著者
三島 隆章
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.352_1, 2016

<p> 中高齢者において加齢関連認知低下(AACD)と判定された場合、認知症へ移行するリスクが高いことが認められていることから、AACDの早期発見は認知症への移行を予防するうえでたいへん重要である。そこで本研究では、神経心理学的スクリーニングとスマートフォンを使用した運動機能および認知機能の測定結果との関連性について検討することを目的とした。被験者は介護認定を受けている中高齢者の男女60名であった。スマートフォンを使用した運動機能の測定項目としてTimed up and goテスト、認知機能の測定項目としてTrail making test-Bおよび数唱テストを実施した。神経心理学的スクリーニングとしてファイブコグテストを行い、年齢、性別、教育年数を考慮した総合ランク得点を算出し、問題なし群、AACDの可能性群、認知症の可能性群の3群に分け、比較した。Trail making test-Bおよび数唱テストにおいて、問題なし群と認知症の可能性群との間に有意な差異が認められたが、AADCの可能性群と他の2群とは有意な差異は認められなかった。</p>
著者
石島 隆
出版者
日本生産管理学会
雑誌
生産管理 (ISSN:1341528X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.49-54, 2004-03-31 (Released:2011-11-14)
参考文献数
10

ITガバナンスとは, 組織体が経営戦略及び経営目標を達成するためにITをどのように活用・維持するかについてのリーダーシップ, 組織及び手続きをいう。一方, 「IT内部統制」は筆者の造語であるが, 組織体の資源を有効活用し, 適正な財務報告を行い, 関連法規を遵守するためのITを活用した情報システムに関連する組織及び手続きをいう。本稿では, これらに関連する諸概念の関係を整理し, ITガバナンスは, 「IT統治機構」と「ITリスクマネジメントと一体化したIT内部統制」から構成されるものと捉えた。その上で, ITガバナンスの改善策について, IT統治機構からのトップダウンアプローチと, ITマネジメントからのボトムアップアプローチの観点で述べた。
著者
斎藤 恭一 小島 隆 浅井 志保
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.233-242, 2017

不溶性フェロシアン化コバルト及びチタン酸ナトリウムは,放射性核種を含む汚染水から,それぞれセシウムイオン及びストロンチウムイオンを特異的に捕捉する.これらの無機化合物の沈殿を,放射線グラフト重合法によって市販の6-ナイロン繊維に接ぎ木した高分子鎖内で析出させた.それらの沈殿が多点の静電相互作用に基づいてグラフト鎖に巻き絡まるという担持構造が示唆された.作製された不溶性フェロシアン化コバルトあるいはチタン酸ナトリウム担持繊維は,従来の粒子状吸着材,例えば,ゼオライトやSrTreat(チタン酸ナトリウム担持樹脂)比べて,吸着速度は大きかった.市販の粒子状吸着材と比較して無機化合物重量あたりの吸着容量は大きかった.
著者
長島 正明 江西 一成 近藤 亮 松家 直子 片山 直紀 永房 鉄之 美津島 隆
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2013, 2014

