著者
唐木 將行 小林 隆一 小林 英治 石井 玄吾 森 望
出版者
日本鼻科学会
雑誌
日本鼻科学会会誌 (ISSN:09109153)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.154-159, 2006-07-31 (Released:2010-03-11)
参考文献数
12

Bronchial asthma has been reported to greatly influence the outcome of endoscopic sinus surgery (ESS) in patients with chronic sinusitis. We studied 191 patients undergoing ESS from January 2000 to December 2004, focusing on postoperative improvement in olfactory disorders, recurrence, and incidence of reoperation in 143 patients with follow-up exceeding 6 months. Airway hypersensitivity was observed in 35% of patients undergoing ESS, compared to 75% of asthmatic patients and 81% of those with both asthma and allergic rhinitis who had preoperative olfactory disorders. Olfactory disorders improved in 82% of patients undergoing ESS. Over 50% of relapsed patients had airway hypersensitivity. Asthmatic patients had an especially high relapse 37% (10 of 27 patients) . The outcome of ESS was significantly worse in patients with asthma. We conclude that patients with chronic sinusitis and asthma, who tend to experience more recurrence, require regular examination and early treatment.
著者
小林 隆 薦田 憲久
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.124, no.5, pp.1068-1075, 2004 (Released:2004-08-01)
参考文献数
13
被引用文献数
1 4 7

The traditional business process design methods, in which the usecase is the most typical, have no useful framework to design the activity sequence with. Therefore, the design efficiency and quality vary widely according to the designer’s experience and skill.  In this paper, to solve this problem, we propose the business events and their state transition model (a basic business event model) based on the language/action perspective, which is the result in the cognitive science domain. In the business process design, using this model, we decide event occurrence conditions so that every event synchronizes with each other. We also propose the design pattern to decide the event occurrence condition (a business event improvement strategy). Lastly, we apply the business process design method based on the business event model and the business event improvement strategy to the credit card issue process and estimate its effect.
著者
小林 隆
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.105-107, 2004-09-30

現代方言の社会的意味について,共通語と対比しつつ,方言の性格や機能の変貌という視点から考える.結論として,現代方言には「アクセサリー化」とでも呼ぶべき質的変容が起こりつつあることを指摘する.
著者
吉村 貴克 徳田 恵一 益子 貴史 小林 隆夫 北村 正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.83, no.11, pp.2099-2107, 2000-11-25
被引用文献数
92

本論文では, HMMに基づく音声合成において, スペクトル, ピッチ, 継続長をHMMの枠組みで統一的にモデル化する手法について述べる.本システムでは, スペクトル・ピッチ継続長モデルとして, それぞれ連続分布HMM, 多空間確率分布HMM(MSD-HMM), 多次元ガウス分布を用い, 音素環境, アクセント, 品調などのコンテクストを考慮したコンテクスト依存モデルを構築する.コンテクスト依存モデルは, 決定木に基づくコンテクストクラスタリング手法によりクラスタリングされる.決定木構築の際, 節分割はMDL基準により行う.このこめ, 新たにMSD-HMMに対するMDL基準によるコンテクストクラスタリング手法を導出している.音声合成実験において, 自然性の高い合成音声が得られること, 更に自動学習によりシステムを構築可能であることを認識した.
著者
松浦 祐太 吉見 哲哉 小林 隆 辻 秀一 水野 加央里
雑誌
研究報告 情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.2, pp.1-6, 2011-05-30

