著者
吉川 徹
出版者
社会学研究会
雑誌
ソシオロジ (ISSN:05841380)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.35-49,134, 1996-05-31 (Released:2016-12-22)
被引用文献数
1

Cultural reproduction theory, which was suggested by P. Bourdieu and J-C. Passeron (1970), S. Bowles and H. Gintis (1976) or B. Bernstein (1971) has been imported to Japan for more than twenty years. Studies of social mobility are inevitably related to it. However there are not so many empirical studies discussing the relationship between these two fields. This paper examines the validity and the extent of cultural reproduction theory in relation to the status attainment process in contemporary Japan. H. Fujita, T. Miyajima and their colleagues conducted two surveys in order to replicate Bourdieu and Passeron's work in Japan. They invented some Japanese original variables to measure cultural capital. One of them is a vocabulary test as an index of linguistic ability. We also applied it to our own research on 1990s' Japanese junior high and high school students and their parents (686 families). The research design allows me to analyze the relationship between social class and linguistic ability of adult men (fathers) , and the relationships among that of students and their parents. The conclusions are the following. Social class does have a meaningful effect on parental linguistic ability. However, there are significant but small magnitude of parent-child relationships of linguistic abilities. Then there is no longer a significant relationship between social class and students' linguistic ability. These conclusions indicate that it is not appropriate to apply cultural reproduction theory to all Japanese social strata. This also implies that the effect of school education will be more important than that of cultural capital when we explain status attainment process in contemporary Japan.
著者
吉川 貴司
出版者
一般社団法人 電気設備学会
雑誌
電気設備学会誌 (ISSN:09100350)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.172-175, 2014-03-10 (Released:2014-09-04)
参考文献数
2
著者
吉川 優樹 池田 俊史
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.46 Suppl. No.1 (第53回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.H2-62_2, 2019 (Released:2019-08-20)

【はじめに、目的】 側腹筋の評価として超音波診断装置を使用した研究が散見され、その信頼性の高さや筋活動評価として妥当性が報告されている。しかし、骨盤の傾斜角度の違いによる側腹筋の動態についての報告は少ない。本研究は安静時から収縮時にみられる内腹斜筋・腹横筋の筋厚および筋厚変化率と骨盤傾斜角度との関連について明らかにすることを目的とした。【方法】 対象は健常成人17名(男性13名、女性4名、平均年齢26.5±3.6歳)とした。測定肢位は端坐位にて骨盤中間位と骨盤後傾位とした。骨盤の角度は、上前腸骨棘(ASIS)と上後腸骨棘(PSIS)を結ぶ線と水平面の角度を東大式ゴニオメーターで測定し、骨盤中間位を前傾10°、骨盤後傾位を後傾15°と設定した。検査中は骨盤の角度が変わらないよう後方から骨盤を把持し固定した。各肢位で安静吸気終息時(以下、安静時)および腹部引き込み運動時(以下、ドローイン時)の内腹斜筋・腹横筋を、超音波診断装置(フクダ電子 UF-760AG)で測定し左右の平均値を筋厚とした。測定部位は前腋窩線上における肋骨下縁と腸骨稜の中央部とし、安静時とドローイン時の筋厚と筋厚変化率(ドローイン時筋厚-安静時筋厚/安静時筋厚×100)を比較検討した。【結果】 筋厚について内腹斜筋では安静時(中間位6.8±1.4mm,後傾位8.1±1.6mm)、ドローイン時(中間位11.0±2.4,後傾位12.1±2.6mm)ともに後傾位で有意に大きかったが、腹横筋では安静時(中間位2.9±0.6mm,後傾位3.3±0.6mm)とドローイン時(中間位6.1±1.2mm,後傾位6.2±1.7mm)で有意差はなかった。筋厚変化率では内腹斜筋(中間位63.5±26.1%,後傾位51.2±29.7%)、腹横筋(中間位111.1±36.1%,後傾位91.9±50.1%)ともに中間位で有意に大きかった。【結論(考察も含む)】 筋厚の比較では内腹斜筋の安静時、ドローイン時ともに骨盤後傾位で有意に大きかったが、腹横筋では有意差がなかった。筋厚変化率の比較では、内腹斜筋・腹横筋ともに骨盤中間位で有意に大きかった。腹横筋の筋線維は水平方向に走行しているのに対し、内腹斜筋は筋線維が斜めに走行しているため、骨盤後傾により筋が弛み筋厚が大きくなった可能性がある。一方、骨盤中間位では内腹斜筋が静止長となり筋厚変化率が大きかったと考えられる。腹横筋においても付着部である腹直筋鞘に適度な緊張が得られること、腹横筋と協同的に作用する骨盤底筋群が収縮しやすい肢位であることから、骨盤後傾位と比べ筋厚変化率が大きくなったと考えられる。【倫理的配慮,説明と同意】 研究の目的と方法、研究上の不利益、プライバシー保護などについて説明し承諾を得た。

