著者
櫻岡 卓哉 宮田 一乘
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.17, pp.139-142, 2013-03-08
参考文献数
9

複雑な動きのアニメーションは,アニメーターの手作業により制作されており手間や時間がかかる.これらの問題は,技術が必要とされる複雑な動作表現を自動生成することにより解決できると考える.本研究では,複雑な動きをするアクロバティックなミサイルアニメーションの制作を支援するシステムを開発する.システムの目的は,制作者の表現したい複雑なミサイルアニメーションの映像が簡単に制作できることである.そのため,始めに"板野サーカス"の複雑なミサイルアニメーションの観察を行い,カメラワークやミサイル軌道が自動生成できるシステムの作成を行った.次に本システムを使用することで複雑なミサイルアニメーションが簡単に制作できるか実験を行い評価した.また,制作したアニメーションが複雑なミサイルアニメーションを表現できているか評価した.
著者
宮⽥ ⼀弘 岩本 紘樹 ⼩林 壮太
出版者
一般社団法人 日本運動器理学療法学会
雑誌
運動器理学療法学 (ISSN:24368075)
巻号頁・発行日
pp.202228, (Released:2023-06-12)
参考文献数
24

【⽬的】⼤腿⾻近位部⾻折患者における歩⾏⾃⽴の予測モデルの外的検証を⾏い,臨床活⽤可能か検討すること。【⽅法】対象は回復期リハビリテーション病棟へ⼊院した⾼齢の⼤腿⾻近位部⾻折患者163名とした。 ⼊院時の認知機能とバランス能⼒から退院時の歩⾏⾃⽴を予測するモデルにおいて検証コホートで識別能と較正を検討した。【結果】検証コホートは,開発コホートと⽐較して識別能として曲線下⾯積は同程度,感度は⾼く,特異度は低かった。較正にはCalibration plotを⽤い,歩⾏⾃⽴する確率が⾼い患者については予測確率と観測確率は⼀致していたが,歩⾏⾃⽴する確率が中程度〜低い患者については予測確率より観測確率の⾼い過⼩予測であった。【結論】⼤腿⾻近位部⾻折患者における歩⾏⾃⽴の予測モデルは,較正に⼀部問題があったものの識別能は良好であり,回復期リハビリテーション病棟へ⼊院する⼤腿⾻近位部⾻折患者に対して⼀般化できる可能性が⽰唆された。
著者
唯根 弘 宮田 一弘 神保 和正 倉形 裕史 白石 英樹
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.572-580, 2023-10-15 (Released:2023-10-15)
参考文献数
33

【目的】脳卒中患者の上肢機能評価の臨床的に意義のある最小変化量(MCID)を統合し質を評価すること.【方法】Fugl-Meyer assessment(FMA),Action Research Arm Test(ARAT),Motor Activity Log(MAL)のMCIDを算出した研究を複数の検索データベースから抽出した.【結果】FMAが4編(4.0~12.4点),ARATが1編(12~17点),MALが1編(1.0~1.1点)であり,脳卒中発症からの時期や介入内容などが異なっていた.【結論】脳卒中上肢機能評価のMCID値を参照する際には各研究の対象者や介入条件を考慮する必要がある.
著者
近藤 夕騎 宮田 一弘 板東 杏太 中村 拓也 原 貴敏 髙橋 祐二
出版者
一般社団法人 日本神経理学療法学会
雑誌
神経理学療法学 (ISSN:27580458)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.24-34, 2023-03-31 (Released:2023-03-31)
参考文献数
30

【目的】脊髄小脳失調症(spinocerebellar ataxia: 以下、SCA)患者個々のバランス能力を評価するために、Balance Evaluation Systems Test(以下、BESTest)が使用されることがある。近年、理学療法の優先順位を明確にできるKeyformが注目されている。Keyformは評価指標における項目毎の難易度を数値化および序列化することで、難易度を可視化することができる。そこで本研究では、SCA患者におけるBESTest各セクションのKeyformを開発することを目的とした。【方法】SCA患者述べ81名を対象とし、BESTestを評価した。一次元性および内的信頼性を確認し、Rasch分析にてBESTest各セクションの項目別適合度指標と難易度を求めたのち、Keyformを作図した。【結果】Section IおよびIIは一次元性を確認できず、内的信頼性はSection V以外で優れた信頼性を得られた。また、2項目の適合度が不良であったため、一次元性を確認できなかったSectionの二つと適合度が不良であった2項目を解析から除外したうえでKeyformを開発した。【結論】SCA患者を対象として開発した本Keyformは、BESTestにおけるバランス課題の難易度を可視化できることから、個々のSCA患者に対して理学療法の目標設定と治療計画を適切に行う上で、利用価値のあるツールになると考えている。
著者
大谷 知浩 宮田 一弘 篠原 智行 臼田 滋
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.587-593, 2021 (Released:2021-08-20)
参考文献数
33

