著者
山本健吉〔ほか〕編集
出版者
河出書房新社
巻号頁・発行日
1981
著者
山本 健太 久木元 美琴
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2012, 2012

大都市における文化創造機能については,これまで主として生産者の視点から議論されてきた.他方で,文化を消費する人々の行動については,十分な知見が得られていない.特に,従来の研究蓄積において,消費者の行動とその空間性について言及したものはみられない.本研究では,大都市における文化産業として演劇をとりあげ,観劇者の属性と消費行動の特性の一端を,アンケート調査の結果から考察する. <br> 具体的には,小劇場劇団Hの劇場Aにおける公演(10月26日~31日,10公演)の観劇者を対象として,アンケート調査を実施した.当該公演の客入数は合計617,回答数は98であった.アンケートでは,これまで明らかにされてこなかった観劇者の居住地や職場の位置,観劇前後の行動などの質問を設定した.<br> 劇団Hは,2001年に旗揚げし,現在は劇団代表で脚本・演出も手掛ける俳優Nの下で9人が活動している.劇場Aは1984年に設立され,舞台配置にもよるが,60席程度を設置できる規模である.小劇場の中でも知名度の高い劇場で,中堅劇団の公演地として選択されることが多い.最寄駅は京王井の頭線駒場東大前駅である.<br><b> 観劇者の属性:</b>性別年齢別回答数では,女性の20代後半から30代前半がボリュームゾーンになっている.職種では,事務職(24)が最多で,その他専門技術職(13)が次ぐ.最終学歴では大学卒(非芸術系)が卓越するが,芸術系出身者も少なくない.居住地の最寄駅をみると,劇場の立地を反映して,JR中央線沿線や東急田園都市線,京王線,小田急線など,新宿や渋谷を起点とする路線沿線に居住するものが多い.一方,広島県(2人)や富山県(2人)など,遠距離地域からの集客があることも注目される.<br><b> 観劇に至る経緯:</b>公演を知るきっかけは,「チラシ」が98人中37であり,重要な情報収集ツールになっている.また,劇団関係者(21)や友人(17)からの情報も多い.さらに,本公演では,劇場Aを通じて観劇に至ったことに言及したものが8人(9%)いた.このことは,劇場による宣伝が公演を実施する際に無視できないことを示している.観劇に来た理由では,「演出家[m3]&nbsp;Nの演出/脚本が好きだから」(50)が最も多く,「好きな俳優が出演する」(24)との回答も少なくない.誘われて観劇に来たものは13あり,ここでも,友人ネットワークを通じた「口コミ」による観劇者動員の重要性が指摘できる.<br><b> 劇場の立地と観劇者の行動:</b>観劇を決定する際に,劇場の立地をどれくらい重視するか尋ねた結果,劇場の駅からの距離や劇場周囲の雰囲気はあまり重視されないことが示された.他方で,職場や自宅からのアクセスは,「気にする」「とても気にする」の合計(46)が,「あまり気にしない」「全く気にしない」の合計(38)を上回った.これは,仕事帰りに観劇に立ち寄る場合や,終業後に一度帰宅してから観劇に至る場合が少なくないことによる.このことから,終業後に公演時間に間に合う劇場立地であることが,観劇を決定する上で重要な要素となっているといえよう.<br><b> 劇場周辺における観劇者の消費行動:</b>観劇前後の訪問場所をみると,57人中15人が,単館系映画館や小劇場,美術館などを挙げ,近在する文化施設を「ハシゴ」している様子が認められた.劇場Aは,渋谷と下北沢の中間地点に位置し,いずれの街からもアクセスしやすい.渋谷や下北沢といった盛り場や,そこに立地する文化施設に近いことが,本事例における回答者の「ハシゴ」行動を支えていると推察される. 消費者のこうした行動は,都市における演劇文化の消費行動の実態や,ひいては「都市の魅力」「地域の魅力」の要因を検討するうえで,無視できない知見であろう.このような消費行動が他地区での公演においても認められるのか,事例の蓄積が必要である. <br>
著者
山本 健見
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
Geographical review of Japan, Series B (ISSN:02896001)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.127-155, 1993-12-31 (Released:2008-12-25)
参考文献数
73
被引用文献数
4 5

本稿は,ドイツの代表的大都市の中から,都市人口に占める外国人の比率が高く,しかも外国人全体の中に占めるトルコ人比率が特に高い都市である西ベルリン,ケルン,デュースブルクと,外国人比率は高いがトルコ人はユーゴスラビア人につぐ第2位集団でしかないミュンヘンとシュトゥットガルトとを取り上げて,各都市における民族的少数集団の空間的セグリゲーションの状態と程度を描くとともに,その要因を考察することを目的とする。その際,空間的セグリゲーションは,問題となる社会集団間の社会的距離を反映するという古典的人間生態学の理論の妥当性を検証することも,本稿の目的の一つである。 ドイッの大都市を事例としたこのテ・一マに関わる既往の諸研究は,アメリカの黒人ゲットーなどと対比して,ドイッ各都市に共通する特徴を重視してきた。しかし,ドイツ各都市において民族的少数集団が集積・集中している地区の特徴は類似しているものの,民族的少数集団の空間的セグリゲーションの程度に関する各都市の間の差異はかなり大きい。ドイツの各都市は固有の特徴を示しており,古典的人間生態学の理論は妥当しない場合が多い。類型的に見れば,北部の経済的に停滞してきた都市,すなわち西ベルリンとデュースブルクで空間的セグリゲーションの程度が大きく,南部の経済的躍進の著しい都市,すなわちミュンヘンとシュトゥットガルトで小さい。ケルンは両者の中間に位置付けられる。 このような類型的な特徴を説明するためには,民族的少数集団の側の居住地に関する主観的選好という要因よりも,構造的な要因に,すなわち各都市の形成史に制約された住宅供給の特質という要因を重視すべきである。本稿では,デュースブルクを事例として公益住宅企業が果たした役割を考察し,またミュンヘンを事例として「社会住宅」の果たした役割を考察した。その結果,空間的セグリゲーションに関する古典的理論からすれば逆説的なことであるが,差別が空間的分散を生み出し,また住宅供給側の主観的差別の欠如ないし小ささが空間的集中をもたらしていることが明らかとなった。
