著者
林 豊 前田 憲二
出版者
Japanese Society for Active Fault Studies
雑誌
活断層研究 (ISSN:09181024)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.30, pp.27-36, 2009

Six active fault zones have been selected on the basis of the reports on the long-term evaluation of active faults published until 2008 by the Earthquake Research Committee, Headquarters of Earthquake Research Promotion (ERC/HERP); the paleoseismic activity data of these zones reveal three or more earthquake recurrence intervals. Using the maximum likelihood method, seven probability density functions of a renewal process model are compared in order to determine the function that best fit the paleoseismic activity data of these active fault zones.<br>The exponential distribution model obtained by using the maximum likelihood method does not clearly reveal the earthquakes recurrence intervals. In contrast, the results obtained by using six other statistical models, i.e., Brownian passage time (BPT) distribution, lognormal distribution, gamma distribution, Weibull distribution, double-exponential distribution, and normal distribution, reveal the earthquake recurrence intervals. Thus, the new paleoseismic activity data of major active zones in Japan confirm the provisional conclusion of ERC/HERP, i.e., the exponential distribution does not clearly show the earthquake recurrence intervals. On the other hand, differences among the goodness of fit of the six models excluding the exponential distribution are small.<br>In 2001, ERC/HERP stated that when renewal process model with the BPT distribution is applied to the data of the occurrence intervals of earthquakes in the inland active fault zones in Japan, the aperiodicity parameter of the distribution should be set to 0.24 as a value common to all active faults. The aperiodicity parameter obtained by applying the same method to the data of the six active fault zones is equal to 0.44. Although the aperiodicity parameters, obtained by using the maximum likelihood method, reported in the ERC/HERP's report range between 0.17 and 0.29, those obtained in this study range between 0.09 and 0.66. Thus it is inappropriate to assume the same aperiodicity parameter for all the inland active fault zones in Japan.
著者
林 千渝 宇野 彰
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.37-42, 2015
被引用文献数
1

本研究では台湾の小学三年生103名を対象とし,これまで報告されてきた文字習得にかかわるとされる音韻認識能力,視覚認知能力,自動化能力,語彙力のなかで,台湾の中国語話者児童においてどの認知能力が中国語漢字の音読力に関与するのかを明らかにすることを目的とした.さらに,台湾で用いられている注音の構造から,音節と音素の2種類に分けた音韻認識能力の検査を用い,音読発達にかかわる影響を検討した.その結果,視覚認知課題と自動化課題の成績が漢字一文字音読成績を予測していた.中国語漢字は形態的変化によって意味や読み方が異なる文字であるため,視覚認知能力の貢献度が高かったのではないかと考えられた.また,台湾児童は,音読の際,音素や音節の単位よりも,sub-syllabic unitであるonsetやrimeを認識し,操作している可能性が考えられた.
著者
林 一清
出版者
The Japanese Psychological Association
雑誌
心理研究 (ISSN:18841066)
巻号頁・発行日
vol.28, no.165, pp.255-259, 1925
著者
土屋 活美 林 秀哉 藤原 和久 松浦 一雄
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.11-17, 2011 (Released:2011-04-12)
参考文献数
19
被引用文献数
1

It has been claimed in the literature that selective ethanol separation from ethanol-water solution can be made through ultrasonic atomization. The causes of separation were explained in terms of parametric decay instability of capillary waves, accumulating acoustic energy in a highly localized surface of the capillary wave and effecting ultrasonic atomization. In this study, the atomization process is examined visually with some mechanistic view, and the dynamics of interfacial oscillations occurring along the perturbed protrusion or conical “liquid column/fountain jet” over the ultrasonic transducer are analyzed by high-speed imaging. It is found that the atomization process could be initiated by a sudden increase in surface roughness of microscale, which would be viewed as localized surface patches of two-dimensional capillary waves, often associated with contraction expansion sequence of surface to-pology. Such surface patches could bring further instability in generating a swarm of liquid droplets of microscale around the expanded phase of liquid column.
著者
北川 裕久 田島 秀浩 中川原 寿俊 牧野 勇 藤田 秀人 林 泰寛 高村 博之 谷 卓 太田 哲生 萱原 正都 望月 健太郎 蒲田 敏文 松井 修
出版者
医学図書出版
雑誌
胆と膵 (ISSN:03889408)
巻号頁・発行日
vol.32, no.7, pp.609-614, 2011