【目的】皮膚筋炎・多発性筋炎は骨格筋を病変の主座として,亜急性に進行する近位筋優位の筋力低下や筋痛を認める全身性炎症性疾患で,発症は40歳代から60歳代の女性に多いとされている。早期診断・適切な治療により日常生活が自立する例も多いものの,好発年齢の関係から,自宅退院後の生活や仕事,余暇活動において高い身体機能が望まれる。今回我々は,急性期病院退院時にADLが自立していた皮膚筋炎・多発性筋炎患者を対象に体力測定を行い,同年健常者と比較することで筋炎患者の身体能力の実態を調査した。【方法】対象は当院入院し今回初めて皮膚筋炎もしくは多発性筋炎と診断され,退院時にADLが自立していた8名であった。測定は退院前1週間前後に実施した。比較対象群として,運動習慣のない同年健常者ボランティア9名を設定した。呼気ガス分析装置および自転車エルゴメータを用い,5もしくは10wattランプ負荷とし,嫌気性作業閾値および最高酸素摂取量を測定した。嫌気性作業閾値はV-slope法にて決定した。最高酸素摂取量はペダル50回転を維持困難,最大心拍数の90%,ボルグスケール19,危険な不整脈や胸痛の出現,被験者からの中止要請のいずれかに該当した時の酸素摂取量とした。6MWTは30mの折り返し歩行とし,最大歩行距離を測定した。筋力は筋機能評価運動装置BIODEXを用い,利き足の等尺性膝伸展最大筋力を膝屈曲90°位で測定した。統計学的解析はSPSSを用いてMann-Whitney U検定にて群間比較を行った。有意水準は危険率5%未満とした。【説明と同意】対象者には本研究の趣旨,情報管理および結果の公表に関して,口頭で説明し文書にて同意を得た。本研究は浜松医科大学倫理委員会の承認を得て実施した。【結果】対象は全例女性であった。年齢(歳)は筋炎群46±9,健常者群44±8であった。身長(cm)は筋炎群156±5,健常者群157±4,体重(kg)は筋炎群44±7,健常者群50±5,BMI(kg/m<sup>2</sup>)は筋炎群18.1±2.9,健常者群20.1±1.7であった。いずれも群間に有意差はなかった。筋炎群の退院時血清クレアチンキナーゼは196±230(15-655)IU/Lであった。退院時の内科的治療は1例がステロイド内服25mg/日,5例がステロイド内服30mg/日,1例がステロイド内服30mg/日+ネオーラル100mg/日,1例がステロイド内服30mg/日+メソトレキサート12mg/週であった。在院日数は65±19日であった。ADLはBarthel Indexで全例100点であった。全例筋痛は認めなかった。嫌気性作業閾値(ml/kg/min)は筋炎群10.3±3.1,健常者群14.7±4.9であった。最高酸素摂取量(ml/kg/min)は筋炎群18.6±6.6,健常者群27.2±7.3であった。6MWT(m)は筋炎群511±110,健常者群641±49であった。Peak load(watt)は筋炎群68±27,健常者群115±30であった。いずれも筋炎群で有意に低値であった。安静時心拍数(beats/min)は筋炎群75±11,健常者群64±9であり,筋炎群は有意に高値であった。最大心拍数(beats/min)は筋炎群151±21,健常者群157±9で群間に有意差はなかった。筋力(Nm/体重)は筋炎群1.35±0.40,健常者群2.52±0.28であり,筋炎群は有意に低値であった。【考察】皮膚筋炎・多発性筋炎患者はI線維の割合が有意に少ない(Dastmalchi 2007)ことが報告されている。一方,副腎皮質ステロイドの大量投与もしくは長期投与はIIb線維の特異的な萎縮を来す(Pereira RM 2011)ことが知られており,筋炎患者は病態上も治療上も特異的な筋病態を呈していることが推察される。また,下肢最大筋力が大きいほど歩行速度は速い(淵本1999)など一般的に筋力は運動パフォーマンスと関係すると言われている。身体能力の低下は骨格筋量の減少を背景として,6MWTではIIb線維の萎縮に伴う最大筋出力低下が起因し,有酸素能力ではI線維割合の低下に伴う末梢での酸素利用能低下が起因するものと考えられる。安静時心拍数は筋炎患者において有意に高かった。疾患それ自体が自律神経系に与える影響が大きいこと,また入院による運動不足に伴う交感神経活動の亢進が要因かもしれない。本研究により筋炎患者の有酸素能力,筋力,歩行能力が低下していることが明らかとなったが,自宅退院後および社会復帰後に,どの程度の制限を受けるかは定かではない。今後は生活に応じた実態調査が必要である。【理学療法学研究としての意義】皮膚筋炎・多発性筋炎患者において,ADLが自立していても有酸素能力,筋力,歩行能力は低下していることが判明した。筋疾患の場合,運動自体が筋線維を壊してしまう場合があるが,血清クレアチンキナーゼ,筋痛や筋力低下などの症状に配慮しながら運動療法を実施する必要性が示唆された。
著者
飯島 隆
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.113, no.10, pp.588-612, 2018-10