近年、情報通信技術の進展によりパソコンや携帯電話が普及し、多くの人がインターネット等から容易に情報を得ることができる時代となった.またブログやソーシャルネットワークサービス (SNS) により、他者とのコミュニケーションを容易に行うことが可能となった.また、地域社会においては高齢化や過疎化などにより地域活力の低下が著しく、地域活性化は大きな課題となっている.本研究では、ポイント利用サービスなどにより、地域内の人々の繋がりを強めることだけでなく、地域外からの参加者も呼び込むことが可能となる地域活性化支援システムを提案する.Recently, many people is possible to take much information easily with PC and cellular phone through the Internet. Furthermore, blog and SNS can be used for the communication with other persons. In the local community, there is the problem that a force of the community become to be smaller by the influence of aging and depopulation. In this research, we propose the support system for activating the community by strengthening the connection in it and drawing outside persons with the use of point service.
著者
菅野 伸 斉藤 良訓 富永 哲欣 小林 隆一 多田 康彦 山根 宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.81, pp.29-33, 2005-05-19
参考文献数
6
被引用文献数
7

従来の蛍光灯器具は、グローランプ等方式による点灯方式であって、発生する電磁妨害波も小さかった。最近はインバータ方式蛍光灯が主流になりつつあり、ここでは、これらの方式による妨害波特性を評価した結果についてもインバータ方式では、定常状態の放射妨害波レベルが従来方式より30dB程度、また, 定常状態の伝導妨害波レベルも20dB程度、さらに、スイッチ操作により発生する過渡妨害波電流についても40dB程度大きいことが分かった。また、通常、複数台で同時に使用される機器であることから、動作台数の増加による妨害波レベルの変化について測定結果例を示す。
著者
小林 隆志 佐伯 元司
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.60-75, 2004-01-27

本稿では, Gang-of-Four(GoF)デザインパターンのようなソフトウェアパターンを使用したソフトウェア開発を支援するために, パターンのモデルとその利用法に関して議論する. 我々はパターンを使用した開発の問題点は, 開発者によるパターンの持つメカニズムを壊す変更であると捉え, パターンとその正しい使用過程のオブジェクト指向モデルを提案する. 本モデルでは, パターンには変更可能な箇所と, パターンの持つメカニズムのために変更すべきではない箇所がある点に着目しパターンの構造情報と, 変更可能な構造をどのように変更するべきかの操作情報を保存する. また本稿では, モデルを記述する言語としてJavaを選択し実際にGoFパターンのうち22個を記述する. また, その記述を利用し開発者を支援するツールを提案する.
著者
長谷川 琢哉 西川 公一郎 小林 隆 丸山 和純 石井 孝信 中平 武 坂下 健 荻津 透 木村 誠宏
出版者
大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

物質優勢宇宙創成の謎に迫るべく必須の液体アルゴン三次元飛跡検出装置について、試作機を構築し特性を把握した。今回の性能評価により、同測定装置は、T2K前置ニュートリノ測定装置に必要とされる能力を有することが結論付けられた。20ktから70ktの液体アルゴン三次元飛跡検出装置を、ニュートリノ源から2300kmの超長基線長かつ大深度地下(3000m水密度相当以上)に設置して研究を行えば、ニュートリノ質量階層性、レプトンのCP対称性の研究に関して、他の計画の追随を許さないものとなることが示された。又、大深度地下に測定装置を設置することが、陽子崩壊探索の感度向上に重要であるということが確認された。
著者
小林 隆人 稲泉 三丸
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.20-30, 2003-01-10

