著者
林 隆三 青柳 宗一郎 露木 元 西郷 慎太朗 永井 正夫
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.1439-1444, 2013 (Released:2018-01-25)
参考文献数
6
被引用文献数
1

本研究では,狭路における歩行者との接触事故の低減を目指し,狭路における歩行者追い越し時の安全指標を提案する.狭路において歩行者を追い越すに当たり,歩行者の急横断に備えて自車が確保すべき安全速度を理論的に定式化してこれを安全指標とし,実際のドライバの運転行動との比較によりその妥当性を評価する.
著者
林 侑輝
出版者
日本経営学会
雑誌
日本経営学会誌 (ISSN:18820271)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.31-45, 2021 (Released:2022-09-21)
参考文献数
41

The purpose of this paper is to analyze the strategies adopted by long-established companies for identifying the factors promoting their survival in hostile environments. While Japan has the world's largest number of companies older than a century, there is a scarcity of empirical studies using objective data about them. The majority of prior research is based on surveys of long-lasting companies and focuses on the commonalities of the subjective responses. On the contrary, this study collects financial information on survivors (firms that have remained in existence for more than 300 years) as well as bankrupts (firms that had moderate longevity but failed after the bursting of the bubble economy) from 1978 to 1992. We conducted a fuzzy-set qualitative comparative analysis (fs/QCA) using data from 18 listed Japanese firms to categorize the strategies of both the survivors and bankrupts. Analytical findings indicate that there are three categories of typical strategies adopted by the survivors. The first category consists of leveraging large assets along with a broad business domain to maintain an above-average growth rate even in unfavorable circumstances. The second category is different from the first and pursues stability and financial security due to its large scale and broad scope. The third category is growth-oriented and based on stable cash flow by relatively small but diversified companies. This analysis further reveals a typical pattern of bankruptcy. It is partially similar to the third survival strategy, but does not achieve commensurate growth with the expansion of its scope. To put it differently, a small to medium-sized enterprise aiming to realize long-term survival needs to implement an entrepreneurial survival strategy that involves moving into growing domains along with withdrawing from declining markets.
著者
大川 佳寛 小林 健一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回 (2021)
巻号頁・発行日
pp.2G4GS2f03, 2021 (Released:2021-06-14)

学習済み機械学習モデルを用いたAIシステムの運用において,コンセプトドリフトとも呼ばれる時間経過に伴うデータ分布の変化は,システムの性能低下を引き起こす主な原因の一つである.しかしながら,システム運用前に,運用中のデータ(運用データ)の分布変化を事前に予期することは困難であることに加え,取得した運用データに正解ラベルを手動で付与することは高コストな作業である.従って,AIシステムが運用中においても長期間に渡ってモデル学習時と同等の性能を維持するためには,ラベルなし運用データに対しても,コンセプトドリフトを含む分布変化をリアルアイムで検知し,その変化に対してシステムを適応させる必要がある.そこで本稿では,上記のコンセプトドリフトの検知および適応手法に関して,これまで発表された代表的な手法から最新の手法までの調査結果について述べる.特に,検知・適応時において,運用データの正解ラベルを用いない(または少数の正解ラベルのみ限定的に用いる)各手法について,その特徴に基づいて整理し,紹介する.
著者
小林 りか
出版者
東京海洋大学
巻号頁・発行日
2015

東京海洋大学博士学位論文 平成27年度(2015) 応用生命科学 課程博士甲第389号
著者
田林 明
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.146, 2014 (Released:2014-10-01)

