著者
本間 済 河野 正司 武川 友紀 小林 博 櫻井 直樹
出版者
日本顎口腔機能学会
雑誌
日本顎口腔機能学会雑誌 (ISSN:13409085)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.151-160, 2004-04-30
参考文献数
38
被引用文献数
8

咀嚼能力を評価するには,粉砕から食塊形成および嚥下までの全過程を観察する必要がある.しかし,これまで種々行われてきた咀嚼能力の評価方法は,その大半が粉砕能力評価を主体とした評価法であった.そこで,食塊形成能力を含めた咀嚼能力を簡易に評価できる方法を考案し,有効性の検討を行うことを目的として以下の実験を行った.食塊形成能力の指標を唾液分泌能力と舌側移送能力の2つと考え,吸水量の異なる煎餅における嚥下までの咀嚼回数が,それら食塊形成能力と,どのような関係にあるかの検討を行った.被験者は,健常有歯顎者(男性14名,女性7名)とした.舌側貯留率と粉砕度は,ピーナッツを一定回数咀嚼させ計測した.また,唾液分泌量と煎餅の嚥下までに要した咀嚼回数を計測し,それぞれの相関を求めた.結果:1.唾液分泌量と煎餅の初回嚥下までの咀嚼回数との間に負の相関が認められ,唾液分泌能力の高い者は座下までの咀嚼回数が少ない事が認められた.2.ピーナッツの舌側貯留率と煎餅の初回嚥下までの咀嚼回数との間に負の相関が認められ,舌側移送能力の高い者は嚥下までの咀嚼回数が少ない事が認められた.3.上記の関係は,吸水性の高い煎餅で顕著であった.以上の事より,吸水性の高い煎餅の初回嚥下までの咀嚼回数を計測するこの評価法は,食塊形成に密接な関係がある唾液分泌能力および舌側移送能力を予想する事ができた.この方法によりチェアサイドで食塊形成能力を含めた咀嚼能力を簡便に評価できることが分かった.
著者
花田 恵介 空野 楓 河野 正志 竹林 崇 平山 和美
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.118-126, 2020-02-15 (Released:2020-02-15)
参考文献数
20

右手動作の拙劣さと両手に道具把握の障害を呈した,左の前頭葉および頭頂側頭葉梗塞例を経験した.手指分離動作は十分可能で協調運動障害もなかった.しかし,右手での手指形態模倣や,衣服のボタン操作,手袋の操作が困難であった.さらに箸やスプーン,ハサミなどが,左右手ともうまく把握できなかった.この症状に対して右手の課題指向型訓練を14日間実施した.本例は道具を一旦正しく把握できれば,それ以降の使用動作は問題なく行えた.また,把握の誤りは,検査者が道具を手渡したり,一方の手でもう一方の手に道具を持たせたりすると少なくなった.この残存能力を生かして訓練を行ったところ,日常生活における右手の使用頻度が増加した.
著者
河野 正司 吉田 恵一 小林 博 三浦 宏之
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.764-769, 1987-06-01 (Released:2010-08-10)
参考文献数
12
被引用文献数
7 3

Many TMJ patients who have occlusal interferences often complain of pains in the sternocleidomastoid muscle. The pain occurs mainly in the insertion of the muscle (SCM-I) rather than in the middle of the muscle (SCM-M). In order to investigate a causative mechanism of pain in the sternocleidomastoid muscle in relation to occlusion, the activities of sternocleidomastoid and masticatory muscles were studied by means of EMG during functions in relation to the occlusal contact on six normal subjects. EMG activities of temporal, masseter, SCM-I and SCM-M were recorded by surface and needle electrodes.EMG activity was recorded from SCM-I in accordance with the activity of the masticatory muscles during tapping, clenching, and mastication. On the other hand little activity was registered from SCM-M. The amplitude of the EMG of SCM-I increased as the occlusal force increased. During chewing the sternocleidomastoid muscle was functioning more actively on the working side than on the non-working side.
著者
花田 恵介 勝山 美海 河野 正志 竹林 崇 平山 和美
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.503-511, 2021-08-15 (Released:2021-08-15)
参考文献数
20

