著者
後藤 隆洋 小池 正人 柴田 昌宏
出版者
甲子園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

植物化学物質の中で効果の期待できる赤ワインポリフェノールのレスベラトロール(RSV)に限定して、その影響を老化促進マウスP10(SAMP10)の神経細胞と肝細胞及びラットの培養神経細胞(PC12細胞)で解析した。RSV投与で老齢SAMP10の神経細胞の変性度が減少したが、肝細胞でより明確な細胞老化/変性の改善効果がみられた。培養細胞での直接作用で、RSVがミトコンドリアとオートファジー(自食作用)を活性化することにより細胞寿命の延長に貢献することが示唆された。
著者
後藤 雄治
出版者
大分大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

原子力発電所では、炉心内の1次冷却系配管や、炉心付近の構造物に関して入念な検査が実施されている。しかし炉心から離れた2次系の鋼管は、放射線が含まれない部分であるため、長期間に渡る詳細検査の頻度は必ずしも多くはない。そこで運転を止めず、安価で常時検査が可能となる状態監視検査技術の構築が望まれる。本研究では、直流磁場と微小交流磁場を併用することにより、短時間で鋼管の裏面減肉検査が実施できる電磁気検査法の研究開発を行った。
著者
中野 倫靖 緒方 淳 後藤 真孝 平賀 譲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.386-397, 2007-01-15
被引用文献数
3

本論文では,人がドラムの音を「ドンタンドドタン」のように擬音語で真似た音声(口ドラム)を,それに対応するドラムパターンとして認識する手法を提案する.口ドラムには,声質などの発声スタイルの個人差と表現の個人差の2 種類の個人差が存在し,認識手法はこれらの個人差を吸収できるものが望ましい.従来,実際のドラム音(楽器音)を対象とした認識は研究されてきたが,それらの手法では口ドラムの多様な個人差への対処が難しかった.そこで本手法では,口ドラムを,その各音を表す音素列の擬音語で表現し,多様な擬音語表現の辞書を用意することで,表現の個人差に対処する.さらに,音声認識で用いられている音響モデルを用いることにより,各歌唱者間の声質の個人差を吸収する.本手法を200 発話の口ドラムデータに対して適用した結果,最も良い実験条件において92.0%の認識率を得た.この結果は,提案手法が十分実用性を持つことを示しており,応用例として,口ドラムによるドラム譜入力インタフェースVoice Drummer を実装した.This paper presents a method of recognizing voice percussion (verbalized expression of drum sound by voice) as an expression of intended drum patterns. Recognition of voice percussion requires an approach that is different from existing methods for drum sound recognition. Individual differences in both vocal characteristics and the verbal expressions used add further complication to the task. The approach taken in this study uses phonemic sequences of onomatopoeia as internal representation of drum sounds. The set of onomatopoeia used in drum sounds are included in a pronunciation dictionary, and the phonemic sequences are estimated by utilizing an acoustic model. The acoustic model and the dictionary are intended to deal with the two types of individual differences mentioned above. In a recognition experiment with 200 utterances of voice percussion, our method achieved a recognition rate of 92.0% for the highest-tuned setting. Following the results of the proposed method, Voice Drummer, a music notation interface of drum sounds, was implemented, as a practical application for voice percussion recognition.
著者
後藤 忠正 五十嵐 順正
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.688-695, 1995-08-01
被引用文献数
14 3

義歯の設計概念の変化に伴って,近年パーシャルデンチャー臨床の様相が大きく変わってきている.なかでもリジットサポートに基づくコーヌステレスコープは,装着効果が確実で良好な予後が期待できることから,急速に臨床に普及し定着してきている.このたび,リジットサポートの基礎的検討そしてコーヌステレスコープの紹介,臨床応用および普及に,当初から携わってきた2人が,装着10年以上を経過した症例群を対象に経過の追跡調査を行った.その結果,総じて良好な経過を示しており臨床的な妥当性が確信され,また臨床応用上の多くの示唆が得られた.
著者
樋口 光徳 塩 豊 鈴木 弘行 藤生 浩一 管野 隆三 後藤 満一
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.35-39, 2003-02-20