著者
野添 匡史 間瀬 教史 杉浦 みどり 岡前 暁生 山本 健太 立栄 智恵 眞渕 敏 傳 秋光
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.254-259, 2007-10-20 (Released:2018-08-25)
参考文献数
24
被引用文献数
11

本研究の目的は,体幹前傾姿勢が肺気量位と呼吸運動に与える影響を調べることである。健常人20名を対象として,体幹前傾角度0°位(安静立位),30°位,60°位,90°位での肺気量位,胸腹部呼吸運動を測定し,体幹前傾角度の違いと各指標の変化について検討した。終末吸気肺気量位,終末呼気肺気量位は体幹前傾角度の増加に従い有意に増加したが,60°位,90°位の問では有意な差は認められなかった。終末吸気,終末呼気の胸部周囲径は体幹前傾角度の増加に従い有意に増加した。以上の結果より,体幹前傾姿勢では胸郭に対する重力の作用方向が変化し,胸郭が拡張位となることで高肺気量位での呼吸様式になると考えられた。
著者
早山 陽子 山本 健久 筒井 俊之
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.93-101, 2018-12-20 (Released:2019-07-01)
参考文献数
29

Foot-and-mouth disease (FMD) is a highly contagious and economically important disease of cloven-hoofed animals. Epidemiological modeling has been recognized as a useful tool for studying the spread of the disease under different environments and control measures. In this study, we developed an FMD transmission simulator (Japan simulation model of animal infectious diseases simulator FMD, JSMIN-FMD), which is a user-friendly simulation system, allowing decision makers to use for evaluation of the effectiveness and efficacy of control strategies upon the simulated outbreaks. This simulator employs a stochastic spatially explicit individual-based model to generate between-farm transmission in a selected area. To run the simulator, farm data including farm sizes, animal species, and geographical locations, is required. Parameters concerning the transmission process and control measures are also necessary. The transmission process is composed of two parts, namely transmission before the movement restrictions and that after movement restrictions. Long-distance transmissions were generated reflecting the movement of animals, humans, and vehicles in the area. The default setting parameters of these movement patterns such as the frequency and distance of movements were based on the survey results conducted in the livestock farming areas. Estimation of the movement distance is also available based on the farm density in the simulated area by a developed algorithm. Local spread was produced by transmission kernels estimated from the previous FMD epidemics in Japan in 2010 and those in Europe in 2001. Control measure scenarios include prompt culling, preemptive culling, and vaccination. For simulating these scenarios, culling or vaccinating capacities and prioritization of farms to be culled or vaccinated can be defined in advance. Simulation outputs include graphs and tables on epidemic size, economic impact, and required human resources as well as maps showing the way of the disease spread. The simulator could provide practical help for decision makers to understand how the disease spread and how best to control the disease in planning control strategies against FMD.