要旨:体性感覚障害は脳卒中後にしばしば起きる症状だが,体性感覚障害に対する介入が,対象者の内観や生活行動にどのような変容をもたらすかは明らかでない.今回我々は,重度の体性感覚鈍麻によって,日常生活で左手の使用に困難をきたした脳卒中慢性期の男性を経験した.Careyらが示した原則(1993,2012)に準じて,体性感覚刺激を弁別したり同定したりする能動的感覚再学習を1回1時間,週2回,8週間行ったところ,左手の体性感覚の一部と日常生活における使用感が改善した.改善の背景に,残存能力を用いた意識的な代償がうかがわれ,能動的感覚再学習がそれを促した可能性が考えられた.
著者
河野 正志 寺田 萌 大松 聡子 富永 孝紀 村田 高穂
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.727-735, 2019-12-15 (Released:2019-12-15)
参考文献数
13

重度失語症を呈した左半球損傷患者に対し,視覚探索訓練を実施した結果,コミュニケーション能力の向上が観察され,その評価として,画像視認中の視線分析を用いて検討したので報告する.発症3ヵ月後,コミュニケーション場面では,状況理解に必要な部分へ視線が向かず,非言語情報の理解の低下を認めた.視線分析では,視認中の視線の動きは乏しく,注視点は1ヵ所に停留する傾向を示した.視覚探索訓練を実施した結果,視線分析やコミュニケーション場面において視線の動きが増え,非言語情報の理解・表出の向上が観察された.視覚探索訓練により,非言語情報の入力過程に関わる視覚性注意の改善が寄与した可能性が考えられた.
著者
青山 善充 紺谷 浩司 池田 辰夫 石井 紫郎 河野 正憲 瀬川 信久 加藤 雅信 松下 淳一 植田 信廣 三谷 忠之
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1994

本科研費による共同研究においては.10国立大学法学部(北大・東北大・東大・名大・阪大・香川大・岡山大・広島大・九大・熊本大)が.最高裁の方針により廃棄の運命にあった明治初年から昭和18年確定分までの民事判決原本を.各地の裁判所から暫定的に移管をうけたのを契機として.この貴重な史科群の保存利用に関し、多面的な検討を行った.具体的には.本研究会に4分科会を設け(外国法制研究、恒久計画測定.保存対策.プライヴァシ-.データベース).それぞれが核となって検討を重ねた結果、以下の知見を得た:1.民事判決原本に関する外国法制調査ヨーロッパ諸国(ドイツ・フランス・イギリス・イタリア・北欧).アメリカ合衆国.韓国.台湾.パナマといった諸国において.民事判決原本が如何なる機関において.如何なる期間保存され.どのように利用に供されているかを.現地調査やヒヤリングをも含めて調査した.この結果、国立の公文書館において.行政・立法の公文書とあわせて現用をおえた司法府の公文書を保存し.利用に供するのが一般的であること.そのシステムは.日本に比して発達した公文書館制度と表裏をなしていることが明確になった.2.日本における民事判決原本恒久保存施設の模索上記1に得た比較法的知見を踏まえて9民事判決原本の恒久的保存利用施設として如何なる機関が適切であるかを検討したところ.大学での保管はあくまで暫定的でイレギュラーな緊急〓措置であり.国立公文書館・国立国会図書館といった既存施設にもそれぞれ難点があるので.やはり.(名称はともあれ)司法資料を収容する国立の文書館を新設するのが筋であるという結論に達した.なお.このことと.民事判決原本を地域的に一箇所に集中するか地方分散とするかは.必ずしも必然的に結びつくものでないということが了解された.3.大学保管中の保存対策2の恒久保存施設に民事判決原本を移管するまで.3乃至4年間をめどに大学が保管の責務を負うのであるが.その間の保存対策について.史料保存学専門家の意見をきいて.協議し.空調・防虫対策・保安措置等について.各大学に助言を行うことができた.4.大学保管中の利用ガイドライン策定大学保管中に.大学は.可能な限り民事判決原本を学術利用に供することが移管に関する最高裁との協定からも望ましいが.これには.史料の性質上.プライヴァシ-保護を中心とする微妙な配慮を必要とする.これらの点を考慮しつつ.本研究会は.学術利用と事件当事者による閲覧との二類型を念頭においた詳細な利用ガイドラインとそれに応じた利用申請書式を策定し.それを.各保管大学で使用することとした.5.民事判決原本のデータベース化これまで民事判決原本へのアクセスを困難にしてきた最大の理由は.その検索の困難性にあった.この点は.民事判決原本に含まれるデータをデータベース化することによって大きく改善される.と同時に.原本自体を画像入力することによって.貴重な原本の損耗を防止できる.この見地から.フィージブルな民事判決原本データベースを模索した結果.明治23年までの判決原本を全文画像入力し.これに.最小限の項目データを付して検索の便を図ることが最善であるとの結論に達し.国際日本文化研究センターがこの作業を引き受けることとなった.
著者
花田 恵介 竹林 崇 河野 正志 市村 幸盛 平山 和美
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.550-558, 2019-10-15 (Released:2019-10-15)
参考文献数
29

