著者
沖 忠親 田岡 智志 渡邉 敏正
雑誌
研究報告アルゴリズム(AL)
巻号頁・発行日
vol.2010-AL-129, no.7, pp.1-8, 2010-02-26

2 部グラフの k 辺連結化問題 (以下,UW-Bipartite- (k+1) ECA (*, MA) と略記) は以下のように定義される: 「無向 2 部グラフ G = (V + ∪V-,E) が与えられたとき,辺付加後のグラフ G' = (V + ∪V- ,E∪E') が (k + 1) 辺連結 2 部グラフであるような最小の付加辺集合 E' を求めよ.」本稿では,G が k 辺連結であるときに最適解を算出する高速アルゴリズムを提案し,k ∈ {1, 2} のとき線形時間で解けることを示す.
著者
二瓶 泰雄 片岡 智哉
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会誌 (ISSN:18835864)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.309-316, 2018-07-31 (Released:2019-07-31)
参考文献数
18
被引用文献数
1

本報では,海洋プラスチックごみやマイクロプラスチックの発生源と考えられる陸域・河川ごみの動態を示すために,多くの現地調査事例に基づいて,河川におけるごみ (川ごみ) の輸送状況やごみ組成を示すとともに,日本の河川におけるマイクロプラスチック汚染状況の実態を取りまとめた。その結果,川ごみは出水時に大量に輸送され,川ごみ全体の 6 %がプラスチック等の人工系ごみであった。マイクロプラスチックに関しては,全 23 河川で発見されたこと,流域の市街化が進んでいる河川のほうがマイクロプラスチック汚染が進んでいることも示された。さらに,海洋プラスチックごみおよびマイクロプラスチック対策としての河川におけるごみ捕捉技術の可能性について言及した。
著者
長岡 智明 櫻井 清子 国枝 悦夫 渡辺 聡一 本間 寛之 鈴木 保 河川 光正 酒本 勝之 小川 幸次 此川 公紀 久保田 勝巳 金 鳳洙 多氣 昌生 山中 幸雄 渡辺 敏
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
医用電子と生体工学 (ISSN:00213292)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.239-246, 2002 (Released:2011-10-14)
参考文献数
16
被引用文献数
11

We have developed high-resolution voxel models of the whole body from MR images of Japanese adult male and female volunteers. These models can be used for dosimetry simulation of exposure to radiofrequency electromagnetic fields over 1GHz. The MR images were taken by making a series of scans over several days; that is, a subject was scanned in several blocks. Scan parameters were optimized for head and body, respectively, in order to get practical contrast and to save data acquisition time. An implement was used to keep the position and form of the subject. All of the MR images were converted to TIFF format. The continuities between different blocks of the data were corrected to form a whole body. Furthermore, the resolution of the images was changed into 2×2mm. Male and female models were segmented into 51 tissues and organs. This segmentation was performed manually using popular image-processing software. The developed models consisted of isotropic voxels with a side of 2mm. Although the masses of the skin and small-sized tissues and organs of the models deviated from the averaged values for Japanese due to the limitation of spatial resolution, the masses of the other tissues and organs and the morphometric measures were nearly equivalent to those of the average Japanese. The models are the first voxel models of the average Japanese that can be used for the dosimetry of electromagnetic fields over 1GHz. Furthermore, the female model is the first of its kind in the world. The models can also be used for various numerical simulations related to Japanese human bodies in other fields of research.
著者
佐藤 哲 片岡 智美 篠 道弘 西崎 久純 安達 勇
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.216-220, 2008 (Released:2008-06-27)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

がん性疼痛の中でもオピオイドが奏効しにくい神経障害性疼痛に対してNMDA受容体拮抗作用を持つケタミンの有用性は高い. 今回, ケタミン内服液を使用した31症例を対象に投与量や継続期間などについて検討した. 治療効果が認められ継続投与された症例は22症例であった. 継続された症例における開始時の服用量は平均107.3mg/日, 服用期間は平均63日であった. 効果はあったが, 有害事象が観察されたため中止となった症例は7症例(嘔気・嘔吐4症例, 傾眠3症例)であった. 十分な効果が認められなかった症例は2症例であった. 神経障害性疼痛に使用して有効だった症例は18症例中14症例あり, ケタミンの内服液は神経障害性疼痛の緩和に有効であることが示された. Palliat Care Res 2008; 3(1): 216-220
著者
片岡 アユサ 片岡 智徳 田邊 美加
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.72, no.12, pp.761-766, 2019-12-20 (Released:2020-01-20)
参考文献数
11

