著者
菊池 英明 工藤 育男 小林 哲則 白井 克彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.77, no.8, pp.1502-1511, 1994-08-25
被引用文献数
19

音声を利用したマルチモーダルインタフェースのベースシステムとなる音声対話インタフェースにおいて,ユーザに発話のタイミングに関する自由を保証するための割込みの扱いについて検討した.ユーザに割込みを許すとき,従来のように1文を単位としてシステムの発話を計画するのでは,計画した発話内容と実際に発話した内容あるいはユーザが受け取った内容の間に差異が生じる.そこで,発話の計画の単位を,1文中の伝えるべき情報と定め,対話中に話者間でやりとりされる発話権を管理することにより,どの情報が受聴されたかを常に把握する方式を提案した.実験の結果,提案した方式によって,システムが計画した発話とユーザが受聴した発話の差異をなくしながら,スムーズな割込みへの対処が被験者の半数以上に認められた.また,割込みに対処することにより,ユーザのタスク完了までの所用時間は7%減少し,積極的な話題提起数が21%増えるなど,インタフェースの利便性が向上することが確認された.
著者
桂林舎一枝 (菅沼左膳) 著
出版者
環翠堂
巻号頁・発行日
vol.1, 1885
著者
山西 良典 杉原 健一郎 井上 林太郎 松下 光範
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.155-162, 2015 (Released:2015-02-20)
参考文献数
16
被引用文献数
2

Comic has, recently, been known as one of the most beloved entertainment and affective medium in the world. This paper describes about extraction of Kansei highlight from comic using social data. There seems to be Kansei highlight that most people approve in comic, because several related books where impressive scenes and captions for a comic are gathered are published. Through the experiments on impressions, we obtained social data for comics. We used the social data to extract Kansei highlight from comic. Through the three types of experiments, we confirmed that social data was available for extracting Kansei highlight from comic. Moreover, we designed the interface of social reading system for comic considering interaction on existing social service. We believe that the extraction of Kansei highlight from comic using social data increases attraction of digital comic.
著者
中島 正彌 小林 昌義
出版者
日本静脈学会
雑誌
静脈学 (ISSN:09157395)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.27-31, 2016
被引用文献数
2

症例は71 歳女性.左足関節痛,両下肢違和感にて当院受診した.両大腿内側から下腿に伏在静脈瘤を認めた.下肢静脈超音波にて両側大腿- 大伏在静脈接合部に逆流を認めたため,全身麻酔にて両下肢に血管内レーザー焼灼術(endovenous laser ablation: EVLA),静脈瘤切除,硬化療法を施行した.術後1 日目病棟歩行時突然の呼吸困難,背部痛にてCT 室搬送となり,心停止により緊急挿管された.ポータブルUS にて右心系収縮不全あり,術後DVT,PTE を疑い緊急下大静脈フィルター留置し,ヘパリン,ウロキナーゼ投与するも全身動態に安定みられず同日夜永眠となった.本邦の文献を調べた限り下肢静脈瘤に対するEVLA 後に肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism: PTE)を併発した死亡症例の報告はないため,この誌を借りて報告する.
著者
羽鳥 剛史 関 克己 小林 潔司 湧川 勝巳
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.I_83-I_102, 2016 (Released:2016-12-23)
参考文献数
36
被引用文献数
1

火山災害により危機的事態が発生した場合,危機管理を担当する意思決定者には通常モードとは異なる状況判断や意思決定基準を採用することが求められる.本研究では,火山災害に関わる危機管理の現状と課題を考察した上で,有珠山噴火の事例を踏まえて,火山災害時の危機管理問題が災害ステージの時間的展開に応じて変化することを指摘し,各ステージの意思決定問題について検討する.さらに,危機管理に関わる意思決定モードとして,通常時と非常時の2つの意思決定モードについて考察する.その上で,災害ステージの展開に対応して意思決定モードを変更するための高次の意思決定原則(メタ原則)について検討し,メタ原則の下,危機管理に関わる討議システムを基盤として意思決定モードの選択を正統化するための規範的枠組みについて考察を試みる.
著者
林田 直美 高村 昇 鈴木 眞一 南 恵樹
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