1 0 0 0 皮膚電極ERG

著者
後関 利明 吉川 眞男 谷川 篤宏 近藤 峰生
出版者
日本神経眼科学会
雑誌
神経眼科 (ISSN:02897024)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.76-80, 2014-03-25 (Released:2014-07-11)
参考文献数
5
著者
吉川 弘道 大滝 健 前田 欣昌 中村 孝明
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.45, no.10, pp.26-34, 2007 (Released:2013-04-26)
参考文献数
25
被引用文献数
4 4

地震リスク解析は地震被災度を定量的に評価するもので, 防災計画の重要な指標になるとともに, LCC (生涯レンジの価格評価), PML (予想最大損失), BCP (事業継続計画) に対して直接的なコア技術となる。本文はこのような地震リスク解析のうち, エンジニアが直接関わるフラジリティ曲線と地震損失関数について調査/報告するものである。本文では, まずリスクの工学的定義と地震リスク解析について述べ, そのなかでのフラジリティ曲線と地震損失関数の位置付けを示す。次に, コンクリート構造物を対象としたこれらの基本算定式および推定方法について述べる。さらには, 土木・建築構造物を対象としたこれらの評価事例を紹介する。
著者
吉川 昌江 佐久間 長彦 日比 野剛 池内 玲子 佐藤 貴昭 米山 明彦 岩田 誠司 川口 正展 神谷 吉宣 伊藤 純子 藤浪 隆夫
出版者
一般社団法人 日本動脈硬化学会
雑誌
動脈硬化 (ISSN:03862682)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2-3, pp.203-207, 1994-08-01 (Released:2011-09-21)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1

The Oxidative modification of low-density lipoprotein (LDL) could contribute to atherosclerosis as a result of its cytotoxic effect, uptake by the scavenger receptor, and its influence on monocyte and macrophage migration. Ascorbate is an important watersoluble, chain-breaking antioxidant in humans.In this study, we examined the effect of ascorbate on the Cu2+-induced oxidative modification of LDL. LDL was incubated for 24 hours with 2.5μM copper (Cu2+) in phosphate-buffered saline (PBS) in both the presence and absence of ascorbic acid (20μg/ml, 25μg/ml, 30μg/ml, and 35μg/ml). Ascorbate significantly inhibited the oxidative modification of LDL, as indicated by both the decreased electrophoretic mobility and the linoleic acid content. Oxidative modification was prevented in a concentration-dependent manner by the addition of ascorbate.Our data suggests that ascorbate may play an important physiological role in protection against the oxidative modification of LDL.

1 0 0 0 原始美術

著者
斎藤忠 吉川逸治著
出版者
小学館
巻号頁・発行日
1970
著者
武田 正俊 吉川 悠一 家富 洋
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集 72.1 (ISSN:21890803)
巻号頁・発行日
pp.2979, 2017 (Released:2018-04-19)

すでに、複素ヒルベルト主成分分析(CHPCA)が多変量間のリード・ラグ関係を検出できることを明らかにした。CHPCAを用いてマクロ経済基礎指標(30種類)を解析すると統計的に有意味な固有モードが2個同定される。本研究ではそれらの景気集団運動モードがリーマンショックや東日本大震災といった外的ショックに対し、どのような影響を受けるのかを明らかにする。
著者
吉川 英史
出版者
社団法人 東洋音楽学会
雑誌
東洋音楽研究 (ISSN:00393851)
巻号頁・発行日
vol.1958, no.14, pp.233, 1958

