著者
森 定雄 西村 泰彦 高山 森 後藤 幸孝 永田 公俊 絹川 明男 宝崎 達也 矢部 政実 清田 光晴 高田 かな子 森 佳代 杉本 剛 葛谷 孝史 清水 優 長島 功 長谷川 昭 仙波 俊裕 大島 伸光 前川 敏彦 中野 治夫 杉谷 初雄 太田 恵理子 大関 博 加々美 菜穂美 上山 明美 中橋 計治 日比 清勝 佐々木 圭子 大谷 肇 石田 康行 中村 茂夫 杉浦 健児 福井 明美 田中 鍛 江尻 優子 荻原 誠司
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.497-504, 1995-06-05
被引用文献数
9 9

サイズ排除クロマトグラフィーによる分子量測定において, 異なる測定機関における分子量測定値がどれくらい異なるかを知る目的で, 傘下26測定機関で共同測定を行った.試料はポリスチレン(PS)3種, ポリメタクリル酸メチル(PMMA)2種で, 被検試料の測定条件と較正曲線作成条件は各測定機関で用いている要領で行った.その結果, 各測定機関での相対標準偏差は1〜3%と良好であったが、26測定機関による全平均値の相対標準偏差は13〜32%となった.測定データを吟味し, 望ましい測定条件からかけ離れているデータを除外した場合, PSのRSDは数平均分子量で13.6〜15.5%, 重量平均分子量で6.0〜9.4%となり.又PMMAではそれぞれ14.3〜16.0%, 7.8〜12.2%であった.
著者
森 定雄 高山 森 後藤 幸孝 永田 公俊 絹川 明男 宝崎 達也 矢部 政実 高田 かな子 清水 優 大島 伸光 杉谷 初雄 大関 博 中橋 計治 日比 清勝 中村 茂夫 杉浦 健児 田中 鍛 荻原 誠司
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.447-453, 1996-05-05
被引用文献数
7 2

較正曲線作成用標準試料の相違が平均分子量計算値にどのような影響を与えるかを比較し検討した.ここではポリスチレン(PS)試料の重量平均分子量(M_w)で, 示差屈折計で得られた値のみについて比較した.較正曲線作成に同一供給会社の標準試料を用いた場合(9測定機関)の第1回ラウンドロビンテスト(RR-1)(分子)と第2回テスト(RR-2)(分母)のM_wの比は平均値で1.03〜1.04となった.このうち最も大きい比は1.17,最も小さい比は0.95であった.高分子領域の標準試料濃度を低くし, 1溶液中の標準試料混合数は3〜4点とし, 同じけた数の分子量領域では標準試料使用数は少なくとも2点用い, 適切なカラム組み合わせのもとで測定することによりこの比は1.01〜1.03とすることができた.較正曲線作成用標準試料の供給元が異なっても, 測定点を通るスムーズな直線ないし三次式が求められる限り, 試料の分子量測定値に大きな差が認められないことが分かった.いいかえると, 同一標準試料を用いても, 測定点をスムーズに通らない較正曲線では分子量測定値に大きな差が認められた.比較検討の結果, 不適切なデータを除いたRR-1とRR-2の全平均値のRSDは約3.9%となり, このときの三つのPS試料のM_wは次のようになった.PS-1 3.98×10^5,PS-2 2.40×10^5,PS-3 1.66×10^5.これらの数値は標準試料の供給元の相違によらず, 現時点における適切な測定条件を考慮して得ることができる平均分子量値とRSDであると結論付けられる.
著者
後藤 真平 林田 光祐
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.1-8, 2002-02-16
被引用文献数
3

日林誌84:1〜8,2002山形県東大鳥川の河畔林において,2年間にわたるオニグルミ堅果の散布実験とオニグルミ全個体の分布調査を行った。3調査区のそれぞれの中心に置いたマーキングしたオニグルミ堅果1,500個は両年とも約1ヵ月ですべて消失した。その後に発見されたマーキング堅果は7.1%であった。その96%はアカネズミとニホンリスによって食べられており,実生として発見されたマーキング堅果は26個で,敗布後3年目に発芽したものもあった。実生はすべて分散貯蔵,された堅果から発芽したと考えられ,3調査区内全域に広く,また川からの高低にかかわらず分布していた。調査地内に生育するオニグルミの個体も,川からの比高にかかわらず分布していた。以上のことから,河畔林のオニグルミ堅果はほとんどニホンリスとアカネズミの運搬・埋土によって散布され,融雪期の流水による流出は起こりにくいと考えられる。齧菌類による分散貯蔵の行動は河畔域でのオニグルミの更新に重要な役割を果たしていることが推察される。
著者
若松 宣一 後藤 隆泰 足立 正徳 井村 清一 林 憲司 亀水 秀男 飯島 まゆみ 行徳 智義 柴田 俊一 堀口 敬司 金 昇考 土井 豊 森脇 豊
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.165-177, 1990-03-25
被引用文献数
2

