
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.547-551, 1995-04-05
被引用文献数
1 8

The use of hemispherical concave specimen is proposed to evaluate orientation-dependent etch rate of single crystal silicon. Etch rate is calculated from dimensional change of the hemisphere during etching. Etch rate distribution to the total orientation has been obtained for the etchant of 40wt%KOH aqua solution. The orientation showing maximum etch rate was [110] at 40°C. It deviates from [110] with an increase of temperature. The maximum point seems to move toward [320]. This fact indicates that the etched profile varies with etching temperature even when the etchant and the initial masking pattern are the same. The effect of temperature on the etch profile is experimentally proved. Variation in etch profile according to the change in temperature is theoretically explained by the etch rate data.
著者
加藤 恭郎 渡辺 孝 前田 哲生 垣本 佳士
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.745-751, 2011-06-01 (Released:2011-06-21)
参考文献数
12

わが国においてスターチ腹膜炎についての認識は低く,パウダーフリーの手術用手袋の普及も進んでいない.今回,虫垂切除後にスターチ腹膜炎を発症し,その後の経過を長期に観察しえた1例を経験したので報告する.症例は16歳女性で,1994年,虫垂炎に対し虫垂切除を行った.術後9日目から小腸通過障害をおこし,12日目に腹腔鏡下癒着剥離術を行った.黄色混濁腹水と腹膜小結節を認めた.腹水の培養は陰性であった.術後発熱と高い炎症反応が続いた.CTで腹水の貯留と腸間膜の肥厚を認めた.手袋のパウダーでの皮内反応が陽性であった.スターチ腹膜炎と判断しステロイド投与を行ったところ炎症反応は低下し,腹水も消失した.その後も小腸通過障害,複数回の腹痛があったがいずれも保存的に軽快した.スターチ腹膜炎が長期にわたり患者のQOLを悪化させた可能性があった.今後パウダーフリーの手術用手袋を普及させる必要があると思われた.
著者
岡田 浩佑 山口 弓子 鎌田 七男 岡田 正浩 加藤 重子 佐々木 秀美
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.396-403, 2016-10-25 (Released:2016-11-24)
参考文献数
28
被引用文献数
1

目的:われわれは,多剤処方(Polypharmacy)に関する研究の一環として,高齢者に対する必要性の低い薬剤,特に抗潰瘍薬につき検討を行った.方法:原爆養護ホーム神田山やすらぎ園の2012年4月~2015年11月の入園者160名について,必要性の低い薬剤,特に抗潰瘍薬の節減に関連して,プロトンポンプ阻害薬の長期間内服者の便ピロリ菌抗原,血中抗体,血清ペプシノゲンIおよびIIを測定した.結果:2012年4月と2014年8月時点での6剤以上使用者は,それぞれ55.2%と49.0%で,抗潰瘍薬の使用者は,それぞれ50.0%と49.0%であった.抗潰瘍薬使用者のうち20名について,ピロリ菌やペプシノゲンについての測定を行ったが,その測定結果は抗潰瘍薬使用の継続や中止の判断に役立たなかった.むしろ,自覚的症状,他覚的徴候にもとづき中止を試みたところ,抗潰瘍薬使用者の多くが中止可能で6.0%になった.結論:特別養護施設において,多剤処方の形で最も頻繁に使用されている抗潰瘍薬は,入園者がステロイド薬服用中その他特別の状態であることを除けば,自覚症状や他覚的徴候のもとに多くの場合,使用中止が可能であると判断された.すでに実施した利尿薬節減による転倒骨折の減少効果,高カリウム血症治療薬の使用中止,造血薬葉酸の使用中止などを参考に,今後,高齢者の睡眠薬,下剤,その他の薬剤使用の改善について検討することが必要である.
著者
加藤 隆 カトウ タカシ KATO Takashi
出版者
千葉大学文学部 国際言語文化学科 比較文化論講座
雑誌
千葉大学比較文化研究
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-36, 2015-08-21

創世記4,1-16 テキスト文脈の中での「カインとアベル」のエピソードのつながりの悪さ独立した物語としての「カインとアベル」のエピソードについての作業仮説アベル神とカイン結論
著者
加藤 利康 石川 孝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.2, pp.1-8, 2013-06-29