三味線に関する種々の問題を、主として外国人の読者を対象として欝いた案内文である。 <BR>(I) 名称三味線、三弦、三線などの関係を述べる。 <BR>(II) 起原<BR>日本に渡来する以前の、三弦のそもそもの起りについての諸説を紹介する― <BR>(1) 田辺尚雄= ネーフエル説 <BR>(2) 岸辺成雄= クブズ (火不思) 説 <BR>(3) 林謙三= セタール説 <BR>(III) 東洋の三弦と日本の三味線との比較<BR>中国の三弦と、日本の三味線との相異を胴皮、胴木、駒、上駒、首部 (海老尾) 、撥などの、形状又は材料などについて述べる。 <BR>(IV) 三味線の構造と各部の名称<BR>日本内地の三味線の構造と各部の名称を述べ、場合によつては纏の名称の語意についても説明した。 <BR>(V) 日本への伝来と改造<BR>伝来史の通説を中心に、若干の異説を述ぺた、改造について琵琶の与えた役割を述べ、特にサワリの工夫と完成について略述した。 <BR>(IV) 調弦法 (調子) <BR>三味線の主要調弦法の三種を主とし、臨時的・派生的調弦法にも触れ、調弦法に多く種類のある理由を述べた。 <BR>(VII) 奏法<BR>三味線の構え方、左手と右手の使い方、バチの握り方などを述べ、奏法も流派によつて違う点を述べた。さらに、三味線においても音色の問題が重要であることと、三味線の特色であるメロデイー楽器とリズム楽器の二重性格を指摘しておいた。
著者
吉川 周平
出版者
舞踊学会
雑誌
舞踊學 (ISSN:09114017)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.27, pp.50-52, 2004 (Released:2010-04-30)
参考文献数
15
著者
飯田 裕貴子 吉川 徹
出版者
公益財団法人大原記念労働科学研究所
雑誌
労働科学 (ISSN:0022443X)
巻号頁・発行日
vol.90, no.2, pp.53-64, 2014 (Released:2016-01-25)
参考文献数
20

本研究では,呼吸用保護具の着用教育未経験者11名,着用教育経験者1名に折りたたみ式使い捨て呼吸用保護具を着用させ,着用方法の教育前後での全漏れ率を評価した。また,着用教育未経験者から観察された代表的な着用方法の間違いについて検討を行った。漏れ率の測定は米国労働安全衛生局の定量的フィットテスト手順に従い,測定器は労研式マスクフィッティングテスターMT-03™を使用した。着用方法の教育後,漏れ率の減少が確認された。また,着用時の動作よりも,着用教育の有無が漏れ率に大きく影響していた。代表的な着用方法の間違いとしては,折りたたみ面体を立体にしない,締め紐の位置不適切等が確認された。(図8,表4)
著者
吉川 幸次郎 丸山 仁司
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.36 Suppl. No.2 (第44回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C3P3413, 2009 (Released:2009-04-25)

