著者
松井 健人
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.63-72, 2016

<p>重明親王の日記『吏部王記』と大江匡房の言談集『江談』を用いて考察すると、橘成季による説話集『古今著聞集』における、第三話の「邪気」・第四五話の「火雷天神」・第五九三話の「衣冠着たる鬼」の正体は、すべて菅原道真であることが分かる。巻を越えたこれら一連の説話は連関しており、繋ぎ合せると、一〇世紀に重明親王の付近で語られていたであろう、失われた天神譚の記録として復元できると結論付けた。</p>
著者
松井 健児
出版者
至文堂
雑誌
国語と国文学 (ISSN:03873110)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.p35-49, 1988-01
著者
宮沢 知修 松井 健郎 小川 清久
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.247-251, 1989-11-01 (Released:2012-11-20)
参考文献数
5

Objective: It has been reported that the acromiohumeral interval (hereafter referred to as AHI) narrows in rotator cuff tears (RCT). In many cases, however, it does not. In this study we re-examined the clinical significance of the AHI.Subjects and method: AHI was studied in the f ollowing: normal shoulders, as the control group,55 cases,55 shoulders; RCT (massive: 45·46; complete: 62·64; partial: 51·52), periarthritis: 57·66, and unstable shoulder: 63·85. The AHI was measured as the distance between the humeral head and the under surface of the acromion in a standingposition A-P view (internal and external rotations and neutral position) and scapular Yview.Results: In normal shoulders the internal rotation AHI was the widest, at 8-16 mm (average 11.3 mm), indicating a significant difference from other roentgenographic directions and measurement values. Concerning the neutal-position measurements in normal shoulders and each disease condition, the AHI was 3-12 mm (average 6.9 mm) for the massive tear group, and this represented the most narrowing found and was significantly different from all of the other groups measured.Conclusion:1) The AH I in normal shoulders expands with internal rotation and narrows with external rotation.2) In AHI measurements, important considerations are consistency of the positioning and the angle of roentgenography, and the most appropriate view is the neutral position.3) With a roentgenographic method in standing-position, the AHI measu r e ment is clinically significant only in diagnosing a massive RCT.4) As a diagnostic standard for a massive RCT, an AHI of 6 mm or less is appropriate, but allowances should be made for 52% of false negatives and approximately 18% of false positives.
著者
関根 康正 杉本 良男 永ノ尾 信悟 松井 健 小林 勝 三尾 稔
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1999

1990年代以降のインド社会において宗教対立が深刻化しているが、それが経済自由化と平行現象であることに注目した。本研究は、近年のグローバリゼーションの進展と「宗教空間」の変容をどのように対応づけられるのかを、具体的な日常現場の調査を通じて明らかにすることをめざした。この基礎研究によって、日常現場から見えてくるHindu Nationalistとは言えない「普通」の人々の宗教実践から、政治的な場やメディアなどでの「宗教対立」の言説を、正確に相対化し、「宗教対立」問題を見直すのである。明らかになってきたことは、生活現場の社会環境の安定性の度合が、「宗教対立」現象に関与的な主要因子である点である。要するに、それが不安定になれば上から「宗教対立」の言説に惹かれて不安の由来をそこに読みとってしまう「偽りの投影」に陥りやすくなるのである。逆に、安定性が相対的高い村落部では現今の「対立」傾向を知りつつも生活の場での「共存・融和」を優先させている現実が明らかになった。各地の現地調査から共通して見出された重大な事実は、そうした村落部でおいてさえ、都市部ではなおさらであるが、宗教のパッケージ化が進んできていることである。これは、生活文化におけるローカルな知識の急速な喪失を意味し、それと入れ替わるように生活知識のパッケージ化が進行し、宗教面においてもしかりである。宗教版グローバル・スタンダードの浸透現象である。これは、「宗教対立」を起こしやすい環境を整えることにもなる。その意味で、私達が注目した宗教の裾野や周辺現象(スーフィー聖者廟、女神信仰、「歩道寺院」、村落寺院、地方的巡礼体系、部族的社会様態など)への関心とそれに関する詳細な実態報告は、それ自体パッケージ化やスタンダード化に抗するベクトルをもつものであり、そうしたローカルな場所に蓄積されてきた知恵を自覚的に再発見する環境づくりを整備することが、「宗教対立」という言説主導の擬態的現実構築を阻止し解体のためにはきわめて重要であることが明らかになった。
著者
小川 清久 皆川 邦直 松井 健郎
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.95-100, 1988-08-10 (Released:2012-11-20)
参考文献数
2
被引用文献数
1

Psychological factors have seemed to play an important role in voluntary shoulder dislocation. Nevertheless, there are no detailed reports of those who have received psychiatric treatment. We would now like to report the following 4 cases whose shoulder dislocations were caused as a manifestation of psychological factors.Case 1: 28 y. o., female. When the patient was about 16 years old, she dislocated both shoulders by minimal trauma; then, voluntary shoulder dislocation developed. She underwent five operations at a certain hospital from the age of seventeen. As the dislocation had recurred within 6 months postoperatively on each occasion, she visited our clinic. As we recognized split object relations, we told her to have a psychiatric examination. As a result, it became clear that she had a borderline personality disorder and the dislocation was a trend of autoclasia.Case 2: 22 y. o., female. This case is the similar disorder to Case 1, but, just a slight.Case 3: 15 y. o., female. Voluntary shoulder dislocation and pain appeared in her left shoulder two years ago. As her relations with her mother were unnatural, we recommended a psychiatric examination. The result clarified that an adjustment disorder during adolescence existed.Case 4: 23 y. o., female. Two years ago she suffered from traumatic dislocation caused by a traffic accident, and lost her fiance. Then, after she started going out with another man, dislocation of the shoulder began to occur at twilight accompanied by a syncope-like episode. Though it was spontaneously repositioned under general anesthesia, the dislocation occurred again when she came out from under the anesthesia. Therefore, we requested the cooperation of the psychiatric dept.. As a result, she was diagnosed as having hysterical neurosis.
著者
松井 健人
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.33-41, 2017

