著者
大澤 義明 小野田 竜已 小林 隆史
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 = Transactions of AIJ. Journal of architecture, planning and environmental engineering (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
no.634, pp.2605-2612, 2008-12-30
参考文献数
26
被引用文献数
1

The cohort-component method is widely used for population projection of local governments in Japan. The purpose of the paper is to examine aggregation errors caused by the cohort-component method, which can account for age distribution. First, we show that the populations estimated at aggregated level frequently are less than those at disaggregated level by using municipality data in Ibaraki Prefecture. Second, we prove this tendency through a simple mathematical model using Lexis diagram by focusing on internal migration.
著者
小林 隆弘
出版者
Japan Society for Atmospheric Environment
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.271-282, 2007-09-10 (Released:2011-11-08)
参考文献数
61
被引用文献数
3

大気環境中のナノ粒子に曝露される可能性がある。ラッシュアワーのとき道路沿いの大気中では自動車由来と思われるナノ粒子が増加することが観察される。ディーゼルエンジンは多数のナノ粒子を排出する。一方, 極めて粒子径が小さいことから, ナノ粒子は化学的, 電気的あるいは光学的な新たな物性を持ち, 外界からの光や熱や電圧等の刺激に対して大きい粒子に比較し異なる挙動を示す。このようなことから工業的に生産されるナノ粒子は化学, 電子工業, 化粧品, 医薬, 食品, 環境技術といったあらゆる分野で使われるようになりつつある。作業環境中においてもこれらのナノ粒子に曝露される可能性が増加しつつある。しかしながら, 大気および作業環境中のナノ粒子の曝露評価や健康影響評価はあまり行われていないのが現状である。ここではナノ粒子の曝露評価や健康影響評価の現状と課題について概観した。曝露評価については, 屋内・屋外ならびに作業環境中での曝露に関する知見の充実や毒性やナノ材料のライフサイクルを考えた曝露指標の選択とそれに基づく曝露量の計測手法の開発が課題である。また, 健康影響評価においては粒子の物理・化学的性状に基づいた体内動態や毒性評価や評価に必要な曝露手法の開発が課題となる。
著者
渡辺 賢一 井上 幹雄 中野 るりこ 文 娟 国崎 恵 水戸 沙耶佳 馬 梅蕾 TV プニヤコッテイ G ナラシマン PS スレシュ P パラス M ワヘッド KA ファデア AE リヤド H ベナム 平山 匡男 小林 隆司 小山 博史 神田 光雄
出版者
新潟大学
雑誌
新潟医学会雑誌 (ISSN:00290440)
巻号頁・発行日
vol.120, no.5, pp.279-289, 2006-05-10

【目的】γ-aminobutyric acid (GABA)・リンゴ酢含有飲料水「顆糖熟(かとなーる)^[○!R]」の血圧に及ぼす作用と安全性を検討した.【方法】対象は,正常血圧者(収縮期血圧130mmHg未満かつ拡張期血圧85mmHg未満.N群.8名)と未治療正常高値血圧者(収縮期血圧130-139mmHgまたは拡張期血圧85-89mmHg)・軽症高血圧患者(収縮期血圧140-159mmHgまたは拡張期血圧90-99mmHg)のH群(10名)のボランテア計18名(男/女=13/5.平均46±3歳.)である.1本90mlにGABA70mg含有する飲料水「顆糖熟^[○!R]」を1日1本12週間摂取し,2週間毎に血圧・血液生化学・尿を検査した.【結果】診察所見・自覚所見で有害事象は見られなかった.N群では摂取による血圧の有意な変化は見られなかった(収縮期血圧118±3mmHgから113±4mmHg).H群では,摂取6週目から血圧低下が見られ,開始日(収縮期血圧136±2mmHg)と比較して10・12週目に有意な低下が見られた(収縮期血圧129±3・128±4mmHg,両p<0.05).興味深いことに,摂取中止2週後は更に血圧が低下し(126±3mmHg,p<0.05),中止4過後に血圧が上昇してきて摂取前と差が見られなくなった(130±4mmHg).摂取による血液生化学・尿検査の異常変化は見られなかったが,血糖値・GOT・γ-GTP・LDHの有意な低下と総コレステロール値の低下傾向が見られた.【総括】GABA含有飲料水「顆糖熟^[○!R]」は正常高値血圧者・軽症高血圧患者で緩やかに血圧を降下させ,安全性が高いことが示唆された.
著者
宮崎 総一郎 小林 隆一 北村 拓朗
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.10-18, 2011 (Released:2012-02-15)
参考文献数
26

