著者
前原 理佳 吉野 奈美 後藤 聖子 赤嶺 美樹 吉田 友美 豊田 珠里 阿南 祐衣 大野 陽子 添田 悠希 竹中 夕奈 工藤 菜々美 小山 美紀 後藤 としみ 江藤 陽子 山本 恵美子 廣瀬 理恵 金松 友哉 石原 和美 前原 加代子 安藤 道雄 安藤 道子 兼田 眞 二ノ宮 綾子 岩本 隆記 三浦 みち子 濱﨑 洋子
出版者
一般社団法人 日本在宅薬学会
雑誌
在宅薬学 (ISSN:2188658X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.17-23, 2020 (Released:2020-04-25)
参考文献数
6

地域包括ケアシステムの構築が急がれる中,薬局薬剤師の責務は広く深く重要である.その職能を十分に生かすことが今後迎える医療情勢の変化に必要不可欠であると考える.そのためには薬剤師の十分な気力体力が必要であり,それには機械化・ICT 化は不可欠であり,さらにパートナーという新しい医療資源の役割が重要となる.0402 通知を踏まえてパートナー業務の手順書,研修制度の構築,さらにパートナーの医療人としての育成成長を図ることで,薬剤師の職能が最大限に発揮できると考える.患者の薬物療法を支援するために必要な薬局薬剤師の取り組みとして,服用期間中の継続的な薬学的管理と患者支援が義務となり,医師への服薬状況に関する情報提供が努力義務となる.ますますパートナー制度の確立と薬剤師自らが希望している職能が最大限発揮できるやりがいのある,よい時代になると考える.
著者
小松 知未 小山 良太 小池(相原) 晴伴 伊藤 亮司
出版者
東北農業経済学会
雑誌
農村経済研究 (ISSN:2187297X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.116-124, 2015-11-01 (Released:2019-09-01)
参考文献数
9

本稿では,福島県における米全量全袋検査の運用実態と検査結果を詳細に整理した上で,制度上の位置づけとその問題点を明らかにした.第一に,福島県が米全量全袋検査を実施していることが,放射性物質検査に関する制度の枠組みの中でどのように位置づけられているかを整理した.第二に,福島県における検査の実施体制と検査結果を詳細にまとめた.第三に,検査結果の活用実態を確認した.これらを総合的に考察した結果,制度上の問題点と見直しの方向性は下記のようであるといえる.問題点は,原子力災害対策本部のモニタリング検査の指針において米全量全袋検査の位置づけが定められておらず,福島県のみが自らの判断で検査を計画に組み込んでいることである. 2012年度に福島県が実施した米全量全袋検査の結果から,原子力災害対策本部の指針レベルの体制では,基準値超の発見と迅速な対応が困難であったことが明らかになった.このことから,現行制度を見直し,原子力災害対策本部が総合的に判断して,検査エリアを指示する枠組みを構築するべきであるといえる.また,現状の制度では位置づけられていない飯米・縁故米の検査体制のあり方を検討すべきであるといえる.
著者
吉川 敏子 吉川 真司 小山田 宏一 鷺森 浩幸 田中 俊明 坂井 秀弥 藤本 悠
出版者
奈良大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

