著者
吉光 雅志 林 宣明 金子 佳史 土山 寿志
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.108, no.1, pp.74-79, 2011 (Released:2011-01-05)
参考文献数
20

症例は28歳,女性.腹痛,粘血便にて入院.O157感染による腸管出血性大腸炎に引き続き,血小板減少,腎不全を発症し,溶血性尿毒症症候群(HUS)と診断した.一時,血小板数の増加・尿量の回復を認めたが全身痙攣と一過性片麻痺にて脳症を発症した.ステロイドパルス療法や血漿交換などの治療により後遺症なく回復した.成人での脳症発症の報告は少なく,今後の治療法確立のため文献的考察を含めて報告する.
著者
小林 裕子 永田 智子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.59, 2016

 【研究目的】自然災害大国の我が国において,児童生徒に対し実践的かつ継続的な災害学習の実施は必要不可欠である。本研究の目的は中学校家庭科で「災害時の食」を扱った授業を開発し,授業実践を通して有効性と適切性を評価することである。研究の第一段階として,小林・永田(2015)は中学生に災害に関する質問紙調査を実施した。その結果,中学生は「災害時の食」への不安は大きいが,災害に関する知識や家庭での備えが不足していることが明らかとなった。この結果を基に,小林・永田(2016)は,「災害時の食」を扱う3時間構成の授業を開発し,実践した。実践は兵庫県公立中学校2学年の生徒5クラス164人を対象に,2016年2月に行った。 【授業評価の結果】 開発した授業の有効性と適切性を検証するため,以下の4つを実施した。 1)授業前後に行った「災害時の食」に関する知識アンケート 「「災害食」と「非常食」の違い」,「ローリングストック法」を「分かる」と回答した生徒は,事前3.7%から事後61.8%へ,事前2.5%から事後70.4%へとどちらも授業後大幅に増加した。 2)授業終了1ケ月後自由記述感想 「各時間の授業」,「学習の内容・活動」に関してカテゴリに分類した。また生徒の「~したい」の記述は,「災害時の食」と主体的にかかわろうとする意欲の表れで重要ととらえ,これも抽出しカテゴリに分類した。「各時間の授業」について記述した生徒は70.1%であった。その内2時間目について記述した生徒は59.3%で最も多く,次いで1時間目が50.0%で,3時間目は1.9%と少なかった。「学習の内容・活動」を記述した生徒は72.7%であった。その内「災害食」・「ローリングストック法」を記述した生徒が50.0%と最も多く,次いで「ツナじゃが調理」,「ポリ袋を用いた炊飯」が各40.2%,36.6%であった。「献立作成」は4.5%と少ない結果であった。「~したい」を記述した生徒は66.9%で,「作りたい」28.2%,「備えたい」20.3%,「実践したい」11.7%,「家族で話し合いたい」11.7%であった。 3)授業終了1カ月後アンケート 「授業後,本授業について家庭で話しあった」生徒は65.1%で,思春期の中2としてはかなり多い結果であった。「授業後,「災害時の食」に関する意識や考えに変化」があったと答えた生徒は75.7%と多く,変化の内容は「節水の大切さを考えるようになった」74.8%,「「非常食」より「災害食」が便利で役立つと考えるようになった」66.1%が上位であった。 4) 有識者対象アンケート調査 家庭科教育を専門とする大学教員7人に,開発した授業のアンケートを実施し,5段階尺度で各授業の「目標設定」,「内容や方法」,「生徒の興味・関心」の適切性,「開発した3時間の授業の総合的な適切性」を尋ねた。3つの項目の平均値がほぼ4以上の評価を得,総合的な適切性も平均値は4.6と高評価であった。 【まとめと今後の課題】 1)~3)の結果から,「災害時の食」の基本的な知識の習得,備えや対策を考えること,学習内容を家庭で共有することについては,大半の生徒が達成したと考えられる。また多くの生徒が本授業を積極的に評価し,「災害時の食」について主体的に考えることができるようになったことが分かり,授業としての有効性が認められたと言える。有識者からは本授業を家庭科で扱うことは適切であるという評価を得ることができた。以上のことから,本研究で開発した授業は有効であり適切であることが示唆された。今後の課題は,まず災害時の献立を考える授業の難しさを解消するべく,授業内容や活動の改善を図ることである。家庭や地域と連携した「災害時の食」の授業開発や実践を行うことも目指したい。
著者
小林 康徳
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.509-548, 1970-07

