著者
上島 隆秀 高杉 紳一郎 河野 一郎 岩本 幸英
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.5, 2007

【はじめに】<BR> 中高齢者を対象に,介護予防や健康増進を目的とした数多くのプログラムが全国で実施されている.内容としては転倒予防や認知症予防を目的とした運動,音楽,舞踊などが多い.フラもその一つであるが,昨年の映画公開をきっかけにフラに対する注目度が上がっている.ハワイの伝統文化であるフラは,見た目の優雅さとは裏腹に想像以上に下肢筋活動を伴う運動である.今回,M市のフィットネス施設において,フラ教室参加者の身体運動能力測定および健康関連QOL評価を実施し,その介入効果について検討したので報告する.<BR>【方法】<BR> 対象はM市の一般住民でフィットネス施設のフラ教室に参加した女性11名(平均年齢67.6歳)であった.全ての対象者に対して教室開始前と終了後に,ファンクショナルリーチ(以下 FR),開眼片脚立ち時間,長座体前屈,10m最大歩行速度,膝伸展筋力,握力の測定および健康関連QOL評価を実施した.長座体前屈は竹井機器工業社製デジタル長座体前屈計,膝伸展筋力は日本メディックス社製徒手筋力測定器MICROFET2を使用した.健康関連QOL評価はSF-36日本語版を使用した.評価項目は,身体機能,日常役割機能(身体),体の痛み,全体的健康感,活力,社会生活機能,日常役割機能(精神),心の健康である.そして,各測定・評価項目についてフラ教室参加前後の値を比較検討した.なお,統計学的検定には対応のあるt検定を用い,有意水準は危険率5%未満とした.<BR>フラ教室は,熟練した講師の指導下で毎回1時間,週1回の頻度で2ヶ月間実施された.なお,事前に十分な説明を行い対象者の同意を得た上で測定および評価を実施した.<BR>【結果】<BR> 教室参加前に比べ参加後では,FR(38.3→41.3cm),長座体前屈(34.9→37.6cm),膝伸展筋力(22.7→24.6kg)において有意な向上が認められた.また,健康関連QOLでは,身体機能(74.5→89.1)および活力(64.5→80.9)において有意な向上が認められた.<BR>【考察】<BR> 今回, FR,長座体前屈,膝伸展筋力において有意な改善を認めた要因として,ダンス中における頻回な骨盤傾斜・回旋及び膝軽度屈曲位でのステップによるものではないかと考えられた.<BR>また,健康関連QOLにおいても改善効果が認められたことから,フラを継続することでQOLや生活機能の改善が期待できる.高齢者の生活機能低下予防は,介護予防の観点からも重要であるが,楽しみながら身体を動かすだけで生きがいにもつながればそれに勝るものはないであろう.<BR>今後は,他の運動との比較も行ってゆきたいと考える.<BR>【文献】<BR> 1)伊藤彩子:フラダンスのはじめ.WAVE出版,2004.
著者
山田 崇史 三島 隆章 坂本 誠 和田 正信
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A0423, 2005 (Released:2005-04-27)

