著者
細野 敬太 笹倉 万里子 田邊 浩亨 川上 武志
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

2012年に開発されたNUIデバイスのLeap Motionを用い,手のジェスチャ操作により文字入力を行う方法を提案する.マウスとキーボードの2つの機能をLeap Motionのみで実現するため,Leap Motionで文字入力を可能とする.本研究では,指の移動角度で平仮名を入力する方法を提案し,現在主流であるキーボード入力などの文字入力方法との比較を行う.
著者
那須野 薫 萩原 静厳 井上 綾香 伊藤 岳人 浜田 貴之 川上 登福 松尾 豊
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.29, 2015

教材推薦において学習行動だけでなく学習項目の理解度を考慮することが重要である.しかし,近年注目を集めている大規模オンライン講座では利用教材の選択は学習者に委ねられるため,テストの結果から統一的,網羅的に理解度を評価することは難しい.本研究では,大規模オンライン講座において自分自身で適応的に利用教材を選択する学習者に着目し,ある教材を勉強した場合にその内容を十分理解できるか否かの予測を試みる.
著者
川上 宏金 大島 隆義
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.p429-436, 1988-06

粒子, 反粒子変換に対して非対称性を有し, かつ, その質量はあっても電子の〜10^<-5>以下と極端に軽いにもかかわらず, この広大な宇宙の将来を左右するかも知れないと予想されている素粒子 "ニュートリノ" の質量について考えてみよう. その質量をオーソドックスな原子核分光法で測定することにより, 素粒子物理学と宇宙物理学の先端的問題に迫ることができる. 1980年ソ連グループが有限のニュートリノ質量値(14〜46 eV)を発表して以来, また, 最近超新星爆発によるニュートリノを人類が初めて検出したことにより, その質量の有無は重大な関心事となっている. そして現在世界の10カ所以上で^3H線源を使ったニュートリノ質量の直接測定実験が遂行, 又は準備されている. ここでは, 主に日本で行われている実験について紹介し, 外国の例と比較しながら解説する.
著者
和泉 謙二 川上 勇一 法月 香代 冨田 昌夫
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.A3P2071-A3P2071, 2009

【目的】<BR> 私たちは重力を知覚し基礎的定位をし,視覚情報その他から得られる空間的定位と一致させ行為している.身体内部の非対称性は身体軸の傾きやバランス戦略等動作時の傾向性として表出される.脳血管障害者における治療用ベッド上に斜めに寝るという現象は,その一つの代表例として考えられる.<BR>今回,我々は健常人における軸の傾きやズレに対し,揺すり手技を用いた介入により修正できるか検討し,若干の知見を得たので報告する.<BR>【対象】<BR> 研究の趣旨を説明し同意の得られた健常成人15例(男:9,女:6),平均年齢29.5±5.0歳,視覚認知に問題なく神経疾患の既往がないものを対象とした.尚,本研究は当院倫理委員会の承認を受けて実施した.<BR>【方法】<BR> 頸部の軸を計測するために眉間,下顎中央に,体幹の軸を計測するために胸骨上切痕,臍にマーキングし,それぞれを結ぶ直線をベッド端まで延長した点の頭側および尾側の差とベッド長軸の長さから三角関数により傾き角度および頸部・体幹軸のズレを算出した.測定はそれぞれ安静臥位,視覚導入後,頸部からの揺すりによる介入後において行った.統計手法は求められた平均値より対応のないt検定(有意水準5%)にて比較検討した.<BR>【結果】<BR>1) 頚部の傾きは安静臥位3.2±1.6°,視覚導入後2.4±1.4°,揺すり介入後1.2±1.3°となった.体幹の傾きは安静臥位2.5±1.6°,視覚導入後2.5±1.6°,揺すり介入後1.4±1.2°となり,平均値の差の検定では頸部・体幹とも揺すり介入後が安静臥位ならびに視覚導入後よりも傾きが減少する傾向を認めた(p<0.05). <BR>2) 頸部・体幹の軸のズレは安静臥位3.3±2.2°,視覚導入後2.0±2.1°,揺すり介入後2.2±2.0°と安静臥位より視覚導入後および揺すり介入後において軸のズレが減少したが,優位な差を認めなかった.<BR>【考察およびまとめ】<BR> 私達は無意識下に重力を知覚し,自身の姿勢や行為を決定している.人間が重力に抗して活動するためには正中を知り,振れ幅の少ない左右均衡した中で動くことが,経済的である.<BR>しかし,実際に自分の正中がどこなのか明示するものはなく動くことによりボディイメージが形成され,視覚情報と一致するという知覚循環のもとに自分の位置,構えを知覚している.筋活動の不均衡や可動性の制限が生じると「動かせない」「知覚できない」身体部位ができ,知覚循環により空間との関係性を知ることが困難になると考える.<BR>今回の測定結果より,頸部からの揺すり介入は,過活動な表在筋群の緊張を抑制し,Parking FunctionあるいはDynamic Stabilizationの状態に近づけることで知覚しやすい身体づくりが可能となることで身体軸の修正,基礎的定位と空間的定位の一致させる上で有用な介入であることが示唆されたものと考えられる.
著者
川上 大輔 金子 仁美 嵯峨山 茂樹
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2010-MUS-84, no.6, pp.1-6, 2010-02-08