11歳,雄,体重18kgのシェットランドシープドッグが,起立困難と跛行を主訴に来院した.その後,横臥状態となり,右後肢にガス壊疽が認められた.患部の細胞診ではクロストリジウム属を疑う芽胞菌が観察され,broad-range PCRを利用した遺伝子解析にてClostridium novyi と確定した.抗菌薬投与などの治療を行うも斃死した.犬において,クロストリジウム性筋炎やガス壊疽はまれな疾患であり,またその原因菌としてClostridium perfringens とClostridium septicum などの報告はあるが,Clostridium novyi の報告はない.
著者
岡 智
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.9, pp.631-635, 1977-09-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
12
被引用文献数
1

エチルα-D-グルコシド (α-EG) は清酒にのみ特異的に多量に含まれている成分で, その清酒中における存在が明らかにされたのはつい数年前のことである。α-EGが清酒の香味構成の上で果す役割と, その生成機構を知ることは, 麹に替えて酵素剤が多く用いられる傾向にある時, 意義あることといえよう。
著者
松居 喜郎 若狭 哲 大岡 智学 新宮 康栄
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.105, no.2, pp.238-244, 2016-02-10 (Released:2017-02-10)
参考文献数
12

活動期感染性心内膜炎(infective endocarditis:IE)に対する外科治療は,心不全や感染の制御,塞栓症の予防の観点から,適応,手術時期を判断し,感染組織の可及的切除により再感染を予防する.また,脳合併症を呈する場合には,梗塞後出血や新規発症のリスクを考慮に入れたうえで適切な手術時期を決定すべきである.大動脈弁位では弁周囲膿瘍が起こりやすく,周囲組織との解剖学的関係を十分理解し,郭清,再建を行う.僧帽弁位では弁形成の可能性を常に考慮すべきである.
著者
永田 圭司 岡 智明 伊藤 誠
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.1-2, 1996-09-04

人体をコンピューターグラフィックスで表現する場合, 単に人体の表面の計測のみで表現するとでは腕や脚に力が入ってる状態や, 筋肉が緊張しているといった状態を表現しにくい. そこで, 人体の各部位の断面情報をもとに骨格や筋肉の輪郭線図をモデル化して3Dの表面データに加えることにより, 人体の状態をより精密にモデル化することを試みた.
著者
松岡 智之
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.2-11, 2008-04-10 (Released:2017-08-01)

この論文で私は、森谷明子氏の推理小説『千年の黙 異本源氏物語』(二〇〇三年)が二〇世紀前半までの古典学の成果を再生させたことについて考察した。『千年の黙』は、『源氏物語』研究の成立論で生まれた仮説-「かかやく日の宮」という現存しない巻が元来あった-を素材とする。現在の研究ではこの仮説はあまり注目されないものの、森谷氏は大野晋氏の研究書(一九八四年)によって成立論を知り、その後風巻景次郎氏の説(一九五一年)に感銘して小説の素材にした。風巻説の論証過程と推理小説の型の類似性が森谷氏の感銘の原因とみなせる。『源氏物語』の成立論は、和辻哲郎が一九二〇年代にドイツ文献学のホメロス研究の方法を導入して始まったが、後にその方法は確実性を欠いてしまった。しかし、その不安定性こそが創作を導いたのであり、新たな研究の可能性を拓くとも考えられる。
著者
岸岡 智也 山下 良平
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会論文集 (ISSN:24360775)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.57-64, 2023 (Released:2023-06-25)
参考文献数
28