〔目的〕入院患者のFalls Efficacy Scale-International(FES-I)の臨床的有用性を検証した.〔対象と方法〕整形外科疾患患者84名を対象に,10 m歩行を獲得した時点において退院時の状態を予測したFES-Iの信頼性や妥当性,および転倒恐怖感の予測精度を検討した.〔結果〕FES-I合計得点の級内相関係数(ICC)(1,1)は0.83と高値であり,生活空間や健康関連QOLと有意な弱い負の相関関係を認めた.また,退院時の転倒恐怖感に影響する因子として10 m歩行獲得時のFES-Iのみが有意な関連要因であり,退院時の転倒恐怖感を判別するFES-Iのcut off値は41点であった.〔結語〕歩行獲得早期に退院時の状態を予測したFES-Iであっても,一定の有用性が示唆された.
著者
草野 凌 吉川 憲一 宮田 一弘 Neil David Parry 石本 立 古関 一則 冨田 洋介 佐野 歩 矢吹 惇 水上 昌文
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.12304, (Released:2022-12-09)
参考文献数
23

【目的】Spinal Cord Injury Functional Ambulation Inventory(以下,SCI-FAI)を翻訳し,信頼性を検討した。【方法】国際基準に準じてSCI-FAIを日本語へ翻訳した。不全脊髄損傷者34名を対象とした。評価者2名が動画上でSCI-FAI評価を2回実施した。級内相関係数,Cronbachのα係数,Weighted K係数,Bland-Altman分析を用いて信頼性を確認した。【結果】検者内信頼性Intraclass Correlation Coefficients(以下,ICC)(1, 1)は0.928~0.973,α係数0.967~0.986,K係数は0.713~1.00,1名の評価者に固定誤差・比例誤差が確認された。検者間信頼性ICC(2, 1)は0848,α係数は0.916,K係数は0.349~0.899,固定誤差,比例誤差は確認されなかった。【結論】日本語版SCI-FAIは本邦の臨床設定において信頼性を有する評価であることが確認された。
著者
伊豫田 旭彦 木村 秀敬 武井 悟 垣内 祥史 杜 暁冬 藤井 宗太郎 益田 義浩 枡野 大輔 宮田 一乘
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.33-44, 2006-06-20 (Released:2008-04-11)
参考文献数
11
被引用文献数
1 4

加速度センサと, のれん状スクリーンを用いた野球におけるピッチングを体感するVRアプリケーションを提案する. 従来の入力デバイスにはない, 直接かつ直感的な入力方式を開発した. 加速度センサを埋め込んだボールを用いることで, 実際のピッチングと同じ動作で変化球を投げることができる. また, 現実空間と仮想空間をシームレスにつなぐスクリーンを開発することで, プレイヤーは, 投げたボールが仮想空間に飛び込むという新感覚を体験できるようになった.
著者
石橋 賢 宮田 一乘
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

オノマトペは,適切なフォントを用いることで直感的な情報伝達を促す.すなわち,フォントはオノマトペに重要な要素の一つであると言える.フォントの視認性に関する議論は行われるものの,情報伝達を促進する文字情報に適切なフォントは,デザイナの知識に依存している.本研究では,一般の人々がオノマトペに適切だと感じるフォントを視覚的特徴量から分析することで,オノマトペに適したフォントの要素について考察する.
著者
宮田 一弘 朝倉 智之 篠原 智行 臼田 滋
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.555-564, 2021-05-18 (Released:2021-07-15)
参考文献数
23
被引用文献数
1

目的:Mini-Balance Evaluation Systems Test(Mini-BESTest)とBerg Balance Scale(BBS)の臨床的に意義のある最小変化量(MCID)に関するシステマティックレビューを行った.方法:3つのデータベースとハンドサーチにて検索および収集し,Mini-BESTestとBBSのMCIDを報告している論文を特定した.受信者動作特性(ROC)曲線以外の方法でMCIDを決定している論文は除外した.結果:検索の結果,Mini-BESTestでは21編,BBSでは87編の論文が抽出され,取り込みおよび除外基準を満たしたのはMini-BESTestが4編,BBSが6編であった.ROC曲線下の面積が0.7以上であったMCIDはMini-BESTestが1.5~4.5点,BBSが3.5~6点の範囲であった.バイアスリスクの評価の結果,18点満点のうちMini-BESTestが10~16点,BBSが9~14点の範囲であった.結論:Mini-BESTestで1.5~4.5点,BBSで3.5~6点の得点変化には,複数の患者集団において臨床的な意味があり,介入効果の判断や目標設定をする際の基準となる可能性がある.臨床で用いる際には,疾患,病期,介入期間,人種などを考慮したうえで用いる必要がある.
著者
宮田 一乘 高橋 誠史 黒田 篤
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.13-19, 2005 (Released:2008-07-30)
参考文献数
34

