著者
粟津原 宏子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.114-118, 1982-06-20
被引用文献数
3

卵の熱凝固性に関する基礎的研究として、卵白、卵黄、生卵の各希釈液に食塩(0, 0.5, 1.0, 1.5, 2.0, 2.5%)砂糖(0, 10, 20, 30%)を添加した場合の凝固力の変化および食塩添加による凝固温度の変化を調べた。1.食塩は卵白、卵黄の凝固力に対して全く異なった影響を与えた。卵白では0.5%でも無添加に比べて凝固力は著しく促進され、1.0%で最高となるが、添加量による差は小さかった。卵黄では1.0%添加まではあまり影響がなく、1.5〜2.0%で著しく凝固が促進された。全卵は食塩添加量の増加に従い凝固力を増したが、その変化は卵白、卵黄における、変化をほぼ反映しているようであった。2.砂糖添加の影響は卵白で最も大きくゼリー強度が著しく減少した。卵黄も砂糖添加によりゼリー強度がかなり減少したが、全卵では減少の程度が小さかった。硬さは卵白、卵黄、全卵共同じように低下し、卵白ではゼリー強度の減少の割に硬さの低下が小さかった。3.凝固温度は卵白、卵黄、全卵共食塩量の増加と共に上昇し、特に卵白に食塩1.5%以上添加した場合には著しく上昇した。
著者
眞島 崇 大原 宏司
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
pp.17-00167, (Released:2017-11-09)
参考文献数
16
被引用文献数
2

The scope of pharmaceutical education in Japan has been expanding, and with it an awareness of the importance of team medical care. However, pharmaceutical education still gives little attention to the psychosocial aspects of care, instead focusing on the structures and functions of drugs. In contrast, nursing education emphasizes the fact that medical care involves patients' family and significant others as much as the patients themselves, and thus nursing students are taught the basic needs and developmental stages of those people requiring care alongside their practical nursing skills. In this study, we examined the effect of incorporating certain aspects of introductory nursing education into pharmaceutical education on the self-efficacy of pharmaceutical students. We thus ran an introduction to nursing education course for fourth-year pharmaceutical students (n=86). After the course had finished, we surveyed students about the course. Approximately 94.2% of the students became more interested in team medical care and nearly all (98.8%) thought that what they had learned in the course would be useful in their career. The results indicated that the introduction to nursing education course offered students an opportunity to acquire different viewpoints on clinical situations because the lectures were given by a pharmacist with a nurse license and they were based on his clinical experiences. We therefore propose that more facets of introductory nursing education be incorporated into pharmaceutical education to help students develop their ability to consider patients' psychosocial backgrounds.
著者
上杉 邦憲 平尾 邦雄 林 友直 原 宏徳 山本 東光 升本 喜就 折井 武 上村 正幸
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.17-31, 1987-03

「さきがけ」, 「すいせい」両探査機に対する科学観測ミッションからの要求, 重量, 電力, 通信, 熱設計等工学上の諸要求と制限を考慮したシステム設計及び打上げ後の運用結果によるその評価について述べる。
著者
高坂 和久 小沢 総一郎 檀原 宏
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.20, no.12, pp.559-566, 1973

0.5Mrad照射後3日目までは,色沢の劣化はみられないが,咀しゃくないしのど越し時に,微かに照射臭が認められた。<BR>しかし,7日目ぐらいになると,照射ソーセージは退色を示し,色沢の劣化が認められた。一方,照射臭は薄くなり,よほど注意しないとわからない程度であった。<BR>この間,外観,肉質には全く変化がみられなかった。<BR>調理条件を変えた場合,嗜好性は,照射非照射間にわずかの差を生じたが,照射臭は湯煮処理(80℃5~7分)がもっとも識別を困難とし,冷時と油いためは,注意して比較すれば,識別ができる程度であった。<BR>以上の結果から,ウィンナーソーセージにγ線を0.5Mrad照射した場合,照射後2~3日目までは照射臭がわずかに残るが,嗜好性を根本的に変化させるほどではなく,調理条件によっては,さらに低減し得ることがわかった。
著者
江原 宏幸 押切 正浩 山梨 智史 森井 利幸 佐藤 薫 吉田 幸司
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.196-207, 2008-04-01
参考文献数
28

