著者
高田 香織 飯塚 香織 澤本 学 熊本 貴之 磯貝 理恵子 山田 秀和
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.9, no.6, pp.541-544, 2010 (Released:2011-12-26)
参考文献数
18

29歳,男性。初診の2ヶ月前から上肢に痒みを伴う皮疹が出現し,徐々に拡大してきたため当院を受診した。6ヶ月前からチンチラを飼い始め,同じ頃にチンチラに脱毛斑が出現した。左前腕に母指頭大の鱗屑を伴った紅斑および丘疹が見られ,KOH 直接鏡検にて真菌陽性,体部白癬と診断した。スライド培養では円形の小分生子があり,ぶどう状を呈していた。また,らせん器官も認めたため分離菌を Trichophyton mentagrophytes と同定した。PCR 法では Arthroderma vanbreuseghemii と同定された。チンチラも動物病院を受診し,鏡検にて白癬と診断された。治療はテルビナフィン外用にて皮疹の軽快を認めた。今後チンチラを含めたげっ歯類の飼育の増加に伴ない真菌感染が増加することが考えられる。(皮膚の科学,9: 541-544, 2010)
著者
山田 秀秋 谷田 巖 渡辺 信 南條 楠土 今 孝悦
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
2020
被引用文献数
1

<p> 石垣島名蔵湾北部および西表島船浦の潮間帯砂泥域において,コアマモおよび他の海草類の被度を調べるとともに,平均潮位からの水深を測定した。干潮時に,ドローンによる空撮も実施した。両海域ともに,ラグーン状の窪地もしくはその周辺にコアマモ群落が広く認められ,コアマモの被度は水深50 cm前後で最も高かった。コアマモの分布面積はいずれも10 ha以上に及び,琉球列島で最大規模の群落とみられた。沖縄ではコアマモ群落の多くが著しく衰退しているが,船浦では,比較的長期間大規模群落が維持されていると考えられた。</p>
著者
谷村 憲司 蝦名 康彦 渥美 達也 山田 秀人 荒瀬 尚
出版者
日本生殖免疫学会
雑誌
Reproductive Immunology and Biology (ISSN:1881607X)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.24-32, 2016 (Released:2018-08-05)
参考文献数
10

抗リン脂質抗体症候群(APS)は、抗リン脂質抗体(aPL)を有する患者が血栓症や妊娠合併症を呈する症候群である。APSでは、他の自己免疫疾患と同様に疾患感受性の主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスII(HLA-II)アレルが存在することが知られているが、その機序は不明である。また、健常人の血清中にも存在するβ2-グリコプロテインI(β2GPI)が、何故、APS患者におけるaPLの主要抗原となり得るのか? についても不明である。 一方で、荒瀬らは、関節リウマチ(RA)患者の血清中にHLA-II分子と変性IgGの複合体に対する自己抗体が存在し、それがRAの病態に関連していることを報告した。今回、ミスフォールドβ2GPIとHLA-II複合体がAPSの病態と関連するかを調べた。 β2GPIのみを293T細胞に遺伝子導入しても細胞表面にβGPI は発現しなかったが、β2GPI とHLA-IIの両方を遺伝子導入するとβ2GPI が細胞表面に発現することを確認した。さらに、免疫沈降によって、細胞表面でHLA-II分子とβ2GPIが複合体を形成していることを明らかにした。また、HLA-IIと共沈降したβ2GPI の分子量からHLA-IIに結合したβ2GPIはペプチドではなく、full-lengthのβ2GPIであることが分かった。次に、ヒト抗カルジオリピン・モノクローナル抗体(EY2C9)と患者血清中の自己抗体がリン脂質非存在下で、APS感受性アリルのHLA-II(HLA-DR7)とβ2GPIの複合体を認識することが分かった。APS患者の83.3%(100/120人)において、β2GPI/HLA-DR7複合体に対する自己抗体が陽性であり、抗カルジオリピン抗体、抗β2GPI 抗体のそれぞれが陰性であるAPS患者の約50%でβ2GPI /HLA-DR7複合体に対する自己抗体が陽性となった。続いて、APS患者と健常人の流産絨毛を用いて、proximity ligation assay(PLA)を行った。APS患者の流産絨毛では、脱落膜の血管内皮細胞にMHCクラスIIとβ2GPIの共発現を認めたが、健常人の流産絨毛では認められなかった。最後に、EY2C9がβ2GPI/HLA-DR7複合体を発現した293T細胞に対して特異的に補体依存性細胞傷害を発揮することを証明した。
著者
山田 秀和
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.79-88, 2008-03-25 (Released:2018-05-08)