睡眠は高度の生理機能に支えられた積極的な適応行動であり, 健康を支えるための重要な役割を担っている。睡眠障害初診患者のうち, 睡眠時無呼吸症候群を中心とした睡眠呼吸障害が半数以上を占める。睡眠時無呼吸症候群では, 睡眠中の呼吸努力により呼吸中枢を介して呼吸性覚醒が生じ, 結果として睡眠の分断化, 睡眠障害へとつながる。質の良い睡眠がとれないことで, 睡眠時無呼吸症候群は, 循環器疾患や脳卒中, 糖尿病の発症に関連し, 集中力・記憶力・学習能力や感情のコントロール, 作業能率などを障害し, 産業事故, 交通事故等の原因となる。多彩な症状で臨床各科を横断的に受診する可能性が高い睡眠時無呼吸症候群を診療する際に, 陥りやすいピットフォールについて, 著者が今までに経験した症例, 文献からの症例報告に睡眠学の知見をまじえて概説した。
著者
友松 雄一郎 芳野 純治 乾 和郎 若林 貴夫 奥嶋 一武 小林 隆 三好 広尚 中村 雄太 神谷 直樹 三浦 正剛
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.178-184, 2007-02-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
39
被引用文献数
4

大腸憩室出血の特徴を,特に抗血栓薬に着目して検討した.2002年7月~2005年11月までに下部消化管出血にて大腸内視鏡検査を実施した332例のうち,大腸憩室出血と診断されたのは32例(9.6%)であった.大腸憩室出血は65歳以上の高齢者が90.6%と大部分を占めた.出血部位は左側結腸78.1%,右側結腸21.9%,出血形態は凝血塊付着81.3%,湧出性出血15.6%,噴出性出血3.1%であった.憩室は多発93.8%,単発6.2%であった.輸血を必要としない軽症は81.3%,内視鏡治療の必要がなかったものが81.3%と大部分を占めた.抗血栓薬の内服率は50%(16/32)と他の下部消化管出血をきたした疾患に比べて高値であった.大腸憩室出血例の半数は抗血栓薬を内服しており,高齢者が大部分を占めることから,大腸憩室を有する高齢者への抗血栓薬投与は出血の主な誘因の一つと考えられた.
著者
小林 隆 Takashi KOBAYASHI
出版者
国立国語研究所
雑誌
研究報告集 = Occasional Papers
巻号頁・発行日
vol.12, pp.165-189, 1991-03 (Released:2017-06-13)

現代方言における東西対立分布が,どのように成立したかを,『日本言語地図』と文献資料により考察した。その結果,東西対立の成立パタンには,東西対立をなす語形の,①放射の中心地,②放射の順序,③伝播の範囲の三つの観点から見て,四つの異なるタイプが想定されることが明らかになった。また,安部清哉氏の方言分布成立における「四つの層」の仮説が,東西対立の成立過程を説明するのに妥当かどうかを検討した。 I examine how the opposition of east and west in the distribution of modern dialects in Japan originated, using the Linguistic Atlas of Japan and some historical materials. I first consider the opposition patterns from three angles : (1) distributions from a center, (2) sequence of distributions, (3) scope of distributions ; it appears that four different types can be distinguished. Next, considering the hypothesis put forward by Abe (Seiya) on the existence of four layers in the formation of dialects, I examine whether this explains the east/west opposition. 17の書名 : 国立国語研究所研究報告集
著者
田中 良弘 小林 隆 石堂 正之 大川 真佐雄
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 = Concrete journal (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.27-34, 2007-11-01
被引用文献数
3

