著者
櫻井 聖大 山田 周 北田 真己 橋本 聡 原田 正公 木村 文彦 高橋 毅
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.132-140, 2013-03-15 (Released:2013-05-29)
参考文献数
22
被引用文献数
1 2

重症感染症ではしばしばdisseminated intravascular coagulation(DIC)を合併することで虚血性の多臓器障害を惹起し,その予後は不良となる。感染症自体のコントロールと適切な抗DIC療法を併せて行うことが重要である。わが国において現在,感染性DICにおいて最も推奨される抗DIC薬はアンチトロンビン(AT)製剤であるが,最近リコンビナントトロンボモデュリン(rTM)製剤の有効性が相次いで報告されている。当院で治療を行った感染性DIC症例に対して後ろ向きに調査し,rTM単独投与群と,rTMとAT併用投与群での臨床効果の比較検討を行った。両群間で患者背景や治療開始時の重症度には有意差はなく,DIC離脱率,7日以内のDIC離脱率,28日後生存率といった予後にも有意差を認めなかった。また血液検査での炎症系マーカー,凝固・線溶系マーカー,日本救急医学会の急性期DIC診断基準のスコア(以下,急性期DICスコア)は,rTM投与により有意に改善したが,rTM単独群とAT併用群の両群間では,その改善の程度に有意差を認めなかった。以上のことから,rTMにATを併用しても必ずしも予後の改善に結びつくとは限らず,rTM単剤でも臨床効果が期待できる可能性があると思われた。
著者
原田 隆郎
雑誌
土木学会誌 (ISSN:0021468X)
巻号頁・発行日
vol.93, no.6, 2008-06-15
著者
山下 芳典 原田 洋明 桑原 正樹 半田 良憲 窪田 真喜子 大河内 友美 宮武 志保 井手 孝 白野 容子 高松 理央 槙田 香子 高濱 みほ 中尾 淳一 道広 博之 峯本 譲
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.1339-1345, 2014 (Released:2014-12-20)
参考文献数
20
被引用文献数
1

高齢者肺がんはサルコぺニア,COPDをはじめさまざまな併存疾患を有する点が課題であり,短い術前の期間をいかに効率的に利用するか,消化管は扱わない手術である利点をいかに活用するかが重要な対策と考えられた.胸腔鏡による内視鏡手術を軸とした術前の包括的リハビリテーションと術後の超早期離床・経口摂取を加えたinterdisciplinary team approachによるA-ERAS法による周術期管理を紹介した.高齢者肺がんに対し,包括的リハビリテーションにより術後合併症が減少し,胸腔鏡手術により術後創部痛の軽減から早期の退院が可能となり,術当日の超早期離床・経口摂取により術後早期のADLが向上した.A-ERAS法は肺がん術後の回復促進の観点から臨床効果と忍容性が確認され,すでに当院では臨床の場で実践されている.
著者
佐藤 翔 安藤 大輝 川瀬 直人 北島 顕正 塩崎 亮 那珂 元 原田 隆史
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.244-261, 2015-11-01

本研究では国立国会図書館サーチのアクセスログに基づき,利用者の簡易検索,詳細検索,ファセット検索の利用状況を分析した。その目的は「シンプルなキーワードでざっくり検索してから,検索結果をさまざまな機能で絞り込む」というディスカバリサービスの想定利用スタイルと実態の合致状況の検証である。結果から,8割以上の利用者がまず簡易検索を用い,そのさらに約8割が1語による検索であること,簡易検索を行った利用者が検索結果を絞り込む場合,ファセット検索等の絞り込みのための機能を利用する場合が多いこと等を確認した。
著者
大野 森太郎 金田 幸裕 原田 利宣
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.6_61-6_68, 2016