比較的低高度の地球軌道上を飛行する人工衛星に対する,太陽ふく射・地球のアルビドおよびその赤外温度ふく射による熱入力を計算する方法の展望を行ない,特に,あとの二つに対して重要な効果を持つ衛星表面と地球表面との間の形態係数の求め方について,幾つかの方法を提示した.これらの方法を使用して,ある軌道・姿勢の条件のもとに飛行している衛星に対する熱入力を計算するプログラムが示された.このプログラムを使用して,ある与えられた衛星の最も熱入力の変化が少なくなるような打上げ時刻を選定することができる.球状衛星に対する計算結果が示された.
著者
小林 伸 平野 亜矢
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.599, pp.58-69, 2010-04-12

毎年、春になると新機種が登場するデジタルカメラ。新たな技術、機能が追加されているが、実際にはどれだけ進化しているのか? 3年前、2007年の機種と比較してみた。(小林 伸=フォトグラファー、平野亜矢) 今や、老若男女を問わず、デジタルカメラを使う時代になった。では、それらのユーザーは、一体、どんなデジタルカメラを使っているのか。
著者
北川 勲 陳 兆隆 吉原 実 小林 勝也 吉川 雅之 小野 尚彦 吉村 祐次
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.104, no.8, pp.858-866, 1984-08-25 (Released:2008-05-30)
参考文献数
17
被引用文献数
10 16

The alkaloidal constituents of two types of "pao-fuzi ( ?? ?? ?? )", the processed tuber of Aconitum carmichaeli DEBX., were investigated. Aconitine (1), hypaconitine (2), mesaconitine (3), talatizamine (5), 14-acetyltalatizamine (6), isotalatizidine (7), karakoline (8), neoline (9), lipoaconitine (10), lipohypaconitine (11), lipomesaconitine (12), and lipodeoxyaconitine (13) were identified from"banshu-fuzi ( ?? ?? ?? ?? )", while benzoylaconine (1a), benzoylhypaconine (2a), and benzoylmesaconine (3a) together with 1-3, 5-9 were identified from"fupian ( ?? ?? )". By use of a dual-wavelength thin layer chromatography scanner, lipo-alkaloids (10-13) were shown to be distributed as major alkaloids in thirteen out of fifteen kinds of "fuzi"and wutou". It was also found that these lipo-alkaloids were less toxic as compared with the corresponding fatally toxic alkaloids such as 1 and 3. However, lipomesaconitine (12) was found to exhibit antiinflammatory and analgesic activities. It was suggested that the substitutions of the acetyl residues attached to the C-8 hydroxyls of 1-4 for the fatty acid residues were the other possible chemical modifications in the decrease of toxicities of Aconiti Tuber.

1 0 0 0 OA 国語学通論

著者
小林好日 著
出版者
弘文堂書房
巻号頁・発行日
1944
著者
植村 邦彦 高橋 千栄子 金房 純代 小林 功
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.11, pp.516-519, 2016-11-15 (Released:2016-12-23)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

0.75MPaの圧力下で4秒間の連続通電加熱することにより98℃まで味噌を昇温させた結果,味噌に添加した枯草菌を2.7対数減少させることが分かった.一方,100℃60分の通常加熱では,枯草菌芽胞は1.6対数しか減少しなかった.このとき,通電加熱前後では味噌の色変化が認められなかったのに対し,温浴加熱では褐変が認められ,明度が20ポイント低下した.したがって,連続通電加熱は,味噌を褐変することなく,味噌の中の枯草菌芽胞のような耐熱性細菌を失活可能なことが分かった.本研究で用いたモーノポンプは吐出圧の制限のため内圧を0.75MPa以上とすることができなかったが,吐出圧のさらに大きなポンプを利用することにより,味噌の温度を100℃以上に安定的に昇温できれば,さらに耐熱細菌の殺菌効果を高めることが可能になると考えられる.本研究で用いた連続通電加熱装置と同等の装置は既にフロンティアエンジニアリングから市販されており,実用規模のスケールアップは実現可能である.
著者
新谷 和文 古川 裕子 大川 久美子 宮下 亜衣 本郷 富 瓦林 啓介 古島 悦子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.G0954, 2006

