著者
大庭 喜八郎 呂 綿明 楊 政川 LIBBY Willia 津村 義彦 丹下 健 松本 陽介 戸丸 信弘 中村 徹 内田 煌二 荒木 眞之 山根 明臣 YANG Jeng-chuan LU Chin-ming GAVIN F.Mora 黄 啓強
出版者
筑波大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1993

1.目的現生のスギ科(Taxodiaceae)樹種には10属15種・1雑種(推定)が知られ、わが国の林業上重要な樹種の一つであるスギが含まれている。本研究はスギ科樹種を対象とし以下の3点を目的とした。(1)葉緑体等のDNA分析によりスギ科樹種の遺伝分化の分子的基礎を明らかにし、それらの系統分類を行う。(2)生態学、生態生理学さらに集団遺伝学の3分野からスギ科樹種の種特性を解明する。(3)この(1)と(2)の成果を基礎とし、スギをはじめとする各樹種の分類学的位置づけについて論じる。2.研究項目と研究方法(系統分類)(1)スギ科樹種の分子系統分類:PCR法を用いた葉緑体の特定遺伝子(rbcL,PsbA等)のRFLP分析(種特性に関する研究)(2)成育立地の生態学的研究:立地環境調査・植生調査、文献調査(3)生態生理学的研究:光合成特性・水分特性調査(4)集団遺伝学的研究:アイソザイム分析、DNA分析、文献調査(総合取りまとめ)(5)スギの系統分類学的位置づけとスギ科樹種の種特性の解明3.研究成果(1)系統分類スギ科樹種の系統分類と伴に針葉樹におけるスギ科の位置づけを明らかにするため、スギ科の10属15種・1雑種(推定)、ヒノキ科の6樹種、マツ科の18種、イチイ科の2種及びイヌガヤ科の1種について、DNA分析用試料として筑波大学や森林総合研究所等に植栽してある個体から若芽を採取した。これらの若芽から抽出した全DNAを用い、PCR法による6種類(frxC,psbA,psbD,rbcI,trnK)の遺伝子の増幅を行い、得られたPCR産物を用いて各遺伝子あたり約10種類の制限酵素によるRFLP分析を行った。得られた塩基置換のデータから、Wagner parsimony法とNJ法による分子系統樹を作製した。その結果、スギ科とヒノキ科は非常に近い科であり、Sciadopitys verticillata(コウヤマキ)はそのスギ科とヒノキ科から系統的に大きくことなることがわかった。(2)種特性(1)生育立地の生態学的研究:中華人民共和国に分布するTaiwania fousiana(ウンナンスギ)、Cunninghamia lanceollata(コヨウザン)、Metasequoia glyptostroboides(アケボノスギ)の各林分、さらにオーストラリアのタスマニアに分布するAthrotaxis cupressoides(タスマニアスギ)、A.laxifolia(ヒメタスマニアスギ)、A selaginoides(オオタスマニアスギ)、台湾に分布するCunninghamia konishii(ランダイスギ)及びTaiwania cryptomerioides(タイワンスギ)の各林分について、植生調査等の生態学的調査い、これらのスギ科樹種の構成林分の種組成が判明した。(2)集団遺伝学的研究:わが国に分布するCryptomeria japonica(スギ)の17集団から集団遺伝学的解析のための試料である針葉を採取し、アロザイム分析を行った。その結果、現在のこの種の分布が離散的でかつそれぞれの分布面積が小さいにも関わらず、種内の遺伝的変異量は木本植物の中では大きいが(H_t=0.196)、集団間の遺伝的分化は非常に小さいことがわかった。この遺伝的多様性の保有パターンの理由として、かつての分布は現在のものよりも広く、連続的なものであったこと、遺伝子流動がかなり起こっていること、寿命の長さが考えられた。一方S.verticillata(コウヤマキ)の6集団から集団遺伝学的解析のための試料である針葉を採取し、DNA分析のために全DNAを抽出した。制限酵素EcoRIで消化し、イネのrDNAをプローブとして用いてRFLP分析を行った。その結果、この種のrDNAの集団内の変異は大きく、さらにその変異は集団間で明らかに異なることがわかった。
著者
野村 徹 齋藤 敦史
出版者
芝浦工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