オオムラサキの幼虫の越冬期の死亡率とその要因を明らかにする試みの一つとして,栃木県真岡市において1999年11月下旬から2000年3月末にかけて以下の実験を行った.幼虫が越冬している林床の枯葉に,天敵の捕食活動を防止するための1mm,5mm,40mmメッシュのネットを地表に被せた区,風などの物理的要因による枯葉の移動を防ぐために枯葉に重りをつけた区,および無処理区を設けた.いずれの区においても死亡個体数は11月下旬から12月末までは少なかったが,越年後の1-2月には増加した.調査終了時のこれら5つの試験区での幼虫の生存率は64-70%で,全ての調査日において試験区間の生存率の差は有意でなかった.ペンキで標識を付けた枯葉に,越冬幼虫1個体,2個体,3個体に相当する重りをつけ,11月下旬に林床に設置し,翌年3月に再確認したところ,枯葉はすべて設置した地点から見つかった.調査期間中の真岡市における最低気温は-9.3℃,12月の最低気温は-8℃であった.越冬期前半(12月)の越冬幼虫を室温5℃から-5,-10℃まで徐々に低下させた条件,あるいは急激に低下させた条件に置いた場合の生存率はいずれも90%以上の高い値を示し,処理間で有意な差はなかった.幼虫が越冬する枯葉に対する給水頻度を実験的に変えたところ,毎日,4日に1度,7日に1度,15日に1度の間隔で給水した区での幼虫の生存率は高い値を維持したが,30日に1度の給水区,および全く給水しなかった区では,3月初めより他の区に比べ有意に低くなった.野外において幼虫の死亡率を調べた期間において1日当たり10mmを越える降水があった日は1月上旬と3月中-下旬に限られ,20日以上の間降水がない期間が3回あった.以上の結果から,越冬期に捕食者によって死亡するオオムラサキ幼虫の個体数,枯葉の移動による幼虫の消失数は少なく,低温による死亡数も越冬期前半に関しては少ないと考えられた.本種幼虫の越冬期の死亡要因の1つとして枯葉に対する給水頻度が働いている可能性が示唆された.
著者
益子 貴史 徳田 恵一 小林 隆夫 今井 聖
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.12, pp.2184-2190, 1996-12-25
被引用文献数
100

隠れマルコフモデル(HMM)からの動的特徴を用いた音声スペクトルパラメータ生成アルゴリズムに基づく規則音声合成システムの新たな枠組みを提案している.本システムで用いるパラメータ生成アルゴリズムでは,HMMで学習した静的,動的特徴の統計情報に従って連続的に遷移するスペクトル系列を生成することができる.規則音声合成にこのアルゴリズムを適用することにより,滑らかで自然性の高い音声を合成できると考えられる.本論文ではこのHMMに基づく規則音声合成システムの枠組みを示し,韻律生成部を除く合成システムを構築した.生成されたスペクトルパラメータを用いて合成した音声の主観評価実験により動的特徴の有効性を示すと共に,合成単位である音素HMMの構成について,音素環境依存性など,いくつかの検討を行っている.
著者
小林 隆一 千葉 浩行 藤原 康平 渡部 雄太 滝沢 耕平 桑原 聡士 竹村 昌太
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2020年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.680-681, 2020-03-01 (Released:2020-09-03)

近年、AMの電気的応用への期待が高まっている。我々は構造物であり、かつ電気的特性も求められる導波管に着目した。樹脂AMでは光造形、材料噴射、粉末床溶融結合(めっきによって表面に導電性を付与した)、金属AMでは粉末床溶融結合を用いて導波管を造形した。各導波管の75-110GHzの透過損失を測定したところ、市販の導波管と比較すると性能は劣るものの、粉末床溶融結合(樹脂)の損失が最も小さい結果となった。
著者
市川 清人 三田 雄志 堀 修 小林 隆夫
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.419-427, 2008-07-25 (Released:2011-08-25)
参考文献数
15

顔全体および顔パーツを個別に識別することで, 隠れを含んだ顔でも識別できる頑健な顔検出手法を提案する. 従来法の多くは顔全体の情報による手法であるため 隠れを含む顔の検出が難しかった. 提案手法は, AdaBoostに基づいて学習した 各識別器の出力を線形判別分析および決定木を利用して 統合し顔か非顔かを判定する. 決定木を利用することで識別器の利用を制御し, 隠れのある顔でも検出できる手法である. 隠れを含む顔および隠れを含まない顔の識別実験において, 過剰検出率が0.1%のときの正検出率は, 顔全体だけの識別器を用いた場合の31%, 決定木を用いないですべての識別器を統合した場合の48%に対して, 提案手法は88%という結果となり, 隠れを含む顔を検出するために, 効果的な手法であることを実証した.
著者
中村 恵理子 小林 隆司
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.755-762, 2023-12-15 (Released:2023-12-15)
参考文献数
20