金属表面にコーティングする場合と同様な方法で作製したハイドロキシアパタイト(HAP)セラミックスの破壊応力に与える水の効果を評価するために, 四点曲げ試験を0.5mm/minの条件で空気中(20℃, 相対湿度73%)と蒸留水中(37℃)で行った。そして得られた強度データを2-パラメータワイブル統計を用いて解析した。各条件において, 曲げ強さのデータは単一モードのワイブル分布に従った.このデータの表面欠陥モデルを仮定したワイブル解析は, 空気中でワイブルパラメータm=7.8, σ_0=26.2MPaと蒸留水中でm=8.1, σ_0=18.5MPaを与えた.曲げ強さの平均値は空気中で27.3MPaと蒸留水中で18.2MPaであった.この結果より, 水のような腐食性環境が定応力速度で測定される破壊応力に影響を与えることは明らかである.この影響は試料が破壊するよりも低い応力レベルで起こるサブクリィティカルなクラックの成長が原因であると考えられる.また, 本研究で推定したワイブル分布関数を用いて, 試料の寸法と試料中の応力分布が破壊応力の平均値に与える影響を予測した.
著者
佐谷戸 安好 中室 克彦 上野 仁 丈達 泰史 後藤 里花 長谷川 達也 早津 彦哉 坂本 博
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
衛生化学 (ISSN:0013273X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.197-204, 1991-06-30
被引用文献数
13

Several preconcentration methods for the detection of organic mutagens in water, including blue rayon and XAD-2 resin column methods, were compared. The mutagenicity test of the extracts from blue rayons hung at the six points of the Yodo river revealed similar frame-shift type mutagenicity to our previous report with the XAD-2 resin column method. For the quantitative concentration of polycyclic aromatic hydrocarbons in water, it was shown that the blue rayon column method was more efficient than the blue rayon hanging method or XAD-2 resin column method. Extracts from the Yodo river water and sewage treatment plant effluent obtained by the XAD-2 resin column and blue rayon hanging methods may contain nitroarenes and aminoarenes.
著者
園田 智也 後藤 真孝 村岡 洋一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.97, no.560, pp.25-32, 1998-02-19
被引用文献数
3 7

本稿では、WWW上で動作する、歌声の旋律からその曲のタイトルを検索するシステムについて述べる。歌声による検索では、入力の旋律情報(音高・音長)が正確とは限らないため、閾値によってそれらを粗い旋律情報に変換したものを検索キーとし、データベースの曲とのマッチングを行なう。しかし、このための適切な閾値の設定は難しく、特に音長情報においては、有効な検索キーを得ることが困難であった。また、粗い旋律情報では正答の絞り込みも難しい。そこで、本研究では(1)有効な検索キーを得るための最適な閾値を設定する手法、(2)データベースの曲から正答の曲の候補を精度良く絞り込むためのマッチング手法の2つを提案することで、従来手法よりも正答率の高い検索を実現し、WWW上で複数の利用者が活用できるシステムを構築できた。
著者
高部 佳之 清水 隆文 大和 忠臣 後藤 浩一 山口 弘太郎 伊藤 公一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.41-50, 1998-01-25
被引用文献数
2

ワイヤレスカードシステムは, 電波を利用することにより, カードをデータ読み書き装置に接触させることなく, 情報のやり取りを行うことを目的とする。ワイヤレスカードの技術は, 料金徴収, ID管理, 履歴管理および位置管理等の広範な利用分野において様々な応用が可能であり, 社会生活の利便性を向上させ, 高度情報通信社会推進の一翼を担う技術として大きく期待されている。本稿では応用例として, 有料道路の自動料金収受システム, 鉄道の自動改札システム, FA生産ラインシステムおよび特定区域への入退場管理システムに関する現状を紹介すると共に将来を展望する。
著者
寺山 吉彦 滝沢 昌彦 後藤田 裕之 須藤 敏 柏村 正明
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科學會會報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.106, no.1, pp.28-33, 2003-01-20
被引用文献数
16 12