SAWデバイスを利用したマルチチャネルセンサの構成とそのガスセンシングへの応用について示す。化学特にガスセンサでは、複数のセンサの応答よりガスの識別を行う。本研究では、同一基板に複数のSAW遅延線を並べ、入力には一個のドッグレッグIDTを用いたセンサアレイによるガスセンシングについて提案した。このセンサアレイと増幅器による自励発振器を構成したセンサシステムでは、自動的に温度補償が行え、チャネル間のクロストークも小さいことが分かった。また、ガスセンサに重要な感応膜の塗布に、簡易LB膜法を用いることにより、センサアレイの各チャネルの微小な部分に正確に再現性よく塗布することができた。応用では、このセンサを有機ガスの識別に適用し、いくつかのサンプルガスに対し、ユニークな応答パターンを得た。
著者
川島 秀一 隠居 良行 中村 徹 小川 卓克 池畠 良 小林 孝行 幡谷 泰史
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

気体力学、弾性体力学、プラズマ物理学等に現れるいくつかの非線形偏微分方程式系に対し、その消散構造・減衰特性を解明し、様々な非線形振動・波動現象に対する漸近安定性を示した。また、緩和的双曲型保存系に対する非線形安定性解析の一般論を構築し、時間重み付きエネルギー法、半群に基づく手法、調和解析的手法等の有効性を確認した。
著者
中村 徹 郷 孝子 鳥 云娜 林 一六
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.342-350, 2000-01-31
被引用文献数
16

内蒙古バイインシル草原において24の立地で枠法による群落調査を行い,103種の植物を記録した。そのうち30種は50%以上の調査地点に出現した。それらの種類は,放牧の強さによって群落内での重要度を変化させた。この30種と文献による14種を加え43種を用いて,放牧圧に対する各種の反応を検討した。弱い放牧圧の立地で高い重要度を示す種はAneurolepidium chinense, Stipagrandis, Achnathelum sibiricumであった。これらの種類をタイプIとした。逆に,放牧圧の強い立地で高い重要度を占める種類はCarex Korshinskyi, Cleistogenes squarrosa, Artemisia frigidaなどであった。これらの種類をタイプIIとした。Kochia prostrateやPotentilla bifurcaなど,放牧圧の強さにかかわりなくある程度の量を維持していた種類をタイプIIIとした。それらの群落構成種をもって立地の状態を判定する指数を工夫した。そのために,これらタイプI,II,IIIにそれぞれ4,0.25,1という評点を与え,この評点と各群落構成種の重要度指数の積の合計をもって立地の状態指数(Stand Quality Index:SQI)とした。すなわちSOI=Σ(rl・s)rl:それぞれの種の相対重要度,s:50%以上の出現頻度を持つ種を含む44種のそれぞれの種の評点。この立地状態指数は,1979年から16年間放牧を中止した草原では975,現在放牧を続けている草原で300前後となった。へクタールあたり8頭を越える放牧を行うと,この指数は100以下となった。草原の構成種の生育型組成は,放牧圧が強くなると匍匐型(p型)が増し,放牧圧の弱い立地では分枝型(b型)が増えた。群落の種多様性は,放牧圧が弱い立地では高くなる傾向を示したが,立地の状態指数とは直接関係がみられなかった。
著者
藤井 良知 阿部 敏明 田島 剛 寺嶋 周 目黒 英典 森 淳夫 佐藤 肇 新納 憲司 砂川 慶介 横田 隆夫 秋田 博伸 岩田 敏 佐藤 吉壮 豊永 義清 石原 俊秀 佐野 友昭 中村 弘典 岩井 直一 中村 はるひ 宮津 光伸 渡辺 祐美 久野 邦義 神谷 齊 北村 賢司 庵原 俊昭 桜井 實 東 英一 伊藤 正寛 三河 春樹 久保田 優 百井 亨 細井 進 中戸 秀和 西村 忠史 杉田 久美子 青木 繁幸 高木 道生 小林 陽之助 東野 博彦 木野 稔 小林 裕 春田 恒和 黒木 茂一 大倉 完悦 岡田 隆滋 古川 正強 黒田 泰弘 武田 英二 伊藤 道徳 松田 博 石川 純一 貴田 嘉一 村瀬 光春 倉繁 隆信 森田 秀雄 森澤 豊 浜田 文彦 辻 芳郎 横尾 哲也 林 克敏 冨増 邦夫 木戸 利彦 上原 豊 森 淳子 森 剛一 内田 哲也 大塚 祐一 本廣 孝 半田 祥一 山田 秀二 沖 眞一郎 吉永 陽一郎 荒巻 雅史 織田 慶子 阪田 保隆 加藤 裕久 山下 文雄 今井 昌一 鈴木 和重 岡林 小由理 金子 真也 市川 光太郎 曽田 浩子 清水 透子 長田 陽一 木葉 万里江 石橋 紳作 高橋 耕一 杉山 安見児 三宅 巧 荒木 久昭 垣迫 三夫 前野 泰樹 下飛田 毅 高岸 智也 松隈 義則 平田 知滋 田中 信夫 永山 清高 安岡 盟 林 真夫 天本 正乃 津村 直幹 小野 栄一郎 神薗 慎太郎 中嶋 英輔 永光 信一郎 野正 貴予 松尾 勇作 樋口 恵美 長井 健祐 末吉 圭子 橋本 信男 弓削 健 久保田 薫 川上 晃 渡辺 順子 藤澤 卓爾 西山 亨 岩永 理香子 牛島 高介 山川 良一 山村 純一 富永 薫 臺 俊一 安藤 寛 久田 直樹 藤本 保 元山 浩貴 丸岡 隆之 伊達 是志 杉村 徹 西依 淳 朝木野 由紀 山田 克彦 是松 聖悟 早川 広史 佐々木 宏和 木村 光一 山田 孝
雑誌
The Japanese journal of antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.921-941, 1995-07-01
被引用文献数
19
著者
本村 徹太郎 清水 敏之 吉川 正俊
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2010-DBS-151, no.29, pp.1-8, 2010-11-05

