著者
山田 修
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.187-190, 2013-07-31 (Released:2013-12-10)
参考文献数
7
被引用文献数
1

黒麴菌は,沖縄の泡盛や九州地方での焼酎造りに使われている有用糸状菌であり,製麴中に大量のクエン酸を生産することでもろみを酸性にし,暖地での醸造に適しているとされている.黒麴菌は,1901 年乾により Aspergillus luchuensis として初めて報告されたが,その後も A. awamori など複数の株が報告されており,その分類には混乱が見られる.そこで,黒麴菌について分子生物学的な解析を行い,黒麴菌は,A. niger などとは違う種であること,また,カビ毒 OTA 非生産性であることを明らかとした.黒麴菌の有用性,安全性から A. luchuensis とすることを提案している.
著者
中村 光利 山田 修一 松田 良介 杉本 正 中瀬 裕之
出版者
Kinki Brain Tumor Pathology Conference
雑誌
Neuro-Oncologyの進歩 (ISSN:18800742)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.12-18, 2010-12-01 (Released:2014-04-28)
参考文献数
25

The current practice of relying solely on microscopic examinations for histological classification of gliomas and, consequentially, determination of optimal treatment, appears to be insufficient. As a result of the increasing use of molecular markers in tumor classification, there is an emerging emphasis in the genetic profiles of distinct subtypes of glioma. These subtypes of glioma constitute distinct disease entities that evolve through different genetic pathways, and are likely to differ in prognosis and response to therapy. Status of O6-methylguaninemethyltransferase(O6-MGMT) gene is associated with the resistance to temozolomide(TMZ). We have previously found methylation or expression mosaicism of O6-MGMT in gliomas, resulting in problems on tumor sampling and respose to TMZ. An assessment of O6-MGMT methylation mosaicism in heterogeneous glioma may provide a more accurate assessment for the response to TMZ. Oligodendroglioma is recognized as a particular subtype of gliomas that shows remarkable response to chemotherapy(procarbazine + CCNU + vincristine(PCV), making their correct diagnosis important. Loss of heterozygosity(LOH) on chromosomes 1p and 19q is correlated with sensitivity to PCV chemotherapy with increased survival in anaplastic oligodendroglioma cases(WHO grade III). This article reviews biological and molecular approaches to glioma classification that have the potential to increase the efficacy of treatments for these tumors.
著者
尾崎 博明 山田 修 菅原 正孝 濱崎 竜英 林 新太郎
出版者
大阪産業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、新機能を有するナノセラミックスを微量有害有機物の処理に適用するための新規水処理技術の開発を行った。まず、TiCあるいはTiCにイリジウム(Ir)を分散させた粉末を原料として、燃焼合成法により透水性を有する多孔質セラミックスを合成した。同セラミックスは導電性と溶質吸着能を有することから、これを電極として微量有害有機物の分離(吸着)と分解を同時に行う処理法について検討した。医薬品類18種類の混合溶液について試験したところ、12種類については5分から120分の処理時間で分解し、本法が医薬品類のような難分解性物質の分解に有効であることが明らかになった。超難分解な有機フッ素化合物(PFOA:Perfluorooctanoic AcidとPFOS:Perflu-orooctane Sulfonate)に対して同法を適用したところ、各々84%と99%の除去率が得られた。排水中のこれらの物質について既報分解例はほとんど無く、本法がPFOAおよびPFOSの除去に有力な新手法となりうる重要な知見を得た。また、同セラミック多孔体をフィルター状に加工し、微量有害有機物の分離・分解同時処理を行う「ろ過型電気分解装置」を初めて開発し、医薬品類について処理試験を行った。その結果、溶質の約20%がセラミックスに吸着しながら電気分解が進行し、多くの医薬品類について高除去率が得られことがわかった。さらに、ナノセラミックスが有する光触媒機能に着目し、高強度光触媒繊維による微量有害有機物分解特性について考究し、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)についてCO_2までにいたる分解機序を明らかにするとともに、医薬品類の分解にも適用可能であることを明らかにした。上述した成果の内、とくにろ過型電気分解装置に関する研究は特許申請にもつながり、新しい水処理技術の開発に道を拓くものとして特筆できる。
著者
山田 修 白澤 陽治
出版者
東京藝術大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2017-06-30