PCのグラフィックボード(GPU)の果たす役割は年々加速しており,CPU中心の計算環境からGPU中心の計算環境へと徐々に移行している.また,GPUの持つ機能をプログラムで利用できる環境が整ったことにより,GPUをグラフィック処理専用のCPUの補助プロセッサとしてではなく,並列計算機として応用する研究が活発化している.本論文では,GPUコンピューティングで何が可能となり,今後どのような発展が期待できるかを,具体的な例を挙げながら述べる.
著者
上岡 裕美子 篠崎 真枝 橘 香織 山本 哲 宮田 一弘 青山 敏之 富田 美加
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.97-101, 2021-04-25 (Released:2021-11-14)
参考文献数
13

背景 : 理学療法学生において効果的な臨床参加型実習に向けた実習前の客観的臨床能力試験 (OSCE) のあり方を検討するため, 実習前OSCEと実習到達度との関連を明らかにすることを目的とした. 方法 : 理学療法学科4年生79人を対象に, OSCEと知識試験成績, 実習中の経験症例種類数, 実習到達度を分析した. 結果 : OSCE成績は知識試験成績, 経験症例種類数, 実習到達度と有意な相関関係にあった. 特にOSCEの実施技術要素は実習到達度の診療補助および評価分野と有意な相関を認めた. 考察 : OSCEは臨床ではない状況で能力を評価するものであるが, 実習終了時点での臨床実践力と関連性があることが示唆された.
著者
佐藤 弘樹 吉川 憲一 宮田 一弘 佐野 歩 水上 昌文
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11914, (Released:2021-02-16)
参考文献数
33

【目的】脊髄損傷者の体幹機能評価尺度(以下,TASS)を開発し,信頼性を検証すること。【方法】脊髄障害認定理学療法士9 名によって開発したTASS を用いて,理学療法士2 名が脊髄障害を有する10 例の評価を実施した。級内相関係数ICC(2,1),Cohen のκ 係数,Cronbach のα 係数を用いて,検者間信頼性,項目一致度,内的整合性を確認した。Bland-Altman 分析を用いて,系統誤差の有無を確認した。【結果】TASS は端座位課題7 項目で構成される尺度となった。ICC(2,1)は0.98,κ 係数は0.57 ~1.00,α 係数は0.94 であった。評価者2 名の差の平均値は95% 信頼区間が–2.58 ~1.18,散布図の回帰直線の傾きは0.19(p=0.61)であった。【結論】端座位課題7 項目で構成される体幹機能評価尺度が完成し,高い検者間信頼性,内的整合性を示し,系統誤差のない尺度であることが確認された。
著者
櫻岡 卓哉 宮田 一乘
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 37.17 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.139-142, 2013-03-08 (Released:2017-09-21)
参考文献数
9

複雑な動きのアニメーションは,アニメーターの手作業により制作されており手間や時間がかかる.これらの問題は,技術が必要とされる複雑な動作表現を自動生成することにより解決できると考える.本研究では,複雑な動きをするアクロバティックなミサイルアニメーションの制作を支援するシステムを開発する.システムの目的は,制作者の表現したい複雑なミサイルアニメーションの映像が簡単に制作できることである.そのため,始めに"板野サーカス"の複雑なミサイルアニメーションの観察を行い,カメラワークやミサイル軌道が自動生成できるシステムの作成を行った.次に本システムを使用することで複雑なミサイルアニメーションが簡単に制作できるか実験を行い評価した.また,制作したアニメーションが複雑なミサイルアニメーションを表現できているか評価した.
著者
坂口 寛典 宮田 一乘
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2013-CG-150, no.5, pp.1-6, 2013-02-11

本報告では日常の中で女性が身に着けるストッキングの質感を, CG で表現する手法を提案する.ストッキングは伸縮によって構造や質感が変化するという特徴を持ち,女性の表現には欠かせない要素の 1 つであるため,その質感を表現することは重要である.提案手法では,ばね質点モデルを使用することによってストッキングの構造を再現し,足形状へのフィッティングを行った.その情報を用いてレンダリングすることで,ストッキングの構造に基づいた質感の表現が可能となる.
著者
野田 貴彦 野村 健太郎 小室 直之 鄭 韜 楊 深 宮田 一乘
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.81-89, 2009

本論文では,カクテルのアナロジを用いることにより風景画像を作成するシステムを提案する.このシステムではカクテルの材料を風景の要素とし,それらをシェーカで混ぜる事で風景を作成する事が出来る.作成される風景画像はシェーカを振ることでリアルタイムに変化し,体験者は風景画像を作成している感覚を持つことが出来る.また,風景の要素の組み合わせで,出来上がる風景画像は異なってくる.これにより,体験者はオリジナルの風景画像を作成する事ができる.
著者
石橋 賢 Toni Da Luz Remy Eynard 北 直樹 姜 南 瀬木 宏 寺田 圭介 藤田 恭平 宮田 一乘
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.J11-J16, 2012 (Released:2011-12-20)
参考文献数
12
被引用文献数
1