領域 北陸地方は古代の北陸道に由来する名称で、福井(若狭、越前)、石川(加賀、能登)、富山(越中)、新潟(越後、佐渡)の4県(7国)の範囲である。北端と東端は山形県境の念珠ヶ関と朝日岳、南端と西端は京都府境の三国岳と青葉山であり、東西の直線距離は約480kmもあるが、幅は最も広い能登半島付近でも100kmほどで、狭いところでは10~20kmにすぎない。2012年の面積と人口は25,208km2と539.1万で、それぞれ全国の6.8%と4.3%を占めた。自然環境 北陸地方では、海岸から他地域との境界の方向に平野と丘陵そして山地と配列されており、山地の面積が広い。境界地帯には北東から南西方向に、朝日・飯豊山地、越後山地、三国山脈、飛騨山脈と両白山地、伊吹山地と続き、険しい地形は他地方との人や物や情報の流動を妨げてきた。また、フォッサマグナが新潟県西部を南北に走っており、その西縁をなす飛騨山脈が日本海岸まで達していることから、北陸地方内の流動が大きく妨げられた。それ以外では、主要平野相互の境界となる山地や丘陵は、交通の大きな障害とはならなかった。陸地は他地方に対して閉鎖的であったが、日本海は他の地方に対しても、対岸のアジア大陸に対しても開かれていた。北陸地方はまた、世界有数の豪雪地帯でこれが人々の生活に大きな影響を与えてきた。積雪日数は平地で60日、山地で120日におよび、積雪量は平野部では50cm程度であっても、山地では4~5mにも達することがある。積雪は日常生活や稲作、水力発電などのために貴重な水資源であったが、農業やその他の経済活動、交通、日常生活の障害となってきた。地域の性格 北陸地方は日本の中央部に位置するが日本海側にあるため、中心部からの隔絶性が強い。また、日本中央部に東西に長く広がっている北陸地方は、西日本と東日本の漸移的な性格をもっている。新潟県と富山県は東京と、福井県は大阪との結びつきが強く、石川県は大阪とのほか東京との結びつきも無視できない。また、北陸地方は寒地型稲作の南限に位置するとされ、寒さや短い成長期間を克服するために歴史的に様々な技術改良が試みられた1つの拠点としての性格をもっていた。文化的に北陸地方が西日本の境界であることはよく指摘されている。例えば、富山・新潟県境と愛知・静岡県境を結ぶ線が、東西方言の境界とされている。また、経済活動についても独特な性格がみられる。積雪によって冬季の農作業が制限されるために、農業は水稲単作によって特徴づけられ、また、古くから出稼ぎなどの農外就業が盛んであった。1960年代からの工場進出によって、出稼ぎが通勤兼業に転換された。北陸地方では古くから地場産業が盛んであり、各地での織物業のほかに、刃物や食器、漆器や陶磁器、薬、桐ダンスなど多様な産業があった。さらに大正期から昭和初期にかけ電力と石灰石、石油や天然ガスなどの資源開発によって近代工業が発達した。江戸期から明治初期にかけては、高い米の生産性と北前船による物流の繁栄により、北陸地方の経済的地は高かった。しかし、明治期後半以降、太平洋側を中心とする経済開発が進められる、北陸地方の経済的地位は低下し、労働力とエネルギー、食料の供給地となった。 北陸地方の人間に共通する特徴としては、まじめさ、がまん強さ、人情の厚さ、近所づきあいの深さとよそ者意識の強さなどがある。また、北陸地方では浄土真宗が古くから栄えたところである。浄土真宗の教えは「弥陀の本願を信じて念仏となえることであり、勤勉に働き蓄財することが弥陀のみこころにかなう」とされた。1960年代までは浄土真宗が北陸地方の人々の生活に深く浸透しており」、これが北陸地方の人々の生活を規定する重要な要因であった。地域性とジオパーク 北陸地方の各県にはそれぞれ性格の異なったジオパークが立地しており、それぞれが固有の地域資源を活用してジオストリーをつくり地域振興を進めようとしている。さらには、北陸地方という1つのまとまった独特の地域の性格を活かしながら、ジオパーク相互の連携が図られるならば、より複合的で多様なジオパークの魅力を発信することができるだろう。
著者
相澤 泰造 酒井 俊典 林 拙郎
出版者
公益社団法人 日本地すべり学会
雑誌
日本地すべり学会誌 (ISSN:13483986)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.26-33, 2010-01-25 (Released:2010-10-06)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

