著者
森本 慎一郎 増田 浩通
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.2-2, 2008

我が国の公的研究機関に対してこれまで以上に産業の発展、及び持続可能な社会実現に貢献することへの期待が高まっている中、優先的研究開発テーマの選定や評価に関する方法論の明示等について説明責任を果たすことはこれまで以上に重要となる。そこで本研究では公的研究機関が優先的研究開発テーマの評価を行うにあたり、中長期的な将来シナリオに対する公的研究機関の役割、および研究開発テーマ相互の関連性を総合的かつ構造的に勘案することが可能な新たな方法論を提案し、それを実際に試行することで提案方法論の有効性検証と課題導出を行った。特に研究開発テーマ相互の関連性については各研究開発テーマに対して専門家1人を割り当てたゲーミングを行い、提案した方法論を試行した結果、中長期的な将来シナリオと公的研究機関の役割、及び研究開発テーマ相互の関連性を優先的研究開発テーマの評価に反映することが可能であることが検証できた。
著者
樋渡 信夫 中嶋 和幸 山崎 日出雄 熊谷 裕司 山下 和良 森元 富造
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.40, no.7, pp.889-893, 1987 (Released:2009-06-05)
参考文献数
14
被引用文献数
6 2

炎症性腸疾患の家族内発生の頻度と臨床像を明らかにする目的で,自験例について検討した.潰瘍性大腸炎296家系(1954年~87.6)のうち,潰瘍性大腸炎の多発は8家系(2.7%)に認めた.このうち6家系は兄弟例,2家系は母子例であった.発症年齢の近似は2家系,発症時期の近似は3家系,病型の類似は3家系に認められた。家族内発症例と"非家族例"との比較では臨床像に差はなかった.クローン病に関しては,85家系中3家系(3.5%)に家族内発生を認めた.1家系は母子例,2家系は兄弟例であり,3家系ともそれぞれ罹患範囲が同じであった.同一家系に3例以上の発症や,クローン病と潰瘍性大腸炎の混在を認めた家系はなかった.炎症性腸疾患の家族内発生が高頻度にみられたことは,偶然によるものではなく,遺伝的要因と環境要因が病因に強く関与していることが示唆された.
著者
浜 森太郎
出版者
広島大学国語国文学会
雑誌
国文学攷 (ISSN:02873362)
巻号頁・発行日
no.141, pp.p10-24, 1994-03

「泊船本」の用字法は「画巻本」の啓蒙的な用字法を継承し、さらに整理・統合したものと言える。また、整理・統合された表記の単調さは、要所に極致畳、装飾字母を配置することで極力カバーされている。このため、使用字母並びにその用法に「画巻本」と幾分食い違いが生じたが、この集中利用される仮名字母と微量の装飾字母とのバランスの中に、「泊船木」筆者並びに清書者の力量が折り込まれているのである。
著者
濱 森太郎
出版者
三重大学日本語学文学研究室
雑誌
三重大学日本語学文学 (ISSN:09184449)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.47-60, 1993-05-30

「天理本」「画巻本」の間には、二○種類の仮名字母の変更がある。しかも、この二○種類の仮名字母の変更には、書き安く読み安い字母を選び、その限られた仮名字母を集中的に用いる用字意識が、認められる。この変更によって、芭蕉は複数の汎用文字の拮抗状態を解消すると共に、汎用文字の性格を失った字母を機能上限定し、特殊化したのである。
著者
室伏 空 中野 倫靖 後藤 真孝 森島 繁生
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2009-MUS-81, no.21, pp.1-7, 2009-07-22