変換予測符号化に基づく32kbit/sのスケーラブル符号化方式を開発した。本方式では,広帯域(0.05〜7kHz)の入力信号の線形予測分析・符号化を行い,変形離散余弦変換を用いて予測残差信号の符号化を行う。高品質な電話帯域(0.3〜3.4kHz)の音声符号化方式に1,2kbit/sの帯域拡張と4kbit/s刻みの変換符号化を組み合わせた。電話帯域の音声符号化は6.8kbit/sの符号励振線形予測符号化で行い,G.729 Annex E(11.8kbit/s)相当の品質を達成した。更に,8kbit/sでG.722,2(8.85kbit/s)相当の広帯域品質を達成し,音楽信号に対してはG.729.1を上回ることを確認した。
著者
粟津原 宏子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.114-118, 1982-06-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
7
被引用文献数
2

卵の熱凝固性に関する基礎的研究として,卵白,卵黄,全卵の各希釈液に食塩(0,0.5,1.0,1.5,2.0,2.5%),砂糖(0,10,20,30%)を添加した場合の凝固力の変化および食塩添加による凝固温度の変化を調べた.1.食塩は卵白,卵黄の凝固に対して全く異なった影響を与えた.卵白では0.5%でも無添加に比べて凝固力は著しく促進され,1.0%で最高となるが,添加量による差は小さかった.卵黄では1.0%添加まではあまり影響がなく,1.5~2.0%で著しく凝固が促進された.全卵は食塩添加量の増加に従い凝固力を増したが,その変化は卵白,卵黄における変化をほぼ反映しているようであった.2.砂糖添加の影響は卵白で最も大きくゼリー強度が著しく減少した.卵黄も砂糖添加によリゼリー強度がかなり減少したが,全卵では減少の程度が小さかった.硬さは卵白,卵黄,全卵共同じように低下し,卵白ではゼリー強度の減少の割に硬さの低下が小さかった.3.凝固温度は卵白,卵黄,全卵共食塩量の増加と共に上昇し,特に卵白に食塩1.5%以上添加した場合には著しく上昇した.
著者
佐原 宏典 鈴木 信義
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
航空宇宙技術 (ISSN:18840477)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.57-62, 2010 (Released:2010-10-21)
参考文献数
4

Microsatellites are now in vogue in the world and propulsion will be desired for the more complicated space mission with them. We have been devoting ourselves to develop a propulsion system based on hydrogen peroxide solution with middle-level concentration and tested it for several years, and are now working on price reduction of the propulsion system with the view of a budget of satellite development. One of the key elements of the propulsion for the price reduction is a bladder to pressure liquid propellant, and we confirmed a COTS bladder is practicable with respect to storage performance of hydrogen peroxide and application way of pressure in this study.
著者
藤井 智香子 岡田 あゆみ 重安 良恵 塚原 宏一
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.57-63, 2021 (Released:2021-01-01)
参考文献数
22

過敏性腸症候群 (irritable bowel syndrome : IBS) は児童・思春期の代表的な機能性消化管疾患であるが, その実態については不明な点も多い. IBSは心理的ストレスの影響を受けやすく, 患者の心理社会的背景を理解することは適切な治療介入につながると考えられる. 児童・思春期のIBS患者の特徴を明らかにすることを目的に, 岡山大学病院小児科を受診したIBS患者のうち発症が18歳以下であった69例の性別や併存疾患などの特徴について検討を行った. 男性35例, 女性34例で, 59例は不登校状態にあり, 外出困難をきたしている症例もあった. 併存疾患として起立性調節障害やアレルギー性疾患を有する症例が多く, 24例が自閉スペクトラム症 (autism spectrum disorder : ASD) の診断を受けていた. ASDの感覚過敏やこだわりが強いという特性が, 症状の遷延や訴えの増加につながる可能性があり, 発達特性に留意して診療を行うことが必要であると考えられた. また男性に外出困難を伴う症例を多く認め, このような症例では特に, 環境調整や心理療法を含めた対応が有効だった.
著者
松原 宏
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.455-476, 1984-07-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
47
被引用文献数
1