近年,多くの XML データが蓄積されるにつれ,XML キーワード検索が重要になっている.有用な結果を得るためには,効果的な検索結果を効率的に求めることだけでなく,検索結果を理解できるような情報を付加することが望ましい.我々は,検索結果の理解支援のために,検索結果と同じ結果を返す代替問合せを取得する方法を提案する.代替問合せは検索結果の異なる側面を表しているため,利用者は検索結果の隠れた関係を推測することで検索結果を深く理解する,あるいは利用者自身の問合せを洗練することなどが可能となる.
著者
井村 徹也
出版者
福島県立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

成体脳における神経新生はGFAP陽性神経幹細胞によって行われている。海馬歯状回においてGFAP陽性神経幹細胞により生成される顆粒細胞の性質・動態を、老化・ストレス感受性に着目して解析を行った。マウスGFAP陽性神経幹細胞により生成されるニューロンの全顆粒細胞層に占める割合は、若年期に大きく増えその後老齢期にかけて微増していたが、空間的部位・性別によって違いがみられた。また、新生ニューロンはストレスに脆弱であったが、このストレス感受性には分化段階で臨界期がみられた。さらに歯状回顆粒細胞層の分子発現網羅解析を行い、成体生成ニューロンの特性に関わる幾つかの新規候補分子を見出した。
著者
溝田 隆之 中村 徹也 岩崎 廉
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.41, no.9, pp.425-431, 1992-09-05
被引用文献数
9 7