経済連携協定(Economic Partnership Agreement: EPA)とは,関税削減といった自由貿易協定(Free Trade Agreement: FTA)に係る取極に加えて,非関税障壁の除去,知的財産や投資,協力などといった様々な分野に係る連携取極を二国間(バイ)や複数国間(プルリ)で締結するものである。世界貿易機関(World Trade Organization: WTO)による多国間(マルチ)自由貿易交渉が停滞する中,それを補完する観点から,WTO協定内の関税及び貿易に関する一般協定(General Agreement on Tariff and Trade: GATT)第24条により,WTOの無差別原則と矛盾しないものとして許容されているEPAが,世界各国で積極的に活用されている。我が国においても2002年11月に発効した日シンガポール・EPAを皮切りに,2018年6月末現在で25ものEPA交渉を行い,うち15ものEPAが既に発効している。EPAは,酒類を取り巻く環境に対しても様々な影響を与える。日チリ・EPAは,日本市場における輸入ワインの勢力図を塗り替えたというだけでなく,日本におけるワイン飲用の習慣を一層浸透させることに貢献したと言えるだろう。また,2005年4月に発効した日メキシコ・EPAでは蒸留酒の地理的表示(Geographical Indication: GI)の相互保護が実現したほか,環太平洋パートナーシップ協定(Trans-Pacific Strategic Partnership Agreement: TPP)では,それに付随した交渉において米国が蒸留酒の容器容量規制撤廃に向けた手続き開始に合意するなど,EPAを通じ,日本産酒類の輸出環境に資する成果が様々な形で得られている。とりわけ,欧州連合(European Union: EU)とのEPAである日EU・EPAは,2013年4月に交渉を開始したが,EUが世界最大の酒類輸出経済圏であること,また歴史的・文化的背景から酒類に係る独自の哲学を有し,またそれに係る様々な規制・制度が古くから存在していることから,酒類環境に多大な影響を与えるものになることが交渉開始以前から想定されていた。日EU・EPAは2017年7月6日に大枠合意(agreement in principle),同年12月8日に交渉妥結(finalisation of the negotiations),2018年7月17に署名に至ったが,事実,酒類に関し,過去のEPAとは比較にならないほど様々かつ大きな影響を与える事項が合意された。今回,酒類にかかる合意内容について,基本的事項から技術的事項まで幅広く含めて解説する。
著者
小島 隆矢 若林 直子 白川 真裕 彭 博 伊丹 弘美
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.86, no.784, pp.578-589, 2021-06-30 (Released:2021-06-30)
参考文献数
21

1. Background and objectiveThis study examines the methodology of "individual scaling method" in order to value each person's vocabulary and viewpoints. "Individual scales" refers to evaluation items made by subjects' own terms. Thus, these scales are different from person to person. In the previous report, we proposed principal component analysis (PCA) method for evaluation data measured by individual scales. In this PCA method, evaluation object is regarded as observations, and individual scales of all subjects is regarded as variables. And, individual difference in vocabulary and viewpoint is described as difference in distribution of factor loadings vectors in principal component space. Therefore, it is difficult to analyze individual difference of each object. In this paper, methodology for analyzing individual differences of each object in individual scales method was studied and proposed.2. Methodology of analysisFor the above purpose, the application method of "partial score" used in the analysis method called MFA (MultipleFactor Analysis) was discussed. And the following method was proposed.1) Exclude subjects with low correlation between partial score and global score (principal component score).2) Use "standardized partial score" to analyze individual differences for each object.3) Correcting techniques for "ipsative data" may be necessary when analyzing individual or group differences between multiple objects.In addition, using "HCA (Hierarchical Component Analysis)" as the analysis method is expected to improve the performance of partial scores.3. Case studyAs a case study, a survey on positioning analysis for dental clinic was conducted. The background, purpose and method of this survey were described.4. Analysis and discussionPCA, MFA (Block-based PCA), and HCA were applied to the case study data, and the following results were obtained.1) The output principal component scores did not differ between the methods.2) HCA was the best in the performance of statistical tests for partial scores. This shows that reliability of partial score by HCA is higher than that of other methods.3) It was found that the positioning of the dental clinic is different between those who are positive for visiting dental clinic and those who are not.5. Consideration on Methodology of AnalysisBased on the results of analysis as a case study, methodology was further considered. First, as a criterion to exclude subjects with low correlation between partial score and global score , “R-square≧0.4” was proposed. Next, how to use FA and PCA properly was considered, and necessity of correcting techniques for "ipsative data" was discussed.6. Future tasks and prospectsThe future tasks are to apply the proposed method to many cases. And, using partial scores, it seems possible to analyze individual scale method data, including different objects for each person. It is also a future task to consider this method.
著者
吉岡 奈月 井上 瑶子 小島 隆浩 犬尾 千聡
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.392-397, 2019-05-25