本稿では,大手不動産資本によるオフィス形成の特徴や役割を明らかにするため,オフィスビルの配置,テナントの特徴,都市形成への影響の3点について検討を行なった. 先発で東京都心部に大量の土地を所有する三菱地所は,丸の内に一点集中的にビルを配置させ,オフィス街を形成してきた.これに対し,三井不動産は所有地の少なさを超高層ビルによる点的開発で補い,オフィス空間の拡大を図った.そして両社とも,おのおののグループ企業の本社・支所の拠点を形成してきた.一方,後発の日本生命は,地方中核都市などに分散的にビルを配置させ,急成長で多事業所を必要とする企業に空間を提供した.また,森ビルは港区虎ノ門周辺で,戦前からの所有地を基盤に,住宅・商店と混在するかたちでビルを建設し,対事業所サービス関連企業を主なテナントとしてきた. このように,系列,参入時期,土地所有によりオフィス空間の形成はさまざまであるが,大手不動産資本は,オフィスのより一層の集積を可能にし,あわせて都心形成を特徴的におしすすめてきたのである.
著者
佐原 宏典 荒井 康雄
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.145-152, 2016 (Released:2016-06-05)
参考文献数
24
被引用文献数
1

This paper proposes a way of quantitative evaluation for a system with design complexity defined by cyclomatic number, coupling, cohesion, scales of system and subsystems, and the number of interface and communication. Though the design complexity would eventually apply to the calculation of reliableness, it essentially enables a comparison between systems. Here, we adopted the design complexity to Japanese microsatellites, and obtained their characteristics and a guideline to improve them. Furthermore, we found a relation between the design complexity and success level of missions accomplished by the microsatellites, i.e. we should have an option to reduce the design complexity in order to increase the success level of a satellite. Thus, the design complexity affects the reliableness in reliability assessment or resource allocation in a project, so that it would establish an applicable reliability assessment specialized for microsatellite, so-called Hodoyoshi Reliability Assessment.
著者
笹原 宏之
出版者
国立国語研究所
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1997

小地名の大規模な資料として、『国土行政区画総覧』1995.08現在号を基礎資料とし、そこに記された小字・通称地名のうち、国語資料としての価値が高いと考えられるものについて、文字列と読みと所在を入力した。さらに微細地名・消滅地名における用例を補うため、同書初号、除去号、『角川日本地名大辞典』所載「小字一覧」 (約300万件)などを補助資料とし、その小地名使用漢字の全数を調査し、用例を引き出し、入力した。『国土』のチェックは継続中であるが、『角川』の小字からの入力は完了した。「全国町・字ファイル」は適宜参照した。ほかに、『朝日新聞』や高校教科書、個人の記憶内における地名の漢字などについての調査も追加した。これと並行して関連資料の購入を始め、その内容について分類・整理を行った。この結果、地名特有の字や音訓かと思われていたものでも、実際には歴史的な資料などに存在していた例が、いくつも確認された。これらの分析を進め、調査研究の結果を発表した。この成果は一例に過ぎず、さらに調査を継続している。1 「アゼ」の方言形の分布と、「畦」 「畔」の地名訓の分布とを取り上げ、比較検討した結果、方言資料では覆えなかったり、さかのぼれない方言形の分布や方言釧多数を確認した調査は、国立国語研究所の論集に論文として掲載。2、 「町」 「村」の読み方の地域差について専門誌に寄稿。3、 「艝」 (そり) 「轌」 (そり)「鱈」など「雪」を含む地名国字の歴史と分布を論文として、商業誌に寄稿。4、 「范」 (やち) 「葛」など『朝日新聞』に現れた地名とその字体、頻度などについて論文をまとめ、学会誌に投稿。5、 「蛎」 (かき) 「砺」 (と) 「辻」 「鈬」 (ぬで) 「粐」 (ぬか)など地名に使われる字などの字体に対する選択行動について論文にまとめ、学会誌に投稿。