(目的)ブロー液は19世紀の医師Burowの考案した点耳液である.Thorpらは1998年以来,13%酢酸アルミニウムのブロー液原液の点耳により慢性化膿性穿孔性中耳炎に81%に著効を示したと報告した.そこで慢性中耳炎とその他の外耳道中耳の化膿性疾患に対するブロー液の効果を2001年2月から1年間調べた.(対象)年齢35-79歳,男10耳女15耳計25耳,これまでの罹患年月は2週-約20年,平均3.78年であった.疾患は中耳炎手術術後症11耳,慢性外耳道炎,湿疹7耳,外耳道真菌症7耳,慢性穿孔性中耳炎6耳,慢性肉芽性鼓膜炎2耳.(方法)1日1回10分間耳浴またはブロー液に浸した綿球を当てた.効果判定は治癒,有効,不変に分類.(結果)術後症は8/11耳(72.7%)が治癒,有効3耳,不変0耳,慢性外耳道炎湿疹の7耳全例が治癒,外耳道真菌症の7耳全例治癒,慢性穿孔性中耳炎は4/6耳(66.6%)治癒,有効,不変が各1耳,慢性肉芽性鼓膜炎の2耳が治癒し,全25耳では20耳80%が治癒し有効4耳,不変1耳であった.施行前後の聴検で耳毒性は認められなかった.粘稠性粘液,真珠腫,残存蜂巣の分泌には無効,副作用は稀にある疼痛と一過性の水様性分泌増加である.殺菌作用は菌種を選ばないと思われる.効果発現は1-2回,3日-3週と極めて早い.作用機転は濃度が濃いためと思われた.(結論)ブロー液は点耳薬として重大な副作用も<br>なく,極めて有効であることが判明した.
著者
後藤 康一 植西 邦生 岩佐 寧
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.101, no.4, pp.419-430, 2003-12-17

第100回日本保険医学会定時総会が平成15年10月16日,17日の2日間に亘り東京都千代田区有楽町の有楽町朝日ホール(マリオン11階)にて行なわれた。第一日目の小林三世治会長による講演「わが国における保険医学研究」では今までの保険医学が歩んできた道筋と今後の展望が語られた。ついでAchim Regenauerミュンヘン再保険会社医長による特別講演では,ヨーロッパでの保険加入と遺伝子検査をめぐる状況と,保険医学に従事する者の果たす役割の重要性が報告された。今年のパネルディスカッションでは介護保険が取り上げられ,民間が行なう介護保険の展望が討論された。第二日目は,自社のデータに基づく研究報告や文献的考察,事例報告,提案など多様な12題の一般演題を挟んで,明治大学森宮教授は「医療リスクマネジメント〜わが国における方向性を求めて〜」と題する特別講演で,医療事故発生の原因,事故発生予防への視点,事故予防のシステム構築を説かれた。さらに,今年度は,16年ぶりに経験発生率調査ワーキンググループによる条件体についての死亡率研究報告も行なわれた。
著者
吉留 天則 後藤 信夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PN, フォトニックネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.513, pp.173-178, 2007-01-22

我々は、OBSネットワークにおけるトラフィック負荷増加時のバースト転送遅延の急増を抑制することを目的とした低遅延バースト転送方式を提案した。その提案方式では、コントロールパケットが中継ノードの予約テーブルを全て参照することで、従来のDynamic Two-way (DTW)方式がシグナリング中に見逃していたバースト転送可能時間帯を有効に利用することができるため、より効果的にバースト転送遅延を抑制することができる。しかし提案方式では、実際のバースト転送には用いない無駄な仮予約時間帯による帯域浪費量の増加という問題がある。本稿ではこの帯域浪費量について吟味し、帯域浪費量を削減するための改良案として、帯域浪費継続時間に注目したEarly Release (ER)方式および帯域浪費サイズに注目したLimited Reference (LR)方式を提案する。シミュレーションによりバースト転送遅延および帯域浪費量を計算した結果、トラフィック負荷が低い場合には、従来のOne-way方式におけるバーストの再送による帯域浪費量よりも、提案方式における無駄な仮予約による帯域浪費量の方が大きくなることが分かった。しかしながら、ER方式とLR方式を併用することで、高い遅延抑制効果を維持したまま帯域浪費量を効果的に削減できることを明らかにした。