グロー放電質量分析法により高純度モリブデン中のppb〜ppmレベルの微量37元素を迅速定量した.約3時間にわたる繰り返し測定の結果から, 王水で洗浄した試料について更に表面汚染を除くために約30分, 特に超微量の炭素, 酸素, 塩素の定量では2時間の予備放電が必要なこと, 大部分の元素についての再現性は相対標準偏差で3%以下であることが分かった.又ICP-AESなど他法による分析結果との比較ができたナトリウム, アルミニウム, 鉄など10元素については, 一方の分析結果が他方の2倍を超えることがなく, ここで使用したVG社推奨の相対感度係数が実用上満足すべきものであることが分かった.なお, チタンはモリブデンの二価イオンの妨害のため定量困難であり, 亜鉛, 銀についても何らかの妨害が予想された.
著者
田村 徹
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.1527-1529, 1998-10-20
被引用文献数
14 3

現在, パーソナルコンピュータの表示装置として使用されている液晶ディスプレイ(LCD)の中で, 最もー般的に利用されている動作モードである, ツィステッドネマチックモード(TN)およびスーパーツィステッドネマチックモード(STN)の, 液晶ディスプレイの階調による色度変化および分光放射分布の変化を測定した.いずれの液晶ディスプレイの場合でも, 階調によって三原色の色度点が大きく変化し, 最大輝度の約半分の輝度となるとCIE1931xy色度点の値が最大輝度の場合と比べて最大で0.04も変化する場合があることがわかった.白色点も階調によって変化し, L^*の値が50となると, L^*が100に対して, a^*の値が+10から+15,b^*が-15から-20変化し, グレイが青紫方向に色づくことが確認された.一方, CRTディスプレイの場合には階調による三原色の色度変化はなく, 白色点の色づきもない.近年, ディジタル画像情報がネットワーク内を行き来し, 様々な入出力デバイスがネットワークに接続されるオープンシステム化が進んでおり, システム内での色情報を管理するカラーマネージメントの標準化が進んでいる.その際, 各デバイスにはそれぞれの色再現特性を記述したプロファイルが必要となるが, TNおよびSTNモードの液晶ディスプレイでは, プロファイルの中に, 階調による色度変化の情報が必要となる.一方, CRTディスプレイでは階調による色度点変化はなく, 階調に対する色度情報としては最大輝度での三原色の色度点と白色色度の情報のみでよい.
著者
堀内 美穂 中村 徹 永井 賢吉
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.32-42, 2009 (Released:2009-04-01)
参考文献数
2

科学技術振興機構(JST)が作成,提供しているJSTPlusファイルおよびJMEDPlusファイルを用いて索引に関する調査を実施した。検索時に利用される検索フィールドといった検索動向の分析や検索テーマ(52テーマ)ごとの検索フィールドによる再現率・適合率への寄与の調査分析を行い,利用者は索引を意識して検索することは多くないが,気付かぬうちに索引およびシソーラスのメリットを受けていること,索引を検索対象とすることで検索精度が向上し,書誌のみではたどり着けない文献も検索できていることを確認した。また,論文の標題・抄録・全文中における索引語の出現割合の調査により,索引語の4割は,その同義語も含めて論文中には存在しないものであり,索引者が本文から判断して付与していることを明らかにした。これは人手による索引の有効性を意味する。
著者
森田 義則 竹森 大輔 福田 寛 山村 徹
出版者
石川工業高等専門学校
雑誌
石川工業高等専門学校紀要 (ISSN:02866110)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.27-31, 2007-03-30

In this study, we propose a method of the detection of a hand region in real time. Now, most people have the opportunity to easily utilize a computer. However, some skills are required to operate the devices that we call a mouse and keyboard, the interface between a human being and a computer. Therefore a direct, more natural manmachine interface is demanded. Gesture recognition is an effective technique in conveying a message from a person to a computer. Therefore, we used an image processing technique so that a computer recognized hand movement. And the recognized hand movement is connected directly with the operation of a computer. By using MATLAB we developed software for hand region detection, classification of hand movement and computer operation. And by using FPGA we developed hardware that took an image in with a camera in real time. Results show that fourteen in twenty-one video images are able to detect hand movement. However, it is necessary to test it in a condition of the colors of many skins and a condition of background colors except blue.