歴史教育における永続的な問題の一つに,「価値注入」がある。歴史を描こうとすれば,必然的に何らかのものの見方が入り込む。そして歴史を一つの通史として描き,系統的に教授するとき,事実の名のもとに価値を注入する可能性は高くなる。この問題を克服するべく,本研究では,アメリカで開発された中等ボルト社会科『新合衆国史』(第11学年)の分析を通して,歴史教育における価値注入回避の論理を明確にする。分析の結果,以下の二点の方法論を抽出し,具体的な内容編成のしかた(カリキュラムから単元まで)を明らかにした。(1)視点を段階的に変えながら歴史を解釈させることによって,一面的で偏狭な決定論的認識を与えないようにすること。すなわち,様々な角度から因果関係を引き出させることによって,特定の見方に偏った知識が子どもに内面化されるのを防ぐこと。(2)歴史を解釈させる際に,その根拠となる法則的知識(主に社会諸科学から援用される)をたえず明示させ,批判吟味させる過程を学習に組み込むこと。すなわち,法則性を帯びた知識が,明示されないまま,無批判に子どもに内面化されるのを防ぐこと。
著者
吉澤 ひかり 蝦名 康彦 今福 仁美 鈴木 嘉穂 若橋 宣 宮原 義也 出口 雅士 山田 秀人
出版者
近畿産科婦人科学会
雑誌
産婦人科の進歩 (ISSN:03708446)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.9-16, 2019

<p>正常胎児と全奇胎の双胎(complete hydatidiform mole coexistent with a fetus;CHMCF)はまれな疾患であり,2~10万妊娠あたり1例とされる.CHMCFは母体合併症が高率であり,また存続絨毛症などの続発性疾患(gestational trophoblastic neoplasia:GTN)のリスクが全奇胎単体より高いとされる.今回われわれは,2006~2015年の10年間にCHMCFの3症例を経験したので報告する.CHMCFの診断週数は12~14週であり,3例中2例は排卵誘発による妊娠であった.母体合併症は,妊娠悪阻(1例),性器出血(3例)であった.CHMCFについて,生児獲得率が低く,母体合併症やGTNのリスクが高いことを説明したところ2例は妊娠中絶を希望した.残りの1例は妊娠継続を希望した.しかし肺転移が判明し21週で妊娠中絶となった.3例中2例にGTN(奇胎後hCG存続症1例,臨床的侵入奇胎1例)を認め,化学療法にて寛解した.CHMCF症例においては,早い週数で妊娠を中断した場合でも,GTNの発症に十分注意して管理する必要があると考えられた.〔産婦の進歩71(1):9-16,2019(平成31年2月)〕</p>
著者
山田 秀久
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.767-771, 2013-05-31 (Released:2013-07-26)
参考文献数
29

要旨:症例は84歳男性で脳梗塞,心筋梗塞後のためワルファリンカリウムとアスピリンの抗凝固療法を受けていた。2日前から腹痛,血便を認め近医を受診し,前月までPT─INRは1.59と管理されていたが,16.11と異常高値を認め当院紹介となった。腹部CTでは小腸壁と腸間膜の肥厚,腹腔内液体貯留を認め,急激な凝固能低下によって発症した小腸壁内および腸間膜内血腫と診断した。凝固能改善目的にビタミンK投与,新鮮凍結血漿,赤血球,血小板輸血を行いPT─INRは3.43に低下したが,腹痛増強と血圧低下を認め入院6時間後に緊急開腹術を行った。小腸全体にわたって散在性に壁内出血を認め,血腫により血流不全になっていた部分のみ切除した。抗凝固療法中の消化管壁内血腫に対しては凝固能改善の後,全身状態が安定していれば保存的治療が第一選択となるが,改善がみられない場合は迅速に外科的治療を判断すべきと考える。
著者
松下 記代美 山田 秀和 荒金 兆典 川田 暁 手塚 正 今野 元博
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.2, no.5, pp.462-465, 2003 (Released:2012-01-06)
参考文献数
10