【目的】これまでに我々は,甲状腺機能亢進症ラットのヒラメ筋において,興奮収縮連関の機能を検討し,筋原線維レベルにおける機能の変化が,筋力低下の原因の1つであることを報告した.しかしながら,本症では筋原線維タンパク質の総量に変化が認められないことから,筋原線維において何らかの質的変化が生じているものと推察される.近年,筋の発揮張力は,興奮収縮連関に関与するタンパク質の酸化還元動態に影響を受けることが示されている.したがって本研究の目的は,甲状腺機能亢進症において,発揮張力と筋原線維タンパク質の酸化還元動態との関連性を明らかにし,本症に伴う筋力低下の機序について検討することである.【方法】9週齢のWistar系雄性ラット34匹を対象とし,これらを対照群および実験群に分けた.実験群のラットには,甲状腺ホルモンを毎日300 μg/kgずつ21日間投与した後,麻酔下でヒラメ筋を採取した.その後,直ちにリンガー液中で単収縮張力および強縮張力を測定し,筋重量および筋長から単位断面積あたりの張力を算出した.また,ヒラメ筋全体の酸化還元動態を明らかにするために,筋に含まれる還元型グルタチオン(GSH)の量を,また,筋原線維タンパク質の酸化的修飾の有無を検討するために,高濃度K+溶液により抽出した筋ホモジネイトにおけるカルボニル基の量を測定した.【結果および考察】21日間の甲状腺ホルモンの投与により,ラットヒラメ筋における単収縮張力および強縮張力は有意な低値を示した.また,対照群に比べ実験群において,GSHの量は有意な低値を,また,カルボニル基の量は有意な高値を示した.細胞内において,GSHは抗酸化物質として作用していることから,甲状腺機能亢進症では,筋線維が酸化ストレスを受けると考えられる.一方,カルボニル基は,タンパク質が不可逆的な酸化的修飾を受けると形成されることが示されている.本研究で用いた高濃度K+溶液による抽出法では,溶液に含まれるタンパク質のほとんどが筋原線維であり,これらのタンパク質が酸化的修飾を受けていると考えられる.本症では基礎代謝の亢進に伴い,ミトコンドリア呼吸が増大し,正常なものと比べ活性酸素種がより多く発生することが報告されており,これらが筋原線維タンパク質の酸化に関与している可能性が高い.また,筋原線維タンパク質のなかでも,アクチンおよびミオシンは特に酸化的修飾を受けやすいことが示されている.これらのことから,甲状腺機能亢進症を発症している個体の筋では,酸化ストレスによってこれら2つのタンパク質の機能が低下し,そのことが筋力の低下を誘起していると推察される.
著者
小島 隆人
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.25-30, 2019-01-10 (Released:2019-01-23)
参考文献数
13
著者
中島 隆信
出版者
日本犯罪社会学会
雑誌
犯罪社会学研究 (ISSN:0386460X)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.42-61, 2011-10-31 (Released:2017-03-30)

経済学が他分野にあれこれ口を出して引っかき回すことを「経済学帝国主義」という.しかし,刑事政策に関しては,経済学による「侵略」はこれまで日本ではあまりされてこなかった.その理由としては,犯罪を費用・便益の視点から分析することへの強い抵抗感があげられよう.しかし,刑事犯罪は裁判で有罪となった人間を刑務所に入れればそれで片が付くわけではない.犯罪には,取り調べ費用,裁判費用,施設収容費用がかかり,さらに社会復帰ができなければまた同じ費用が何度でもかかることになる.経済学的視点がすべてに優先するとはいえないが,経済のインセンティブ構造に明らかに反したり,費用・便益の観点からきわめて非効率だったりする社会政策は,いずれは国民の支持を失い,破綻に追い込まれるだろう.本論文は,近年進みつつある厳罰化,刑事裁判,矯正,そして更生保護にまつわる現在の日本の制度設計について,経済学的視点から検討を加えることにしたい.
著者
江部 晃史 久保 雅昭 山下 茂雄 鈴木 謙介 福島 隆史 河﨑 賢三 山口 智広
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Ca0939, 2012 (Released:2012-08-10)