超高強度繊維補強コンクリート (Ductal) は, 高強度, 高じん性, 高流動, 高耐久性の特性を持つ材料であり, この新素材を橋梁に適用すれば従来のPC橋梁に比べ自重を20~50%に低減することが可能となる。筆者らは, これまで実施した歩道橋や道路橋の施工実績から得られたDuctalの設計・施工に関する蓄積技術を活用して, モノレール軌道桁の技術開発を行い, 桁長40mのモノレール桁を完成した。開発した桁は, 6個のプレキャスト・セグメントが接合されてボックス断面となる。接合方法の要素実験, プレキャスト・セグメント工法を適用した桁長10mのモノレール桁の施工性能実験, および載荷実験など, 一連の実験・解析により施工・構造性能を検証した。
著者
小林隆著
出版者
ひつじ書房
巻号頁・発行日
2004
著者
朝比奈 俊彦 小林 隆夫 寺尾 俊彦
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.42, no.9, pp.1168-1174, 1990-09-01
被引用文献数
1

目的:受精卵の着床や妊娠初期の接着現象に関しては, その機序は依然として不明な点が多くいまだ十分解明されているとはいえない. そこでわれわれは, 着床直後のマウス初期胚およびヒト初期妊娠着床部, さらに正常子宮内膜培養細胞における接着関与物質の局在を酵素抗体法を用いて検索し, 初期胚と子宮内膜との接着機構の解明を試みた. 方法:(1)ICR系雌マウスをPMS-hCGを用い過排卵処理し交配させ, 妊娠5日目に子宮を摘出しfibronectin (FN), laminin (LM), type IV collagen (C_<IV>), XIII因子subunit S (XIII_S)の染色を行った. (2)ヒト患者において手術的に摘出した卵管妊娠(7〜8w)および子宮筋腫合併妊娠(5w)の着床部で, FN, LM, C_<IV>, XIII因子subunit A (XIII_A, XIII_Sの染色を行った. (3)ヒト患者において, 手術的に摘出した筋腫子宮の正常内膜部分を無血清培地にて単層培養し, FN, XIII_A, XIII_Sの染色を行った. 染色はすべて酵素抗体間接法を用いた. 結果:(1)マウス初期胚着床部では, FNとXIII_Sがtrophoblast giant cellsに, C_<IV>は子宮内膜上皮細胞に陽性染色された. LMはdistal endodermとその基底膜に陽性染色された. (2)ヒト初期妊娠着床部ではC_<IV>がsyncytiotrophoblastの表面と絨毛間質部, および子宮又は卵管内膜間質部に, FNとXIII_Aが絨毛間質部, および子宮又は卵管内膜間質部に陽性染色された. (3)子宮内膜培養細胞においてはFNとXIII_Aが間質細胞に陽性染色された. 結語:(1)マウス初期胚着床時の接着現象において, FN, C_<IV>およびそれらの接着に架橋的に働くXIII 因子の関与が強く示唆された. (2)ヒト初期妊娠の接着機構においてもFN, C_<IV>, XIII因子の関与が強く示唆された. (3)さらにそのFNとXIII因子は, 子宮内膜間質細胞で産生されていることが判明した.
著者
市原 学 小林 隆弘 藤谷 雄二 尾村 誠一 市原 佐保子
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
vol.40, 2013