背景.野口の分類A,B型の微小肺腺癌の予後は良好であり,この型の肺癌に悪性胸水を認めたとする報告はない.症例.42歳,女性.検診にて胸部異常陰影を指摘され当院受診.胸部CTにて左S^<1+2>に径4mm大のGGO(ground glass opacity)を認めた.全身検索では他病巣を認めなかった.2000年8月11日,術直前にCTガイド下に腫瘍近傍にマーキングを行った後,左上大区区域切除術(ND0)を施行した.この際,胸腔内に漿液性の胸水を少量認め,細胞診にてclass V (高分化型腺癌)と診断された.主病巣はlocalized bronchioloalveolar carcinoma (野口の分類A型)と診断された.術後補助化学療法を施行し,1年9ヶ月経過した現在,局所再発・遠隔転移の兆候なく生存中である.野口A,B型では悪性胸水を認めたとする報告はなく,本症例ではその発生機序に疑問が残る.検体の再評価では上皮性マーカーに陽性であり,悪性所見は否定できなかった.結論.整合性のない病理所見に対しては検体の再評価を行い,臨床経過も考慮して総合的に診断する必要があると思われた.(肺癌.2003 ; 43 : 35-39)
著者
宗原 弘幸 古屋 康則 早川 洋一 後藤 晃 後藤 晃
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

交尾は、肺呼吸、四足歩行と並んで、ヒトを含む脊椎動物が陸圏に進出する際の前適応である。交尾の進化過程を再現するため、近縁種に交尾種と非交尾種を含んだカジカ上科魚類をモデルとして、雄間の競争、特に精子競争の影響に焦点を当てて、実験的に調査した。行動形質の評価指標として繁殖成功度に注目した。その結果、射出精子量、交尾の順番が、繁殖成功度に影響し、先にたくさんの精子を雌に渡すという行為が交尾の進化動因であることが示唆された
著者
阿部 博之 後藤 智 木村 光男 櫛引 英嗣 荒井 茂
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.60, no.578, pp.2452-2458, 1994-10-25

At the present time, there is no adequate method for experimental measurement of wall stresses in the intact ventricle. Thus, many mechanical models to predict such stresses have been proposed, in which the residual stress was ignored so that the circumferential stress at the endocardium of the left ventricle was extremely large compared with that at the epicardium. The work expressed, such as oxygen consumption, is supposed to be almost uniform through the wall thickness, or to be somewhat larger at the endocardium than at the epicardium. The models may be improved by taking account of residual stress. To take residual stress into account in mechanical models, one must measure residual strains in the no-load state of the left ventricle. The residual strains were calculated by using sliced canine left ventricles obtained during isovolumic contraction. The residual strains determined from the experiment were applied to the model proposed in the present paper and the distributions of the wall stresses were obtained. As a result, the stress concentration at the endocardium of the left ventricle was found to be largely reduced.
著者
児玉 雅治 板野 聡 寺田 紀彦 堀木 貞幸 後藤田 直人
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.31, no.11, pp.2288-2291, 1998-11-01
被引用文献数
5

患者は62歳の男性.60歳のとき両側鼠径部ヘルニアの手術を受けたが, 術後1か月目より右鼠径部から右陰嚢に腫瘤の脱出を認め, 排尿異常も出現した.CTでは右陰嚢内に腫瘤陰影が認められ, 脱出したものは膀胱と腸管が考えられた.術中, 右鼠径部内側に小さなヘルニア嚢を認め, 術前に触れた手挙大の腫瘤はヘルニア内容とは別のものと判断し, 膀胱内留置カテーテルに生食を注入したところ, 腫瘤は膨張したため腫瘤が膀胱であると判断し, 切除することなく還納した.鼠径ヘルニア, もしくは大腿ヘルニアの手術に際して本症の存在を念頭におくことも必要と考えられる.また, 術中にヘルニア嚢以外の腫瘤を認めた場合, 安易に切除せず, 膀胱などの可能性を考慮すべきで, 確認は膀胱内カテーテルへの注入法が容易で有用であると考えられた.
著者
後藤 正之 中村 一博 高木 一義 高木 直史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告システムLSI設計技術(SLDM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.22, pp.79-84, 2009-02-26