2019年度は3年間の補助事業の2年目として、昨年度の成果を踏まえ、概ね4つの方面での成果を得た。まず1つめは、当初より予定していた朝鮮半島の牧の故地を巡見し、韓国の研究者と交流したことである。韓国における古代牧の研究自体がまだ始まったばかりであり、今後、国際的な視野を広げつつ本研究課題を継続的に行っていく上での課題を得た。2つめは、平安時代の勅旨牧設置4カ国のうち、信濃国と上野国の古代牧推定地を巡見し、昨年度巡見した甲斐国との比較検討ができたことである。上野の場合は、榛名山噴火の火山灰降下により、通常は遺らない古墳時代の地表面の人為的痕跡が調査されてきたが、現地に立ち、地形を実見しながら牧の景観復元について学べたことは、これを畿内の古代牧に置き換えて検討する際に、両地域の相違点も含めて大いに参考となるとの手応えを得た。また、信濃国望月牧では実際に土塁の痕跡を地表にとどめており、具体的に畿内牧の故地を検討する際には、地中に埋もれたものも含め、留意すべき遺構であることを注意喚起された。3つめは、昨年度に続き、個別具体的な畿内の古代牧についての検討を進められたことである。年度中に、研究代表者による河内国辛嶋牧、研究協力者である山中章による大和国広瀬牧・伊賀国薦生牧についての研究論文を発表し、本年度の研究会において報告と検討を行った摂津国鳥養牧、同垂水牧、河内国楠葉についても、近年中に成果を公表できると考えている。4つめは、本年度より、古代の馬を研究する考古学のグループとの情報交換を積極的に行える関係を築いたことである。本科研補助事業の研究は、現在のところ文献史学と地理学に比重がかかっているが、考古学を基軸とする研究会との研究協力により、古代の牧と馬の双方向から、古代社会における馬の生産と利用の具体相の解明を加速させられると考える。
著者
小山 貴之 中丸 宏二 相澤 純也 新田 收
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48101210, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】アメリカンフットボールでは頭頸部外傷が高率に発生するが、その多くがタックルやブロックの際の衝突によるものであり、頸部周囲筋の筋力強化やタックル・ブロックの技術向上、防具の使用などが予防的に勧められている。頭頸部外傷のなかでも、脳震盪や重症頭部外傷を除くと、頸椎捻挫とバーナー症候群がその代表的な外傷として挙げられる。これらは発症しても練習や試合参加を中止する選手が少なく、頸部障害を有しながらも競技を続けている場合が多い。そのため、練習を中止しリハビリテーション期間をとることが少なく、メディカルスタッフによる医学的管理が不十分になりやすい。頸椎捻挫またはバーナー症候群によってどの程度の頸部障害を有し、競技に支障を来たしているかを知ることは、アメリカンフットボールにおいて外傷管理をするうえで極めて重要であるが、競技シーズン中の頸部障害の程度に関する報告は少ない。そこで本研究は、頸部既往によって主観的アウトカムにどのような影響を及ぼすかを明らかにすることを目的とした。【方法】対象は大学アメリカンフットボール選手109名とした。選手は秋季シーズン終了時点で自己記入式の質問紙票に回答した。質問紙票は、秋季シーズン前の合宿開始時点からシーズン終了までの間、1)ヒットなどで首に強い痛みが出たか、またはその後首の最終可動域で痛みが出たか、2)ヒットなどで肩から腕に電気が走るようなしびれや脱力感が生じたか、についての有無を回答し、1)を頸椎捻挫、2)をバーナー症候群の症状としてそれぞれ扱った。1)2)について経験ありと回答した者に対して、痛みの程度、競技能力への影響、フルコンタクト時の恐怖感について、それぞれ痛みが出現していた時期における程度を100mm visual analog scaleで回答し、1)2)を理由とした練習中止の有無を回答した。また頸部障害の程度を知るために、日本語版Neck Disability Index(NDI-J)を回答させ、50点満点に換算した。分析は、回答者を既往の有無から頸椎捻挫のみの発症(頸椎捻挫群)、バーナー症候群のみの発症(バーナー症候群)、頸椎捻挫・バーナー症候群の合併(合併群)の3群に分類し、痛み、競技能力への影響、恐怖感はBonferroni法による多重比較検定、NDI-JスコアはBonferroni法の不等式を用いたMan-Whitney検定により、各群間差の比較を行った。【倫理的配慮、説明と同意】研究調査目的と内容および個人情報保護に関する説明文を質問紙票とともに配布し、同意の得られた選手のみ回収した。質問紙票には匿名で記入させ、配布・回収は研究代表者以外の者が行った。【結果】自己記入式質問紙票は122名に配布し、109名から回収した(回収率89.3%)。109名中、頸椎捻挫群が8名、バーナー症候群が21名、合併群が17名おり、計46名(全体の42.2%)がいずれかの症状を経験していた。練習を中止した選手は、合併群の2名(4.3%)のみであった。各項目の記述統計値は、頸椎捻挫・バーナー症候群・合併群の順に、痛みの平均値(標準偏差)が56.0(28.5)mm・55.4(18.2)mm・65.8(19.8)mm、競技能力への影響が24.8(26.0)mm・35.9(22.0)mm・48.4(32.0)mm、恐怖感が38.0(34.6)mm・56.9(24.5)mm・60.7(32.8)mm、NDI-Jの中央値は3.3・1.1・5.6だった。各群間差は、痛み・競技能力への影響・恐怖感には有意差を認めず、NDI-Jは合併群がバーナー症候群よりも有意に高かった。【考察】質問紙票による頸部既往の調査の結果、約4割の選手がシーズン中に発症しており、うち練習を中止した選手は46名中2名とわずかであった。また痛みや恐怖感は中等度の訴えがあった。高い発症率であるのに加えて、ほとんどの選手が中等度の痛みや恐怖感を抱えながら競技をそのまま継続していることが分かった。NDI-Jは日常生活活動の10項目における症状の程度から頸部障害を把握するための評価であり、5点以上で軽度の頸部障害とされる。今回の結果では、3群間に痛みの程度で差は認めなかったが、NDI-Jスコアは合併群がバーナー症候群よりも有意に高かったことから、頸部既往に伴う症状の把握には痛みの評価だけでなくNDI-Jを用いることの有用性が示唆された。また、頸椎捻挫とバーナー症候群を合併することでNDI-Jの中央値が軽度障害のレベルとなることから、合併した選手に対してはさらに重点的なリハビリテーションが必要であることが考えられた。【理学療法学研究としての意義】頸椎捻挫およびバーナー症候群は発症率が高いうえに競技を中止することが極めて少なく、合併すると日常生活活動上の頸部障害も引き起こしていた。これらの結果は、一般的に練習や試合を1日以上中止した場合に記録される傷害統計には反映されないため、継続的に調査することで外傷の管理およびその予防の観点から重要な示唆を得ることができる。
著者
瀬古 千佳子 松井 大輔 松川 泰子 小山 晃英 渡邉 功 尾崎 悦子 栗山 長門 水野 成人 渡邊 能行
出版者
一般社団法人 日本消化器がん検診学会
雑誌
日本消化器がん検診学会雑誌 (ISSN:18807666)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.30-41, 2016 (Released:2016-02-01)
参考文献数
23

ヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)感染は胃がんの確実な発がん因子である。H. pylori感染から慢性萎縮性胃炎への進展過程における摂取食品との関連については多くの先行研究が行われているが, 栄養素摂取量との関連についての報告は少ない。そこで, 本研究はH. pylori感染者における慢性萎縮性胃炎陽性者と陰性者の栄養素摂取量の差異を検討した。対象者は京都在住の35歳から69歳までの健診参加者4,330人のうちH. pylori感染陽性者1,251人とした。解析対象者はこの内の栄養素摂取量算出を完了した女性296人とした。年齢, 喫煙, ビタミン剤服用, エネルギーによる補正を行い, 各栄養素摂取量を三分位に分けてロジスティック回帰分析を行った結果, カルシウムの中等量摂取, 多量摂取, 及び多価不飽和脂肪酸の中等量摂取は有意に慢性萎縮性胃炎のリスクを低めていた。これにより, これらの栄養素が慢性萎縮性胃炎進展の抑制と関連している可能性が示唆された。

1 0 0 0 OA 松屋筆記

著者
小山田与清 (高田) 著
出版者
国書刊行会
巻号頁・発行日
vol.第3, 1908
著者
今釜 哲男 服部 奨 小山 正信 河合 伸也 東 良輝 繁冨 頼雄 小田 裕胤 井之川 義典 多原 哲治
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.559-563, 1978-12-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
16
被引用文献数
1

Vascular tests for thoracic outlet syndrome are considered to be one of the important diagnostic aid in order to determine the localization and the severity of neurovascular lesion at the thoracic outlet region. However, the mechanism and significance of vascular tests are still unclear.This is to report our clinical and autopsial study to try to clarify the exact meanings of each vascular test.Materials are 72 cases in 48 patients with thoracic outlet syndrome (46 cases in 39 patients recieved first rib resection) and 21 cases of exploration in autopsy.Positive Adson's test, although the incidence is quite low, may suggest severe lesion at the scalen triangle. Eden's test indicate lesions at the costo-clavicular space. In this positive the clavicle moves most to the posteromedial direction among the various positions. Abduction-external rotation test and Wright's test show neurovascular compression mainly at the costo-clavicular region and partly at the scalen triangle. These positions make the neurovascular bundle tracted foward the lateral. Compression at the subcoracoideal region is not the main cause in Wright's test.
著者
小山 治
出版者
関東社会学会
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.21, pp.143-154, 2008

The purpose of this paper is to clarify why the standards for employing new university graduates are unclear. This paper analyzes a dynamic process to employ new university graduates from the viewpoint of the sociology of education by interviewing corporate recruiting staff. The major findings are as follows. First, because new university graduates prepare for the listed requirements, employers add some items that are not listed in order to better evaluate applicants. Second, the standards for employing new university graduates are not fixed and are adjusted higher or lower during the course of the recruitment season. This paper finally discusses implication of these findings for companies and new university graduates.