著者
大久保 澄子 田中 克浩 野村 長久 山本 裕 池田 雅彦 山本 滋 紅林 淳一 園尾 博司
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.63, no.10, pp.2358-2361, 2002-10-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
15
被引用文献数
1

当科で経験した小児・若年者甲状腺癌14例について検討した.男女比1:2.5, 年齢6~19歳だった.主訴は頸部腫瘤が13例と最も多く,術前診断は血中サイログロブリン値測定と穿刺吸引細胞診が比較的診断率が高かった.手術方法は全摘6例,亜全摘7例,葉切除1例で,リンパ節郭清は12例に行った.全例乳頭癌でリンパ節転移陽性は10例(71%)だった.肺転移は3例(21%)に認めたが現在全例生存中である.小児・若年者は早期からリンパ節転移や肺転移をきたしやすいため,正確な術前評価,手術方法の決定,厳重な術後経過観察が必要だと考えた.
著者
小林 淳一 高本 和明 Kobayashi Junichi Komoto Kazuaki
雑誌
データマイニングと統計数理研究会(第 12 回)

Stochastic gradient boosting is a kind of the boosting methods invented by Jerome H.Friedman and it is known to be a very powerful method for making predictive models in some cases. In fact, FEG wins the second prize in KDD Cup 2009 by using this method. We survey the methodology of stochastic gradient boosting and introduce our analytical procedure in KDD Cup 2009. It is a good example where stochastic gradient boosting shows its effectiveness.

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著者
林 淳一
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.2-9, 1983-02-20 (Released:2013-04-26)
被引用文献数
3
著者
鈴木 悦子 長谷 公隆 小林 賢 東海林 淳一 祝 広香
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.BcOF1045, 2011