2004年9月28日から29日にかけて三重県の北側を通過した台風21号による豪雨を起因として,宮川村では多くの地すべり・崩壊が発生した。航空写真等で233箇所の地すべり・崩壊を抽出した結果,その大部分は崩壊であった。地すべり・崩壊の発生箇所と地質帯,累積降水量,最大時間降水量との関係を検討した結果,地すべり・崩壊は最大時間降水量が120~110mmの地区で多く発生したことが明らかとなったが,累積降水量との関係はあまり認められなかった。また,三波川帯と秩父帯では地すべり・崩壊の発生頻度に大きな差はなかったが,三波川帯では流れ盤で地すべり・崩壊が多く,秩父帯では受け盤で多かった。宮川村は多雨地区であり風化が斜面表層部に限られていたため,地すべりよりも崩壊が多く発生したことが原因と判明した。
著者
伊藤 憲佐 中山 恵美子 梶川 奈津子 清水 翔志 野田 剛 中村 隼人 村中 清春 林 真也 伊藤 太一 中井 智子 田中 研三 大橋 正樹 不動寺 純明 葛西 猛
出版者
一般社団法人 日本外傷学会
雑誌
日本外傷学会雑誌 (ISSN:13406264)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.419-426, 2011-10-20 (Released:2020-09-11)
参考文献数
36

鈍的胸部外傷による肋骨骨折患者の入院日数と, 初診時に得られる臨床情報について重回帰分析を行い, 入院日数の推定式を構築することを目的とした後ろ向き研究である. 肋骨骨折にて入院した患者92例を対象とし入院日数と, 性別, 年齢, HR, SBP, 血気胸の有無, 胸腔ドレーン挿入の有無, 硬膜外麻酔・神経根ブロックの有無, 肋骨骨折の本数を調査した. これらの項目に対し入院日数を目的変数として, 探索的に重回帰分析を行った. 最終的に推定入院日数=4.9+肋骨骨折の本数×0.9日に, 年齢が60歳以上の場合, +3.3日, 胸腔ドレーン挿入が施行された場合, +3.6日が加算される, 単回帰推定式が得られ, 95%信頼限界は±15.6日であった. この推定式により鈍的胸部外傷による肋骨骨折患者の入院日数が, 初診時に得られる情報から推定可能と思われる. また入院期間を短縮するためには肺炎の予防が重要である事が暗示された.
著者
林 祐司
出版者
The Japanese Association of Administrative Science
雑誌
経営行動科学 (ISSN:09145206)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.225-243, 2014 (Released:2015-04-23)
参考文献数
39

This study aims to extend our knowledge of organizational anticipatory socialization by examining the antecedents and consequences of learning of new recruits about an organization between the job offer and organizational entry. I collected longitudinal data from a large Japanese manufacturing company and analyzed the socialization programs conducted by the organization and proactive behaviors of new recruits. I found that proactive behaviors are significantly positively related to newcomer learning, while socialization programs have both positive and negative effects on newcomer learning. Moreover, I found that newcomer learning has significant positive effects on the distal organizational outcomes of affective commitment, expectation in the organization, and achievement motivation to work after organizational entry. The implications of these findings for organizational anticipatory socialization are discussed.
著者
林 祐司
出版者
The Japanese Association of Administrative Science
雑誌
経営行動科学 (ISSN:09145206)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.131-141, 2009 (Released:2012-03-30)
参考文献数
43
被引用文献数
1 1

Based on data from a large-scale manufacturing company in Japan, this study quantitatively analyzed the relationship between the recruitment process for prospective graduates and attitude formation of those who have been appointed to work but have not yet commenced the employment. Consistent with my hypothesis, the results suggest that appropriate management of recruitment and selection processes lead to favorable reactions from new appointees to the company. Specifically, it was found that favorable impressions of the company's briefing session for potential applicants and of interviewers' behavior and attitude in job interviews had a positive effect on the appointees' views. It was also found that it is useful for interviewers to provide applicants with sufficient information about the company and examine the applicants' aptitude for the company during their communication.
著者
秋月 さおり 佐々木 君枝 北島 祐子 梅木 雄二 鳥越 律子 林 真紗美 篠崎 広嗣 鈴木 稔 上野 隆登 神村 彩子 田中 芳明
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.55-65, 2018 (Released:2018-08-23)
参考文献数
18