【目的】 投球動作はコッキング期から加速期にかけて外反ストレスが生じ内側に牽引ストレス、外側には圧迫力が加わる。この外反ストレスは投球肘障害を招く一要因である。Parkらは尺側手根屈筋と浅指屈筋を合わせた筋活動時に外反角度が有意に減少すると報告しており、外反ストレスを制御する働きがあるといわれている。我々は前回、投球時に疼痛を有する選手を対象に手指対立筋の筋機能における客観的評価として手指対立筋筋力を数値化し検討を行った。結果より有症状選手における手指対立筋の筋機能低下が示唆された。そのことから手根骨の不安定性による尺側手根屈筋の機能低下が考えられた。宮野らは握力発揮時には橈側手根伸筋が手関節固定、母指球筋が母指の固定に働き浅指屈筋が握力発揮に主として働いていると考察している。しかしながら、投球肘障害におけるピンチ力と握力の関連性についての報告は少ない。そこで今回我々は高校野球選手におけるピンチ力と握力の傾向を調査した。投球時に肘疼痛を有する選手においてピンチ力との関連性に若干の知見を得たので報告する。【方法】 2011年3月から10月に当院スポーツ整形外科を受診した選手で、初診時筋力測定が可能であった選手のうち高校生のデータを抽出し対象とした。そのうち、投球時に肘疼痛が出現した選手を疼痛群19名(15歳~18歳、平均年齢:15.5歳)、比較対象として既往、来院時に肘疼痛を有さない選手を非疼痛群18名(全例年齢15歳)とした。ピンチ測定はピンチ計を用いて、投球側、非投球側を計測した。対象となる対立手指は、環指/母指、小指/母指とした。測定条件として、立位肘関節伸展位(体側に上肢を下垂させた状態)にて行った。握力測定は握力計を用いて、ピンチ測定と同様の条件で測定した。得られた筋力値を投球側と非投球側の比較と疼痛群と非疼痛群で比較した。尚、統計学的検討にはT検定を用い有意水準は5%とした。【説明と同意】 対象選手が未成年のため保護者に研究の趣旨を説明し同意を得た。【結果】 ピンチ力では疼痛群の小指/母指は投球側0.96kg、非投球側1.15kgであり投球側が有意に低値であった。環指/母指は投球側2.76kg、非投球側2.48kgであり有意差を認めなかった。握力では疼痛群において投球側41.89kg、非投球側44.05kgであり、有意差を認めなかった。非疼痛群ではピンチ力、握力ともに投球側-非投球側間で有意差を認めなかった。また、疼痛群-非疼痛群間での比較についても有意差は認めなかった。【考察】 今回の結果より有症状選手において投球側小指の筋力低下が認められた。我々の先行研究と同様の結果が得られた。宮下らは小指球筋群の収縮不全は手関節尺側の機能低下を招き、結果として尺側手根屈筋の収縮力を低下させていると報告している。また、握力においては疼痛群、非疼痛群ともに有意な差を認めなかった。河野らは競技特性について検討しており野球選手は握力に左右差がないと報告している。今回、有症状選手でも同様の結果を得られ浅指屈筋群を含む前腕筋群の筋機能が保たれていることが示唆された。Parkらは浅指屈筋単独の筋活動では外反角度は減少傾向にあるが有意差はなかったと報告している。よって有症状選手は前腕筋群の機能は保たれているが、手内在筋の筋機能が低下したことにより投球時の外反ストレスによって肘疼痛を有したと考えられた。このことから高校野球選手においては握力測定のみならずピンチ測定を行うことが投球肘障害の機能評価として重要であり、今後の課題として各年代に対して傾向を調査し有効性を明確にしていく必要がある。【理学療法学研究としての意義】 今回の研究より高校野球選手で投球時に肘疼痛を有する選手において投球側小指対立筋の筋力低下を認めた。一方、握力では有意差を認めなかった為、投球肘障害の機能評価を行う上では握力測定のみならずピンチ測定を行うことが重要であると考えられる。
著者
原田 隆史 川島 隆徳
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.132-135, 2018-09-03 (Released:2018-05-18)
参考文献数
7

地方自治体の95.7%が例規集をWeb上で公開しているが,その多くは自治体のWebページ内で閲覧ができるのみであり,複数自治体の例規を横断検索することは困難である。また,4.3%の自治体の例規はオンラインで検索ができない。本研究ではWeb上で例規集を公開している1,712自治体のデータを自動収集するとともに,Webでは公開していない自治体にも協力を依頼して本文のデジタル化およびメタデータの作成を行い,1,739自治体(全1,788自治体中の97.3%)の例規集を横断で全文検索できるデジタルアーカイブシステムを開発した。本システムでは,現行の例規に対する横断検索を行うことができるほか,自治体種別,語句の出現場所,制定年などを指定した詳細検索も行うことができる。また,改定されたり廃止された例規についても保存して検索することができるアーカイブ機能も備えている。
著者
川島 隆太
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

