著者
松本 省二 小山 裕司 石原 拓磨 安田 あゆ子 中原 一郎 沖田 慎平
出版者
藤田医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

【背景】脳卒中受け入れ病院では、組織的なチーム医療提供体制の整備が不可欠如である。申請者は、脳卒中のチーム医療をICTで支援する<タスカル/TQM (Total Quality Management)プログラム>を開発してき。【目的】日本の約15-30施設に<タスカル/TQMプログラム>を導入し、 導入前後の診療への影響を評価し、様々な病院での<タスカル/TQMプログラム>の有効性とそれに関連する因子解明する。【予想される結果と意義】病院の状況に即した<タスカル/TQMプログラム>の運用方法が明らかとなることで、様々な病院での脳卒中の診療プロセスの改善に貢献できる。
著者
江田 真毅 川上 和人 沖田 絵麻
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

土井ヶ浜遺跡の1号人骨・「鵜を抱く女」と共伴した鳥骨の同定は、弥生文化の宗教儀礼の理解に重要である。しかし、これらの骨は断片化しており、骨形態の観察による同定は困難であった。そこで本研究では、コラーゲンタンパクのアミノ酸配列の違いによる同定を鳥類に初めて適用した。現在日本に生息する鳥類を対象に、同定に役立つアミノ酸配列のピークを特定するとともに、「鵜を抱く女」と共伴した鳥骨を分析した。その結果、「鵜を抱く女」と共伴した鳥骨はフクロウ科のものであることが明らかになった。一方で、これらの鳥骨が人骨に副葬されたかどうかはさらなる検討が必要である。
著者
川上 貴代 岸本 (重信) 妙子 平松 智子 佐藤 ゆかり 田淵 真愉美 我如古 菜月 吉本 優子 久野 一恵 沖田 千代
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.79, no.4, pp.196-203, 2021-08-01 (Released:2021-10-02)
参考文献数
20

【目的】様々な文化・宗教背景をもつ対象への栄養支援活動や対応のための知識習得や態度をもつことは重要である。本研究では管理栄養士養成課程学生での国際活動への志向の把握と管理栄養士のコンピテンシーとの関連により,国際活動への志向が高い学生の特徴を検討した。【方法】関東・関西・中国・九州の5大学の管理栄養士養成課程学生489名を対象に自記式質問調査票を配布し,399名から有効回答を得た(有効回答率81.6%)。国際活動への志向は10項目4段階で測定し,下位の因子合計得点を算出して用いた。コンピテンシー得点,国際交流経験等との関連を検討した。【結果】国際活動への志向について探索的因子分析を行ったところ,7項目2因子が抽出され因子寄与率は62.3%となり,「基本的知識への志向」と「実践への志向」と命名した。同じ学習段階である3年生を対象にクラスター解析を行ったところ,国際活動への志向は4つのクラスターに類型され,2つの因子得点の高低により特徴を示した。基本的知識への志向および専門実践への志向のいずれも高い群では他の群よりコンピテンシー得点,外国語の学習意欲や外国人への態度は有意に高値だった。【結論】国際活動に関する知識および実践への志向得点の高い管理栄養士養成課程の3年生は,コンピテンシー得点も高く国際交流経験や外国人に接する態度も肯定的であった。
著者
和田 英一 藤本 圭一郎 沖田 耕一
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.301-307, 2015