【目的】片麻痺患者の歩行は、立脚時間・単脚支持時間・歩幅などの運動学的パラメータおよび床反力などの運動力学的パラメータにおいて非対称性を認める。その非対称性は、非麻痺側下肢を優位に使用した歩行パターンとなっている。我々は、片麻痺歩行訓練において、非麻痺側下肢からの感覚入力を減らし、非麻痺側下肢による代償を制限した歩行を実現するために、非麻痺側下肢に模擬義足を適用した理学療法介入を試みている。本研究の目的は、片麻痺患者における模擬義足歩行訓練が歩行パラメータに及ぼす変化を、トレッドミル等による歩行訓練と比較することで検証することである。<BR><BR>【方法】脳卒中発症から6か月以上経過し、独歩可能で明らかな感覚障害・高次脳機能障害を有さない慢性期脳卒中片麻痺患者22名を対象とし、模擬義足歩行訓練群11名(義足群;平均61.8±9.0歳)と対照群11名(平均61.5±11.0歳)に振り分けた。対照群への介入はトレッドミル等を用いたPTの介助による歩行訓練とし、当院での麻痺手治療プログラムのために入院した患者および歩行能力改善を目的に理学療法が処方された患者とした。模擬義足は、膝関節屈曲90度にて装着し、膝継ぎ手は0度固定、足部はロッカーボトムを用いて各患者に作製した。両群ともに、5分間を1セッションとして1日3セッションの歩行訓練を10日前後施行した。評価は、訓練前および最終訓練後24時間以上間隔を開けて歩行分析を行った。歩行分析は、杖を使用せずに、2枚の床反力計(アニマ社製, MG-1090)上を歩行させて10歩行周期以上を記録し、麻痺側および非麻痺側の床反力前後成分、立脚時間、歩幅を計測した。また、10m歩行における最大歩行速度を測定した。床反力前後成分は、立脚期前半の制動期と後半の駆動期に分けて、ピーク値を有する各成分の単位時間当たりの値を体重補正して算出した。また、歩行パターンの変化を同定するために1歩行周期に占める単脚支持時間の割合を算出した。患者特性の差に関する両群間の比較は、Mann-Whitney U検定とX<SUP>2乗検定を用いて行った。各群における訓練前後の各パラメータの変化については、Wilcoxonの符号付き順位和検定を使用し、訓練前後の各パラメータの変化量における義足群と対照群の差についてはMann-Whitney U検定を用い、有意水準をP<0.05にて検定した。<BR><BR>【説明と同意】対象は、理学療法開始前のリハビリテーション医の診察において研究の主旨・目的・方法を十分に説明し、同意が得られた方とした。本研究は当施設倫理審査会の承認を得て実施した。<BR><BR>【結果】年齢・性別・麻痺側および最大歩行速度などの患者特性は両群間に差はなかった。歩行訓練のセッション数は、義足群30.6±1.9回、対照群32.3±3.2回であった(P=0.211)。義足群では、1歩行周期に占める麻痺側単脚支持時間の割合が23.5±7.3%から26.7±4.9%(P<0.01)へ、床反力前後成分の麻痺側推進力が2.61±1.35%BWから3.36±1.27%BW(P<0.005)へ有意に増加した。対照群では麻痺側歩幅が37.7±14.6cmから41.2±4.4cm(P<0.05)へ有意に延長したが、運動力学的パラメータに変化はみられなかった。両群間の変化量については、麻痺側推進力が義足群:0.75±0.44%BW、対照群:0.16±0.76%BWで、義足群で有意に増加した(P<0.05)。また、麻痺側単脚支持時間の割合の変化量は、対照群に比べて義足群で延長する傾向を認めた(P=0.076)。<BR><BR>【考察】義足群では、麻痺側下肢の推進力の増大したことにより運動力学的変化が得られた。この麻痺側下肢の運動力学的変化は、麻痺側下肢単脚支持時間の割合が延長したことからも裏付けられる。一方、対照群でみられた麻痺側歩幅の延長という運動学的な非対称性の改善は、床反力前後成分の有意な変化が認められなかったことから、運動力学的変化を伴っていないと言える。本研究の結果より片麻痺患者における模擬義足歩行訓練はトレッドミル等による歩行訓練とは異なる訓練効果をもたらすことが示唆された。<BR><BR>【理学療法学研究としての意義】片麻痺患者の歩行訓練法についての研究報告では、運動学的変化については多数みられるものの、運動力学的変化が得られるという研究報告は少ない。その意味で模擬義足歩行訓練は、新たな歩行訓練方法として効果および適応についての検討を継続する必要があると考える。
著者
吉村 仁志 大場 誠悟 松田 慎平 小林 淳一 石丸 京子 佐野 和生
出版者
一般社団法人 日本顎関節学会
雑誌
日本顎関節学会雑誌 (ISSN:09153004)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.186-191, 2012 (Released:2013-01-21)
参考文献数
14

線維筋痛症は,全身の慢性疼痛を主徴とする原因不明の疾患で,疲労や筋肉痛などさまざまな症状のため,生活の質(QOL)が著明に損なわれる。口腔顔面領域では,顎関節症,口腔乾燥症,味覚障害などを生じるとされる。今回われわれは開口障害などの症状を呈した患者で,線維筋痛症の診断にいたり,薬物療法にて症状改善を得た1例を経験したので報告する。患者は62歳女性。家族関係に強いストレスを感じていたが,5年前に夫に殴打され左顔面のしびれが出現。3年前より開口障害,左眼瞼・口唇の運動障害を自覚。その後,口腔乾燥や味覚障害も出現したため当科受診となった。全身所見として倦怠感と食欲不振を認めた。局所所見として両側の側頭筋・顎二腹筋・胸鎖乳突筋・僧帽筋・内側翼突筋に圧痛を認め,また開口量31 mmと開口障害を認めた。全身疾患が疑われたため,感染症・膠原病内科を対診した。長期の慢性疼痛と全身18か所中17か所での圧痛から,米国リウマチ学会の診断基準に基づき,線維筋痛症と診断された。全身の慢性疼痛はPregabalin(リリカ®)の内服により半減した。咀嚼筋や頸部の筋圧痛部位も減少し,開口量は42 mmまで増加した。治療開始後1年経過し症状は安定している。本疾患は日常診療でよく遭遇する口腔症状を合併するが,その認知度は低い。本疾患を念頭におき,必要であればすみやかに専門医との連携を取り,症状の改善を目指すことが重要である。
著者
浜田 明美 林 淳一
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.40, no.12, pp.1073-1081, 1989