著者
山本 健二 浅尾 哲次 赤峰 昭文 中西 博 TETSUJI Asao 浅尾 哲治
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1997

歯周病の主要な病原性細菌Porphyromonas gingivalis(以後ジンジバリス菌)は自身の生存戦略に必須の物質として2つの主要なシステインプロテアーゼArg-gingipain(Rgp)とLys-gingipain(Kgp)を産生している。両酵素は細胞内外に存在し多様な機能を果たしている。細胞外にあっては、両酵素は歯周組織を直接したり、宿主の生体防御機構を破壊したりして歯周病原性を発現する一方、菌体にあっては自身の成長・増殖に必須のヘムやアミノ酸の獲得や菌体表層蛋白質の具プロセシング、血球凝集素活性やヘモグロビン結合活性などに強く貢献していることが明らかにされた。本研究の目的は、両酵素のこうした多様な機能の詳細な機能の解明を通じて、これらを薬物標的とした創薬研究を推進することにあった。とくに本研究では、Rgpに対する特異的な天然ならびに人工の阻害剤が探索され、それらの有効性を検定するとともに歯周病治療薬として実用化していくための具体的な方法論が検討された。天然の阻害物質としては、土壌の放線菌FA-70株の培養物中に本酵素活性を阻害する物質(FA-70C1と命名)を同定・単離し、構造を決定した。本物質は構造式C_<27>H_<43>N_9O_7で表され、分子量606の新規物質であった。またヒト唾液中にRgpを阻害する物質としてヒスタチンが同定された。ヒスタチンを含む宿主蛋白質のRgpによるペプチド結合の切断特異性に基づいて10種類以上のオリゴペプチドが合成され、その中から、Rgpを強く阻害するトリペプチド化合物(KYT-1と命名)を見出した。FA-70C1およびKYT-1はともにRgp活性を10^<-8>Mで80%以上阻害するのに対し、宿主のシステインプロテアーゼのカテプシンB、L、K、Sは同じ濃度で50%以下の阻害しか示さなかった。また、両阻害剤はRgpがもつコラーゲン分解能や免疫グロブリン分解能を強く阻害した。
著者
吉川 千尋 田上 未来 間瀬 教史 山本 健太 野口 知紗 冨田 和秀 門間 正彦 居村 茂幸
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0165, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】横隔膜呼吸では,下側肺野の換気が増加すると報告されており,この変化は仰臥位や直立位と比較し側臥位でより顕著に見られる。この要因の一つとして横隔膜による縦隔の挙上があると報告されている。側臥位において下側肺野は縦隔による圧迫を受けている。横隔膜はその縦隔と連結をもち,側臥位で横隔膜が収縮すればその張力により縦隔が持ち上げられ,下側肺野が拡張しやすくなるという説がある。もしこの説が正しいとすれば,側臥位で呼吸を行うと吸気に伴い縦隔は上側に引きあげられる。その際,横隔膜の筋線維走行は縦隔を持ち上げる上側方向に向いているはずである。本研究の目的は,側臥位における呼吸に伴う縦隔組織の位置変化,横隔膜の走行を観察することにより横隔膜が縦隔を持ち上げ,下葉換気の増加に関与している可能性があるかどうかを検証することである。【方法】対象は健常人8名(男性6名,女性2名),測定体位は左側臥位とし,撮像時の肺気量位は機能的残気量(FRC)位,予備吸気量(IRV)位,全肺気量(TLC)位,残気量(RV)位とした。撮像装置は1.5TのMRI(東芝EXCELART Vantage1.5T)を用いた。対象者に各肺気量位での息止めを30秒程度行わせ撮像した。撮像は三次元構築画像撮像として,腹側から背側方向へ肺全体の撮像を前額断で行った。得られたMRI画像から画像解析ソフトimageJを用いて以下の分析を行った。