The purpose of this study was to examine how to coexist with black bears in Ishikawa Prefecture, where a record number of black bears appeared in the autumn of 2020, and to understand the current risk perception and coping behavior of prefectural residents, which could serve as a basis for the formation of a coexisting society. In line with the studyʼs objectives, we conducted a questionnaire survey using LINE, which has a high penetration rate, to conduct efficient sampling in rural areas where it is not easy to collect data according to regional characteristics and resident attributes. The survey was conducted in February 2021, with a sample size of 1,742 valid responses from the entire prefecture. Analysis of the obtained data showed that citizensʼ risk perception of bear encounters was increased by the occurrence of bears in their living areas and their experiences of encountering bears. Residents who had bear encounters in their living areas relied on various information sources, had higher knowledge, and took actual encounter avoidance actions when they had experienced encounters. Information communication is needed to stimulate more encounter avoidance behavior, for example, by communicating standards of real encounters.
著者
中川 暢彦 阪井 満 村井 俊文 末岡 智 篠塚 高宏 藤田 恵三 露木 琢司 中島 広聖
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.113-117, 2018 (Released:2018-08-01)
参考文献数
14

症例は74歳の男性.深夜に急激に生じた腹痛を主訴に当院救急外来を受診した.腹部膨満を認め,上腹部に腹膜刺激症状を認めた.腹部造影CT検査では,横行結腸に著明な浮腫性肥厚と周囲脂肪識の濃度上昇を認めた.NOMIによる腸壊死を疑い,緊急手術を施行した.術中所見では,肝彎曲部からの横行結腸および間膜に著明な浮腫と発赤を認めたが,壊死や穿孔の所見は認めなかった.肉眼的に正常な回腸末端から横行結腸中央部までの右半結腸切除術を施行した.病理組織学的検査では静脈を主体にリンパ球浸潤を認め,一部では静脈閉塞も認めた.動脈には炎症所見を認めず,enterocolic lymphocytic phlebitis と診断した.術後経過は良好で術後第9病日に退院し,以降再発は認めていない.今回,稀なenterocolic lymphocytic phlebitis を経験したので報告する.
著者
早坂 信哉 原岡 智子 尾島 俊之
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
pp.2294, (Released:2016-02-22)
参考文献数
20
被引用文献数
2

【背景・目的】介護保険によって入浴サービスが提供されているが,現在,高齢者にとって安全な入浴が可能か否かの具体的な判断基準・指針がなく,介護現場の入浴担当者は判断に困難を感じている.特に入浴前の体調確認は主に血圧測定,体温測定によって実施されていることから,本研究は,入浴前の血圧や体温と,入浴に関連した体調不良や事故の発生との関連について明らかにすることを目的とした.【方法】1.研究デザイン:症例対照研究(前向き調査による症例登録方式).2.調査対象:訪問入浴事業所として登録がある2,330か所の全事業所.3.調査方法:症例は入浴に関連した体調不良・事故の症例(以下,異常例と言う).対照は各事業所2例無作為抽出.調査期間は2012年6月~2013年5月までの1年間.4.解析方法:年齢,性別,障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度),要介護度,modified Rankin Scale,意識レベル,認知症高齢者の日常生活自立度,入浴前の血圧,入浴前の体温を単純比較した.その後,ロジスティック回帰分析を用いて,すべての体調不良・事故発生及び発熱,血圧上昇・低下を除いた体調不良・事故発生を目的変数に,その他の測定項目を説明変数とした単変量・多変量解析を実施した.【結果】異常例596件,対照1,511件を解析した.単純比較では異常例で体温が高かった.発熱,血圧上昇・低下を除いた体調不良・事故発生での多変量解析では,収縮期血圧は160~179mmHgでオッズ比(95%信頼区間)3.63(1.39-9.50),拡張期血圧は100~109mmHgで同14.71(1.31-165.77),体温は37.5~37.9°Cで同16.47(3.30-82.40),38.0°C以上で同6.57(1.40-30.81)と有意な関連があった.【結論】高齢者における160/100mmHg以上の血圧,37.5°C以上の体温は入浴関連の体調不良・事故の危険因子である可能性がある.