著者
陳 曦 高橋 勲 沖田 義光 平田 寿 杉浦 敏文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.423, pp.77-82, 2012-01-20

音刺激(怖い音と快適な音)に対する心理反応を脳波前頭葉非対称性モデル(anterior asymmetry and emotion model, AAE model)と吉田法によって評価,検討し,両方法の信頼性と関連性を検討した.被験者は21〜25歳までの大学院生13名(22.9±1.3歳)であり,実験中はゆったりとした椅子に座って目を閉じてもらった(前安静10分,音呈示5分,後安静10分).AAEモデルによって消極的な反応を示したと判断された被験者は吉田法による評価では不快度が増加しており,積極的な反応を示したと判断された被験者は快適度が変わらないか,少し快な状態へと変化していた.本研究の結果,AAEモデルと吉田法は心理評価法として信頼できる方法であるとともに両者の間に一定の関係があることが分かった.
著者
新井 雅隆 天谷 賢児 長瀧 翼 沖田 秀樹
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.71, no.702, pp.737-743, 2005-02-25

Ignition and combustion characteristics of diesel spray impinging on an inclined wall were experimentally investigated. Ignition position and appearance position of the luminous flame kernel were stereoscopically observed using a two-way fiber optical system. Flat impingement wall was fixed in a high temperature, high pressure combustion chamber. Inclined angle of the flat wall was set at 30 degees or right angle against the center axis of the injection spray. Distance from nozzle tip to the impingement point on the wall was set at 50mm. Effect of ambient temperature on ignition position was investigated. As the result, ignition positions were observed near the spray periphery in the both cases of 30 degrees and right angle impingements. However, the luminous flame appeared near the wall surface at downword side of inclined wall because the fuel rich region was formed around the downword side of spray impingement point.
著者
沖田 実 中居 和代 片岡 英樹 豊田 紀香 中野 治郎 折口 智樹 吉村 俊朗
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.63-69, 2004-02-20
被引用文献数
9

本研究の目的は,温熱負荷ならびに温熱負荷と持続的筋伸張運動を併用した場合の廃用性筋萎縮の進行抑制効果を明らかにすることである。実験動物は,7週齢のWistar系雄ラットで,1週間の後肢懸垂によってヒラメ筋に廃用性筋萎縮を惹起させるとともに,その過程で約42この温熱ならびに持続的筋伸張運動,両者を併用した方法を負荷し,筋湿重量とタイプI・II線維の筋線維直径の変化,Heat shock protein 70(Hsp70)の発現状況を検索した。温熱負荷によってHsp70の発現が増加し,タイプI・II線維とも廃用性筋萎縮の進行抑制効果を認めた。そして,これはHsp70の作用によってタンパク質の合成低下と分解完遂が抑制されたことが影響していると考えられた。一方,持続的筋伸張運動でも廃肝吐筋萎縮の進行抑制効果を認めたが,温熱負荷と併用した方法がより効果的であり,これはHsp70の作用と機械的伸張刺激の作用の相乗効果によるものと推察された。
著者
吉田 道利 泉浦 秀行 清水 康広 沖田 喜一 竹田 洋一 佐藤 文衛 清水 康広 沖田 喜一 竹田 洋一 佐藤 文衛
出版者
国立天文台
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

岡山天体物理観測所の188cm望遠鏡に装着された可視光高分散エシェル分光器用に、望遠鏡カセグレン焦点から光を導く光ファイバー天体導入システムの開発を行った。また、ファイバー集光システムに付随する問題点とその解決策を明らかにした。さらに、巨星周りの惑星探査計画を進め、散開星団に世界ではじめて系外惑星を発見するなど、巨星周りに惑星を新たに8個発見することに成功し、恒星質量・年齢と惑星質量・軌道半径の間に相関関係が存在する兆候を見出した。
著者
仙波 浩雅 岡部 永年 山地 徹 沖田 圭介 山内 清 松本 賢哉
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.71, no.709, pp.1234-1242, 2005
被引用文献数
1

This paper deals with the bulge process for forming the single-stage bellows of TiNi shape memory alloys, which is proposed as a new type of seismic applications, and especially considering the material's special behavior. Thin walled tubes with 20% cold work, whose composition is Ti51.0 at% Ni, were prepared. First they are appropriately heat-treated and then the rubber bulge process is introduced for the tubes under the condition of austenite phase at room temperature. Displacement control method is adapted to the process. Theoretical prediction of change in outer diameter of the tube on compression is derived, and modified taking into account the progress of the stress-induced martensite transformation on tube's surface by observing the detachment of the oxide layer of the surface. Finally theoretical relationship between compressive displacement and the outer diameter of the tube, which is the most inportant for the design of the bellows shape, is cleared.
著者
岩室 史英 長田 哲也 太田 耕司 吉田 道利 沖田 喜一 泉浦 秀行 長田 哲也 太田 耕司 吉田 道利 沖田 喜一 泉浦 秀行
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、京大3.8m分割鏡望遠鏡の分割主鏡の位置を光の波長の1/20の精度で合わせる技術の開発研究を行った。5色レーザーを用いたこの方法は、従来の星を用いた方法とは異なり、大気の状態や天候の影響を受けることなく高速で分割鏡の状態を確認することができる。この新手法と、独自の高精度アクチュエータを組み合わせて、実際の望遠鏡の一部の複製を用いて分割鏡の位置合わせを行うことに成功した。
著者
中田 彩 沖田 実 中居 和代 中野 治郎 田崎 洋光 大久 保篤史 友利 幸之介 吉村 俊朗
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.1-5, 2002-02-20
被引用文献数
10