まず心臓の最大横径を計測し,その画像上で,第5胸椎レベルでの胸腔内横径,右胸腔内壁から心臓最右端(右胸腔内横径),左胸腔内壁から心臓最左端(左胸腔内横径)の距離を各肺気量位で計測し上側・下側肺野の換気変化の指標とした。また,各肺気量位における大静脈孔レベルでの左右横隔膜の筋長を,第10胸椎レベルでの横隔膜最遠位部から大静脈孔部までの距離として計測した。さらに,その筋線維走行を観察し,横隔膜の筋収縮と収縮に伴う張力方向の指標とした。各肺気量位での測定項目を分散分析,多重比較法にて検定し,有意水準は5%とした。【結果】胸腔内横径(TLC:402.6±29.9mm,IRV:382.1±34.3mm,FRC:377.6±35.9mm,RV:365.5±34.8mm)は,TLCが他の肺気量位と比べて有意に長く,RVが他の肺気量位と比べて有意に短い値であった。右胸腔内横径(TLC:152.6±18.5mm,IRV:147.7±16.4mm,FRC:147.7±15.0mm,RV:142.1±16.0mm)はTLCが他の肺気量位と比べて有意に長い値を示した。左胸腔内横径(TLC:59.7±17.6mm,IRV:33.2±14.4mm,FRC:25.9±11.1mm,RV:22.0±11.2mm)はTLCが他の肺気量位に比べ有意に長く,RVに比べIRVでは有意に長い値を示した。右横隔膜の筋長(TLC:231.7±18.2mm,IRV:254.3±14.2mm,FRC:296.4±20.7mm,RV:326.4±21.3mm)は,TLC,IRVともにFRC,RVより有意に短い値を示し,FRCとRVの間でも有意差を認めた。左横隔膜の筋長(TLC:276.3±38.1mm,IRV:277.5±70.3mm,FRC:322.0±38.1mm,RV:332.1±33.0mm)は,TLCとIRVがそれぞれFRC,RVより有意に短い値を示した。右横隔膜の筋走行は,RVからFRCまで大静脈孔から胸壁にかけてわずかな曲線もしくは比較的平坦に近く,その後胸壁部分で鋭角にまがり胸壁に沿って走行していた。FRC以上の肺気量位では,大静脈孔から胸壁まで全体的に彎曲し,筋線維走行は右方尾側方向となり縦隔を上方に引き上げる走行となった。【考察】側臥位は体位変換の体位として頻繁に使用され,上側肺野の換気改善,排痰目的に利用される。今回の結果からは,側臥位における横隔膜の筋走行はFRC以上の肺気量位では縦隔を上方に引き上げる右方尾側方向となり,それと同期して下側に位置する左胸腔内の横径はRV時より長い値を示し,肺野の横径が拡張していた。これらの結果は,側臥位における横隔膜は尾側への下降による胸腔の拡張作用だけでなく,組織的な連結をもつ縦隔組織を上方に持ち上げ,下側の肺野を拡張する役割を持つ可能性が示唆された。【理学療法学研究としての意義】側臥位における下側肺野の換気増加に影響する因子の一つを検討することは,呼吸理学療法の体位交換を行う上で有用な情報と考えられる。
著者
山本 健一 山田 善久 武田 康雄 大橋 真由美
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.16, pp.258-261, 2000-11-11

本学英語英文学科では、英語運用能力のレベルアップのための具体的な達成目標として、英検、TOEFLまたはTOEICなどの検定試験受験を学生に奨励している。英語力判定の基準として英単語はこれら検定試験の基本であり、英語英文学科学生の英語運用能力向上に少しでも資するため、英検2級用英単語学習ソフトを共同開発した。開発後、英語英文学科1年生の学生を対象に、本ソフトを利用して英単語のプレテストを実施した。約一ヶ月の学習後、ポストテストを行い、どの程度学習効果が向上したかを中心に分析した。また本ソフトの使用に関するアンケート調査を実施し、その調査結果を併せて考察した。
著者
山本 健太郎
出版者
関西学院大学
雑誌