膵癌では, borderline resectableと言えども局所癌遺残のないR0が得られなければ切除の意義は低い. 膵頭部癌切除標本の検討では病理組織学的にborderline resectableとなる主要因子は"mesopancreas"への進展である. Mesopancreasへの進展範囲はMDCTによって正確に診断可能で, 主腫瘍から連続する粗大網状影, 索状影として捉えられる. R0を得るためには, MDCTで詳細に術前進展範囲診断を行った上で術式立案をすべきである. 特にmesopancreasに関連した, 膵頭神経叢~上腸間膜動脈神経叢への浸潤, 門脈系への浸潤, 上腸間膜動脈への浸潤には注意を払う必要があり, R0のためには, 上腸間膜動脈神経叢全周郭清, 門脈合併切除, 上腸間膜動脈合併切除も考慮する必要がある. 「はじめに」膵頭部癌に対する膵頭十二指腸切除術は高難易度, 高侵襲であるが, 依然予後は不良で, 近年の抗癌剤治療の進歩に伴い, "切除"の意義が問われている.

2 0 0 0 OA 分身

著者
森林太郎 著
出版者
籾山書店
巻号頁・発行日
1913
著者
林 秀樹 内貴 乃生 宮本 証 川口 民郎 杉本 喜久 伊藤 誠 Joel Q. Xue 村上 義孝 堀江 稔
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.368-376, 2015 (Released:2015-07-27)
参考文献数
10

近年,早期再分極が致死性不整脈発生の新たな心電図所見として注目されている.しかし,早期再分極のすべてが致死性不整脈の原因になっているわけではなく,良性と悪性が存在する.両者の鑑別は極めて重要である.われわれは,病院を受診した症例から構成された心電図データベースを用いて,様々なコホートにおいて早期再分極と致死性不整脈の関係を調べた.早期再分極は,思春期に頻度が高いことが認められ,Brugada症候群・QT短縮症候群・デバイス植込みの症例において,早期再分極と致死性不整脈発生の関係が認められた.今後,早期再分極と治療効果の関連を検討する必要があると考えられた.
著者
富田 弘美 中川 隆子 小菅 啓子 小林 茂雄
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 = Journal of the Japan Reseach Association for textile end-uses (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.39, no.12, pp.54-63, 1998-12-25
参考文献数
7
被引用文献数
1

社会人男性の生活場面における服装意識と生活意識の特徴及び関連性について20代と40~50代を対象に質問紙法により調査を行った.主な結果は次の通りである.<BR>(1) 服装意識について20代は職場では個性を重視した服装, 余暇では外出時の服装に関心がみられ, 40~50代は職場では規範意識を持ち機能的な仕事着を必要としている.<BR>(2) 生活意識について20代は家庭中心の人付き合いや積極的に余暇を過ごすなど個人を尊重している.40~50代は地域社会を背景とした人付き合いをし, 伝統的な社会ルールを受容している.<BR>(3) 服装意識と生活意識の関連性についてそれぞれ因子分析をした結果, 抽出された各因子の関連性を正準相関分析により解析した.職場の服装意識では規範性が低く, スーツ着用や仕事着の必要性に対して否定的な層は, 生活意識では余暇の過ごし方は積極的だが仕事に対しては消極的であった.また職場での服装の規範性が高く, 余暇の服装に興味の少ない層は, 生活意識では個人尊重や人付き合いの因子間に関連がみられ, いずれも消極的であった.さらに冠婚葬祭の服装や家庭での服装の因子は, 生活意識の個人尊重, 慶弔行事への考えの因子間に関連がみられた.
著者
岡部 篤行 佐藤 俊明 岡部 佳世 中川 貴之 今村 栄二 松下 和弘 長野 一博 石渡 祥嗣 飴本 幸司 林 良博 秋篠宮 文仁
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.30-39, 2006