福島県では、福島第一原子力発電所事故後、小児を対象とした甲状腺超音波検査が行われている。この検査では、約半数の小児で小さな結節やのう胞が認められているが、小児における甲状腺所見の頻度についての報告はないため、日本人一般における甲状腺超音波検査を行った。その結果、対象者の約半数に甲状腺のう胞が認められ、結節は0.7%にみられ、福島県と同様の頻度であった。成人での調査では、これより多い頻度で結節を認めた。甲状腺を4年間観察したところ、大半の小児でのう胞の有無や大きさが変化することがわかった。
著者
高村 昇 松田 尚樹 林田 直美 中島 正洋 折田 真紀子 柴田 義貞
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故では、放射性ヨウ素の内部被ばくによる甲状腺がんの増加が認められたが、それ以外の疾患については増加が認められていない。一方2011年の福島第一原子力発電所事故後、初期の食品管理によって内部被ばくの低減化が図られたものの、住民の間には放射性ヨウ素や放射性セシウムの内部被ばくによる健康影響への懸念が広がった。今後甲状腺がんのみならず、甲状腺の良性疾患に対する不安が広がることも予想される。そこで本研究では、チェルノブイリにおける放射性ヨウ素の内部被ばくによる甲状腺良性疾患の増加があるかどうかについて、疫学研究を行った。
著者
林田 一輝 大住 倫弘 今井 亮太 森岡 周
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.805-810, 2016 (Released:2016-12-22)
参考文献数
25

〔目的〕今回Rubber Hand Illusionを用いてSelf-Touchによる身体所有感の脳内メカニズムを検証した.〔対象と方法〕健常者20名を対象に ①Self-Touch,②Self Rubber Hand Illusion(ラバーハンドを触れることによる錯覚),③Other-Touch(他者から触れられる),④Other Rubber Hand Illusion(ラバーハンドを触れられることによる錯覚)の4条件で機能的生体近赤外線分光装置を用いて脳活動を計測した.〔結果〕全条件で両側運動前野が,条件②のみ補足運動野が活動していた.〔結語〕Self-Touchによる身体所有感の錯覚の惹起には補足運動野の活動が関与している.
著者
林 侑輝 山田 仁一郎
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.14, no.12, pp.655-688, 2015-12-25 (Released:2016-12-25)
参考文献数
42

本稿は、日本の電子出版ベンチャーによる中国市場参入に関する事例研究である。K. E. Weick (1979) の組織化理論に依拠してビジネスモデル概念を再解釈することで、プラットフォーム・ビジネスの創造にともなう一連の試行錯誤を組織化過程として理解する枠組みを示し、またその再編過程における戦術的コミュニケーションの役割を明らかにした。
著者
林 岳彦
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.289-299, 0000
被引用文献数
4

性的対立とは、繁殖にかかわる事象を巡るオスメス間での利害の対立を指す。性的対立は繁殖形質における軍拡競争の原因となり、その結果として集団間の急激な繁殖隔離(種分化)を引き起こす可能性が示唆されている。本総説では、まず性的対立説についての概説を行い、次いで性選択理論としての性的対立説の特徴について古典的性選択理論(ランナウェイ説、優良遺伝子説)との比較をしながら整理を行う。さらに、性的対立説が引き起こす進化的帰結について理論的な観点から整理し、性的対立説と種分化の関係について議論する。
著者
半藤 保 間部 佑子 柳瀬 徹 倉林 工
出版者
新潟青陵大学・新潟青陵大学短期大学部
雑誌
新潟青陵大学紀要 (ISSN:13461737)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.1-7, 2008-03-10

2001年1月から2006年8月までの5年8ヶ月間の新潟市民病院産婦人科における診療録の後方視的調査から以下の点を明らかにした。1.Rh血液型不適合妊娠は妊産婦2,988例中29例(0.97%)で、このうちRhD単独陰性は14例(0.47%)、RhDと他のRh因子との複合陰性3例(0.10%)、合わせてRhD陰性は17例(0.57%)であった。2.臨床的に問題となったのは、RhD,RhC陰性例にはなく、RhE陰性9例中の5例であった。これらの5例はいずれも妊娠中に抗体価の上昇を認めた。また、その中から生下時、児が直接クームステスト陽性を示したものが3例あった。3.直接クームステスト陽性3例はいずれも光線療法、ならびに1例には妊娠母体への抗Rhヒト免疫グロブリン投与がなされたが、交換輸血施行例はなかった。4.妊娠中、初めて抗体価の上昇を認めたのは、1例は妊娠18週、他の1例は妊娠21週であったが、いずれも既往分娩歴があり、それのないものでは妊娠30週であった。5.今回のシリーズに高度の新生児溶血性疾患は認められなかったが、文献的には経妊回数の増加に伴って抗体価上昇を示す割合が高くなり、また、輸血は勿論既往妊娠歴が全くなくても新生児溶血性疾患をきたすことがあることを念頭に、Rh血液型不適合妊娠に対処しなければならない。
著者
小畑 弘己 小林 啓 中沢 道彦 櫛原 功一 佐々木 由香
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