和声は西洋音楽の重要な要素であり、特に音楽音響信号からの和声推定や自動採譜などにおいては、精密な和声進行の統計的モデルが必要である。筆者らは、和声に関する研究推進のため、人手による和声ラベル作業の容易さと、コンピュータ可読性の両立を主眼にして、和声記述仕様を策定し、それに基づいて和声の18世紀から20世紀初頭までのクラシック音楽作品60曲に機能和声ラベルデータを付与した。その和声系列を統計解析し、音楽的な知見から説明を試みる。また、統計的和声モデルとしてN-gramモデルに関して、Nの値、スムージング法等を検討する。調や機能和声などを反映した詳細な和声進行のモデルは、従来の和声モデルよりperplexityを低くできることを示す。
著者
川上 繁 五十嵐 幸雄
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.45-60, 1943

1. 梅と杏に關して, 主として低温障害の見地より花粉の發芽試驗を行つた。<br>2. 開花期の早い梅性梅の中には白加賀、甲州最小の如く暖地に比して, 低温地方にて發芽率の不良なる品種あり, 其の原因は低温, 降水等に基く事が尠らずと認めた。<br>3. 花粉の發芽適温は15°C付近にあり。0°Cにては全然發芽せず, 1.5~3にて發芽可能であつた。<br>4. 花蕾の發育程度に依る花粉の發芽率の差異は, 天候良好なる場合には開花日より2日過位まで良好にして, 4日過に至れば極めて不良となつた。<br>5. 蕋咲花, 雌蕋不完全花, 花柱變色花等の外見上に認められる障害の原因の一部は低温に基くものと認められるが, 露地に於ける此の如花蕾の花粉は發芽成績が必ずしも不良でなかつた。<br>6. 枝條, 花蕾, 及び花粉を人工的に低温處理して障害状態を觀察し, 花粉の發芽試驗を行つた。其の結果は成熟せる花粉は耐寒性強く, 開葯前の花粉は耐寒性が極めて弱き事を認めた。<br>7. 著しき低温を伴はざる場合にても降水後の露地の花蕾は花粉の發芽極めて不良であつた。<br>8. 人工にて低温處理せる成熟花粉は人工交配にて高い結實歩合を示した。

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著者
平岡 秀一 塩谷 光彦 狩野 直和 川島 隆幸 川上 厚志 牧野 淳一郎 中村 栄一 磯部 寛之 尾中 敬 岡 良隆 上野 啓司 島田 敏宏 小間 篤 東山 哲也 濱口 宏夫 清水 裕子
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学理学系研究科・理学部ニュース
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.4-12, 2002-09-17

金属イオンを自在に並べる/有機ケイ素化合物におけるケイ素の配位数の制御/小型熱帯魚ゼブラフィッシュの変異体を用いた遺伝子ハンティング/GRAPE-6とゴードン・ベル賞/フラーレンの基礎n学て妬くナノバイオテクノロジー/赤外線衛星観測と衛星冷却望遠鏡/やる気を起こさせる神経メカニズム/有機分子ナノ構造のシリコン基板上への自己組織化形成/植物の受精のしくみを解き明かす/酵母生細胞の時空間分解ラマン分光/マカク細胞の加齢に関する研究
著者
竹越 一博 川上 康
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.104-112, 2012 (Released:2013-02-28)
参考文献数
33