有人宇宙輸送システムは,そもそもハザードを発生させないことが最も重要である.しかしながら,100%の安全が保証されるシステムは存在しない.したがって,ハザードはある確率で発生するものとして,ハザード発生時に宇宙船を守る技術が必要となる.この安全上重要な技術のひとつがアボートシステムであり,ハザードが発生し,クルーの生存が脅かされる事態となった際に,運用を中断し,クルーを無事に離脱・帰還させるためのシステムである.本稿では,アボートシステムのうち,特にクリティカルなハザードである有人ロケットの爆発に対して飛行士の安全を確保する技術について論じる.
著者
坂本 淳哉 後藤 響 近藤 康隆 本田 祐一郎 片岡 英樹 濱上 陽平 横山 真吾 中野 治郎 沖田 実
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.AcOF2005, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】 先行研究によれば,関節包に由来した拘縮の発生メカニズムとして線維化の発生が指摘されている.ただ,この線維化の発生状況を詳細に検討した報告はなく,その発生メカニズムも明らかになっていない.一方,手掌腱膜の線維増生によって生じるDupuytren拘縮は,コラーゲン合成に関わるサイトカインを産生する筋線維芽細胞の著しい増加がその発生メカニズムに強く関与しているとされ,肺や肝臓などといった内蔵器の線維化にも筋線維芽細胞の増加が関与していることが近年報告されている.つまり,不動による関節包の線維化に対しても筋線維芽細胞の増加が関与しているのではないかと仮説できる.そこで,本研究では,膝関節不動モデルラットの関節包における線維化の発生状況と筋線維芽細胞の変化を組織学的・免疫組織化学的手法を用いて検討した.【方法】 実験動物には12週齢のWistar系雄性ラット12匹を用い,無作為に無処置の対照群(n=5)と両側後肢を股・膝関節最大屈曲位,足関節最大底屈位にてギプス包帯で4週間不動化する不動群(n=7)に振り分けた.実験開始時は,各群すべてのラットを麻酔し,0.3Nの張力で膝関節を伸展させた際の可動域(ROM)を測定した.そして,実験終了時は,不動群においては前述の方法でROMを測定した後,両側後肢後面の皮膚を縦切開し,膝関節屈筋群を切除した後に,再度,ROMを測定した.なお,対照群においては皮膚の切開や筋の切除は行わず,麻酔下でROMを測定した.その後は,両側膝関節を摘出し,最大伸展位の状態で組織固定を行い,脱灰処理の後,矢状断にて2分割し通法のパラフィン包埋処理を行った.そして,右膝関節の各試料から5μm厚の連続切片を作製し,105μm厚(連続切片21枚)につき1枚,のべ3枚の切片を抜粋し,コラーゲン線維の可視化のためにPicrosirius Red染色を施した.次に,各試料の染色像における後部関節包を40倍の拡大像でコンピューターに取り込み,画像処理ソフトを用いて画像上に縦,横50μm間隔に格子線を描いた.そして,後部関節包のコラーゲン線維束上に存在する格子線の交点の総数を計数し,対照群の平均値を基準に不動群のそれを百分率で算出した.また,筋線維芽細胞のマーカーとして使用されている抗alpha-smooth muscle actin(alpha-SMA)抗体を用いて免疫組織化学的染色を施した後,後部関節包におけるalpha-SMA陽性細胞の出現率を計測し,各群で比較した.なお,統計手法にはMann-WhitneyのU検定を適用し,5%未満をもって有意差を判定した.【説明と同意】 本実験は,長崎大学動物実験指針に基づき長崎大学先導生命科学研究支援センター・動物実験施設で実施した.【結果】 実験終了時の不動群のROMは,対照群のそれに比べ有意に低値を示し,不動群のすべてのラットは皮膚の切開と筋の切除後もROM制限が残存していた.次に,Picrosirius Red染色像を検鏡すると,不動群では後部関節包の肥厚や線維増生が認められた.そして,前述の方法で画像解析を行った結果,対照群の平均値に対する不動群の百分率は有意に高値を示した.また,不動群におけるalpha-SMA陽性細胞の出現率は対照群のそれに比べ有意に高値を示した.【考察】 今回の結果,実験終了時の不動群のROMが対照群のそれに比べ有意に低値であったことから,拘縮の発生は明らかである.そして,不動群では皮膚の切開と筋の切除後もROM制限が残存しており,これは関節構成体にも拘縮の責任病巣が存在することを示唆している.先行研究によれば,正常関節の運動時の組織抵抗寄与率は関節構成体の中でも関節包が最も大きいといわれており,この残存したROM制限は関節包に由来するところが大きいと考えられる.そして,Picrosirius Red染色像の画像解析の結果は,不動群の後部関節包におけるコラーゲン増生を示しており,不動によって線維化が発生しているといえよう.そして,不動群に認められたalpha-SMA陽性細胞の出現率の増加は,筋線維芽細胞の増加を意味しており,これは不動によって惹起された後部関節包の線維化の発生に関与していると推察される.ただ,線維化の発生時期やその分子メカニズムは不明であり,今後の検討課題と考える.【理学療法学研究としての意義】 今回の結果は,ラット膝関節を屈曲位で4週間不動化すると後部関節包に線維化が惹起され,この変化には筋線維芽細胞の増加が関与する可能性が見出された.つまり,これらの結果は,関節包由来の拘縮の発生メカニズムの解明の一助になる成果と考える.
著者
榎本 裕治 鈴木 啓介 沖田 誠治 江藤 昂平 片山 英二
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.141, no.5, pp.423-430, 2021-05-01 (Released:2021-05-01)
参考文献数
25
被引用文献数
6

We have been studying the application of amorphous metals, which have a significantly lower loss than electrical steel sheets, to motors. Thus far, we have studied simple-shaped iron cores that can be machined only by shearing for radial motors. However, it is considered that the loss can be further reduced if the iron core is entirely made of amorphous metal. Here in this report, we report the results of a trial evaluation of a motor in which an amorphous metal is punched using a press die to form a stator core.
著者
小栢 進也 沖田 祐介
出版者
日本基礎理学療法学会
雑誌
日本基礎理学療法学雑誌 (ISSN:21860742)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.22-29, 2017-11-08 (Released:2018-09-26)