本研究では、既存のダンス動画コンテンツの複数の動画像を分割して連結(切り貼り)することで、音楽に合ったダンス動画を自動生成するシステムを提案する。従来、切り貼りに基づいた動画の自動生成に関する研究はあったが、音楽{映像間の多様な関係性を対応付ける研究はなかった。本システムでは、そうした多様な関係性をモデル化するために、Web 上で公開されている二次創作された大量のコンテンツを利用し、クラスタリングと複数の線形回帰モデルを用いることで音楽に合う映像の素片を選択する。その際、音楽{映像間の関係だけでなく、生成される動画の時間的連続性や音楽的構造もコストとして考慮することで、動画像の生成をビタビ探索によるコスト最小化問題として解いた。
著者
尾澤 重知 江木 啓訓 森 裕生 網岡 敬之 牛島 健太 吉田 光希
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、大学教育において、効果的なポスター発表方法を学ぶための学習プログラムや、ポスター発表の改善を支援するためのシステムの開発と評価を行った。学習者が制作した学習ポートフォリや、発表中の表情や視線について量的・質的に分析をした結果、本プログラムや提案システムの有用性を明らかにすることができた。これらの知見の中でも、ポスター作成の準備段階で自身の研究の図式化を促すことの効果や、聴衆に対する疑問の投げかけ方が全体の印象を左右することを明らかにした点が本研究の成果である。
著者
萩野 裕幸 左文字 克哉 吉田 真治 瀧川 信一 森本 廉 瀧澤 俊幸 春日井 秀紀 山中 一彦 片山 琢磨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.331, pp.1-4, 2013-11-21

プロジェクタや車載照明などの固体光源への応用を想定し,ワット級の高い光出力が得られる青紫色半導体レーザアレイを開発した.発光領域を1mm以下に小さくしたレーザアレイの熱設計手法を独自に構築し,水冷を必要としない汎用タイプのパッケージを用いた場合でも,ケース温度25℃で光出力6.3Wの連続発振に成功した.さらに,高輝度白色光源への応用展開として光出力60Wの半導体レーザモジュールを作製し,新規に開発した高光密度励起用の蛍光体と組み合わせることで,光束約10,000ルーメンの白色光源を実現した.
著者
森田 敏
出版者
農業技術研究機構九州沖縄農業研究センター
雑誌
九州沖縄農業研究センター報告 (ISSN:13469177)
巻号頁・発行日
no.52, pp.1-78, 2009-08 (Released:2011-03-05)

近年、西日本を中心に多発しているイネの高温登熟障害の発生に及ぼす日射量、施肥、品種、高夜温の影響とその要因について解析した。1. 人工気象室で登熟期の気温を平年より3℃高くすると玄米1粒重と玄米外観品質が低下したが、作期移動など登熟期の気温と日射量がともに上昇する条件では玄米1粒重は低下せず、良質粒歩合の低下程度は小さかった。高温と低日射が重なると、普及品種ヒノヒカリでは高温耐性品種にこまるよりも粒重増加速度が低下し、玄米1粒重と玄米の粒張りが低下した。2. 穂肥の量を増やすと、高温年では玄米1粒重が増加し外観品質が向上した。穂肥を出穂前後の1ヶ月間に15回に分けて与える施肥法では2回与える慣行法に比べて、また、にこまるではヒノヒカリに比べて、それぞれ未熟粒歩合が低下した。これらの品質向上の要因として、穂揃い期の茎葉における貯蔵炭水化物の増加が考えられた。3. 玄米1粒重は高夜温(22/34℃)で低下し、高昼温(34/22℃)ではほとんど低下しなかった。穂と茎葉に別々に高夜温処理を与えた実験や粒重増加推移の解析、胚乳細胞の画像解析などにより、高夜温条件では粒重増加速度と玄米への乾物分配率の低下および胚乳細胞の成長抑制が玄米1粒重の低下に密接に関与していることが示された。以上、本研究では高温低日射条件でも登熟が不良になりにくい品種特性や施肥法を示したほか、高夜温が成熟期の玄米1粒重を低下させるプロセスを明らかにした。
著者
森田 敏
出版者
農業技術研究機構九州沖縄農業研究センター
雑誌
九州沖縄農業研究センター報告 (ISSN:13469177)
巻号頁・発行日
no.52, pp.1-78, 2009-08