平成29年度はARのソフトウェアにおける精度検証や、様々なデバイスでの動作検証を行った。iPad、iPhoneといったタブレット用のソフトウェアも今では充実し、簡易な操作でARを試すことが可能になった。特にその中でENTiTiというソフトウェアを利用し検証を行った。まず実際の像と3Dデータの位置が正確にマッチングするかどうかの精度検証を行った。不規則な模様をプリントしたものをターゲットとして実際の像の下に配置し、同様に3Dデータ上でも同じ位置にくるようにターゲットをセッティングする。その設定でARとして実写と3Dデータを合成してみると、ターゲットに近い下の方は問題ないが、上部に行くにつれて誤差が大きくなっていくのが確認できた。つまり床置きの平面のターゲットの場合、高さ方向に対してのパースの歪みは補正することができないことが原因だと考えられる。今度ターゲットの置き方やマルチターゲットといった機能について今後研究を進めていく必要がある。またヘッドマウントディスプレイHTC社ViveやMicrosoft HoloLensにおいても本研究で使用可能性かどうか検討を行った。Viveは実写合成を行ってはいないが、任意視点や空間移動にまで対応しており、デバイスを付けたり外したりするわずらわしさがあるものの、実際の像と3Dデータの確認は可能ではある。HoloLensではそれに加えてデプスセンサーや環境認識カメラを用いて3D空間をスキャンすることで空間認識しており、より高い精度で表示することが可能であると考えている。
著者
遠藤 剛 古荘 義雄 山田 修平
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

隣接するトリ・テトラカルボニル化合物が水およびアルコール類と可逆的に付加ー脱離反応を起こすことを利用して、これらを架橋剤として用いることで水酸基含有のポリマーであるエチレングリコールやポリビニルアルコール等の多価アルコールのネットワークポリマーを構築できた。さらに、ネットワーク化により得られたゲルに水を加えると解架橋が進行し、原料のポリマーを収率よく回収することができた。
著者
星野 真介 谷口 由紀 津田 悦子 北野 正尚 山田 修 古川 央樹 宗村 純平 中川 雅生 西島 節子
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.584-590, 2015 (Released:2016-05-16)
参考文献数
11

二次孔心房中隔欠損 (atrial septal defect ; ASD) に合併した僧帽弁逆流 (MR) が急激に進行し, 心不全をきたした症例を経験した. 症例は10歳女児. 5歳時に心雑音を指摘され, 近医を受診してASD, 軽度のMRと診断された. ASDに対してカテーテル治療を希望し, 至適体重まで待機中に, 経済的理由により病院を受診しなかった. 10歳で, 全身倦怠感, 起坐呼吸が出現し, 胸部X線写真では, 心胸郭比が80%と心拡大を認め, 心臓カテーテル検査では, 肺体血流比は5.1で, 重度のMRと肺高血圧を認めた. 外科的にASD閉鎖術および僧帽弁人工弁置換術を施行した. ASD症例で稀ながらMRが進行する場合があり注意が必要である.
著者
松村 千鶴 雨宮 加奈 雨宮 さよ子 雨宮 昌子 雨宮 良樹 板垣 智之 市野沢 功 伊藤 拓馬 植原 彰 内野 陽一 大川 清人 大谷 雅人 角谷 拓 掃部 康宏 神戸 裕哉 北本 尚子 國武 陽子 久保川 恵里 小林 直樹 小林 美珠 斎藤 博 佐藤 友香 佐野 耕太 佐野 正昭 柴山 裕子 鈴木 としえ 辻沢 央 中 裕介 西口 有紀 服巻 洋介 吉屋 利雄 古屋 ナミ子 本城 正憲 牧野 崇司 松田 喬 松本 雅道 三村 直子 山田 修 山田 知佳 山田 三貴 山田 祥弘 山田 玲子 柚木 秀雄 若月 和道 鷲谷 いづみ
出版者
日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.175-180, 2003-12-30
被引用文献数
2