超小型近赤外分光測定装置(NIRS)を用いて、背内側前頭前野の活動の同期現象をリアルタイムでモニター可能なシステムを作成し、個体間の社会的相互関係を実社会環境下で定量計測することが本研究の目的である。グループ・ディスカッション時、リズム集団歩行時の脳活動同調を計測した結果、集団インタラクションのあり方の違いに応じた脳活動同調の変化を捉えることに成功した。個人内の脳機能同定を主とする従来研究を越えた個人間の脳活動同調の評価が、共感やコミュニケーションの質などの集団における創発的状態の指標を与える可能性を示唆している。
著者
乾 亮介 福島 隆久 斎藤 弦 森 里美 出井 智子 森 貴大 原田 美友紀 森 清子 中島 敏貴
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0792, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】近年日本では高齢化がすすみ,理学療法の対象患者の中には腰椎後彎変形を呈するものが少なくない。胸腰椎後彎変形は呼吸機能低下や体幹の伸展制限といった機能障害を引き起こし,日常生活能力(ADL)を低下させると報告されている。これら胸腰椎後彎変形の治療において整形外科的な手術による報告はあるが理学療法による報告はみられない。本研究の目的は胸腰椎後彎変形を呈する患者に対して腹部周囲筋である外腹斜筋,内腹斜筋ストレッチを実施し,その効果を検証することである。【方法】急性期病院入院中に理学療法依頼のあった患者で胸腰椎後彎変形によりADLが低下していると考えられた13名(85.5±6.8歳,男性:6名 女性:7名)を対象とした。疾患は誤嚥性肺炎6名,人工膝関節置換術3名,脳梗塞1名,腱板断裂の術後1名,出血性膀胱炎1名,肝性脳症1名であった。Minimal Mental State Examination(MMSE)の平均は17.9±8.0と多くの患者において認知機能の低下を認めた。患者には椅子座位が可能になった時点で,両足足底接地,膝関節,股関節90°になるようにして端座位となり,できる限り体幹を伸展した状態で正面を直視してもらうよう指示した。その後,自在曲線定規を患者の脊柱にあて,患者の脊柱の彎曲変形を定規に形状記憶させた後,彎曲を形状記憶した定規ですぐに紙面上にトレースし,Milneらの方法に従い,円背指数を求めた。計測後以降は各疾患別の標準的な理学療法に加え,週5回の頻度で約10分間Ylinenの方法に従い側臥位にて左右の外腹斜筋,内腹斜筋のストレッチを施行し,約4週後,同様の方法で再度円背指数を求めた。統計処理は介入前後の円背指数に対して対応のあるt検定を用い,Functional Independence Major(FIM)の運動項目についてはWilcoxon符号付順位検定を用いた。有意水準は5%未満とした。【結果】円背指数は介入前の17.4±5.1に対して,介入後15.5±4.7と有意に減少し(p<0.01),ADLではFIMの運動項目において介入前35.3±26.6に対し45.3±28.0と有意な改善を認めた(p<0.01)。【考察】外腹斜筋,内腹斜筋は肋骨から起こり,骨盤に付着し,体幹を屈曲させる作用がある。高齢者は習慣的な姿勢や脊柱起立筋群の低下により,これらの筋群を伸張する機会が少なくなり,結果として脊柱の器質的変化に加えて胸腰椎後彎変形を増悪させていると考える。そのため高齢者への外腹斜筋,内腹斜筋ストレッチは脊柱の器質的な変形等には影響を与えなくても,それらを増悪させる因子である体幹屈曲作用のある筋群の伸長により,骨盤の後傾や体幹の屈曲モーメントを軽減させ,より脊柱起立筋群の筋力発揮をしやすくすることで体幹伸展がしやすくなったと考える。そして各患者に残存している脊柱の可動範囲内で脊柱後彎変形を軽減させたと考える。【理学療法学研究としての意義】外腹斜筋,内腹斜筋を中心とした腹部周囲筋ストレッチにより胸腰椎後彎変形を軽減できる可能性が示唆された。腰椎後彎変形が要因となって下肢の可動性や筋力低下,或は呼吸機能の低下によりADLが低下している高齢患者は多く存在し,これからもさらに増えていくと予想される。従来,高齢患者の腰椎後彎変形の改善は困難であると考えられていたが,症例によっては改善できる可能性があり,胸腰椎後彎変形が原因でADL制限をきたしている患者にはその評価と介入の重要性が示唆された。また,今回の検証において疾患や男女差なく改善を認めたことより,今後検討を重ねることにより,高齢に伴う胸腰椎後彎変形に対する予防法を考案できる可能性があると考えられる。
著者
村井 源 川島 隆徳 工藤 彰
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.279-284, 2011-05-28
参考文献数
5