脳卒中片麻痺患者を対象に加速度計(ActiGraph Link GT9X)を用いた上肢活動量計測を行い,本邦においてもこの評価が妥当であるか否か,および2点計測法と3点計測法のどちらが,より妥当な手法であるかを検証した.本研究は単一施設の横断研究で,37名を対象とした.3点計測法は,各手の測定値を体幹部の測定値で減じた上で,左右手の活動量比や活動時間比を算出した.その結果,2点計測法と3点計測法のどちらであっても,麻痺側上肢の活動量と上肢機能評価の間に中程度から強い相関関係が示された.3点計測法の優位性は示されなかった.脳卒中患者の上肢活動量評価において,どのような計測方法や分析方法がより適切であるかは,引き続き検討を重ねる必要がある.
著者
井上 仁 箕輪 良行 河野 正樹 崎原 永作 立花 一幸 沼田 克雄
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.32-41, 1994-02-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
23
被引用文献数
1

本研究は,ヘリコプターなどによる救急患者搬送の諸問題に関して,搬送を要請する側の離島に勤務する現地医師の立場からの意見を,アンケート調査により集約し検討したものであり,この種の研究としては本邦ではじめてのものである。対象は,北海道,東京,島根,長崎,鹿児島,沖縄の6地域の遠隔離島などに在任中または勤務経験をもつ医師200人とし,記名による回答を94人(47.0%)から得た。収容病院の特徴としては,十分なコミュニケーションが可能な病院(68.1%),臨床研修を受けた病院(33.0%)が多くみられた。北海道や長崎の離島では,明確に規定された搬送要請基準が回答された。なかでも長崎では,極小未熟児分娩の予想される母体,先天性心疾患で緊急手術を必要とする症例など,適応疾患5項目を具体的にあげていた。2名以下の医師が勤務する東京,鹿児島,沖縄の小離島では,スタッフや施設機能の不十分に起因する要請が多く,診断がつかない場合や,長期入院を要する場合にも搬送要請の基準としている回答が多い傾向があった。要請から搬送までの問題点としては夜間,荒天時搬送機能の確保充実を求める回答が59.6%と最も多く,搬送時間短縮のために基幹病院ヘリポートの設置を求める意見が多くみられた。医師の添乗義務については,全例に必要と,重症のみ必要が同数であった(43.6%)。添乗医の確保ができず,要請を撤回することもある現状が9回答報告された。また,添乗医の安全性確保を現地医師の75.5%が強調していた。現状では搬送中機内での医療行為がほとんど不可能であることから,医師添乗を義務づけるならば医療行為可能な搬送専用ヘリコプターの導入が望まれる。問題点のある搬送76例,搬送を考えたが最終的には搬送しなかった37例が報告された。このなかで気象条件,患者の容態,要請手続きなどに関して具体的に問題点が指摘された。
著者
勝山 美海 花田 恵介 河野 正志 市村 幸盛 竹林 崇
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.733-741, 2020-12-15 (Released:2020-12-15)
参考文献数
19

要旨:右上肢麻痺を呈した亜急性期脳梗塞患者1例に対して,リストバンド型活動量計を用いた行動心理学的介入(Transfer Package)を行った.作業療法介入は,第17病日から1回2時間,週3回,計10回行った.また上肢活動量計測は1週ごとに実施し,対象者に示した.その結果,麻痺側上肢機能と日常生活における麻痺手の使用頻度は改善し,外来終了2ヵ月後にも維持された.上肢活動量の客観的計測は,対象者と作業療法士の双方が麻痺手の使用状況を客観的に振り返ることができ,Transfer Packageをより効率化できると思われた.今後はケースシリーズ研究や比較研究を行い,その有効性を確認する必要がある.
著者
森岡 周 大住 倫弘 坂内 掌 石橋 凜太郎 小倉 亮 河野 正志
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
第52回日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
2017-03-24