多数の学生が個々に PC を使うプログラミング演習の授業を支援するプログラミング演習支援システムでは,演習の課題に対する学生の作業進度や学生が抱える多様な問題などの学習状況を教員がリアルタイムに把握することが課題となっている.本論文は,ネットワーク環境のある教室での授業支援を目的としたプログラミング演習支援システムにおいて,課題の解答開始から提出までの作業ごとのクラス全体の学習状況と個別学生の学習状況に関する情報を教員にリアルタイムに提供する学習状況把握機能を提案する.この提案機能は,クラス全体の作業進度と作業履歴,コンパイルエラー分類,作業進度の遅れ情報を提供する.実際の授業においてプロトタイプシステムを用いて提案機能の有効性を評価した結果,授業中の教員の指導内容の約半数が学習状況把握機能の利用に起因しており,作業進度に合わせた指導を行なっていることから,提案機能はプログラミング演習におけるリアルタイム学習状況把握に有効である.That in programming practicum support system, teachers are real-time visibility into the status of student learning and work progress to the problem of exercises is an issue. In this paper, propose a learning condition ascertainment functions provided to teachers to real-time information about the work of individual students and work of the whole class. This proposal function provides a delay information work progress of the whole class, work history, compile error classification, the work progress. The results of the evaluation experiment of effectiveness, about half of the teaching content is due to the use of learning condition ascertainment function in an actual class. In addition, the proposed functions is effective in real-time condition ascertainment in learning programming exercises from the fact that teachers are teaching to fit the work progress.
著者
赤澤堅造 真殿 隼 星野 佑一 加藤大貴 神谷善三 奥野 竜平
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.50, pp.61-64, 2008-05-21

現在,中高年者で楽器の演奏を楽しみたいという希望を持つ人が増えている.本研究室では,開発コンセプトを,"難しい楽曲でも簡単に演奏できる","演奏を楽しめる","上達が出来る"の 3 つとした,バリアフリーの楽譜内蔵型電子楽器 Cymis (Cyber musical instrument with score) の基本システムを開発してきた.本発表では練習には時間を要するが,ボーイングを模擬した動作によりピチカートやアルコなどのバイオリン音による楽曲演奏が可能な弦型 Cymis について発表する.また 6 名の被験者による演奏実験と評価実験を行い,上記のコンセプトに合致した結果を得た.We have developed a barrier-free type of new musical instrument "Cyber musical instrument with score (Cymis)", that the middle and elderly people could play music easily, and joyfully. However, it was difficult for players to control volume of sound with finger pressure. The purpose of this study was to develop a string-type Cymis (Cymis窶都tring) enabling performance of arco and pizzicato with bowing-like motion. Six healthy volunteer subjects played various sorts of musical compositions for an experiment. It was showed that they could play music with Cymis窶都tring and enjoy it.
著者
加藤 良徳
出版者
日本語学会
雑誌
国語学 (ISSN:04913337)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.31-41, 2001-03

藤原定家以前の仮名文書記史について,「システムの変遷」という視点から考察した。「システムの変遷」の面から見ると,定家と定家以前とでは大きな違いが認められる。定家以前には「文節」を示すために連綿を使っていたのを,定家が連綿と「異体文字遣」とによって示す方式に「改新」した点である。定家による仮名文書記システム「改新」の目的を,書記システム内,およびシステム外的条件を洗い出すなかで明らかにした。当時の歌壇では,歌書などの一字一句が重要視されていたので,一字一字をしっかりと表記することが必要となった(システム外的条件)。そこで定家は,平安末頃までに連綿の続き方がほぼ固定していた異体仮名について,例外をなくし,厳密に連綿の仕方を統一した上で,「異体文字遣」に利用した(システム内的条件)。連綿の使用を減らしながらも語句の境界を標示できる方法として,「異体文字遣」が選ばれたのである(「改新」の目的)。
著者
加藤 一夫 鈴木 博
出版者
横浜国立大学教育学部附属理科教育実習施設
雑誌
横浜国立大学教育学部理科教育実習施設研究報告
巻号頁・発行日
no.2, pp.1-8, 1985-03-25

ヒライソガニにおける胸脚除去に伴う脱皮間期の短縮は,脚除去の数の増加にしたがって顕著となる。これはアカテガニにおける研究結果と類似する。多くの脚除去は第1回目の脱皮に続く第2回目の脱皮間期の短縮も誘発する傾向が認められる。脱皮による体長の増加率は,対象では17.5%であったが,脚除去数に伴ってその値は減少し,すべての胸脚を除去した状態ではその値は1%であった。