48歳,女性。45歳時に子宮筋腫のため当院婦人科にて腹腔鏡下膣式子宮全摘出術を受けた。約3年後の平成10年5月頃より臍部の腫瘤に気付いた。臨床的に臍部に1.6 cm大のやや硬い境界明瞭な桃紅色の結節を認め,皮下に連続性の硬結を触れた。腹部エコーと腹部CTの画像診断によって,腫瘤が腹膜と連続していることが確認された。当院第2外科の協力のもと全身麻酔下に開腹,腫瘤摘出をおこなった。組織学的には表皮直下から腹膜まで連続性に膠原線維の不規則な増生と線維芽細胞の増殖が認められた。臨床経過,臨床症状および組織学的所見より腹腔鏡下手術後に生じた臍部のケロイドと診断した。今後,内視鏡子宮全摘術の増加するにつれて,臍部のケロイドの発生も増加することが予想される。
著者
三冨 博文 中野 弘雅 勝山 直興 伊東 宏 小川 仁史 柴田 朋彦 山田 秀裕 尾崎 承一 米山 喜平
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.208-213, 2010-06-30 (Released:2016-02-26)
参考文献数
12
被引用文献数
1

症例は74歳女性.平成10年に関節リウマチと診断し,当科で入退院を繰り返していた.平成20年4月上旬より労作時呼吸困難が出現.その後,呼吸困難は徐々に増悪し,4月25日に即日入院.入院時,頻脈,頻呼吸あり.胸部Xpと心臓超音波検査より心タンポナーデと診断し心囊穿刺を施行.心囊水の検査結果よりタンポナーデの原因をリウマチ性心外膜炎と診断し,メチルプレドニゾロン40mg/日を開始.その後,心タンポナーデの増悪なく6月3日に退院となった.
著者
岡部 勝 伊川 正人 山田 秀一 中西 友子 馬場 忠
出版者
THE SOCIETY FOR REPRODUCTION AND DEVELOPMENT
雑誌
Journal of Reproduction and Development (ISSN:09168818)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.j19-j25, 1997 (Released:2010-10-20)
被引用文献数
1 2

オワンクラゲ類のもつ蛍光蛋白質は総称してGreen Fluorescent Proteinと呼ばれている.Aequorea victorea(和名:発光オワンクラゲ)のGFPは分子量27 Kdaの蛋白質で,アミノ酸残基65番目のserinと67番目のglycinのペプチド結合部位が脱水縮合を起こした後に酸化されて発色団を形成し蛍光蛋白質となる.この構造変化は酸素以外に特別な因子を必要とせず,蛍光は細胞を観察するだけでよい.外来遺伝子としてGFP遺伝子を導入すると,蛍光をもつ培養細胞,植物,線虫,ハエ,魚,マウスなどが得られる.現在では人工的に作製された,緑,青,黄色など種々の波長の蛍光を出す多くの変異体があり,今後,実験動物の分野で新しいマーカーとして使用される例が増えるものと予想される.本稿では我々の作製したトランジェニックマウスを中心にGFPの応用例を述べる.
著者
竹山 雅規 森田 修一 山田 秀樹 武藤 祐一 齊藤 力 高木 律男 花田 晃治
出版者
特定非営利活動法人 日本顎変形症学会
雑誌
日本顎変形症学会雑誌 (ISSN:09167048)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.105-110, 2003-12-15 (Released:2011-02-09)
参考文献数
17
被引用文献数
1