法と政治 (ISSN:02880709)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.1012-941, 2008-01
著者
岩井浩一 滝澤恵美 阪井康友 山田哲 佐藤たか子 木村知美 豊田和典 山本健太 冨田和秀 大瀬弘高 居村茂幸
出版者
茨城県立医療大学
雑誌
茨城県立医療大学紀要 (ISSN:13420038)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.141-148, 2009-03

茨城県常陸大宮市において、平成19年度の介護予備事業としてバランスアップ教室を実施した。教室の開始時および終了時には体力測定を実施し、参加者の体力の変化について検討したが、今年度は併せて呼吸機能の検査を実施した。高齢化の進展に伴って、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の有病率も増加することが懸念されており、住民の呼吸機能の現状を把握するとともに、運動指導によって呼吸機能がどの程度改善するかについて検討した。バランスアップ教室には55名が参加し、平成19年5月から11月までの6ヶ月間、市内の3つの会場でインストラクターの指導のもと、1回60分の教室を月3回の頻度で実施した。教室開始時の呼吸機能検査において、1秒率(FEV1.0%)が70%以下で、COPD疑いと判定された者は3名であった。呼吸機能検査結果と体力測定結果との関連では、FVCは、身長、体重、および反復横跳びの成績と有意な正の相関が見られた。V50/V25は、上体起こし、シャトルラン、立ち幅跳び、および得点合計と有意な負の相関がみられ、体力年齢と正の相関が見られた。V25は、立ち幅跳び、得点合計、および体力年齢と有意な相関がみられた。また、バランスアップ教室の開始時と終了時における測定値の変化は、介入の前後で平均値に有意な差が見られ測定項目はなかったが、多くの測定項目で成績向上の傾向がみられた。教室開始時にCOPD疑いと判定された者は、教室終了時に全員1秒率が70%を超え、呼吸機能の改善がみられた。
著者
益田 実 細田 晴子 齋藤 嘉臣 橋口 豊 青野 利彦 三宅 康之 妹尾 哲志 清水 聡 小川 浩之 池田 亮 鳥潟 優子 三須 拓也 山本 健 芝崎 祐典
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、巨視的視点から冷戦史の全体像を把握するための新たなパラダイムの構築を意図しながら、1940年代半ばから1980年代初頭までを対象とする米英仏独西中など関係諸国アーカイブ史料の実証分析により、同盟政治・脱植民地化・文化的変容という冷戦期における三つの中長期的な変動と冷戦との関連を明らかにすることに努めた。中心的な研究成果としては研究代表者および分担者全員により益田実・青野利彦・池田亮・齋藤嘉臣編著『冷戦史を問いなおす』(ミネルヴァ書房、2015年)を執筆刊行し、さらに同書に関する公開書評会を開催し、そこでの議論を踏まえた発展的研究課題を形成した。
著者
山本 健 坪川 恒久
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

脳磁図を用いて意識・記憶・痛みによる脳活動の変化を観測し,その結果を脳波に応用することにより,周術期にベッドサイドで使用することができるモニタリング手法を開発することを目指した.MRIまたは脳磁図装置の中で被検者を全身麻酔により無意識状態として観察することは倫理委員会の許可が得られなかったため,睡眠による意識消失状態での観察をおこない睡眠時紡錘波,θ波,δ波の発生部位を明確にすることができた.記憶に関するモニタリングに関しては,記憶形成時,想記時ともに記憶に特徴的な脳の反応を捉えることができなかった.痛みに関しては,扁桃体や海馬,島皮質などに特異的な反応を見出すことができた.