L-オルニチンおよびL-グルタミン含有食品摂取による周術期栄養改善およびQOL への影響を検討するための介入試験を行った.消化器癌開腹手術を実施する90 歳以下の男女18 名を試験食品摂取群または非摂取群の2 群に無作為に分け,術前・術後の7 日間ずつにわたり試験食品を摂取させ,栄養関連指標,体組成,QOL について評価した.その結果,両群において手術の侵襲による栄養関連指標,体組成量の低下が観察されたが,試験食品摂取による影響はみられなかった.一方で,QOL アンケートより,身体機能,役割機能,倦怠感,疼痛について,非摂取群でみられたスコアの低下が試験食品摂取群では認められなかった.これらのことから,周術期に一定期間L-オルニチンおよびL-グルタミンを摂取することにより,患者のQOL を良好に保つことができる可能性が示唆された.
著者
神原 滉一 遠藤 慶一 黒田 久泰 小林 真也
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.659-660, 2020-02-20

近年,安定した供給を可能とする養殖漁業の需要が高まっている.養殖漁業を効率的に行うためには給餌量を適切にすることが重要であり,そのためには,水槽内の魚の数を知る必要がある.中でも,稚魚育成においては,魚の数や一匹あたりの餌の量の変動が激しいことから特に重要性が高い.しかし,現状では人間が稚魚数を数えているため,手間がかかることと誤差が生じることが課題である.そこで本研究では,水中カメラを用いて水槽内の稚魚数を推定することを目指す.具体的には複数のカメラで,水槽内の稚魚の位置を認識し,対象領域内の稚魚数をカウントすることで水槽内の稚魚の総数を推定する稚魚数計数システムの開発を行う.
著者
廣澤 春任 名取 通弘 紀伊 恒男 高野 忠 橋本 樹明 大西 晃 井上 浩三郎 村田 泰宏 三好 一雄 井上 登志夫 野田 隆彦 栗林 豊 田嶋 隆範 近藤 久美子 佐々木 崇志 箭内 英雄 萩野 慎二 小倉 直人 岡本 章 杉山 祥太郎 HIROSAWA Haruto NATORI Michihiro KII Tsuneo TAKANO Tadashi HASHIMOTO Tatsuaki OHNISHI Akira INOUE Kouzaburo MURATA Yasuhiro MIYOSHI Kazuo INOUE Toshio NODA Takahiko KURIBAYASHI Yutaka TAJIMA Takanori KONDOH Kumiko SASAKI Takashi YANAI Hideo HAGINO Shinji OGURA Naoto OKAMOTO Akira SUGIYAMA Shohtaro 中川 栄治 NAKAGAWA Eiji
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
宇宙科学研究所報告 (ISSN:02852853)
巻号頁・発行日
vol.101, pp.1-27, 1998-06

科学衛星「はるか」は, スポース VLBI に必要な工学諸技術の実験ならびにスペース VLBI による電波天文観測を行うことを目的として, 1997年2月12日, 宇宙科学研究所の新型ロケット M-V の初号機により打ち上げられた。「はるか」では数々の工学的課題への取り組みがなされたが, それらの中で, ケーブルとメッシュからなる, 有効開口径8cmのパラボラアンテナの軌道上での展開が, 最大の工学的課題であった。打ち上げ約2週間後の2月24日から28日にかけてアンテナ展開実験を行い, 展開に成功した。本稿は「はるか」のアンテナ展開実験を, 衛星システム全体としてのオペレーションの観点から詳述するものである。
著者
清水 浩 林 節男
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.551-557, 1977 (Released:2010-04-30)
参考文献数
4
被引用文献数
1

この報文は, もみがらを熱利用した残滓のもみがらくん炭が, ろ材として利用されるときに示す特性についての研究結果である。研究には, もみがらおよび各種燃焼度で各種破砕度のもみがらくん炭の計7種の材料を対象とした。これをろ材として利用するときに関係する基礎的な物性値を, まず把握した。その同一材料を供試して, 各種加圧力条件下での流水抵抗と圧縮歪とを求め, これを Kozeny-Corman の式に適用して, 圧縮層の仮想毛細管の直径を供試材料別に算定した。また, 実用装置の場合について, 流速と層厚との関係で最終加圧力を計算し, 供試材料別にろ過層の機能を明かにして, 適正条件を探究したものである。