著者
井伊 博行 平田 健正 松尾 宏 田瀬 則雄 西川 雅高
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.594, pp.57-63, 1998-05-22 (Released:2010-08-24)
参考文献数
9
被引用文献数
2 4

茶畑からの湧水には肥料からの硝酸イオン, 硫酸イオンなどの酸性物質と共にアルミニウムイオン, リンなどが多量に含まれている. 湧水が池に入ると, 光合成, 脱窒, 硫酸還元によって, 中和され, 場合によっては, アルカリ性にもなる. 池内での短期間のpHの大きな変化には, 窒素, リンによる池の富栄養化に伴って起こる光合成が大きく貢献していた. 年間通じての硝酸イオンの池内での消失には, 脱窒が関与していたと考えられる. 池の水が中和されることで, 湧水に含まれていたアルミニウムイオンは水酸化物として沈殿し, 硫酸還元によって硫酸イオンも池から除去されたと考えられる. リンは生物 (有機物) として池内に貯蔵された. 池内で, 有害なアルミニウムイオンや硝酸イオンの濃度が下がるため, 池の存在は重要と考えられる.
著者
平田 勝哉 渕 拓也 大西 祐介 多久島 朗 佐藤 誠司 舟木 治郎
出版者
同志社大学
雑誌
同志社大学理工学研究報告 (ISSN:00368172)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.1-8, 2010-04

本論分は,任意回転軸を持った三次元ファンの翼表面上の微小な非定常圧力の測定技術を確立するための基礎研究である.作動流体は空気であり,任意の姿勢で回転する圧力センサは,二重のシュラウドシステムによりしっかり密封する.その任意の姿勢による回転運動は,圧力センサを片持支持部材に埋め込むことによって作られ,それは回転円盤につながれている.結論として,我々は,圧力センサからの信号の無効成分である遠心力効果や重力効果が,主要な支配的である影響であると定量的に決めた.This paper concerns a fundamental approach to develop the measuring technology for minute fluctuating pressures on the three-dimensional blade surfaces of the fan which rotates with an arbitrary rotation-axis direction. Using air as working fluid, a pressure transducer rotating with an arbitrary attitude is closely sealed by a twofold shroud system. The rotational motion with an arbitrary attitude is produced by fixing the pressure transducer to the cantilever which is connected to a motor-driven disc. To conclude, we have quantitatively determined governing effects upon the non-effective component of the pressure-transducer signal, which are the centrifugal-force and the gravitational-force effects.
著者
舟木 治郎 渕 拓也 大西 祐介 長坂 繁弥 多久島 朗 佐藤 誠司 平田 勝哉
出版者
The Japan Society of Mechanical Engineers
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.77, no.779, pp.2795-2804, 2011

The present study is a fundamental approach to reveal the minute fluctuating pressures on three-dimensional blade surfaces of a basic propeller fan. Because, among the concerning physical quantities, the unsteady pressures on the rotating blades give us useful information for the fan flow and its sound-noise level. The authors correct the centrifugal-force effect, the gravitational-force effect and the other leading-error effects for accurate measurements of the minute pressures using a measuring technology developed by the authors (Hirata et al., 2009). As a result, we show the Reynolds-number effects and the spatial distributions on the blade of both time-mean pressure and pressure-fluctuation intensity.
著者
吉田 健一郎 平田 祐子
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.365-368, 2016

マイナンバーカードを利用した電子申請やワンストップサービスが今後導入が予定されているマイナンバー関連制度をスムーズに、100%に近い住民に"普及"するにはどうすべきだろうか。本報告では、育児世代の保護者、特に母親を積極的に普及を働きかける主体として捉え、その可能性を探る。
著者
大村 英史 平田 圭二 東条 敏 柴山 拓郎
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

音楽聴取の楽しみは期待感の逸脱・実現や,緊張・弛緩などによって成立していると考えられている.これに基づく理論がいくつか提案されている.しかしながら,これらの理論は概念的あるいは心理学的なモデル化にとどまっており計算機上に実装は困難である.本研究では,音楽における期待感の逸脱・実現の計算機上の実装をめざし,音の物理的特性,情報理論,確率,論理に基づいて音楽における期待感の逸脱・実現の定式化を試みた.
著者
真田 香澄 島本 真里 影山 真理 平田 祐一 白川 敦史 岡田 雄介 中瀬 浩二朗 萬代 晃一朗 鈴木 安曇 森川 宗一郎 河村 卓二 河端 秀明 盛田 篤広 宮田 正年 田中 聖人 宇野 耕治 安田 健治朗
出版者
京都第二赤十字病院
雑誌
京都第二赤十字病院医学雑誌 = Medical journal of Kyoto Second Red Cross Hospital
巻号頁・発行日
vol.33, pp.39-45, 2012-12

