著者
永野 博明 林 和彦 久保 正法 三浦 康男
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.307-314, 1990-04-15
被引用文献数
1

長崎県, および宮崎県を除く九州地方で牛流行熱が発生した. 長崎県では17年ぶりの発生であった. 10月17日に平戸市で初発し, 長崎県では24戸24頭の発生であった. 臨床症状は突然の発熱, 食欲不振および起立不能であった. 発症牛全例において牛流行熱ウイルスに対する抗体価の上昇が見られた. 17例の発症牛のヘパリン加血液から初代HmLu-1細胞で, 12株のウイルスが分離された. これらの分離株は牛流行熱ウイルス山口株の免疫血清ですべて中和された. 電子顕微鏡では, 代表株平戸-9感染HmLu-1細胞の材料中に150nmの円錐型ウイルス粒子が観察された. 平戸-9株と山口株は交差中和試験で, 互いに良く交差した. 牛流行熱ウイルスの分離は, 発症牛の血球材料(洗浄血球)を用いることにより, HmLu-1細胞で容易に分離されることが明らかになった.
著者
小池 秀明 大山 航 若林 哲史 木村 文隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.57, pp.7-10, 2007-05-17
参考文献数
7

本研究ではアダルト画像検出法を提案する。本手法では、対象とするアダルト画像に肌領域が多く含まれ、これら肌領域は色の均質性・集塊性を持つことを前提とする。まず、GMM(Gaussian Mixture Model)を用いて肌尤度画像を作成する。次に、肌尤度画像中で、色の均質性を有する領域のみを検出する。検出された領域ごとに閥値を動的に生成し、その閥値を用いて色の均質性・集塊性を考慮した肌領域の拡張処理を行い、最終的な肌領域とする。そして、求められた肌領域の肌尤度画像をリサイズして得られた値に主成分分析、独立成分分析を適用し、SVMで学習・分類を行い、アダルト画像を検出する。
著者
林 孝典 山崎 真一郎 森田 直人 相田 仁 武市 正人 土居 範久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.84, no.3, pp.523-533, 2001-03-01
被引用文献数
20

本論文では, インターネットの複数経路にパケットを分配してデータ伝送する方式について検討し, 各経路へのパケット分配方法とパケット順序の並べ替えの効果をシミュレーションにより評価した.シミュレーションでは, 同じ回線速度の2経路を用いてファイル転送する場合を対象とした.また, ネットワーク品質として, 固定伝送遅延時間, 遅延ゆらぎ, パケット損失を考慮した.その結果, データ送信側ではパケットを送信バッファ待ち時間が短い経路へ分配し, データ受信側ではパケット順序の並べ替えを行うと同時に, 2経路からパケットを受信してもデータの連続性が更新されなかった場合は, パケット損失が発生したと判断して順序待ちを解除する方式が, 最も安定したスループットが得られることがわかった.また, 2経路の遅延時間差が4パケット時間以内の場合は, パケットを2経路に交互に分配する方法を用いれば, パケット順序の並べ替えを行わなくても, 前者の方式と同等の性能が得られることがわかった.
著者
ワーサリン ジュンスワディー 小林 和淑 小野寺 秀俊 田丸 啓吉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-03-27

半導体メモリの集積度が年々上昇するにつれて,そのテストにかかるコストも増加する.そのために通常のメモリセルに何らかの工夫をして、テストを高速化させる.また,簡単な機能をメモリに持たせてデジタルシステム全体のパフォーマンスを上げる研究も行われている.我々はビット並列ブロック並列(BPBP)型機能メモリ型並列プロセッサ(FMPP)を設計製造した.ここでは,そこで用いられたテスト容易化設計法のうち,FMPPの中核をなす機能メモリ部の高速なテスト方法について報告する.
著者
竹中 秀行 市成 光広 谷本 憲彦 早瀬 善男 新川 求 市場 常男 益子 道生 林 幸之 武田 禮二
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.107-112, 1998-05-20
被引用文献数
9

種々の2-(置換フェノキシメチル)フェニル-2-メトキシイミノアセトアミド誘導体を合成し, フェノキシメチル部の置換基と殺菌活性における構造と活性相関について調べた.その結果, フェノキシメチル部のベンゼン環が無置換の化合物に比較して, ベンゼン環の2位, 3位または4位がメチル基またはハロゲンで置換された化合物の方が活性が高かったが, ベンゼン環の2位に比較的嵩高い置換基が導入された化合物は活性が低下する傾向が見られた.また, モノ-置換体より2, 3-, 2, 4-または2, 5-ジ-置換体の方が活性が高く, とくに2, 4-ジメチル, 2, 4-ジクロル, 2, 5-ジメチルおよび2, 5-ジクロル体の活性が最も高く, スペクトラムも広かった.一方, 2位と6位に同時に置換基が導入された化合物は著しく活性が低下した.メトキシイミノ部の幾何異性体間ではE-体の方がZ-体より活性が高かった.
著者
林 理三雄 安田 茂 石原 秀泰 張 宰赫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.254-262, 2001-02-01