褐色細胞腫は内分泌疾患の中で,その進歩において最も著しく,今世紀になって全く概念が変わってしまった疾患といってもよい。その主な理由は,遺伝的なバックグランドが急速に明らかにされた点に尽きる。すなわち,以下の3点に集約される。①新しい原因遺伝子SDHBおよびSDHDの発見,②臨床的に散発性でも潜在的に遺伝性である可能性があること,③悪性化と関係する遺伝子(SDHB)が判明したこと。さらに最近2〜3年間でもSDHA,SDHAF2,TMEM127,MAXと4つの原因遺伝子が同定されており,結果的に主なものでも計10種類の多数の原因遺伝子が知られるようになった。これら遺伝的な原因で引き起こされる褐色細胞腫・パラガングリオーマを遺伝性褐色細胞腫・パラガングリオーマ症候群(Hereditary pheochromocytoma/ paraganglioma syndrome(「HPPS」))と呼ぶことがある。褐色細胞腫は10%病とも呼ばれるが,殊に「遺伝性の頻度」に関しては,この有名な法則は既に実情に即してない。今後,遺伝子診断がHPPSの診断のみならず,分子標的薬投与などの治療方針決定にも重要な時代が遠からずやってくるはずである(個別化医療)。本稿では,その臨床的な重要性に鑑みてSDHB,D変異による「HPPS」に重点を置いて紹介する。
著者
川上 進 松岡 雅裕 岡本 浩明 細木 信也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.83, no.12, pp.2786-2797, 2000-12-25
被引用文献数
3

歩行や車の運転に不可欠な空間視は, 網膜に映るオプティカルフローに基づいて行われることを, 心理学者のGibsonが50年ほど前に見出している.この空間視には, 「自己移動方向の検出」と「環境を構成する平面の空間認識(平面の3次元方位と奥行)」がある.神経生理学が進展し, 自己移動方向をオプティカルフローから検出する細胞が大脳の運動視中枢(MST野)で見出されている.しかし, オプティカルフローに基づいて平面の空間認識を行う細胞は, Gibsonの心理学的発見にかかわらず報告されておらず, またモデルの報告もない.本論文では, 3種類の平面パラメータ(平面の3次元方位, 平面に到達するまでの時間, 平面までの最短距離)を, オプティカルフローを統合して検出するアルゴリズムを報告する.到達時間と方位は複比変換と極変換を用いて, また最短距離と方位は小円変換を用いて検出される.次に, これらアルゴリズムと前報の「大脳MT野で局所運動を検出する神経網モデル(Vision Research, 1996, 1999)」に基づいて, 網膜からMT野を経てMST野までの神経網をモデル化する.また, そのモデル神経網(0.16億個の細胞とそれを結ぶ4.6億本の神経網で構成される)をコンピュータ上に構築して, 到達時間と方位を正しく検出できることを示す.
著者
川上 徳明
出版者
札幌大学
雑誌
札幌大学総合論叢 (ISSN:1342324X)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.396(一)-284(一一三), 2011-03
著者
寺田雅之 川上博 岡島一郎 篠崎俊哉 坂下昭宏
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.35-42, 2015-01-15

携帯電話ネットワークの仕組みを使って日本全国の現在人口を継続的に推計できるモバイル空間統計について述べる.モバイル空間統計は人口の地理的分布を示す人口分布,地域ごとの現在人口の時間推移を示す人口推移,性別・年齢・居住地に基づく人口構成を推計することを通じ,社会や産業の発展に寄与していくことを目的としている.本稿では,モバイル空間統計の概要と,その実用化に向けたプライバシー保護や社会的説明,信頼性・有用性検証への取り組みを紹介するとともに,国内外の関連動向について触れる.
著者
小林 正和 川上 拓也 東 正毅
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.76, no.764, pp.1000-1008, 2010
参考文献数
17