評判分析などが自然言語処理技術によって進められているが,対象は主にWeb上のテキストであり,人文学的な批評文はその主たる対象となっていない.本研究では人文的な批評文の具体的批評対象を計量化することで,批評行為のより深い意味分析に向けての基礎固めを行う.本研究では批評文中の人名と作品に絞り,総合的作品である映画と演劇の批評において,誰についてどの作品について中心的に語られる傾向があるのかを計量し,カテゴリー分類と共起分析を行った.結果として演劇批評は集中的であり,映画批評は分散的・個別的であること,また演劇批評は強い芸術的指向性を持つことが明らかになった.
著者
山本 杏子 伊丹 弘美 小島 隆矢
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.81, no.719, pp.19-27, 2016 (Released:2016-01-30)
参考文献数
18
被引用文献数
3

This study examines categorizing classification to location of shops which unease of entering or staying. The survey was carried out for place and reason, feeling which unease of entering or staying by recall method. The purpose of this paper is classify variations and consider methodology. The results are as followings: 1) The variation is classify the situation, feelings in seven types and proved variety. 2) Recall method is able to obtain obstructive factors of before entering and predict staying after entering. 3) Evaluation structure of unease entering which consisting of a cognitive process, the concrete situation, feeling was proposed.
著者
上島 隆秀 高杉 紳一郎 河野 一郎 禰占 哲郎 高橋 みゆき 河村 吉章 岩本 幸英
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2013, 2014

【はじめに,目的】総務省発表によれば,2013年9月15日時点の人口推計で,65歳以上の高齢者が総人口の25%に達した。今後,高齢者人口の増加とともに,介護予防対策は多様なニーズに応えるべく,その多様化が求められてくると予想される。介護予防対策として,リハビリテーションの重要性も認識されているが,継続のための仕組みやモチベーションを高める工夫が不十分である現状は否めない。一方,家庭用ゲーム機の本格的な普及から30年が経過し,ゲームは,シリアスゲームやゲーミフィケーションとして今後,医療・介護分野においてもますます身近になるものと考えられる。今回,デイサービスセンターに導入されたリハビリ用ゲーム機の活用効果について報告する。【方法】対象はY市のKデイサービスセンター利用者のうち,ゲーム機を継続的に利用した群(ゲーム群)15名(男性1名,女性14名,平均年齢85.3±5.8歳)およびゲーム機を全く利用しなかった群(非ゲーム群)96名(男性20名,女性76名,年齢85.0±6.4歳)である。この両群を対象に体力測定を行い,ゲーム機活用効果について検討した。使用したゲーム機は,主に高齢者の運動機能向上を目的として開発されたものであり,上肢の筋力・敏捷性向上を目的とした「ハンマーフロッグ」「ワニワニパニック」,下肢の筋力・敏捷性向上を目的とした「ドキドキへび退治2」,目と手の協調性向上を目的とした「ポンポンタッチ」である。両群とも通常のデイサービスプログラムを行っており,ゲーム群ではさらに,自らの意思で選択したゲームも行っていた。測定項目は,握力,Functional Reach(FR),開眼片脚立ち(片脚立ち),光刺激に対する反応時間(反応時間),3mTimed Up and Go Test(TUG),ステッピング(ステッピング)であった。そして,体力測定により得られた結果から,開始時と7カ月後のデータを対応のあるt検定にて比較検討した。【倫理的配慮,説明と同意】対象者および家族には,当該デイサービスセンターにて文書による説明を行い,同意を得ている。【結果】両群の開眼片脚立ちにおいて,開始時と7カ月後の比較で改善傾向が認められた。ゲーム群4.9秒→8.2秒(P=0.084),非ゲーム群4.6秒→8.3秒(P=0.059)。ゲーム群における3mTUGにおいて,開始時と7カ月後の比較で改善傾向が認められた。12.3秒→10.4秒(P=0.073)。【考察】今回,ゲーム群,非ゲーム群ともに有意な改善を示した測定項目は認められなかった。我々は,第39回日本理学療法学術大会において,「デイサービス利用者のゲーム機による身体機能改善効果」について研究し,その結果,ゲーム群においてFR,長座体前屈の有意な改善を認めたことを報告しているが,この研究では,有意な改善が認められるまで1年を要している。一方,本研究は,まだ8カ月を経過した時点であり,今後,より明確な結果が出る可能性がある。現在,ゲームの総合得点および実施回数を積算した数値を基にした評価を開始しており,ゲーム回数の多寡による影響についても分析する予定である。ゲーム群の対象者に対する聞き取りでは,リハビリのため,楽しいから,負けたくないという声が挙がっている。ここに継続のための仕組みやモチベーションを高める工夫へのヒントが隠されていると考えられる。非ゲーム群の対象者では,少なくとも一度はゲーム機を体験していたが,ゲームに関心がないなどの理由で,ゲームを行っていなかった。ゲームに限らず,多様な選択肢を提示することで,ICF(国際生活機能分類)が提唱する社会参加を促す一助となることが期待される。【理学療法学研究としての意義】今後,医療・介護分野においてもロボットやその他の支援機器導入が進むことが予想されるが,その際に重要となるのは利用者に合った機器選択である。適切かつ様々な選択肢を提供できる環境づくりは,多様化するニーズに対応できる理学療法を行う上での参考となることが期待される。
著者
平田 したう 立川 隆治 福島 典之 夜陣 紘治 松島 隆浩 熊谷 信二 森田 栄伸
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.40, no.Supplement3, pp.195-200, 1997-08-15 (Released:2011-03-18)
参考文献数
8