九州地域(鹿児島, 熊本, 福岡)及び太平洋沿岸の地域(高知, 浜松, 静岡)の1分降雨量(降雨強度)観測データを用いて, 鹿児島の降雨の特徴を抽出した.また, 鹿児島における降雨の特徴が, 衛星放送電波の降雨減衰や斜め伝搬路特性に与える影響について解析した.その結果, 鹿児島では, (1)強い降雨強度の降雨が多く, 散発的な降雨が多い.(2)一般に降雨量は長時間の小降雨強度に依存することが多いが, 鹿児島では降雨強度の強い物の寄与が大きい.(3)散発的な強い降雨強度の降雨は, 小雨期と思われる10月に多い.地点降雨強度と斜め伝搬路における降雨減衰(区間降雨強度に関係する)を評価するため, 地点降雨強度と降雨減衰が同一累積時間率のとき, 地点降雨強度と降雨減衰の関係を求めた.結果, (4)地点降雨強度が雨域伝搬通路に一様にあるとすると, その等価通路長は実際の通路長よりも8〜10倍長くなることがわかった.
著者
林 成起 佐藤 嘉伸 田村 進一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション
巻号頁・発行日
vol.95, no.320, pp.1-6, 1995-10-19

聾唖者達が会話で使う手話を計算機の上で処理し,認識しようとする研究には指文字,顔の表情,簡単な手の動き,または手話単語などの認識に関する研究が主で,文全体を対象とする研究はない.これは手話の文法構造や統語構造が一般言語とは違って,その文解析が困難であるからである.手話の構成素は手の形,手の位置,手の動き,掌の方向などがあるが,広い意味での手話には非手指信号,すなわち,目,眉毛,口などの顔の部位の変化や,頭部や身体の動きと傾きなどがある.この非手指信号は手話文の中で形態論的,統語論的な機能を持つ.従って,手話文の認識の際にもこの非手指信号を取り入れなければその文の正確な意味解析が困難となる.そこで,本研究では非手指信号の内イントネーションブレークを形態素として取り入れ,ASLを対象として手話文を11パターンに分類しその文解析を行った.
著者
小林 達明 吉川 賢 小橋 澄治 増田 拓朗
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.165-175, 1993-05-01
被引用文献数
7

湿性草地・砂丘の裾・砂丘上の土壌水分条件の異なる立地に植栽されたハンリュウ個体に, SPACモデルを適用し, 水分動態を解析した。シミュレーションの結果は実測値とよく適合した。夜明け前の水ポテンシャルには, 立地による違いはなかった。個体全体の通水抵抗は, 土壌水分条件の違いを反映し, 砂丘上で著しく大きく, 草地で小さかった。しかし砂丘上では, 根系分布が深く, 葉量/細根量率が小さく, 抵抗をより小さく補償していた。砂丘上では葉面コンダクタンスが小さく, 蒸散フラックス密度の大きさは草地上, 砂丘の裾, 砂丘上の順であった。日中の水ポテンシャルは砂丘上でやや低かったが, 砂丘上の細胞の浸透ポテンシャルは草地上より低いため, 圧ポテンシャルは同様と推測された。このように, ハンリュウは個体・器官・組織・細胞のそれぞれのレベルで反応して, 圧ポテンシャルを安定的に保つよう, 水分動態を制御していると考えられた。
著者
林 成起 佐藤 嘉伸 田村 進一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.95, no.446, pp.71-78, 1995-12-22
被引用文献数
1

米手話の代名詞体系には一定の手話空間が代名詞として設定された後には、この空間が手話文のなかで文法的に使われ、その代名詞に相当する手話単語は明示的には表現されない。また、方向動詞には、その動詞のサインの中に、すなわち、動詞の位置や動き情報の中に動詞の主体と客体に対する情報が含まれていて、その動詞を含む文では主語や目的語が明示的には出て未ず、手話空間から参照される。そこで、手話を計算機の上で処理し、認識しようとすると、手話文では省略語が多いため、単に手話の構成素 - 手の形、手の位置、手の動き、掌の方向 - の解析だけではその文の正確な認識が困難である。従って、手話文を認識、解析する際には、代名詞として扱われる手話空間と動詞の位置や動き情報を互いに処理する必要がある。そこで、本研究ではASLを対象として手話空間の情報と方向動詞の位置や動き情報を考慮して、手話文解析を行なった。
著者
ヴィスーティヴィセット ワサカ 門林 雄基 山口 英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.85, no.8, pp.1215-1226, 2002-08-01
被引用文献数
1

IPマルチキャストは,大人数グループに同一データを効率良く配送するための機構として提案された.しかし,IPマルチキャストはグループの増加に伴いルータ負荷が大きくなるため,少人数グループが多数存在する通信に適していない.本論文では,少人数グループ通信を対象とした新しいマルチキャスト経路制御プロトコルSender Initiated Multicast(SIM)を提案する.SIMでは,受信者アドレスリストをパケットに添付し,ユニキャスト経路情報に基づくパケット転送を行う.また,SIMはルータ上にSIM Forwarding Information Base(FIB)として転送情報を保持するPresetモードを備えているため,全パケットにアドレスリストを添付する必要がない.Presetモードでは,送信者アドレスとグループのマルチキャストアドレスの組を転送情報検索のハッシュキーとして利用することで,効率の良い経路表検索を実現している.また,自動的に分岐点ルータ間を結ぶSIMトンネル機構により,転送情報の保持と全受信者に対する経路表検索を行うルータ数を減らし,パケット転送処理の高速化を図っている.本論文では,これらの機構をもつSIMは少人数グループが多数存在する通信において有効であることを示す.