総胆管結石のため当院に入院し内視鏡的結石除去術あるいは内視鏡的胆管ステント留置術を試みた85 歳以上の182 例について検討した.内視鏡的に完全切石した症例(66 例)を完全切石群とし,完全切石を行わず,胆管ステントを留置して経過観察している症例(116 例)をステント留置群とした.両群の平均入院期間は19 日および16 日であった.経過観察が可能であった症例での検討では,両群ともに約半数に再発を認めた.完全切石群では平均551 日,ステント留置群では平均313 日での再発であり,再発率にも有意差は認めなかった.内視鏡的治療は有効かつ安全に施行できた.なかでもステント留置は完全切石と遜色ない長期予後を得られる治療法であり,さまざまな背景因子をもつ超高齢者においては有効な選択肢であると考えられた.
著者
齋藤 好弘 宇都宮 裕 平田 健二 岡 景則
出版者
一般社団法人 日本鉄鋼協会
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.83, no.7, pp.431-436, 1997-07-01 (Released:2009-06-19)
参考文献数
3
被引用文献数
1 1

The authors have developed a new type rolling mill named the satellite mill. The mill comprises one large diameter roll (central roll) and five smaller diameter rolls (satellite rolls) arranged along a circumference of the central roll. Material is passed continuously through the five gaps between the central roll and the satellite rolls and deformed into a profiled cross section. Since all rolls are driven at the same roll speed, longitudinal compressive stress is produced between stands during rolling. The elongation is greatly suppressed. The mill has been applied to the production of round-edged flat wires and two kinds of T-shaped profiled wires from round circular wires. The obtained rolling characteristics and product properties are compared with those by a conventional rolling method. It is shown that the transverse metal flow is enhanced and the filling ability to the roll groove is excellent in satellite-mill rolling. The effect is more apparent in rolling of T-shaped wire having thinner ribs. It is supposed that the satellite mill is favorable for profiled wire production.
著者
牧浦 大祐 土井 剛彦 浅井 剛 山口 良太 小松 稔 小嶋 麻悠子 小野 くみ子 小野 玲 平田 総一郎
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.923-928, 2010 (Released:2011-01-28)
参考文献数
44
被引用文献数
2

〔目的〕性は年齢と同じく歩行に影響を与える重要な因子である。近年,歩行中の加速度信号に波形解析(root mean square,自己相関分析)を加えて得られる歩容指標(歩行の変動性,動揺性,規則性)を用いた歩行の安定性の定量化が行われている。今回,歩容指標を用いて歩行の安定性に性差が存在するのか検討した。〔対象〕対象は健常若年成人46名(男性24名,女性22名)とした。〔方法〕25 mの自由歩行中の体幹加速度信号から得られた歩容指標の値を男性と女性2群の間で比較した。〔結果〕女性は男性に比べ,歩行の変動性,垂直・前後方向の動揺性が有意に大きく,逆に垂直方向の規則性は有意に低下していた。〔結語〕健常若年成人では歩行の安定性に性差が存在する可能性が示唆された。
著者
稲垣 圭一郎 高取 昇悟 平田 豊
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

前庭動眼反射(VOR)は,小脳の運動学習が関与するモデルシステムとして古くから研究されている.VORでは,頭部回転方向を区別して非対称にパフォーマンスを変えるような柔軟な運動学習が実現可能である.本研究では,小脳両半球構造を詳細に記述した数理モデルによるシミュレーションにより,こうした柔軟なVOR運動学習を実現する小脳の内部メカニズムを考察した.
著者
吉田 治雄 小林 喜久二 佐藤 吉之 梅田 尚子 酒井 慎一 平田 直
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

GAを用いた地震観測記録の逆解析により関東平野内の地下構造の推定を実施した。使用した観測点はK-NET、KiK-net(防災科研)、MeSO-net(東大地震研)である。各点の推定地盤モデルに基づいて3次元堆積平野モデルを構築し3次元差分法により地震動のシミュレーションを実施した。既往の地盤モデルによるシミュレーション結果との比較により本研究の計算波は観測記録との適合性がより良いことが確認された。
著者
平田 昌弘 木村 純子 内田 健治 元島 英雅
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.1-11, 2015-02-25 (Released:2015-03-18)
参考文献数
16
被引用文献数
1

本研究は,熟成ハード系チーズ(パルミジャーノ・レッジャーノ)と熟成ソフト系チーズ(タレッジョ)の加工上の特徴を分析し,イタリア北部における熟成チーズの発達史を再構成することを目的とした.パルミジャーノ・レッジャーノの加工の特色は,生乳の脱脂,自然に混入してくる微生物を利用していること,一日静置させて乳酸菌を増やしたホエイを加え合わせる技術,カッティング後の加温による凝乳粒からのホエイ排出,加温後に凝乳を細かくカッティングする技術にあった.タレッジョはもともとは移牧民により冬の寒い間に一時的に低地でつくられるものであった.北イタリアでの熟成チーズの発達史は,基層に熟成ハード系チーズがあり,低地では塩が豊富に供給される背景のもとに熟成ハード系チーズの厚みが増し,後になって,アルプス山脈山麓の低地で湿度が高く保てる特殊な状況設定のもとに熟成ソフト系チーズが発達してきたと推論することができる.