近年のタブレット端末の普及により,様々なアイコンを目にする機会が増えている.しかし,ユーザの認知過程や嗜好性の違いによりアイコンの理解度や魅力度は異なる.そこで,本研究では,ラフ集合理論を用いたアイコンの魅力度および分かりやすさの分析を目的とした.具体的には,まず,既存アイコンの魅力度と分かりやすさについて調査実験を行い,アイコンを構成する形態要素(属性値)を抽出した.次に,その属性値がどのように魅力度や分かりやすさに影響しているかを明らかにするため,ラフ集合理論を用いて各被験者の決定ルールを求めた.また,決定ルールから各被験者間の共起率を算出し,クラスター分析を用いて被験者を分類した.さらに,各クラスターが魅力的,もしくは分かりやすいと感じる属性値を抽出した.さらに,各クラスターに対応したサンプルアイコンを制作し,その属性値の有効性の検証を行った.

1 0 0 0 OA 野島久雄賞

著者
原田 悦子 今井 倫太 内海 彰 新垣 紀子 安村 通晃
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.385-386, 2013-12-01 (Released:2014-12-24)
参考文献数
3
著者
原田 隆史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.51, pp.197-204, 2003-05-22
被引用文献数
2

文化的価値のある情報メディアのうち,Webページおよびテレビニュースを対象として,体系的保存のための組織的な取り組みを紹介する。近年,Webページは作成される数の増加にともなって情報源としての重要性が高まっている。Webページには短期間で消失するものや更新されるものが多く,重要性の高まりとともに,その保存の必要性が高まってきている。このようなWebページの保存は米国のThe Internet Archiveをはじめとして米国や北欧諸国の国立図書館で近年盛んに行われるようになってきている。また,テレビニュースアーカイブは映像と文字をあわせもつ貴重な情報メディアであるが,日本ではほとんどその保存活動が行われていない。ここでは,米国のVanderbilt UniversityのTV News ArchiveやCNN Television Archive BBC Television News Archiveなどを紹介し,日本における活動のための基礎的な資料を提供する。This paper describes the activities of systematic archiving projects of web pages and TV news among the information media which is culturally valuable. In recent years, web pages have been becoming more and more important as information resources as the growing numbers of them have been made. Many of them, however, are not existed so long or are updated soon, archiving them has become urgently necessary. The archiving projects of web pages, e.g., The Internet Archive, have been done lately in the national libraries in the United States and Scandinavian countries. TV news also is valuable information media containing both images and characters. This paper introduces Vanderbilt University Television News Archive, CNN Digital Archive, National Film and Television Archive etc.

1 0 0 0 日本刀私談

著者
原田道寛著
出版者
春秋社
巻号頁・発行日
1934
著者
原田 陽子
出版者
別府大学文学部芸術文化学科
雑誌
芸術学論叢
巻号頁・発行日
no.18, pp.57-57, 2009-03

09卒業制作展卒業制作作品マンガ・アニメーションコース
著者
原田 妙子 長縄 さくら
出版者
名古屋女子大学
雑誌
名古屋女子大学紀要. 家政・自然編 (ISSN:09153098)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.59-65, 2009-03

2004年から2006年にHQL(人間生活工学研究センター)によって「人間特性基盤整備事業」が実施され,取得したデータを基にして「日本人の人体寸法データブック 2004-2006」が2008年3月に出された.そこで,授業の一環として,毎年行ってきた体型写真撮影と身体計測の結果を用い,側面形状について,凹凸が少なくなり,特に下半身の前後とも扁平になっていると予測し検討することにした.身体計測値では, HQLの結果と同様の傾向であったが、本被験者の方が細身になっており,特に下半身が細身の傾向にあった.側面形状の出入りについては,近年になるにつれてBNPの入りの数値が減少し,FNPが増加してする傾向にあり,首の角度が真っ直ぐであるといえる.胴囲位では,前面が出なくなり幼児体型が少なくなっていると共に,厚径が薄くなっているとも考えられる.因子分析の結果では,ほとんどの年代で,第一因子は下半身の動きを,第二因子は首あるいは頭の動きを表す因子が抽出された.しかし,視覚面での形状では,近年ほど丸みが少なくなっていることが観察された.今後,体の丸みと姿勢についてさらに研究を進めたいと考える.
著者
原田 英治 五十里 洋行 後藤 仁志 菅原 康之 松藤 慶之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.I_487-I_492, 2015 (Released:2015-11-10)
参考文献数
16