来聘と参向という幕府の公式行事の饗応に用いられた膳組について, 膳組の格式と客の身分・役職との関係を中心に検討し, 格式を重視した江戸幕府の饗応の形態を構成していく過程と膳組の格式を区別している要素を明らかにすることができた.<BR>1) 江戸幕府の身分と格式を重視し, 上下の関係を規定した封建制は, 料理面においては饗応の膳組の格式の細かい区別という形であらわれていた。<BR>2) 膳組の格式を区別する要素として, 膳と菜の数, それに続く膳と菜の数, 材料の差, 菓子の種類と出し方, 膳と器の種類, 膳と器の組み方の六つの要素があることを明らかにした.<BR>3) 膳組の格式は, 饗応の種類と客の身分・役職で決定される.この二つに六つの要素を対応させて客にふさわしい膳組を構成していく過程を明らかにすることができた.
著者
宮崎 晃亘 小林 淳一 山本 崇 道振 義貴 佐々木 敬則 仲盛 健治 廣橋 良彦 鳥越 俊彦 佐藤 昇志 平塚 博義
出版者
一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
雑誌
日本口腔腫瘍学会誌 (ISSN:09155988)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.117-122, 2011-12-15 (Released:2012-01-24)
参考文献数
7

Survivinはinhibitor of apoptosis protein(IAP)ファミリーに属する分子で,各種悪性腫瘍において強い発現を認めるが,成人正常臓器ではほとんど発現を認めない。われわれはサバイビンが理想的がん抗原であり,survivin由来のHLA-A24拘束性survivin-2B80-88(AYACNTSTL)がcytotoxic T lymphocyte(CTL)応答を誘導することを以前に報告した。この研究結果をもとに,2003年9月に進行・再発口腔がん患者に対してsurvivin-2Bペプチドを用いた臨床試験を開始し,安全性と抗腫瘍効果を評価した。survivin-2Bペプチドは14日間隔で計6回接種した。その結果,口腔がん患者に対するペプチド単剤投与の安全性が確認されるとともに,その有効性が示唆された。さらに,2006年9月にsurvivin-2Bペプチドに不完全フロイントアジュバント(IFA)とinterferon(IFN)-αを併用した臨床試験を開始した。survivin-2BペプチドとIFAの混合液を14日間隔で計4回接種し,IFN-αは週2回あるいは1回皮下投与した。現在のところ,重篤な有害事象は出現していない。IFAとIFN-αを併用した臨床試験では,単剤投与と比較してペプチド特異的CTLを効率良く誘導し,安全性も容認されることが示唆された。本療法は口腔がん患者に対する新たな治療法の一つとして有用と考えられた。
著者
杉浦 徹 成味 純 宮澤 総介 宮田 晴夫 林 淳一郎 香坂 茂美 滝浪 實 原田 幸雄
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.155-160, 1997-02-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
9

症例は53歳の男性で,農作業中に足底に釘を刺し,抜去しないで放置した.約1週間後に39度台に発熱したが,右肩関節炎と診断されて整形外科にて洗浄術を施行,排出された膿からは黄色ブドウ球菌が検出された.胸部X線像で心胸郭比の拡大,心電図で広範囲の誘導におけるST上昇,心エコー図で左室後壁側の心嚢液貯留が認められ,入院となった.発熱後の6日頃より収縮期雑音が聴取され,胸部X線像で肺うっ血が生じ,心エコー図で僧帽弁に逸脱と疣贅と思われる異常エコーが認められた.血液培養では黄色ブドウ球菌が検出され,感染性心内膜炎と診断された.緊急手術では,化膿性心膜炎と膿性心膜液貯留,さらには前後尖上の疣贅を伴う僧帽弁閉鎖不全が認められ,弁置換術が施行された.心嚢液からは黄色ブドウ球菌が検出され,抗生剤による治療を加えたが,術後2週間で多臓器不全(MOF)で死亡した.本例は日常的な外傷を放置したことによって化膿性肩鎖関節炎および化膿性心膜炎をきたし,さらには抗生剤治療法の発達した最近ではまれな感染性心内膜炎を併発した症例であり,報告する.
著者
荻 和弘 小林 淳一 竹田 康佑 井手 隆 宮崎 晃亘 平塚 博義
出版者
社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.173-176, 2015
被引用文献数
2