In our entertainment VR application, the user can move freely through a virtual city by using a web like SpidermanTM. In this application, the user wears a web shooter, which is a device to shoot webs, and takes aim at a target building. Then, when the user swings his/her arm ahead, a web is launched and it sticks to the target building on the screen. After the web sticks to the building, the user's arm is pulled in the direction of the target building by a pulling force feedback system, which gives the feeling of pulling to the user directly and smoothly, as if he/she were attached to an elastic string. Finally, the user moves to the target building. In three exhibitions, we surveyed the effectiveness of the application by questionnaire. We were able to confirm that a lot of users had enjoyed and were satisfied with our VR application.
著者
河原塚有希彦 高橋誠史 宮田一乗
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 : ヒューマンインタフェース研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2003, no.111, pp.45-51, 2003-11

本報告では、画像処理による位置検出技術を用いた新たな画像提示の環境、“ViewFrame”システムを提案する。本手法は、「窓越し現実感」というコンセプトの下に、窓の代わりに設置したディスプレイ上に、ユーザの視点移動に伴い変化する窓越しに見える景色をシミュレーションして提示するものである。本システムはリアルタイム性が強く求められるために、グラフィックボードのピクセルシェーダ機能を用いて、ハードウェアによる画像処理の高速処理を行った。本システムにより、自然なインタラクションで景観の奥行き知覚や3次元物体の形状認識が容易になる。また、本システムの実装例として「借景」を制作したのであわせて報告する。 : An interactive image viewer, “ViewFrame”, by means of image-based position sensitive detector is proposed. In this paper, the new concept, “window-though reality”, is introduced. A window in a room is replaced with a LCD or another flat screen, and this system displays a view-depended CGI scenery that would be seen from an observer. This system is required to react to user’s action in real time; therefore the image processing is implemented by means of pixel-shader functions for GPU to accelerate the process. This system makes it possible to recognize the depth of image and three-dimensional shapes easily by natural man-machine interaction. An application of this system, “ Shakkei”, is also reported.
著者
太田 経介 萬井 大規 坂野 康介 中城 雄一 森若 文雄 宮田 一弘
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.215-223, 2020 (Released:2020-06-19)
参考文献数
45
被引用文献数
1

【目的】脊髄小脳変性症の歩行重症度の評価に,Mini-Balance Evaluation SystemTest(以下,Mini-BESTest)とBerg Balance Scale(以下,BBS)が適応可能か検討すること,歩行自立度の判別精度を検討することとした。【方法】脊髄小脳変性症患者30 名を対象に,重症度分類を用いて3 群に分類した。Mini-BESTest とBBS の得点分布,および群間比較を行った。FIM 点数よりROC 曲線を用い歩行自立度の判別精度の検討とカットオフ値を算出した。【結果】Mini-BESTest とBBS は歩行重症化にしたがい低値を示した。Mini-BESTest とBBS はArea under the curve(以下,AUC),感度,特異度が高値であった。BBS は天井効果を認めた。【結論】Mini-BESTest は高いAUC,感度,特異度を有し,歩行自立度の判別精度に有用性の高い指標であることが示唆される。
著者
青山 敏之 阿江 数通 相馬 寛人 宮田 一弘 梶田 和宏 奈良 隆章 川村 卓
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.91-100, 2021-02-01 (Released:2021-01-13)
参考文献数
44
被引用文献数
3 2

The yips represent a disorder that makes it challenging for an individual to perform automatic and coordinated movements in sports activities. The cause of the yips is not sufficiently clarified, and limited information is available regarding throwing yips in baseball. Therefore, this study was designed to clarify the incidence and characteristics of the throwing yips among college baseball players. Total 107 players of the college baseball team participated in the study and completed the questionnaire by answering questions about their experience of the yips (loss of control to throw the ball accurately for more than 1 month), the symptom intensity, and changes observed in the symptoms in different situations. The 47.1% of players met the definition of throwing yips. The symptoms of the yips were more pronounced with short-distances and low intensity of throwing. Moreover, there were various subjective symptoms, such as the issue about co-contraction of the upper limb, sensory function, body ownership, and movement planning. Various physical symptoms associated with throwing yips suggest that the yips are not only a disorder of motor skills, but result from movement disorders. The present results show that the occurrence of the yips depends on the throwing condition; this finding provides useful insights into the mechanism and the treatment of the yips. Interdisciplinary studies that aim to elucidate the cause of the yips and develop effective intervention are necessary.