当報告書は,無線LAN位置システム(以下システム)を放し飼いニワトリの軌跡追跡に適用可能かどうかを調べた結果を報告するものである。システムは,連続的な地面上にいるニワトリの位置を1 mのグリッド交差点上の点として表し,ニワトリの軌跡はその点列として表す。システムは,ニワトリの位置を1秒ごとに記録することができる。実験は8羽のニワトリと2羽のホロホロチョウを170 m×90 mの広さの公園に放って5日間にわたりその軌跡を観察した。分析に利用可能なデータは3日間得られた。システムによって得られる位置のデータは雑音を含むため,位置データは確率変数として扱った。データ分析により,位置の精度は,確率0.95で2.6 m,すなわち,真の位置が,観察された位置を中心に半径2.6 mの円の中にある確率が95%であると判明した。ニワトリの生活圏は,その場所にニワトリがいた確率密度関数として表現した。その関数はバンド幅が2.6 mのカーネル法で推定をした。軌跡は移動平均で推定した。実験の結果,システムは放し飼いニワトリの軌跡追跡に適用できることが判明した。
著者
岩崎 均史 小林 ふみ子 桑山 童奈 田沢 裕賀 大久保 純一
出版者
独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

浮世絵版画では、大小(摺物・暦)制作及びその交換で、明和二年の交換会により、錦絵と称される多色摺が完成することは定説である。だが、錦絵誕生期以外の大小に関して研究されたことはごく少ない。これは、まとまった大小の作品を見る機会を得ることが困難だったことに原因がある。本研究は、国内最大の貼込帖である東博蔵「大小類聚」の大小のデータ採取し、作品名(仮題は付与)・解読・翻刻・分析・分類・大小の特定などをまとめた目録とし、加えて本研究進行中に生じた新知見、情報も適宜加えたその有用性を発信することを目的としたデータベースを研究者に公開する。これにより研究者に不足していた情報が提供可能となり、大小の活用が図られる。現在までに完了した作業での主要データ採取項目は、①摺・写の判別:摺物(版画)が筆写を含む肉筆か、またはその混合かを判別。②作品名:文字のある場合はあるがままで採取、ない場合は課題付与。③画題特定:明確なもののみとし、推定はメモ程度にとどめる。④注文主特定:記名・印章などから判定。⑤絵師特定:落款・記名で判定、画派などの推定はメモ程度にとどめる。⑥印章等判読:印章や花王など、作品に何らか関係する人物のもののみ判読、⑦採寸確認:以前採寸したものと、異なるような場合再度採寸する(通常、縦×横㎝)。⑧大小の探索:大の月、小の月がどのように配されているか確認、貼込帖の表題年代との錯誤確認。⑨文字の翻刻:配された文字をあるがまま採取し翻刻。現在、全冊の仮データベースの入力をしつつ、データ内容の確認作業を行っている。早期にこの作業を継続終了させ、撮影された画像と合わせて、逐次共同研究者の手元に送信し、内容の確認と合わせ、各分野の専門的視点を加えた検証を加えていく。
著者
田中 孝治 水島 和憲 仲林 清 池田 満
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.40065, (Released:2017-01-31)
参考文献数
31