This study investigated the soft tissue profile change of the chin following genioplasty. The subjects were 20 females who underwent genioplasty. They were divided into two groups depending on the directions of surgical displacement of the chin. In 11 patients anterior repositioning was made (forward movement group) and in 9 patients posterior repositioning was made (backward movement group).For each patient, lateral cephalograms taken preand postoperatively were traced and superimposed, and then linear measurements were obtained.The results were as follows: 1. There were differences in soft tissue reaction to hard tissue displacement between the forward movement group and backward movement group.2. In the forward movement group, the size of the chin increased as a result of further forward displacement of soft tissue pogonion in spite of forward displacement of lower labial sulcus. In the backward movement group, the size of the chin decreased as a result of backward displacement of soft tissue pogonion and forward displacement of lower labial sulcus.3. The horizontal displacement ratio of soft tissue pogonion to pogonion was 148% in the forward movement group, and 33% in the backward movement group.4. There was a significant positive correlation between the horizontal change of pogonion and soft tissue pogonion, horizontal change of menton and soft tissue menton, horizontal change of pogonion and the size of the chin, and horizontal change of menton and the size of the chin. On the other hand, in the forward movement group, there was no correlation between skeletal changes and soft tissue changes of the chin.
著者
杉山 涼子 山田 秀
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会論文誌 (ISSN:18835856)
巻号頁・発行日
vol.22, no.6, pp.372-381, 2011 (Released:2012-01-17)
参考文献数
23
被引用文献数
1

エアゾール缶やコンロ用カセットボンベは,収集時や処理時に火災事故を起こしやすいが,事故発生状況と,分別排出方法や収集車両,穴あけ指導等の自治体の施策と関連づける研究は行われておらず,改善のための方策について十分に解析されていない。本研究では,全国の10万人以上の市および東京23区の287自治体を対象として質問紙調査を行い,火災事故の発生状況を把握しその改善策について定量的な分析を行った。平成21年度には人口10万人あたりの車両火災事故は1.5件,破砕施設の火災事故は0.7件発生しており,車両火災事故のほとんどは不燃ごみで発生し,エアゾール缶等による火災が52.5%を占めている。エアゾール缶等の不燃ごみとしての収集は避けること,不適正に排出された中身の残った缶を排除するような取り組みを行うこと,住民に対して分別を周知することが事故削減につながり,これらの条件を満たせば事故件数は減らせることが明らかになった。
著者
西内 偉格 吉田 真里子 木下 春樹 高岸 靖 山田 秀雄 稲沢 和博 中野 正行 能登谷 満 長谷川 博司 水平 敏知 菅野 浩一
出版者
The Japanese Society for the Study of Xenobiotics
雑誌
薬物動態 (ISSN:09161139)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.179-197, 1990 (Released:2007-03-29)
参考文献数
4
被引用文献数
7

The distribution, excretion and metabolism of recombinant human interleukin-2 (S-6820) were studied using 125I-labeled compound (125I-S-6820)1. At 5min after intravenous injection of 125I-S-6820 to male and female rats, high radioactivity was observed in the kidney. Radioactivities in the other organs were lower than the serum level. Results obtained by whole-body autoradiography showed that high concentrations of radioactivity were found in the cortex renis.2. At 5min after intravenous injection of 125I-S-6820 to 20-th day pregnant rats, no radioactivities were detected in the amniotic fluid and fetus.3. Within 24hr after intravenous injection of 125I-S-6820, 78% and 1 % of administered radioactivity were excreted in the urine and feces, respectively. However, 98% of excreted radioactivity in the urine was not precipitated with trichloroacetic acid.4. In the kidney after intravenous injection of 125I-S-6820, a low molecular weight degradation products of 125I-S-6820 were observed as revealed by gel filtration radio-chromatography. In addition, micro-autoradiogram of cortex renis after intravenous injection of 125I-S-6820 showed that S-6820 was likely to be ultrafiltrated by the glomerulus and absorbed by proximal tubules. S-6820 appeared to be degraded in the kidney.
著者
西内 偉格 甲斐 包子 吉田 真里子 高岸 靖 山田 秀雄 永井 修吾 刈谷 巽 佐々木 緊
出版者
The Japanese Society for the Study of Xenobiotics
雑誌
薬物動態 (ISSN:09161139)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.165-177, 1990 (Released:2007-03-29)
参考文献数
14
被引用文献数
5