【目的】内腹斜筋の上部線維と中部線維の比較体幹の安定性を維持するために体幹筋が注目されている.内腹斜筋は体幹屈曲、側屈、回旋させる主導筋の働きが中心である.しかし、一方では腹圧の調整および胸腰筋膜に働きかけることで体幹の安定化させる役割があるとされている.近年内腹斜筋が線維の方向や線維長、筋厚の観点から上中下部に分類できることが主張されており、機能的にも相違があるといわれてきている.今回姿勢の変化に伴い上部線維と中部線維とで姿勢保持のための活動の相違を検証した.【方法】健常成人男性14名(平均年齢22.7±2.96歳 身長171.5±3.95cm 体重65.7±5.31kg).姿勢を背臥位→立位→爪先立ち位と姿勢を変える.併せて超音波画像診断装置(東芝PV8000)で内腹斜筋を撮像する.撮像部位は上部線維(中腋窩線と第11肋骨が交わった付近)と中部線維(胸郭と腸骨稜の中間と中腋窩線の交わった付近)である.各姿勢につき30秒撮像する.撮像した映像を画像編集ソフト(WinDVD)で静止画像化し画像解析ソフト(image J 1.41)で内腹斜筋の筋厚を測定する.呼吸筋としての活動を最小限にするため最大吸気の時点で静止画像化する.内腹斜筋の上部線維と中部線維の筋厚を比較しその活動の違いを考察する.比較方法は背臥位の筋厚を基準にした立位と爪先立ち位の筋厚の増加率を計算し、上部線維と中部線維とで比較する.検定方法としてt検定を用いた.なお、今回の実験を行うに際しヘルシンキ宣言を参考に事前に被験者に内容を説明し理解してもらい同意を得て実験を行った.【結果】各肢位における平均筋厚は以下の通りであった.上部線維(背臥位→立位→爪先立ち位の順)41.4±6.0mm、48.2±9.5mm、52.1±10.2mm.中部線維は51.9±9.0mm、52.6±10.5mm、54.4±11.0mmであった.背臥位の筋厚を基準にした筋厚の平均増加率は、上部線維では117%、126%であり、中部線維は101%、105パーセントと上部線維が活発な活動を示していることが示唆された.立位、爪先立ち位ともに上部線維と中部線維とでは有意な差が生じた.【考察】先行研究では、内腹斜筋の上部線維と中部線維とではいずれも線維の走行が内側上方に向かっていて機能的にも類似しているとするものがある.しかし、文献によると、内腹斜筋の各線維付着部に着目した場合、上部線維が肋軟骨に付着するのに対して、腹直筋の腱膜に付着しているとしている.そのため、上部線維が胸郭を固定することで姿勢を安定させ散るのに対して、中部線維は腹圧を高めること出姿勢を安定させているという違いがあるのではと考える.【まとめ】今回の研究で内腹斜筋上部線維と中部線維の活動に違いがありうることが示唆された.
著者
山本 圭吾 園田 忠臣 高山 鐵朗 市川 信夫 大倉 敬宏 吉川 慎 井上 寛之 松島 健 内田 和也 中元 真美
出版者
The Volcanological Society of Japan
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.137-151, 2013-03-29 (Released:2017-03-20)
参考文献数
14

桜島火山の活動に伴う最近の桜島および姶良カルデラ周辺域における地盤上下変動が,2007年10月-12月,2009年11月,2010年4月および11月と行われた精密水準測量の繰返し観測によって明らかとなった.姶良カルデラ周辺の地盤は,1996年から2010年までの期間において,それ以前の1991年から1996年までの期間に得られていた結果と同様に,カルデラ内部を中心として隆起したことが確認された.球状圧力源(茂木)モデルに基づく解析を行った結果,1996年-2010年の期間において,姶良カルデラ中央部地下の深さ8.8km-10.8kmに増圧源の存在が推定された.この期間,姶良カルデラ地下に推定されるマグマ溜りにおいてマグマの貯留が進行したものと考えられる.2007年-2009年の期間においては,桜島北部地下の深さ4.3kmに増圧源の存在が推定された.このことは,姶良カルデラの深さ10kmから桜島の浅部方向へのマグマの移動が生じた可能性を示唆するが,そのマグマの移動量は小さい.姶良カルデラ地下におけるマグマの貯留は,桜島火山の山頂噴火活動が静穏化した1991年頃から継続している.2009年以降,昭和火口における噴火活動が活発化する傾向にあるが,観測された地盤隆起の継続は,噴火活動が活発化しつつある2010年11月の時点においても姶良カルデラ地下においてマグマの供給量が放出量を上まっていることを示唆している.計算された増圧源において見積もられた容積増加量および観測降下火山灰量に基づき見積もられたマグマの放出量を考慮すると,1991年から2010年までの期間において姶良カルデラの地下に約1.2×108m3のマグマが新たに蓄積されたことが推定される.また,マグマの蓄積に伴う桜島北部付近の2010年11月の時点における地盤隆起量は,1970年代および1980年代の活発な山頂噴火活動が開始した1973年頃の状態を回復し更に隆起が継続した状態となっている.これらの結果は,桜島火山の次の大規模噴火活動についての潜在的なポテンシャルを示唆するものと考えられる.