上気道感染症に対するネブライザー療法は広く行われている保存的療法の一つであるが, 室内環境や, 医療従事者への影響についての検討は極めて少ない。今回我々は, ネブライザー施行中のネブライザー粒子の飛散状況や換気扇の効果を検討した。医療従事者の血中ネブライザー薬液濃度は, 検出できなかったが, ネブライザー施行中にネブライザー粒子がかなり飛散するのが肉眼的に確認された。また密閉空間においてネブライザーを噴出させ, ネブライザー薬液を採取し測定したところ, ネブライザー装置と同じ高さの方が50cm上方よりも約10倍多く検出され, 換気扇を使用することにより約5分の1に減少した。さらに実際の外来診療室では, 換気扇を作動させなかった日にはネブライザー装置から7m離れた位置でもネブライザー薬液が検出され, ネブライザー装置の近くでは, 換気扇を使用してもあまり効果が得られなかった。今回の検討から, ネブライザーを施行する際換気扇を使用することは当然と考えられるが, 現状よりも強力なドラフト装置や, フードを低く設定する, あるいは複数の箇所に設置するなどの必要性が示唆された。
著者
中島 隆信
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.p1-36, 1991-12
著者
鈴木 淳 村田 理恵 諸角 聖 村田 以和夫 佃 博之 小島 隆樹 富樫 哲也
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.353-356, 2000-12-25 (Released:2008-01-11)
参考文献数
10
被引用文献数
3 1

近年, 魚介類の生食を原因とする寄生虫症が増加してきた. そこで, 都内で流通しているシラウオを対象に, 横川吸虫メタセルカリアの寄生状況を調査した. その結果, 4産地のシラウオにメタセルカリアの感染が認められ, 特に, 茨城県霞ヶ浦産のシラウオは感染率が平均88%, 1尾当たりの最大感染数が314個体と高い値であった. 一方, 他産地のシラウオの平均感染率はいずれも10%以下と低率であった. したがって, 本吸虫の感染症防止対策として, 生食用シラウオの産地表示を明確にし, 本吸虫の寄生率が高い産地のシラウオについては, 加熱調理用とすることが必要と考えられた.
著者
佐々木 崇文 平川 篤 福島 隆治 町田 登
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.72, no.10, pp.617-621, 2019-10-20 (Released:2019-11-20)
参考文献数
14

第3度房室ブロック罹患犬36例のうち,死後の病理学的検索により房室伝導系に重度の器質的障害が見いだされた31例について,重度傷害部位と心電図上でのQRS幅及び心室レートとの関連性を検討した.QRS幅に関しては,正常なQRS群(narrow QRS)が4例,幅広いQRS群(wide QRS)が27例であり,重度傷害部位から想定される下位自動中枢(想定下位中枢)とQRS幅とが合致していたのは31例中26例(84%)であった.一方,心室レートは40/分未満が15例,40~60/分が7例,60/分以上が9例であり,想定下位中枢と心室レートが合致していたのは31例中13例(42%)であった.本検索結果から,QRS幅の方が心室レートよりも房室伝導系の重度傷害部位をより的確に映し出しているものとみなされた.