The absorption, distribution, excretion and metabolism of recombinant human interleukin-2 (S-6820) were studied following intravenous or subcutaneous injection at a dose of 5×105U/kg to rats. Concentrations of S-6820 in serum, tissues and other body fluids were measured by a bioassay and an enzyme immunoassay. 1. After intravenous injection of S-6820 to rats, serum levels of S-6820 decreased biphasically and the half-lives of the α phase and β phase were 2. 4 min and 16min, respectively. 2. Absorption ratio after subcutaneous injection of S-6820 was about 37%.3. After repeated intravenous injection of S-6820 once a day for 5 days, the levels of S-6820 in serum and tissues reached the same levels as after single administration. No accumulation was observed.4. After intravenous injection of S-6820, especially high level was observed in the kidney, however, it decreased rapidly (t1/2=11min). The levels of S-6820 in the other organs (spleen, lung, heart and liver) were lower than the serum level.5. After intravenous injection of S-6820 to 20-th day pregnant rat, S-6820 in the amniotic fluid and fetus was not detected.6. After intravenous injection to lactating rats, the transfer of S-6820 from blood to milk was minimal.7. A little of S-6820 was found in the bile by EIA. S-6820 was not detected in the urine by EIA method.8. The disappearance rates of S-6820 in rats changed from t1/2(β)=0.41hr in sham operated rats to t1/2(β)=1.57hr in rats with renal excision. The kidney appeared to be the main metabolic site.
著者
山田 秀哉 小野田 千明
出版者
日本デジタル教科書学会
雑誌
日本デジタル教科書学会発表予稿集 日本デジタル教科書学会第7回年次大会 (ISSN:24326127)
巻号頁・発行日
pp.61-62, 2018 (Released:2018-10-03)

2020年度から小学校でもプログラミング教育が行われることになり、関連のハードウェアやソフトウェア等のツールに注目が集まってきている。しかし、小学校学習指導領における例示では、第5学年算数科、第6学年理科、総合的な学習の時間に留めている。ここで「小学校高学年になればプログラミングとすぐに向き合えるのか」「中学年や低学年で素地を作らなくてもよいのだろうか」という問題に気付く。本報告では、プログラミング教育を指導したことのない教員(筆頭者)が初めて取り組んだ実践を報告する。算数科、生活科での授業事例を児童の様子、教師の配慮、使用したアプリケーションなどに着目して報告していきたい。
著者
中川 麻衣 山田 秀樹 前田 直樹 齋隠寺 妙美 瀬尾 敏志 蔦本 昌志 奥田 真吾 松島 安幸 渡邊 登
出版者
日本医療機器学会
雑誌
医科器械学 (ISSN:0385440X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, 2003-04-01

当院ではME機器の中央管理を行っているが,返却時の点検においてシリンジポンプのバッテリインジケータが十分に充電しても3個すべて点灯しないものがある.その大半は2000年対策でバッテリの一斉交換を行った機器であり,年数が経過しバッテリが劣化したためと考えられる.現在,バッテリインジケータがあるシリンジポンプ(TE311:テルモ社製)においてインジケータを指標にしたバッテリ劣化評価のためのフローチャートを作成し,それに基づいてバッテリ交換を行っている.今回フローチャートによるバッテリ劣化の判断についての信頼性を調べるためバッテリ運転時間の計測を行った.対象は前回バッテリ交換日より2年以上経過したもので,返却時の点検においてインジケータの表示が3個すべて点灯しないものを対象とした.方法は作成したフローチャートにしたがい,一度バッテリを完全放電させ,24時間以上充電後,メーカによるバッテリ点検の方法にしたがい,点検用シリンジ(50ml,翼状針付)にて流量5ml/hでの運転時間を計測した.バッテリアラーム発報時までの運転時間(分)を充電完了後にインジケータ3個点灯群(以下,BT-OK群)と2個(または1個)点灯群(以下,BT-NG群)とに分けて集計した.集計結果よりBT-OK群とBT-NG群での運転時間比較とBT OK群が60分以上運転可能か否かを判断することで,フローチャートでの判断方法が有用か否かを調べたので報告する.