近年、西日本を中心に多発しているイネの高温登熟障害の発生に及ぼす日射量、施肥、品種、高夜温の影響とその要因について解析した。1. 人工気象室で登熟期の気温を平年より3℃高くすると玄米1粒重と玄米外観品質が低下したが、作期移動など登熟期の気温と日射量がともに上昇する条件では玄米1粒重は低下せず、良質粒歩合の低下程度は小さかった。高温と低日射が重なると、普及品種ヒノヒカリでは高温耐性品種にこまるよりも粒重増加速度が低下し、玄米1粒重と玄米の粒張りが低下した。2. 穂肥の量を増やすと、高温年では玄米1粒重が増加し外観品質が向上した。穂肥を出穂前後の1ヶ月間に15回に分けて与える施肥法では2回与える慣行法に比べて、また、にこまるではヒノヒカリに比べて、それぞれ未熟粒歩合が低下した。これらの品質向上の要因として、穂揃い期の茎葉における貯蔵炭水化物の増加が考えられた。3. 玄米1粒重は高夜温(22/34℃)で低下し、高昼温(34/22℃)ではほとんど低下しなかった。穂と茎葉に別々に高夜温処理を与えた実験や粒重増加推移の解析、胚乳細胞の画像解析などにより、高夜温条件では粒重増加速度と玄米への乾物分配率の低下および胚乳細胞の成長抑制が玄米1粒重の低下に密接に関与していることが示された。以上、本研究では高温低日射条件でも登熟が不良になりにくい品種特性や施肥法を示したほか、高夜温が成熟期の玄米1粒重を低下させるプロセスを明らかにした。
著者
森 基要 篠田 昭八郎
出版者
岐阜工業高等専門学校
雑誌
岐阜工業高等専門学校紀要 (ISSN:03864332)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.32-40, 1971-03-20

(1) 38年度入学生108名,39年度入学生107名,40年度入学生104名について,それぞれの1学年時,3学年時,5学年時の定期健康診断の資料をもとにして,身長体重,胸囲の3測度にもとづいて個人的,学級的,学年的体格判定を行なった。(2) 体格判定においては,総体的に発育小,痩型細胸が比較的多いことがわかった。(3) 体格判定にもとづいて,1学年時から3学年時へ,3学年時から5学年時へと体格の推移を調べた。(4) 体格の変遷様相は発育のノーマルカーブに対して,1学年時から3学年時にかけてはおおむね良好,3学年時から5学年時への期間は,痩型細胸が多かった。(5) 近時の発育加速化現象中,とりわけ長育発育が目立ち,「やせ型」の身体が多く見られる。その痩型細胸型でもっての発育標準曲線から,痩型細胸へ分類される者には,その原因究明と向上対策が急務である。(6) 身体活動の機会の多寡,身体活動の量は,体づくり特に肥満広胸の体づくりに与える影響が大である。3学年から5学年時への期間の体育運動の質と量との増大を計る必要がある。
著者
濱尾 章二 宮下 友美 萩原 信介 森 貴久
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.139-147, 2010-10-20 (Released:2010-11-08)
参考文献数
28
被引用文献数
1 7

東京都心の隔離された緑地である国立科学博物館附属自然教育園において,冬季に捕獲した鳥の糞に含まれる種子を分析した.また,種子を排泄した鳥種の口角幅と採食されていた果実の直径を計測し,比較した.8種の鳥の糞から9種の植物種子が見出された.特に,ヒヨドリHypsipetes amaurotis,ツグミTurdus naumanni,メジロZosterops japonicusが93%の種子を排泄していた.これら3種は生息個体数も多かったことから,重要な種子散布者になっていると考えられた.種子は1種を除き,調査地内に見られる植物のものであったことから,調査地内外での種子の移動は少ないものと考えられた.鳥は口角幅より小さな果実を採食している場合もあれば,大きな果実を採食している場合もあった.ルリビタキ Tarsiger cyanurus,メジロ,アオジEmberiza spodocephalaでは,口角幅の最大値よりも果実直径の最小値の方が大きなイイギリIdesia polycarpaを採食していた.口角幅を超える大きさの果実を採食していたのは,結実期を過ぎていたことや都市緑地であることから,果実の選択が制約を受けていたためである可能性がある.