【はじめに】病院等の施設におけるインシデント・アクシデントレポートは、転倒・転落事故が最も多いことが報告されている。<BR>転倒・転落には身体機能・薬物・認知・環境など多様な要因があるといわれている。また、抑制廃止や活動向上などの対策は、リハビリテーションの効果を上げる要因ではあるが、転倒のリスクは向上するといえる。そこで転倒・転落事故減少を目的とした多職種によるチームを作り、会議とカンファレンスを開催したのでその内容を紹介する。<BR>【転倒・転落事故の実態】当院での平成15年10月から平成16年9月の1年間のインシデント・アクシデントレポートは385件で、うち転倒・転落に関するものは134件(34.8%)と最も多く、月別の発生件数件数では新入職員や部署異動の4月が21件と最も多かった。また、リハビリテーション科の転倒・転落事故は55件で、うち担当以外の患者様を受け持った時の事故は12件(21.8%)であった。当院のセラピストが担当以外の患者様を受け持つのは1~2週間に1度でありこの発生率は高率といえる。これらは転倒・転落事故は患者様を正確に把握していないことが大きな原因と考えられた。<BR>【会議・カンファレンスの開催】転倒・転落事故防止を目的とした会議、カンファレンスを平成17年6月より開始した。<BR>会議・カンファレンスとも月に一度行っている。転倒・転落防止会議は看護師およびリハスタッフで行っている。主な議題は、転倒・転落に関する事故報告・環境面の改善策・危険者のスタッフへの周知・予防のための知識についての教育などである。<BR>また、転倒防止カンファレンスは会議のスタッフに薬剤師・管理栄養士を追加した多職種で開催している。主な内容は転倒危険者の正確な把握とその対策である。まず、病棟看護師から転倒危険者をリストアップしてもらい、各部署が評価を行っている。具体的には看護師が転倒スコアのチェックおよび病棟での危険行為状況、理学療法で身体機能(ファンクショナルリーチテスト)および自己管理能力、作業療法・言語聴覚士による認知機能(HDS-R)、薬剤師による転倒関連の薬剤チェック、管理栄養士による栄養面のチェックなどを行い、カンファレンスを開催している。これにより多方面での転倒リスク把握に努めている。また、これらの評価をもとに対策を立てスタッフに周知している。<BR>【考察】転倒防止のための会議・カンファレンスを開催し、センサーマット購入、ベッドのキャスターの固定性向上、ポータブルトイレの正しい使い方の徹底など転倒防止のための成果が徐々に見られてきている。また、各部署による転倒の評価を行うことにより、転倒危険者の正確な把握が向上してきており、転倒発生状況は減少傾向のように思える。今後は、この会議・カンファレンスが転倒・転落事故防止に成果をあげているかどうかを検討する予定である。<BR><BR>
著者
林 直樹 西脇 裕作 都丸 武宜 岡田 美智男
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.388-391, 2017-09-09

誰かと手をつないで一緒に散歩するとき、その中ではどのようなやりとりが行われているだろうか。私たちは手をつないで並んで一緒に歩くロボット〈マコのて〉を構築し、言葉を介さずとも互いの気持ちが通じ合うような間身体的なコミュニケーションの可能性について議論を進めてきた。 本研究発表では、人とロボットとが手をつないで歩く際の、人がロボットとつないだ手を動かす行為、ロボットが人とつないだ手を動かす行為に着目し、それらのやりとりが互いの意図や気持ちを探り合う手がかりとなる可能性について述べる。
著者
丸林 元 鈴木 正
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.121, no.11, pp.754-757, 2001-11-01 (Released:2008-04-17)
参考文献数
6
被引用文献数
3 2
著者
増田 智恵 村上 かおり 平林 由果 永野 光朗
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.165-174, 2009