To maximize designers' creativity during collaborative design processes, this paper focuses on designers' individual differences, especially differences in their idea evaluations, and proposes an analytical method for revealing their differences. During creative group activity, when a designer represents an idea using some words or a short sentence, the others imagine the concrete image of the idea form the presented words and evaluate the concretized idea in their mind. However, the results of their concretizations and evaluations vary among designers in most cases. Such differences or diversities seem to be undesirable, but they have a huge potential for leading new ideas during divergent processes of exploring ideas. Therefore, the method proposed here reveals designers' individual differences by analyzing the results of their idea evaluations and encourages their further idea explanations. In addition, to confirm the effectiveness of the proposed method, the case study is carried out and its results and detailed processes are analyzed.
著者
津野 香奈美 大島 一輝 窪田 和巳 川上 憲人
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.245-258, 2014 (Released:2014-12-20)
参考文献数
46
被引用文献数
2 15

目的:東日本大震災は東北から関東にかけて甚大な被害をもたらしたが,津波の被害がなかった関東地方の労働者の心理的ストレスについてはあまり注目されていない.自身の被災に加え,震災によって仮庁舎への移動が必要となり,通常業務に加え震災対応に追われた関東地方の自治体職員における困難に立ち向かう力(レジリエンス)と心的外傷後ストレス症状との関連を検討した.対象と方法:関東地方のある自治体において,震災から半年後にあたる2011年9月に全職員2,069名を対象に質問紙調査を実施し,そのうち991名から回答を得た(回収率47.9%).分析対象者は,欠損値のなかった825名(男性607名,女性218名)とした.心的外傷後ストレス症状は出来事インパクト尺度改定版(Impact Event Scale-Revised),レジリエンスはConnor-Davidson Resilience Scaleを用いて測定し高中低の3群に区分した.震災による怪我の有無(家族を含む)と自宅被害の有無をそれぞれ1項目で調査し,いずれかに「はい」と回答した者を「被災あり群」,それ以外を「被災なし群」とした.多重ロジスティック回帰分析を用いて,被災あり群における心的外傷後ストレス症状の有無(IES-R得点25点以上)のオッズ比を,レジリエンス得点の高中低群別に算出した.結果:東日本大震災によって自分ないし家族が怪我をした者は回答者のうち4.6%,自宅に被害があった者は82.3%であり,いずれかの被害があった者は全体の83.3%であった.被災あり群,慢性疾患あり群で有意に心的外傷後ストレス症状を持つ割合が高かった.基本的属性および被災の有無を調整してもレジリエンスと心的外傷後ストレス症状との間に有意な負の関連が見られた(高群に対する低群のオッズ比2.00 [95%信頼区間 1.25–3.18],基本属性,職業特性で調整後).特に被災あり群で,レジリエンスと心的外傷後ストレス症状との間に有意な関係が見られた.結論:東日本大震災で自宅等への被災を受けた自治体職員の中で,レジリエンスが低いほど心的外傷後ストレス症状を持つリスクが高いことが明らかになった.このことから,震災などの自然災害という困難の際にも,レジリエンスが心的外傷後ストレス症状発症を抑える働きをすると考えられる.
著者
川上 比奈子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.67-76, 2004-03-31

アイリーン・グレイは、菅原精造から日本漆芸を学び、漆塗り屏風を制作した。建築家に移行した後、住宅「E.1027」において、ジグザグに折れ曲がる窓をデザインし「屏風窓」と名付けた。本稿では、グレイが屏風を建築に展開する契機を探る。彼女の最初の屏風は、伝統的な形式を踏襲した絵画的調度品であったが、やがて漆塗りと屏風の特質によって、立体が浮かび上がって見える幾何学線形の描かれたものが制作される。同時期、屏風に描かれるべき図柄を、多数の小型漆パネルに分解して再構成した屏風が生みだされた。映りこんで見えていただけの立体が、実体として表現されると共に、分解・回転によってできた空隙が屏風の構成要素に加わり、視線も風も遮らないものとなる。空隙は、屏風の既成概念を取り払う切掛けとなり、グレイは、屏風を窓や壁のデザインに展開し、また、新素材の美しさを活用し、住空間に多様性を与えることになった。グレイの屏風は、空間の光や空気を調節するとともに、空間の機能と形も変える変換装置といえる。