Flower visitations by both native and exotic bumblebee species were investigated at 21 monitoring sites in various regions of Japan in the spring and summer of 2002. The investigation was part of a long-term program that has been in progress since 1997 to monitor the invasion of an alien bumblebee, Bombus terrestris L. (Hymenoptera: Apidae). Flower visitation by B. terrestris was ascertained at two monitoring sites, one in Shizuoka and one in Hokkaido, where a large number of colonies of this species have been commercially introduced for agricultural pollination.
著者
山田修爾著
出版者
ソニー・マガジンズ
巻号頁・発行日
2008
著者
藤原 和代 山田 修 芳田 工 泉二 登志子 押味 和夫 溝口 秀昭
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.979-979, 1990-11-25

第5回東京女子医科大学血栓止血研究会 平成2年3月9日 第一臨床講堂
著者
吉岡 和彦 早田 和訓 松井 陽一 山田 修 坂口 道倫 高田 秀穂 日置 紘士郎 山本 政勝
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.24, no.9, pp.2379-2384, 1991-09-01
被引用文献数
12

前方切除術およびS状結腸切除術後の排便機能の客観的な評価を試みた.手術を施行された18例において,術前と術後2か月,6か月および12か月に臨床的,生理学的および解剖学的評価を行った.術後2か月の排便回数が1日4回以上のものを不良群,3回以下のものを良好群とすると,肛門縁と吻合部の距離は不良群が良好群より有意に短かった(良好群:10(6〜25)cm,不良群:6(2〜14)cm(中間値と範囲),p<0.025).不良群では安静時肛門内圧,直腸最大耐容量および直腸コンプライアンスは有意に低下した.Pelvic floor descentは不良群では有意に増大した(術前:2.5(1.2〜6.9)cm,術後2か月:4.0(2.7〜5.6)cm,p<0.025).以上のことから術後の排便機能は,肛門縁から吻合部までの距離,肛門内圧,直腸最大耐容量,直腸コンプライアンスおよびpelvic floor descentに関係していると思われた.
著者
菅原 一幸 北川 裕之 山田 修平 三上 雅久 浅野 雅秀 BAO Xingfeng LI Fuchuan
出版者
神戸薬科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

(1)ヒトの先天性脊椎・骨端異形成症(spondyloepiphyseal dysplasia, SED)がコンドロイチン6-O硫酸基転移酵素-1(C6ST-1)の変異によって発症することを証明した。(2)コンドロイチンの基本骨格の生合成に関わるコンドロイチン重合化酵素(ChPF)の線虫のオルソログPAR2.4をクローニングし、その機能低下により、線虫の胚発生初期の細胞質分裂が異常になることが分かった。(3)サメ皮膚のCS/デルマタン硫酸(DS)ハイブリッド糖鎖の種々の生物活性を証明し、治療薬への応用の可能性を示した。(4)ブタ胎児脳のCS/DS鎖の神経突起伸長促進作用が増殖因子プレイオトロフィンとの結合を介することを証明し、さらに機能ドメインである硫酸化十糖を単離し、配列を決定した。(5)海産ホヤの果肉から海馬ニューロンの突起伸長促進活性をもつ高硫酸化デルマタン硫酸を精製し、これでマウスを免疫し、抗デルマタン硫酸単クローン抗体を調製した。この抗体は海馬ニューロンを染色し、免疫源であるデルマタン硫酸の神経突起伸長促進活性を阻害した。(6)ヘルペス単純ウイルス(HSV-1、HSV-2)は細胞表面のヘパラン硫酸への結合を介して感染するとされてきたが、今回我々は、感染細胞のコンドロイチン硫酸のE構造を認識して感染しうることを証明した。
著者
山田 修
出版者
東京芸術大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究の最大の目的は、3Dデータの活用を彫刻文化財の修理において日常的に用いる手法にし、作業効率を改善し、低コスト化、質の向上を目指し、より多くの彫刻文化財の修理を可能にすることである。実際の修理に対し手作業とデジタル操作に関わるコスト、時間といった諸要素の効果を可能な限り定量化し分析していくとともに、技術の伝承性を考慮した上で従来行われてきた伝統ともいえる作業方法と3D技術の共存できる接点を検討した。