幅広い年齢の成人女子に適したITを利用した衣服購入用の情報を抽出するため,3次元人体形状イメージ分類を行い,体形イメージおよびサイズの異なる日本人成人女子のほぼ3世代(20-40-70代)の平均的3次元人体モデルを着衣基体として設定した.幅広い年齢の成人女子が評価可能なデザインイメージ評価用語を抽出し,それによる3次元着装シミュレーションによる実際のデザインイメージ評価を一連の研究として試みた.本報では実際の衣服選択のためのデザインイメージの分類と各イメージの特徴を示すデザイン要素,衣生活スタイル,印象などを抽出し,さらに具体的な服のデザイン要素からデザインイメージを予測した.高齢社会での消費者のためのネットなどを利用した衣服選択支援情報の抽出につながる情報が得られた.<br> 1. 3世代の平均的3次元人体モデルによる20種類の合計60のデザイン服のイメージをクラスタ分類した結果,前報で抽出した2つの主成分に対応したA1. レディ・フェミニン・A5. エレガント,A3. カジュアル,A4. スタンダード・レトロ,A2. シャープ・モダンの4つのイメージに分類された.サイズの異なる年代別でのデザイン服による大差はなく,同じデザイン服は同じ分類のイメージになった.<br> 2. 4つのイメージのデザイン要素,衣生活スタイル,印象などの主な特徴は次のようであった.A1&A5イメージ : スカートスーツやブラウススタイルなど,派手な色や無彩色の薄い素材の上衣でフット性の高い下衣など,背が高く体形カバーのあるデザインで,年上,異性,同年代の印象が良く,フォーマルおよびショッピング用の衣服傾向―A3イメージ : 上衣と下衣の組み合わせでキュロットやパンツにTシャツスタイルなど,柄物で柔らかい上衣,派手な色の下衣,若い年代や同性の印象が良く,家庭着で家族で利用可能な衣服傾向,A4イメージ : スカートスタイルに,柄のある袖やえり付きの上衣に派手な色の薄い素材でフット性のあるデザインの下衣など,家庭着でもフォーマルまた家族での利用も可能な汎用性のある衣服傾向一A2イメージ : パンツスーツやジャケットスタイルなど,明るく濃い色の上衣で,下衣は濃い色のミニ丈のものなど,細い体形に見えるデザインで若い年代での印象が良く,ショッピング用衣服傾向,であった.<br> 3. 4つのイメージを具体的なデザイン要素を用いて,2つの式 {<i>Y3</i>(R=0.98) : A1&A5-A3, <i>Y4</i>(R=0.96) : A4-A2} から精度良く予測可能とした.予測精度の高いデザイン要素でまとめると,A1&A5は主にフット性の高い下衣,派手な上衣,スカートスーツのデザインから<i>Y3</i>の予測値が大きく,逆のイメージのA3は主に鮮やかな色の下衣,柄物やTシャツの上衣で,上衣と下衣の組み合わせなどのデザインから<i>Y3</i>の予測値が小さく予測可能であった.A4は主に袖のある上衣と下衣はスカートのデザインから<i>Y4</i>の予測値が大きく,逆のイメージのA2は鮮やかな色,濃い色でフット性が高い下衣に対して,同じ濃い色,明るい色,無彩色でえりのあるミニ丈の上衣などで,パンツスーツなどのデザインで<i>Y4</i>の予測値が小さく予測可能であった.
著者
小林 裕 梶嶋 邦江 細田 祥子 佐久間 康富 土久 菜穂 横堀 肇
出版者
社団法人日本建築学会
雑誌
学術講演梗概集. 計画系
巻号頁・発行日
vol.2002, no.1, pp.879-880, 2002

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著者
竹林 征三 皆川 朋子
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.221-228, 1995-06-09 (Released:2010-06-15)
参考文献数
14

本研究では、ダム湖における景勝地指定及びその効果を明らかにすることを目的に、景勝地を評価する手法の一つとして古来より用いられている「八景」に着目してダム湖水における指定事例を収集し、分析したものである。その結果、以下の2点が明らかとなった。(1) 古くより人々が自然景勝地を八景として価値を与えたのと同様に人工湖水であるダム湖水も八景として指定されている事例をみることができ、ダム湖が周辺の自然と調和した優れた景勝地を創造してきたことが把握できる。これは日本の文化の中にダム湖水が定着したものと受けとめることができるだろう。(2) 景勝地指定は、一つ一つのダム湖水景観に価値を与える。そして重要な観光資源となりこれを題材とした版画や歌の製作、歌碑の建立等、八景巡りの遊覧船などが生まれ、観光地としての湖水名を大きくPRすることとなる。さらに、町名をはじめ各種施設にダム湖水名が名付けられる等、景勝地指定が地域へ与える影響は大変大きいことが把握できる。