Carcinoma ex pleomorphic adenoma mainly occurs in the major salivary gland, and a tissue type of myoepithelial carcinoma is extremely rare in the minor salivary gland.<br>We report a case of myoepithelial carcinoma ex pleomorphic adenoma of the hard palate in a 65-year-old man. At presentation, a tumor measuring 23 × 16 mm, which had a painless elastic hard, smooth surface and clear border, was found in the right side of the hard palate. Computed tomographic scanning and magnetic resonance imaging indicated the suspicion of malignancy. Histological examination suggested a myoepithelial carcinoma. A partial maxillectomy combined with a supraomohyoid neck dissection was performed. The histological diagnosis of the resected specimen was a myoepithelial carcinoma ex pleomorphic adenoma. There has been no sign of recurrence as of 2 years postoperatively.
著者
小林 淳一 津田 正史
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.1114-1123, 1997-12-01 (Released:2009-11-16)
参考文献数
37
被引用文献数
4 7

Manzamines, β-carboline alkaloids having unique heterocyclic systems from marine sponges, are of considerable current interest as compounds generated through unprecedented biosynthetic path or as a challenging target for total synthesis. Recently many manzamine-related alkaloids have been isolated from marine sponges, indicating the unique biogenetic path of manzamines.
著者
紅林 淳一
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.293-297, 2012 (Released:2013-05-01)
参考文献数
38

トリプルネガティブ乳癌(TNBC)は,生物学的悪性度が高く,早期に再発し,治療に難渋することが多い。現在,TNBC患者の予後改善を目指し,数多くの基礎的・臨床的研究が行われている。TNBCは,luminalやHER2サブタイプ乳癌と異なり,明確な「治療の標的」が存在しないことが最大の問題である。一方,最近の基礎研究により,遺伝子発現プロファイルを用いればTNBCは,複数のサブタイプに分類することが可能であり,サブタイプ毎に治療効果の期待できる薬剤を選別できることが示唆されている。今後は,TNBCのサブタイプ分類の検査法を確立し,そのサブタイプ分類で選別されたTNBC患者を対象に,最も有効性が期待される薬剤を用いた臨床試験が行われるべきである。そのようなアプローチにより,治療に難渋するTNBCの「個別化治療」が実現するかも知れない。さらに,各々のサブタイプ毎に癌の進展を牽引する“driver”遺伝子が判明すれば,それらを標的とした新たな治療薬の開発につながる。
著者
御園生 尭久 吉見 武義 福田 利弘 小林 淳一 長尾 幸徳
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌 (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1978, no.11, pp.1526-1531, 1978
被引用文献数
2

1,8-ナフタレンジカルボキシミド[1a]およびN-メチル換-1,8-ナフタレンジカルボキシミド(X=H,OCH<sub>3</sub>,0H,NH<sub>2</sub>,SO<sub>3</sub>Na)[Ib~f]をパラジウム触媒を用いて水素化することにより,[1f]の場合を除き,それぞれ相当するテトラヒドロ誘導体である1,2,3,4-テトラヒドロー1,8-ナフタレンジカルボキシミド[2a](収率77%),およびN-メチルー5-置換-1,2,3,4-テトラヒドロー1,8-ナフタレンジカルボキシミド(X=H,OCH<sub>3</sub>,0H,NH<sub>2</sub>)[2b~e](収率b:82%,c:62%,d:68%,e:78%)を得ることができた。<BR>さらに[1a]を同じ触媒でより強い条件で水素化するとデカリンー1,8-ジカルボキシミド[3]が得られることを確認した。また[2a]および[2b]を塩化アセチルで処理すると,それらのアシル誘導体である3-アセトキシー5,6-ジヒドロー4荏ベンゾ[de]インキノリンー1-オン[4a],および3-アセトキシー2-メチルー5,6-ジヒドロ-4-ベンゾ[de]インキノリンー1-オン[4b]を生じた。
著者
遠田 幸生 竹村 卓也 佐藤 和美 沓名 潤子 伊藤 新 高橋 武彦 小林 淳一 郷地 元博
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第23回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.387, 2012 (Released:2013-07-08)