はじめに 近年,新生児のスキンケア方法について,さまざまな方法が検討されている1−3)。アレルギー疾患のハイリスク群ではない一般集団の1カ月健診において,皮膚の異常所見を4割近く認めたこと3)や,新生児の皮膚ケアについて不安を抱いている母親が約3割いたこと4)が報告されており,新生児のスキンケア方法は改善が望まれる状況にある。しかし標準的なスキンケアの方法は定まっておらず,方法の選択は各施設に委ねられているのが現状である5)。 新生児の従来の一般的な沐浴方法は,児を片手で保持しながらもう一方の手で洗浄し,桶に汲んだお湯で石鹸を流すといった方法である6−9)。具体的には,まず沐浴槽にお湯をため児に沐浴布をかけ,頸部と臀部を保持し湯の中に入れる。仰臥位の姿勢を片手で保持し,もう片手に洗浄剤をつけて顔,頭髪,胸腹部,四肢の順に洗う。次に腹臥位の姿勢にし,背部を洗い,再度仰臥位にしたら陰部を洗う。最後に児を沐浴槽より持ち上げてかけ湯をするといった方法である。 新生児の沐浴では,頸部や腋窩などの皮膚の重なり合う部分は,汚れや石鹸成分が落ちにくく皮疹の原因となりやすいため十分に洗い流す必要があると言われている7)。しかし,従来の沐浴方法のように沐浴槽につかりながら洗浄する場合,片手で児を洗浄するため皮膚の重なり合う部分を丁寧に洗浄することは困難である。 また産後入院中の母親に対する調査では,沐浴方法について不安を感じる初産婦は33%,経産婦は25%であった10)。母親にとって従来の沐浴方法のように,片手で保持し,もう一方の手で洗浄する方法は容易ではない。沐浴指導内容を検討する際には,児の安全性や養育者にとって難しい手技ではないという視点も重要である。 この30年間のわが国の入浴に関する環境は大きく変化している。家庭のシャワーの普及率は1985年に70%,2005年にはほぼ100%となり11),どの家庭でも新生児の沐浴にシャワーを利用することが可能になった。かけ湯よりシャワーで洗浄剤を流す方が退院後の生活環境に類似しており,手順が少なく実施しやすいと考えられる。 アレルギー疾患のハイリスク児に対して保湿剤を毎日塗布することでアトピー性皮膚炎の症状出現率が有意に低下したことをHorimukaiら12),Simpsonら13)が相次いで報告した。またヨーロッパの正常新生児のスキンケアの勧告14)では,適切な組成の保湿剤は皮膚バリア機能を良好に保つため,一般集団の新生児に対しても保湿剤の塗布を推奨している。 以上より,養育者が不安なく丁寧に洗い,洗浄剤を十分に流し,保湿剤塗布をするスキンケアが,1カ月健診における皮膚状態に良好な影響を与えるのではないかと考えた。 A病院ではこのような背景を元に,2015年から児を寝かせた状態で両手を用いて洗い,洗浄成分をシャワーで流し,保湿剤塗布を行う沐浴指導内容に変更した。そこで,1カ月健診における皮膚異常の有症率を変更前と変更後で比較し検討した。
著者
寺島 隆史
出版者
信濃史学会
雑誌
信濃 [第3次] (ISSN:02886987)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.345-364, 2015-05
著者
和田 達夫 大島 隆一
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.41, no.7, pp.377-382, 1984
被引用文献数
1

ビスカルゾリル化合物の高分子固溶体の蛍光スペクトルを測定し, エキシマー生成能について検討した. a, ω-ビスカルバゾリルアルカンではクロモフォア濃度の増加に従い, モノマー発光は消光されエキシマー発光が増加した. エキシマー発光とモノマー発光との強度比の濃度変化はメチレン鎖数, C<SUB>6</SUB>>C<SUB>4</SUB>>C<SUB>10</SUB>>C<SUB>5</SUB>>C<SUB>3</SUB>の順に大きくなる. 1, 2-<I>trans</I>-ビスカルバゾリルシクロブタンでは高濃度でもサンドイッチ型エキシマー発光は見られなかつた。クロモフォアの均一分散・分子運動・相対量子収率の濃度変化の検討を行い, エキシマー生成が主に分子内で生成されることが明らかになった.
著者
中井 泉 由井 宏治 阿部 善也 木島 隆康 星野 真人
出版者
東京理科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

色材の分析で最も信頼できる物質情報を与える、絵画分析に適した世界最先端のポータブル粉末X線回折計と、日本画の染料の分析に有用な光分析装置を開発した。その応用として小布施の北斎館に収蔵の葛飾北斎の浮世絵、男浪、女浪の実地分析を行って、色材の概要を明らかにし、成果はNHKでTV放映された。優れた回折計の開発により、ノルウエーのオスロ国立美術館に招待され、開発した回折計を用いて、世界的な名画、ムンクの「叫び」を分析しムンクが用いた色材について、重要な知見をえることができた。さらに放射光を使った絵画の透過イメージング法を開発し、大原美術館のマティスの絵を分析し、塗り込められた下絵を解き明かした。
著者
藤巻 真 島 隆之 藤岡 貴浩 守口 匡子 白土 東子 宮沢 孝幸 久保田 智巳
出版者
国立研究開発法人産業技術総合研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究では、抗原抗体反応を検出原理に用い、環境中に存在するウイルスを、測定試料の煩雑な前処理を必要とせずに、簡便に検出可能なウイルスセンサの開発を行った。我々が開発した外力支援近接場照明バイオセンサ技術をベースとして、検出に用いる光信号用粒子や磁気微粒子の最適化を行うことによって、高感度かつ広ダイナミックレンジを有するウイルス検出技術を確立することができた。より感度良くウイルス検出を行うために、抗体開発も行った。
著者
三浦 周行 山崎 博子 西島 隆明
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.513-517, 1997-12-15
参考文献数
11
被引用文献数
1 2