各研究目的ごとに以下のような実施状況と成果があった。1.圧痕調査・軟X線・X線CTによる調査:北海道館崎遺跡・鹿児島県一湊松山遺跡・千葉県加曽利貝塚・宮崎県椨粉山遺跡をはじめとする縄文時代を中心とした10遺跡で圧痕調査を実施し、一部は軟X線・X線CTによる調査を実施した。栽培植物の地域的な偏りと種実混入土器の発見などが成果として挙げられる。とくに北海道館崎遺跡では、縄文時代前期末のヒエ入り土器と同後期のコクゾウムシ入り土器を検出でき、これらを報告書に掲載した。潜在圧痕を含む混入個数およびその意義については、論文(英文)投稿・作成中である。2.土器作りの民族調査による土器作り環境と種実・昆虫混入のメカニズムの研究:タイ北部の土器作りの村を訪ね、土器作り環境の調査と試料採集を行った。土器作りの場において穀物の調理屑や家屋害虫が混入する可能性を実物資料によって検証することができた。現在論文作成中。3.X線CTによる種実・昆虫圧痕の検出技術の開発:埼玉県上野尻遺跡におけるオオムギ圧痕候補について軟X線およびX線CTにより撮影・観察を行い、オオムギでないことを検証した。伊川津貝塚のアワ入り土器を軟X線・X線CTで撮影し、その個数を検証した。4.食以外の種実利用・家屋害虫拡散プロセスに関する研究:2本の論文(邦文・英文)を作成し、公開した。5.土器編年(縄文時代晩期)の整備:大陸系穀物圧痕を有する九州地方の晩期土器の調査を行い、編年的な位置づけを行った。これら成果に関しては、その一部を12月に明治大学で開催した研究公開シンポジウムを通じて広く一般の方へも公表した。その他、一般図書や雑誌において、圧痕法研究に関する最新成果を公表した。
著者
星合 厚 鈴木 敦志 坂根 裕 秡川 友宏 竹林 洋一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.3772-3783, 2007-12-15
参考文献数
14
被引用文献数
2

視覚障碍者向けのタンデム自転車における速度感をギター曲のトレモロ奏法を応用して演出する手法を提案する.晴眼者が景色の流れで速度感を常時得られるのに対し,タンデム自転車の後部座席に乗った視覚障碍者は連続的な速度感を自然に感じることは難しい.速度感をBGM(Back Ground Music)のテンポに結び付ける方法は奏功しなかったが,撥弦楽器のトレモロ奏法に着眼し結び付けることで,景色の流れのような速度感の可聴化を実現できた.自転車のスポークがレーザ光を遮ることで生成されるBGM は,車速を感じるために聞き入ることもできれば,サイクリングをより楽しむためのBGM として聞くことも,あるいは気にすらとめずに聞き流すこともできる.実験を通じ,トレモロの速さによって速度感を得ることが可能であること,機構の直感性が担保されていることが確かめられた.This paper proposes the technique that produces the speed cenesthesia for visually impaired cyclists by tremolo playing method used in guitar music. While a sighted cyclist constantly obtains a speed impression from the scenery, a visually impaired cyclist sat on the backseat of a tandem bicycle has difficulty in perceiving continuous speed impression. Though the first and straightforward way that associates the bicycle speed to a tempo is unsuccessful, the second way that associates the bicycle speed to tremolo speed succeeds in producing speed cenesthesia like scenery. The impaired cyclist can listen to the generated music to know the exact speed, or can simply hear the music as a BGM to enjoy the cycling itself, or can pay totally no attention to the music. Experimental results show that the tremolo is useful to perceive the speed, and also shows that the proposal offers instinct mechanism to hear the speed.
著者
伊藤 日出男 林 新 中田 豊久 中村 嘉志 西村 拓一 山本 吉伸 國藤 進 中島 秀之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. UBI, [ユビキタスコンピューティングシステム] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.115, pp.105-110, 2003-11-18
参考文献数
21

我々は低消費電力携帯通信情報端末(マイボタン)を用いた,近距離測位通信システムによる情報サービスの研究を進めている.このシステムでは,端末局は反射率変調による低消費電力情報送信を行い,基地局である測位通信装置は,端末の位置や方向を取得し,赤外空間光通信でサービス情報の送受を行う.本報告では,液晶ディスプレイの背面の散乱板を再帰光反射板に交換した小型PDAを用いた,反射率変調による空間光通信の実装について述べる.