著者
山本 健兒
出版者
法政大学
雑誌
経済志林 (ISSN:00229741)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.87-180, 2005-03-07

The purpose of this paper is to compare Munich and Berlin within the framework of Manuel Castell's theoretical thinking on space of flows and space of places. It is said that intermetropolitan competition for international business location has become severer and polarization as its byproduct is more and more apparent within the urban space under the globalization. These phenomena correspond to the concepts of space of flows and space of places. The most important spatial unit in the globalized space of flows is a metropolis as a node of information flows, capital flows, material flows, and flows of human beings. It is decision-making of corporations and governments that determines the quantity and characteristics of these flows. In the space of flows, metropolises gradually become to lose their own specificity, and they become to be stratified. Nevertheless, each metropolis continues to have differenciated and diversified places within itself, so that we can consider it a space of places, all of which show their own specificity respectively. Therefore, a metropolis can show its own specific feature even under the pressure of power of space of flows. As well as a number of European metropolises, both Munich and Berlin are the second important metropolises following London and Paris within the space of flows in the European scale. This is illustrated in the internet connections, media industry, innovative capability, flight passengers, location of international trade fairs, location of headquarters of big corporations, and evaluation as business location by big multinational corporations. Especially Munich is remarkable as a node of flows in the European scale and it exceeds Berlin in this sense, although it is not the capital of the nation state. The present author does not deal with all places in the both metropolises, but focuses on a problem district respectively. These problem districts are characterized with poverty and its related phenomena such as concentrations of unemployment, households of one parent and his/her children, migrant minorities and so on. That means that a new problem under globalization appears as some form of exclusion in the problem districts. Their locations and characteristics are, however, not the same between Berlin and Munich. Even within a same metroplis, there are various problem districts. In Berlin, most of them appear in the inner city, which were constructed in the late 19th century as a mixed district of dwellings, factories and commercial functions. The typical case is Kreuzberg, especially the so-called SO 36 district and the quarter around Kottbusser Tor. On the other hand, the phenomena in Munich are more apparent at the outer districts than at the inner city. A large number of the so-called social dwellings were developed on a large scale after World War II in the Munich outskirts. But there is also a problem district in the inner city of Munich, Schwanthalerhöhe, the construction history of which resembles Kreuzberg, and Berlin also has a problem district in the outskirts, where a large estate of high-rising apartment buildings were constructed in the 1970s and the 1980s under the regime of socialist government of German Democratic Republic. All the problem districts have their own characteristics respectively. Therefore, we can find variety of places within each metropolis, even if we focus only on the problem districts. The city authority, various non-profit organizations and people in the problem districts have tried to renovate the physical conditions and revitalize the social atmosphere in the problem districts both in Munich and Berlin. It is worthy of mention that citizens' participation including migrant minorities without full citizenship are considered important and practiced in the both metropolises. In the 1980s and the 1990s, careful renovation was promoted in Kreuzberg. And in 1999, the so-called quarter management was launched in 15 quarters in Berlin in the framework of the cooperative task between the federal government and the Land government. This project is supported by EU. The quarter around Kottbusser Tor in Kreuzberg is one of them. On the other hand, the so-called careful renovation has been continued in Schwanthalerhöhe of Munich since the 1970s. In the both cases, maintenance of intra-district variety in some senses and participation of the local people in the project is taken into account as key factors for the regeneration and revitalization of the problem districts and quarters. In this point, we can see important characteristics of European urban society. Nevertheless, Munich seems to be more successful also in the revitalization of the problem district than Berlin. The present author does not clarify the reason for it in this paper. He does not also discuss results and problems of the quarter management in Berlin. In order to conduct the research further, it should be important to shed light on the place identity of the local people. We should ask if it is possible for different groups in a locale to feel common identity or sense of belonging to a place. We cannot be optimistic, if we face the situation of the quarter around Kottbusser Tor.
著者
安田 英典 鈴木 和男 山本 健二
出版者
城西大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

新型インフルエンザH1N1の学童間の流行伝播パラメータを2009年夏はじめの小集団の流行ケースから求め,仮想中央線モデルによる流行伝播シミュレーションを実施した.シミュレーションに基づいて学校閉鎖,家庭隔離などの対策の評価を行った.新型インフルエンザでは,感染した学童の成人対する割合が季節性インフルエンザとは大きく異なっていた.流行終焉後,公開された実データとシミュレーションによってポストアナリシスを行い,季節性インフルエンザとH1N1の流行伝播の差異について検討した.