ツルムラサキ (Bassela alba L.) 種子を, 低水分レベルに調節した市販の培養土中で処理することにより,出芽を促進できるかどうかを検討した. 培養土 (「新健苗くん140タイプ」, 大塚産業) 500gに水16, 52および100gを加えた. その培養土をセルトレイに詰め, 各セルに1粒ずつ播種し, 培養土の水分レベルを維持した条件下で15あるいは25&deg;Cに異なった期間置いた後, 十分灌水して出芽室 (明期8時間:30&deg;C, 暗期16時間:20&deg;C) に移し, 出芽率を調査した.<BR>15&deg;Cで2~10日間処理した結果, 10日間&bull;水52g区で最も出芽が促進され, 出芽室に移した後2日に出芽が開始し, 5日には63~70%の出芽率に達した. 一方, 無処理区の出芽は5~6日に始まった後, 徐々に増加し, 20日に23~24%となった. 25&deg;Cで3~5日間処理の結果, 5日間&bull;水52g区の出芽率が勝った.15&deg;C&bull;10日間&bull;水52g区と25&deg;C&bull;5日間&bull;水52g区との効果を比較したところ, 前者で出芽速度が速く,20日における芽生えの胚軸長の変異が小さかった.従って, 本実験の範囲ではツルムラサキ種子の出芽促進には, 水52g区 (水分41~45%) の培養土に播種して, 15&deg;Cで10日間処理するのが最適と考えられた.
著者
長島 隆
出版者
日本医学哲学・倫理学会
雑誌
医学哲学 医学倫理 (ISSN:02896427)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.52-64, 1990-07-31 (Released:2018-02-01)

Schelling's philosophy of nature has two sources, one is Kantian and Fichtian transcendental philosophy, the other is the contemporary natural science of his time. In this essay, I discuss Schelling's life-concept against the background of the medical dispute of Brown's "lrritabilitat (Erregbarkeit)-Lehre" in Germany at the turn of the 19th century. Schelling's central interest in life-organisation is the individual mediating his environment. In this context, he accepts Brown's "lrritabilitat-Lehre" through Roschlaub's revision of it and A. v. Haller's concept of "Sensibilitat". So he criticizes its "Ungegrundetsein" and develops it into his triad of Erregbarkeit-Sensibilitat-Bild- ungstrieb. He then inserts this triad into his theory of nature.
著者
八島 隆之
出版者
日本法哲学会
雑誌
法哲学年報 (ISSN:03872890)
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.125-134,196, 2006-10-30 (Released:2010-02-15)
参考文献数
23

The purpose of this paper is to offer a tentative plan on systems logically consistent with libertarianism that respects personal freedoms. The arguments start from proving the following thesis. Specifically, in terms of libertarianism, a deceased individual's assets become unowned property in a purely theoretical sense, and therefore, inheritance institutions are denied without contradicting the right of private property. Consequently, problems about the lives of the bereaved arise from this thesis. In this paper, three systems that satisfy both avoidance of the bereaved problems and the position of the above-mentioned purely theoretical libertarianism are drawn. First, in the case of denying inheritance institutions, how to manage the lives of the bereaved becomes a problem if the household economy has depended on the deceased. In order to solve this problem, necessity of “the state debt system” for the bereaved to buy the deceased's assets is pointed out. Second, because the time of death between a husband and a wife usually differs, special consideration is needed with regard to the spouse who is one of the bereaved. Therefore, by thinking of family institutions based on a legal system using the analogy of general partner-ships, “a married couple organization theory” is developed. In this theory, the income of the couple who have chosen legal marriage automatically belongs to the income earner and his/her spouse at a rate of one-to-one. Third, in the case of children, even if we accept the thesis of self-ownership, children cannot usually work. Thus, children may be deprived of various freedoms. In order to solve this problem, necessity of “the independence reserve system” by which a state sets aside a constant sum from individuals' births to a certain time and pays it at the term end is proposed.
著者
大島 隆明
出版者
日本刑法学会
雑誌
刑法雑誌 (ISSN:00220191)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.53-72, 2007-11-10 (Released:2020-11-05)