多様化する仕事に適応できるように,企業の人材育成には,日常的に自ら育つ環境づくりが重要である.本研究では,分析過程が残る特徴と分析過程でストーリーラインが記述される特徴を持つ質的データ分析手法SCATを用いることで,新入社員の学び方の学びとその指導にあたった指導員の支援方法の表出化を試みた.本研究では,新入社員研修で用いる週報を新入社員と指導員とが対話する学習環境として捉え,週報に5週間に渡って記述された新入社員の振り返りとその振り返りに対する指導員のコメントを分析対象とした.分析結果から,指導員が,経験の積み重ねによる知識構築のプロセスである経験学習サイクルに沿って,実習員の学び方の学びを支援することで,実習員の学び方の学びが深化していることが読み取れた.本研究では,週報の分析から得られた結果を基に,学び方の学びの経験学習サイクルを転回する実習員と指導員の相互作用モデルを作成した.
著者
林 誠之 三ツ井 哲朗 前原 佳紀 井浜 三樹男 高田 俊二
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.75-80, 2008-04-25 (Released:2011-01-04)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

筆者らは, 現在のCCDやCMOSが直面している感度の限界やモアレ, シェーディングなどの画質の問題を解決する手段として, 有機光電変換膜を積層したCMOSカラーイメージセンサーを提案している.撮像素子として用いられる有機光電変換膜は, 高い光電変換効率のみならずノイズ低減のためにシリコンフォトダイオードと同等レベルの低い暗電流が求められる.しかし, 従来の有機光電変換膜は電圧印加時の暗電流抑制が十分ではなかった.そこで, 本報告では有機光電変換膜の暗電流抑制方法としてブロッキング層の導入を検討した.暗電流抑制効果と撮影画質に及ぼす影響について評価を行い, 適切なブロッキング層の導入が暗電流抑制に対して有効であることを示した.
著者
榊 純一 坂本 静生 矢野 博司 神田 宰 塩原 守人 助川 寛 磯部 義明 春山 智 村田 伸一 吉澤 正浩 平野 誠治 室田 秀樹 瀬戸 哲司 松中 耕二 山越 学 西尾 太 林 義昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.374, pp.51-56, 2005-10-20
被引用文献数
2

まもなく旅券(パスポート)にコンタクトレスICが搭載されようとしている.またこのICチップ上には, 本人認証を行うためのバイオメトリクスデータ, 顔画像が記録されることとなっている.本稿では, このIC旅券導入にあたっての経緯について簡単に照会すると共に, 日本において発給を開始するにあたって, IC旅券調査委員会が実施した調査検討の中から, 特に, (1)顔認証技術適用を前提とした旅券写真に関する技術的妥当性評価と, (2)IC旅券有効期間中の加齢に伴う顔認証精度評価の二点について述べる.

2 0 0 0 OA 夕張

著者
小林小一 著
出版者
小林近江堂
巻号頁・発行日
1918
著者
長谷川 誠 林 正樹
出版者
The Society for Art and Science
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.15-21, 2002

近年、様々な情報伝達メディアの急速な普及に伴い、テレビ番組に関連するコンテンツも多様化し、複数のメディアを通じて楽しむ視聴形態が促進しているため、ひとつのコンテンツからマルチメディアアウトプットを自動的に作る、メディア間相互変換の研究が重要になってきている。本研究では、このメディア間自動変換のひとつとして、テレビ番組台本をマンガという印刷物に変換して提供するアプリケーションについて検討を行った。今回、マンガ生成を行うテレビ番組台本として、テレビ番組記述言語TVML(TV program Making Language)により制作されたものを対象とし、そこから得た情報を解析することで、マンガに使うコマ画像の選定・データ化、マンガを作る際に必要な情報の抽出、マンガ特有の視覚効果であるフキダシなどの生成を行い、それらを組み合わせてマンガ画像を出力するアルゴリズムを提案し、それに基づいてマンガ自動生成システムを構築した。本研究により、マンガ自動生成システム構築へ向けての見通しが得られた。提案したシステムは、テレビ放送のもとになる番組台本を解析することで、マンガという文字と絵によるメディアに変換する試みであり、これにより、テレビ番組のコンテンツをマンガに変換し、自由に携帯し、時間や場所に拘束されずに楽しむという新しい視聴形態を提供する可能性を開くことができた。