本研究では, 臥床によって起こる拘縮を動物実験でシミュレーションし, その進行過程で持続的伸張運動を行い, 拘縮の予防に効果的な実施時間を検討した。8週齢のIcR系雄マウス34匹を対照群7匹と実験群27匹に振り分け, 実験群は後肢懸垂法に加え, 両側足関節を最大底屈位で固定し, 2週間飼育した。そして, 実験群の内6匹は固定のみとし, 21匹は週5回の頻度で足関節屈筋群に持続的伸張運動を実施した。なお, 実施時間は10分(n=8), 20分(n=7), 30分(n=6)とした。結果, 持続的伸張運動による拘縮の進行抑制効果は実施時間10分では認められないものの, 20分, 30分では認められ, 実施時間が長いほど効果的であった。しかし, 30分間の持続的伸張運動でも拘縮の発生を完全に予防することはできず, 今後は実施時間を延長することや他の手段の影響を検討する必要がある。
著者
三浦 剛史 沖田 功 江口 誠一 中村 洋 森谷 和子 東 祐一郎 島袋 明子 中西 敬
出版者
日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.70-75, 1989-02-20

症例は64歳の主婦, 主訴は血痰である。既往歴としては正常分娩が2回, その後子宮外妊娠で手術が行われている。第2子出産後より月経に一致して血痰が出現し, 10年程前の閉経後も数年に1回くらいの出血があった。2年前より出血はなかったが, 最近再び血痰があったため昭和62年6月9日に岡田病院放射線科を受診した。気管支鏡検査では右底幹の外側壁に中心陥凹を有する低い隆起性病変がみられ, 周辺部は白色調を呈していた。生検鉗子によるbiopsyにて細胞に富む間質に囲まれた子宮腺に類似した腺管組織が認められ, 気管支子宮内膜症と診断された。著者らの調べた限りでは本症例は気管支鏡にて病変部を直視しえた最初の報告例と思われた。今後このような症例に積極的に気管支鏡検査が施行され, 本症の気管支鏡所見が明らかにされることが望まれる。
著者
山根 冠児 島 健 岡田 芳和 西田 正博 沖田 進司 畠山 尚志 山中 千恵 丸石 正治 真辺 和文
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.9, pp.554-562, 1998-09-20
被引用文献数
15

140例, 151側の血栓内膜摘除術(CEA)術中に内頸動脈血流, 内頸動脈のstump pressure(ICASP), 体性感覚誘発電位(SEP), および脳酸素ヘモグロビン(HbO_2)の測定を行った.手術死亡例はなく, 12例で一過性の神経症状, 4例(2.6%)で恒久的な神経症状が出現した.内頸動脈血流は6例でCEA後の著明に増加し, そのうち3例でhyperperfusionによると思われる術後神経症状が出現した.ICASPが30mmHg以下の症例では25.0%に, SEPの振幅がflatになった症例では53.8%に, HbO_2がindexで0.04以上の低下を示した症例では10%に術後神経症状が出現した.以上の結果からSEPが最も術後の神経症状の発現と関連が強かった.
著者
西野 友紀 西川 潤 佐竹 真明 松本 俊彦 赤司 景子 木藤 朋子 中村 弘毅 沖田 極
出版者
山口大学医学会
雑誌
山口医学 (ISSN:05131731)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.69-74, 2005-06-30
被引用文献数
1

プロトポンプ阻害薬(PPI)を一定期間投与しても治癒しない潰瘍の存在が明らかになり, 注目され始めている.H_2受容体拮抗薬(H_2-RA)の静注により, 一旦止血したにもかかわらず, PPIの内服薬を開始後に再出血を来たした出血性胃潰瘍の2例を経験した.症例1では, H. pylori陽性で胃潰瘍の再発を繰り返したために胃角が著明に短縮しており, また再発性十二指腸潰瘍による幽門輪の変形も認めていた.症例2では, 幽門狭窄を来たしており, 再出血時の緊急内視鏡検査時には内服中のオメプラゾールが錠剤のまま胃内で確認された.幽門狭窄は進行性に強くなり, 最終的には胃癌の確定診断がついた.これらの2例は, 胃排出能が低下していたことにより, 胃内で長く酸性環境下に曝露されたPPIの吸収低下が起こり, 十分な胃酸分泌抑制は得られず, 再出血を来たしたと考えられた.このような胃排出能低下によるPPIの吸収不良がある場合は, H_2-RAへの変更や胃運動改善薬の併用などが効果的であり, 本2症例でもH_2-RAの内服薬へ変更したところ, コントロール良好となった.小弯の著明な短縮や幽門狭窄などで胃排出能が低下している場合, PPI内服薬の効果が十分に得られないことがあるので注意を要すると考えられた.