コンピュータビジョンアルゴリズムの中で画像から直線の検出を行うハフ変換は,携帯機器や車載機器などの組込システムに用いられている.ハフ変換は処理する画像サイズが大きくなるにつれリアルタイムで処理することが難しくなる.そこで並列化による計算高速化の研究が行われてきている.本報告では画素について並列に計算するハフ変換回路において投票を無衝突化する手法を提案する.画素について並列に計算する際に発生する投票の衝突を解消する手法は,画像探索方向と丸め精度の工夫により投票の無衝突化を達成する.本手法に基づく画素並列ハフ変換回路は投票無衝突であり,本手法と以前提案した投票空間アクセス局所化を用いた画素並列ハフ変換回路は省メモリ,小面積で,投票の衝突を解消するための回路も不要である.提案手法と投票空間アクセス局所化手法を用いた画素並列ハフ変換回路について評価したところ,画像サイズを VGA,並列数を 16 としたとき,回路内に必要なメモリ量がθ並列ハフ変換回路の回路内メモリ量の約1%,必要クロックサイクル数はほぼ同じであることが確認できた.The Hough transform in computer vision algorithms is a method which detects lines from an image and is used in embedded systems such as cellular phones and vehicles because of the robustness. The more the number of pixel, the more difficult it is to process Hough transform in real-time. Thus, researchs on hardware acceleration which parallelize voting operations on the angular parameter θ have been done. In this report, we propose a method for eliminating vote collisions. Collision-free voting memory access is accomplished by selecting the direction of parallelism and changing accuracy of rounding. The voting memory accesses are collision-free. A pixel-parallel Hough transform circuit using collision-free and localized voting memory access is more memory efficient than a θ-parallel circuit and a pixel-parallel circuit, and collision-free. We have evaluated the circuit by comparing clock cycles and amount of memory in the circuit of the circuit and conventional circuits. We compared 16-parallel circuits for VGA image size, and the result shows that clock cycles are almost the same and the circuit has approximately 99% less amount of memory than a θ-parallel circuit.
著者
鈴木 誠 大須賀 昭彦 後藤 正幸 須子 統太
出版者
湘南工科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

文字N-グラムに基づく言語独立なテキスト分類手法である蓄積手法を提案した。蓄積手法は、索引語を形成する際に文字N-グラムを使用するので、言語固有の文法構造に依存しない。テキスト文書がUnicodeで表現されてさえいれば、蓄積手法は異なる言語に対しても同一のプログラムを用いて文書を分類することができる。そこで、この蓄積手法を用いて英語と日本語と韓国語と中国語のテキスト文書の分類実験をした。その結果、英語のReuters-21578は94.5%、日本語の毎日新聞の実験データは88.5%、韓国語のハンギョレー新聞の実験データは90.2%、中国語の人民日報の実験データに対しても92.6%の精度で分類することができた。このように、蓄積手法が様々な言語で比較的高い精度で分類できることを確認した。さらに、蓄積手法の数理モデルを構築し、その数理的な意味を解明することができた。
著者
後藤 一章
出版者
摂南大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究課題では,日英パラレルコーパスを利用し,英語の頻出表現とその日本語訳が付与されたリスト,及び日本語の頻出表現とその英語訳が付与されたリストをそれぞれ作成した。自然言語処理分野の手法を援用し,コーパスにおける日本語表現の出現分布と英語表現の出現分布の比較から,対訳関係にある日英・英日表現を抽出した。得られた対訳表現リストは,日本人英語学習者が自然な英文を作成する際の有用な手がかりとなることが期待される。