Musculoskeletal simulation models that estimate the muscle tension force are widely used to explain muscle and joint function during motion. This model has an advantage to calculate muscle tension force and joint contact forces during motion with noninvasive gait measurement. The musculoskeletal simulation model-based analysis enables easy access for researchers to predict the joint contact force during human motion and determine the risk of osteoarthritis. It can also clarify the direct relationship between muscle tension force and joint angular acceleration or acceleration of the center of mass. Determination of which muscle supports body weight or controls joint motion will provide basic knowledge for physical therapists. In addition, determination of how patients maintain kinematic equilibrium during motion can help understand the patient-specific compensated strategy and decide on an appropriate intervention. This paper focuses on the introduction of the basic concept of musculoskeletal simulation analysis and applications of the result of previous studies to motion analysis in physical therapy.
著者
村上 邦彦 宇佐波 大輔 市川 勉 井上 浩仁 沖田 雄一 山田 隆 藤田 忠雅 橋詰 弘之 小田原 育也
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.266-270, 2008

筆者らは,前回の報告でリスクの因果関係に着目することで,プロジェクト・リスクのより早い段階での識別を実現するプロアクティブなリスク・マネジメント手法を提案した.ところが,現場のITプロジェクトへの適用では,その時点のプロジェクトの状況から乖離したリスク項目が識別されることがあった.筆者らは,リスク識別・リスク分析の対象タスクをプロジェクト全体に最も影響を与えるタスク群に絞り込み,かつプロジェクトの進捗に伴って動的に変化する「プロジェクト・リスク・ポリシー」(QCDの優先順位)を考慮することで,リスク識別・リスク分析の精度を向上できると考えた.CCPMによると,プロジェクトに最も影響を与えるタスク群は,タスク・ネットワークのクリティカル・チェーン上のタスクであり,またプロジェクトのリスクの大きさは,バッファの消費率などによって推測することができる.本報告では,動的に変化するプロジェクト・リスク・ポリシーを考慮して識別したリスク項目のリスク値と,それらのリスク値によって影響を受けるバッファに着目することで,より精度の高いリスク識別・リスク分析が可能になるよう拡張したリスク・マネジメント手法を提案する.
著者
宮口秀樹 沖田 一彦 小竹 亜季 山田 典子 松田 弥亜子
出版者
広島県立保健福祉短期大学
雑誌
広島県立保健福祉短期大学紀要 (ISSN:13420070)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.69-76, 1999-03
被引用文献数
2

片麻痺患者の身体イメージを理解することを目的に, 片麻痺患者29名にSD法による身体イメージの測定を行った。方法は, 川原ら(1991)が身体イメージの因子として抽出した5因子, 1.評価性, 2.活動性・俊敏性, 3.活動秩序感, 4.力量, 5.情動的感情的の中から片麻痺の表現に適すると思われた形容詞対の中から25項目選択した。測定は上肢と下肢にそれぞれ7段階の評価尺度を用いた。さらに, 身体のイメージを12色の色鉛筆で表現してもらった。結果は, 平均で見ると上肢を下肢よりもマイナスのイメージでとらえる傾向がみられた。また, 重い-軽いというような力量性を表す形容詞対でイメージが反映されやすいことが分かった。身体の色のイメージは上肢下肢とも赤系, 青系, 黒をイメージする者が多かった。下肢の機能と比較し上肢の機能は複雑であることがイメージの違いになった可能性が示唆された。国立情報学研究所で電子化
著者
猪飼 隆明 森藤 一史 沖田 行司 吉村 豊雄 三澤 純 野口 宗親 八木 清治 北野 雄士
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究の目的は、横井小楠全集(小楠遺稿、関係史料-来翰や小楠に関する当代の記録、講義録など)の刊行に向けての基礎的作業を行うことにあった。横井小楠については、1938年に刊行された山崎正董編著『横井小楠』上下2巻(うち下巻は、山崎正董編『横井小楠遺稿』として1942年に刊行)があり、以後の研究は、ほとんどこの山崎本を頼りに行われてきた。しかし、横井家には、関係史料が沢山保存されていることが分かり、かついくつかの図書館・資料館等にも、未発見の史料があることが確認され、また個人の好事家の蒐集するところともなっていることが判明した。そこで、今後の横井小楠研究のみならず、明治維新研究、立憲制の研究、欧米への関心と洋学受容、開国論、また福井藩の藩政改革論などの研究の発展のためにも、これらの史料を蒐集し、先学の研究の検証を行うことこそ重要であるとして、本研究を3年間継続してきた。1 この間蒐集した史料は、横井家所蔵の資料(ここには、小楠自筆の原稿・書翰類、来翰等が含まれる)、小楠の弟子たちの家から発見された史料(柳瀬家・安場家・徳富家など)、福岡県立九州歴史資料館柳川分館・佐賀県立図書館鍋島文庫・福岡県立伝習館文庫・熊本大学寄託文書永青文庫等から、合計2000点近くの関係史料が蒐集された。2 山崎正董編『横井小楠遺稿』についての考証作業を一通り終了した。3 小楠の弟子が記録した講義録の検討を行った。以上の成果を、なるべく早い機会に、横井小楠全集として次々と刊行していくつもりであるが、現構想では、5巻程度のものになる予定である。
著者
沖田 裕子 岡本 玲子 中山 貴美子
出版者
一般社団法人 日本老年看護学会
雑誌
老年看護学 (ISSN:13469665)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.30-39, 2001
参考文献数
13
被引用文献数
3