バイオエタノール製造前処理技術歯車型粉砕媒体を水平振動式加振機で駆動する省エネルギー型の高衝撃粉砕機を開発している。本粉砕機で処理した粉末は、従来糖化率が高く、同時糖化発酵においても発酵阻害がなどの特徴をもってい。しかしながら、製造コスト40円/Lを達成するためには、酵素の費用の削減、30~40 wt/vol%の高濃度粉末スラリーの同時糖化発酵後のエタノール回収の効率化などが必要である。 そこで本報告では、製造プロセスのコスト削減を図るため、酵素を回収して再利用、30~40 wt/vol%の高濃度粉末スラリーの同時糖化発酵後のエタノール回収に関する検討を行った。そのバイオエタノール製造プロセスの低コスト化を図る一環として、エタノール回収、酵素回収の検討を行った結果、エタノール回収率は95vol%以上、酵素回収率は約50%を達成できる見通しが得られた。
著者
宮坂 正英 久留島 浩 青山 宏夫 日高 薫 小林 淳一 松井 洋子
出版者
長崎純心大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、ヨーロッパ各地の博物館、大学、図書館ならびに末裔宅に所蔵されるシーボルト関係文書並びにシーボルトが日本滞在中に収集した日本産業・生活文化資料を横断的に調査・研究し、シーボルトがヨーロッパでどのような構想をもとに日本を紹介しようと試みたのか、その一端を復元的に研究しようする試みであった。今回の調査でミュンヘン国立民族学博物館にシーボルトが死の直前まで行っていた日本展示の構成を具体的に示す目録が発見され、これをもとに展示品を抽出した。その結果、シーボルトの日本紹介は従来の美術・工芸を中心とした日本紹介と異なり、日本の産業とその産業に従事する日本人の生活文化の紹介に主眼が置かれていることが分かった。このことから、シーボルトが意図した日本紹介は、独自の発想にる異民族およびその文化の理解の方法に基づいて行われていることが分かり、今後シーボルトの民族学的な思想を解明する手がかりを得ることができた。また、本研究を通じて、ヨーロッパ各地の関係諸機関に分散して所蔵されているシーボルト関係資料を横断的に調査・研究する方法が必要不可欠であることが認識された。このためには、画像付きデジタル・データベースの共有化が最適であるため、最初の試みとして、ミュンヘン国立民族学博物館所蔵のシーボルト・コレクションおよびシーボルトの末裔フォン・ブランデンシュタイン家所蔵のシーボルト関係文書の画像付きデジタル・データベースの構築を開始した。
著者
鹿又 伸夫 小林 淳一
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.115-130, 1986-11-20 (Released:2009-03-01)
参考文献数
14

P. V. Marsdenは差別的交際を分析する手法を提示した。この手法はログリニア・モデルを応用して、社会的交際パターンについてのいくつかの仮説を検証しようとするものである。かれの分析手法に含まれる「集団内交際の優越」仮説は、各人の所属する集団内での交際のほうが集団外との交際よりも優越するというものである。また「社会的距離」仮説は、集団間の社会的交際がその集団間の社会的距離の大きさと逆比例関係にあるというものである。こうした仮説を経験的に検証するために、かれはログリニア・モデルを再定式化し、交際が「社会的距離」と関連していることを仮定したモデルでは新たなパラメータを導入した。しかし、このパラメータのデリベーションには問題がある。本稿では、こうしたMarsdenの分析手法を検討し、その問題点を示す。