ナノテクノロジーは,並行して発展してきた分子生物学との融合を通じ新しい学術分野と革新的な技術を生み出すことが期待されている。ナノテクノロジー全体の中で,工業ナノマテリアルはその第一段階を形成するものである。一方,工業ナノマテリアルの健康,環境への影響,安全性についての研究は十分とは言えない。なかでもヒト健康へのリスク評価は優先順位の高い課題である。暴露評価はハザード評価と統合され,リスクを評価するために用いられる。工業ナノマテリアルに暴露された労働者を対象とした疫学コホート研究を立ち上げる構想が国際的にも議論されているが,その基盤としても暴露評価は重要な課題となっている。暴露評価におけるナノマテリアルに特異的な問題の一つは用量計測基準として何を選ぶかということである。この問題に関して国際的なコンセンサスはまだ得られていない。ナノマテリアルの個数,表面積が生体分子との反応性に貢献していると考えられていることから,従来の重量濃度に基づく計測基準が,ナノマテリアルの暴露を定義する上で十分かどうか疑問がある。走査式モビリティーパーティクルサイザー(SMPS)によりナノ領域を含む粒子を分級し連続的にモニターすることが可能であるが,高価で可動性に問題があり,労働現場でより簡易にナノ粒子を測定する機器の開発の必要性が唱えられてきた。米国国立労働安全衛生研究所は凝集粒子カウンター(CPC)と光散乱粒子計測装置(OPC)の併用を提案している。また,比較的安価で小型化されたSMPS,あるいは新しい小型計測機器も開発されている。長期の累積的な暴露の評価には多くの困難が伴う場合があることも指摘しなければならない。生体試料を用いた内部暴露評価のためにバイオロジカルモニタリング法の開発も求められ,そのためには様々な分野の研究者の共同が必要である。
著者
岡崎 雅嗣 国本 利文 小林 隆夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.329, pp.41-46, 2003-09-22

本稿では,非定常なオーディオ信号に重畳した雑音の除去に関して述べる.スペクトル減算法(SS法)は定常的な信号である場合に効率よく機能するが,元信号がピアノのアタック部分のようにパルス性の音など非定常な成分を含んでいる場合は十分な性能を得るのが難しいという問題があった.本研究では,そのような非定常な元信号に対して,SS法の窓長を適切に選ぶことが重要であることを示し,窓長を適応しながら多段接続したSS法を提案する.また,窓長を長くしたとき問題となるプリエコーを回避する方法についても検討する.4段の多段SS法によって4種類のオーディオ信号の雑音除去を行い主観評価を行なった結果,多段SS法は単一の窓長を用いたSS法より品質が良いことがわかった.
著者
益子 貴史 小林 隆夫 徳田 恵一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.97, no.64, pp.33-38, 1997-05-22
被引用文献数
8 2

隠れマルコフモデル(HMM)に基づいて,任意のテキストからそれに対応する滑らかな唇形状の動きを生成する新たな手法を提案している. 提案手法では,音素や音節等,各音声単位に対応する唇形状の動きをHMMによりモデル化している. 画像生成時には,与えられたテキストに対応する文HMMを音声単位HMMを接続することにより構成し,得られた文HMMから尤度最大化基準により,唇形状の動き表す最適なパラメータ系列を求めている. 本手法の特徴は,既に提案したHMMに基づく音声合成法と同一の枠組で画像の生成が可能な点にあり,音声と画像で同一の音声単位を用いて統一的にモデル化を行なえば,音声・画像の同時生成が容易に実現できる. 本論文では,唇動画像生成システムの構成を示すとともに,実際に小規模な実験的システムを構築し,得られた画像が自然発声に近い滑らかな唇の動きを表現可能なことを示す.
著者
大澤 義明 石川 竜一郎 小林 隆史
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

公共施設立地を巡る投票に参加する住民の影響を考察するため, 空間を取り込んだ基礎理論を構築した.住民アクセスという距離空間を明示的に取り込んだ単純な公共施設配置モデルを構築し,施設建設について各人の負担する費用(個別合理性)と行政が負担する全住民分の費用(全体合理性)についての比較を数式により明示し投票結果が経済的に最適となる必要十分条件を導出した。庁舎問題に関しては現地建て替えが有利となる2/3以上の同意要件(現在の地方自治法)の非効率性について明らかにした.加えて,実際の関東地域自治体庁舎建設に関して,GISを用いて可視化しながら投票結果の移動効率性の大きさや空間分布に関して分析した.