波打ち帯での遡上波の打上げと打下げの相互干渉は,砕波を伴う複雑な自由水面の変化をもたらす.また,透水性を有した斜面での浸透・滲出流の存在は,底面掃流力に影響するが,ドライベッドへの打上げは底面掃流力の急変をもたらすため,漂砂量の見積に大きな影響をおよぼす.本研究では,複雑な水表面境界と移動床境界を追跡するため,波動場計算にMPS法を採用し,移動床計算にDEMを用いたMPS-DEMカップリングによる数値シミュレーションを実施する.計算で得られた礫浜斜面における浸透・滲出流による圧力勾配力の位相別岸沖分布から,海浜変形計算に対する浸透流の重要性が示された.また,特に掃流力が強く,顕著な浸透流が見込まれる領域では,浸透流を考慮した漂砂量予測の重要性が示唆された.
著者
森田 智子 江川 隆子 笠岡 和子 神谷 千鶴 西村 めぐみ 原田 美穂子 服部 直子 東 美鈴 出原弥和
出版者
関西看護医療大学
雑誌
関西看護医療大学紀要 (ISSN:18835686)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.14-22, 2012-03

【目的】2010年健康ひょうご21活動(県民運動実践活動)の助成を受け、世代間交流のプログラム創設の基礎資料を得るために、老人力の発掘調査を行い現在の健康状態や地域活動参加状況などの実態を明らかにすることを目的とした。【方法】A町内会の同意が得られた65歳以上の高齢者327人に自記式質問調査を行った。【結果】有効回答者133人のうち女性60.9%、平均年齢76.1歳±7.8歳。伝承遊びのほとんどの項目は6割以上行っており、郷土料理は「いかなごの釘煮」(68.4%)、お菓子類は餅類(75.2%)、保存食は「梅干し」(88.7%)、薬草は「どくだみ」(42.9%)が多かった。生活満足度、主観的健康観は70%以上が肯定回答であり、老研式活動能力は全項目7割以上が「はい」と回答した。老人力を若い世代へ継承していきたい人は43.4%であり、地域活動で参加している人は43.0%、ボランティア活動をしてみたい人は12.3%だった。【考察】:対象者は概ね健康状態が良く、健康に気をつけている人が多かったが、若い世代への継承、地域活動への参加も4割弱だった。今後は高齢者個々のニーズを把握した世代間交流プログラムを検討していくことが課題である。
著者
横川 忠晴 谷 月峰 崔 傳勇 小泉 裕 藤岡 順三 原田 広史 福田 正 三橋 章
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.221-225, 2010 (Released:2010-03-01)
参考文献数
18
被引用文献数
1 3

New kinds of cast and wrought (C & W) Ni-Co base superalloys (TMW alloys) have been developed based on the innovative concept of combining two kinds of γ-γ′ two-phase alloys, Ni-base and Co-base alloys, for the applications of turbine disks and high-pressure compressor blades. The results based on testing 20 kg ingots indicate that TMW alloys show excellent high temperature strength and formability, may provide 50°C temperature advantage in 630 MPa/100 h creep performance over C & W alloy U720Li.    In this paper, we report our new results on the full-scale pancakes manufactured through the C & W process for real components. The results indicate that TMW alloys had good process-ability in the ingot making and forging into disk pancakes. Pancake disks with fine grain size of about 10 μm were successfully obtained for TMW alloys. TMW alloys provide 58°C to 76°C temperature advantages in 0.2% creep strain life under the 630 MPa condition, over alloy U720Li.