作業療法士養成校にとって,学生の学習意欲を高め主体的な学習へ導くことは重要な課題である.本研究では,作業療法士を目指す学生が,主体的な学習へと学習意欲を変化させる過程について複線径路等至性アプローチを用い,変化の時期や内容を分析した.その結果,学習意欲の変化の時期は8つの区分に分かれ,早期からの学習意欲の向上には関係志向と自尊志向を利用した学習支援や早期体験型学習などで実用志向,充実志向を促すような学習の重要性が示唆された.
著者
椎貝 達夫 前田 益孝 小林 隆彦 棚瀬 健仁 小林 君枝
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.928-932, 2003-03-30 (Released:2011-08-11)
参考文献数
22
被引用文献数
1 1

慢性腎疾患 (CKD) の進行抑制に低たんぱく食 (LPD) は不要という説がある。しかしCKDのうちの非糖尿病性腎症 (NDN) を対象としたLPDのランダム化比較試, 験 (RCT) についてのメタアナリシス (MA) 3篇では, いずれのMAでもLPDは「進行抑制に有用」と結論されている。他領域でも行われているような, RCT一つ一つの質を評価し, 質の高いものだけのMAを行えば, LPDの有用性はさらに高まると思われる。一歩退いて進行抑制にLPDが無効の場合を考えてみよう。WHO/FAOが疾病予防の観点から30年前に発表した一般人の食事についての勧告では, 推奨される1日たんぱく摂取量 (DPI) はたんぱく0.8g/kg/dayであった。しかし先進国では国民のDPIはどの国でも1.1~1.3g/kg/dayである。CKDに対し食生活に何の規制も加えなければ, この一般人のたんぱく摂取量になってしまうだろう。一般人より心血管系リスクがはるかに高いNDN・CKD例がたんぱく制限なしで良いとは到底考えられない。つまりどのような立場であってもDPIのモニタリングをキチンと行い, DPIO.89/kg/day, あるいはDPI0.6g/kg/dayになるような指導を行い, その条件下に降圧療法, レニン・アンジオテンシン系抑制, アシドーシス補正, 腎性貧血の治療などの総合的な進行抑制療法を行うべきだろう。
著者
那須 識徳 山根 伸吾 小林 隆司
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.532-540, 2022-05-18 (Released:2022-07-04)
参考文献数
18
被引用文献数
1

目的:高齢になり運転などの移動手段を変更する必要がある場合に,個人の感情面や態度の準備状況を把握するための自記式質問紙としてAssessment of Readiness for Mobility Transition(ARMT)がある.本研究ではARMT日本語版(ARMT-J)の言語的妥当性を検証することを目的とした.方法:「尺度翻訳に関する基本指針」を参考にして「順翻訳,調整,逆翻訳,逆翻訳のレビュー,認知的デブリーフィング,認知的デブリーフィングのレビュー,校正,最終報告」を実施した.順翻訳と調整は国内の作業療法士3名が行い,逆翻訳は翻訳会社に依頼した.逆翻訳のレビューと認知的デブリーフィングのレビューは開発責任者に依頼し,認知的デブリーフィングは地域在住高齢者5名を対象に行った.結果:順翻訳では5項目,逆翻訳のレビューでは3項目で意見の相違が確認された.特に項目11の原文である「Moving to a retirement community is too restrictive for my desired mobility.」の中の「retirement community」は日本では普及しておらず,翻訳者間で日本語訳に相違を認めた.海外では「retirement community」は高齢者のための居住地域または建物と定義されており,翻訳にかかわった作業療法士3名と開発責任者にて協議のうえ,日本語訳は「高齢者のための住宅」とした.さらに,開発責任者に確認を行い,加齢のため移動手段を変更せざるを得ない場合,居住地域を変更する必要があるという意味が含まれているという補足文書をつけ,ARMT-Jを完成させた.結論:本研究ではARMT-Jの言語的妥当性を検討し,妥当と思われる日本語訳を作成した.