本研究は,痴呆ケア経験年数3年以上の看護・介護職が,痴呆性高齢者の活動性を引き出していると考えられるアクティビティ・プログラム(AP)の介入方法を明らかにすることを目的とする.研究方法は,痴呆ケア経験年数3年以上の看護・介護職18人に半構成質問紙によるインタビューを行い,分析は修正版グラウンデッド・セオリーを用いて行った.その結果,明らかになったことは,痴呆性高齢者の個別情報をもとに,痴呆性高齢者の個別情報がない場合とある場合の,両方の状態から活動性を引き出す介入方法であった.そして,痴呆性高齢者の個別情報を中心にAP介入方法のモデルを示すことができた.これらの結果を利用することによって,APの決定はプログラムの種類からの選択ではなく,高齢者のニーズを中心に行うことができると考えられる.
著者
東 登志夫 鶴崎 俊哉 船瀬 広三 沖田 実 岩永 竜一郎 野口 義夫
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.121-125, 2004 (Released:2004-06-12)
参考文献数
20
被引用文献数
2 3

等尺性収縮時における肘関節角度が肘関節屈筋群の疲労度合いと筋出力に及ぼす影響について検討した。被験者は,健常成人9名とし,被験者全員に対してインフォームド・コンセントを得た。被験者には座位をとらせ,肩関節は0度とし,肩関節,骨盤及び大腿部をベルトにて固定した。肘関節の肢位は,肘屈曲30, 60, 90, 120度の4条件に設定した。実験は,まず最大随意収縮時(maximum voluntary contraction;MVC)の筋出力値を筋力測定装置を用いて計測した。次に被験者に視覚的フィードバックを行いながら,等尺性収縮にて各条件の50%MVCを60秒間以上保持させ,上腕二頭筋と腕橈骨筋から表面筋電図を計測した。筋疲労の指標には,表面筋電図の自己回帰パワースペクトル解析による周波数中央値を用いた。周波数中央値は,60秒間のデータを10秒ごとの6区間にわけ,それぞれの区間における周波数中央値を算出した。その結果,1)最大筋出力が得られたのは,90度であった,2)周波数中央値は,時間経過とともに減少し,その減少度合いは肘関節の屈曲角度が大きくなる程大きい傾向にあった。これらの結果より,最大筋出力が得られる肘関節角度と疲労しにくい角度は異なることが示唆された。従ってセラピストが,運動肢位を決定する際には,その点を十分考慮する必要があると思われる。
著者
北村 哲宏 大月 道夫 久保 典代 倉敷 有紀子 玉田 大介 田淵 優希子 小澤 純二 安田 哲行 沖田 考平 今川 彰久 金藤 秀明 船橋 徹 下村 伊一郎
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.982-986, 2012 (Released:2013-01-21)
参考文献数
8

Glucagon-like peptide-1(GLP-1)受容体作動薬であるリラグルチドの副作用として食欲不振,嘔気が報告されている.今回我々は,リラグルチドが関与した麻痺性イレウスの症例を2例経験した.ともに腹部手術歴はなく,リラグルチド導入時に前兆なく嘔吐にて突然発症した.症例2はインフルエンザを併発していた.2例ともにリラグルチド中止にてイレウスの改善を認めた.背景として,便秘の既往,15年以上の罹病期間,糖尿病末梢神経障害および自律神経障害を有している点が共通していた.これまでリラグルチドによるイレウスの報告はなく,今後GLP-1受容体作動薬を使用する際には副作用としてイレウスを念頭に置く必要があり報告する.