This paper aims to offer an insight into the meaning of reading in Bildungsroman Santaro's Diary, written by Jiro Abe. Scholars have mainly studied Santaro's Diary through its reception among readers and the influence it had on students of later generations. Above all, this Bildungsroman has been considered as the principal main cause that, which brought about the boom of indiscriminate reading of western classical books in the Taisho Era. More recent studies have revealed that such a statement was based mostly on the reception of the book, rather than its content. Despite this, however, what it meant to read in Santaro's Diary remains unclear. Therefore, in this paper, I am going to show that the reading of Santaro has important function as an art of self-inquiry. Moreover, the limit of the act of reading as self-inquiry will be clarified.
著者
林 享 草薙 健太 水上 拓也 松井 健
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第68回(2017) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.217_3, 2017 (Released:2018-02-15)

近年、スポーツ選手の競技力向上を目的として、体力や技術のトレーニングに加えて、精神面のトレーニングとしてのイメージトレーニングが注目されている。最近では、水泳界において、小型防水ビデオカメラを用いることで水中でも主観的な映像からバーチャルリアリティー映像(VR映像)を体験することが可能になり、競泳選手の新しいイメージトレーニングの手法としてVR映像が使用できる可能性が考えられる。以 上のことから、本研究の目的は、競泳選手におけるVR映像が、最大努力泳に及ぼす影響を明らかにすることとした。本実験には、鍛錬された男性競泳選手11名が参加した。被験者はVR映像視聴(VR)とVR映像視聴しない(コントロール)試技を行い、VR試行では視聴直後に100m自由形全力泳を行った。測定項目は、100m泳タイムおよび乳酸値であった。実験の結果、100m泳タイムはVRがコントロール条件より速くなる傾向がみられ、レベルが低い選手ほどタイムの改善が顕著であった。また、乳酸においては、最大値がVRにおいて高くなる傾向にあり、最大値から全力泳後10分後までの減少量も、VRがコントロール条件に比べて有意に大きかった(p<0.05)。
著者
松井 健一 金田 昌樹 石井 啓之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TM, テレコミュニケーションマネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.187, pp.41-46, 2001-07-09
被引用文献数
4

本稿では, GMN-CL(Connection less Technologies for Global Mega-media Network)においてトラヒックエンジニアリングにもとづいた経路制御を行うサーバ, TRES(Traffic and Reliability Engineering Server)の実装について報告する.TRESはGMN-CLのトラフィック情報と経路制御を一元管理し, 制約ベースルーティングおよびMIN-MAXアルゴリズムを用いて経路を計算し, 転送装置の経路ケーブルを設定することで経路制御を行う.TRESを導入することによって, オペレータのルーティングポリシを適切に反映し, かつトラヒックを効率よくネットワークリソースへマッピングする経路制御を行うことができる.
著者
松井 健太郎 平野 一視 田中 敏光 大西 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.97, no.595, pp.15-22, 1998-03-12
被引用文献数
10 4

サッカー中継の状況理解の支援と臨場感向上を目的として, プレイ中の選手, 及び任意の視点から見たシーンを動画像で生成するシステムを開発した.まず, カメラキャリブレーションの理論に基づき, 位置, 姿勢が未知のカメラで撮影された画像の座標系からワールド座標系への変換式を求める.そのために, グラウンド上のライン, ゴールバー, ポストを抽出し, 直線近似されたラインの交点を参照点として変換パラメータを計算する.次に, テンプレートマッチングにより選手, ボールを追跡し, 変換式を用いてグラウンド上, 即ちワールド座標系での位置を計算する.最後に, 選手座標系列を曲線運動に近似し適当な運動動作を当てはめ, オペレータが指定した選手, 及び任意視点から見た適当な方向のシーンの動画像を生成する.本システムは, TV放送画像を入力とし, カメラの内部・外部パラメータの計測, 設定を必要としないことを特徴としている.本システムにより, 実際のカメラは配置できないようなアングルや, プレイ中の選手の目からのシーンを再現することが可能であり, 試合の解析や解説等に有効であると考える.
著者
高林 純示 松井 健二 松田 一彦 佐藤 雅 松村 正哉 五味 剣二
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2007

本研究では(1)植物の香りの生合成経路であるフィトオキシリピン経路の間接防衛に果たす役割の全体像の解明とその応用の研究から、みどりの香りの生態機能に関する多くの新知見を得た。とくに除虫菊の研究から新たな植物防衛の機構が明らかになった。また(2)植物の揮発性物質が生態系の生物間相互作用ネットワークに及ぼす影響の解明とその応用に関する研究では、相互作用・情報ネットワークの概念を確立するとともに、揮発性物質の利活用による害虫防除法を発見した。
著者
松井 健一
出版者
筑波大学出版会
巻号頁・発行日
pp.1-328, 2013-02