【はじめに,目的】運動イメージの想起を求める臨床手続きはメンタルプラクティス課題を含め,脳卒中後の上肢運動障害に対して効果を示すことが数多く報告され,医学的根拠も明確になっている(Langhorne 2009)。加えて,運動イメージ時の脳活動は実運動と等価的であることが我々の研究(Nakano, Morioka 2014)他,多くの研究で明らかになっている。しかしながら,運動イメージの定量的評価が臨床場面に導入されていない背景から,運動イメージ能力が直接的に片麻痺上肢機能に関与するかは不明である。本研究では,両手協調運動課題(bimanual circle-line coordination task:BCT)を用いて,運動イメージ能力を定量的に調べ,運動イメージ能力が片麻痺上肢の運動機能や麻痺肢の使用頻度に関係するかを明らかにする。【方法】対象は認知障害のない脳卒中片麻痺患者31名である。BCTにはタブレット型PCを使用し,その課題はunimanual-line(UL):非麻痺側のみで直線を描く条件,bimanual circle-line(B-CL):非麻痺側で直線を描き麻痺側で円を描く条件,imagery circle-line(I-CL):非麻痺側で直線を描き麻痺側で円を描くイメージを行う3条件で行い,各々12秒間3セット,ランダムに実施した。描かれた直線を記録し,その軌跡をMatlab R2014b(MathWorks)を用いて解析した。解析は軌跡を1周期ごとに分解し,その歪みを数値化するためにovalization index(OI)を求めた。OIは[X軸データの標準偏差/Y軸データの標準偏差]×100により算出した。運動麻痺の評価にはFugl-Meyer Motor Assessment(FMA),日常生活での使用頻度にはMotor Activity Log(MAL)のAmount of Use(AOU),動作の質にはMALのQuality of Movemen(QOM)を用いて評価した。一元配置分散分析後,多重比較検定(t-検定)を用い3条件のOI値を比較した。また,I-CLのOIとFMA,AOUおよびQOMの関係を調べるためにピアソン相関係数を求めた。有意水準は5%とした。【結果】ULに対しB-CLおよびI-CLのOIで有意な増加を認めた(p<0.00001)。I-CLのOIとFMAの間に有意な相関がみられないものの,I-CLのOIとAOM(r=0.3883,p<0.0154)およびQOM(r=0.3885,p=0.0153)に有意な相関関係を認めた。【結論】本結果から,非麻痺側で直線を描き,麻痺側で円を描くイメージを行う条件であっても有意な楕円化を認めた。すなわち,運動イメージの存在を定量的に確認することができた。一方,それは運動麻痺の程度に直接に関係しないものの,麻痺肢の使用頻度や動作の質に関係することが明らかになった。今後は,運動イメージ能力が向上することで,麻痺肢の使用頻度が増加し,それに基づき運動障害が質的に改善するか,縦断的調査を試みる必要がある。
著者
大塚 宏司 田仲 勝一 入船 朱美 井上 里美 北山 哲也 吉田 健太郎 新田 竜司 河野 正晴 廣瀬 友彦
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.C3P1432-C3P1432, 2009

【はじめに】2005年より、理学療法士(以下PT)として社会人サッカーチームに関わりトレーナー活動を行っている.本チームは現在、地域リーグに所属しているが、将来のJリーグ入りを目指して活動している.<BR>サッカー競技は非常に激しいコンタクトスポーツであり、ケガをするリスクも高い.ケガの予防に努めることはトレーナーとして非常に難しい責務でもある.競技スポーツの現場において、実際に起こったケガを調査・分析することで、サッカー選手におけるスポーツ傷害にどのような特徴があるのかを明らかにし、その予防策を示すことを目的とした.<BR><BR>【対象と方法】2005年~2007年の過去3年間に本チームに所属した選手92名の内、当院整形外科を受診した選手は32名で、件数はのべ49件であった.調査データーより(1)各年度の有疾患率(受診件数/各年度在籍選手数)を算出(2)外傷・障害の発生率(3)受傷機転(4)発生部位(5)発生時期(6)ポジション別発生状況(7)試合復帰状況を後方視的に調査した.<BR><BR>【結果】(1)各年度の有疾患率:05年27.5%・06年50.0%・07年85.1%であった.(2)外傷・障害の発生率:外傷が31件(63%)、障害が18件(37%)であった.(3)受傷機転:練習中26件(53%)、試合中23件(47%)に分類された.(4)発生部位:足関節・足部14件(28.5%)、膝関節10件(20.4%)、大腿部4件(8.1%)、下腿部3件(7.5%)であり、筋腱損傷では大腿部、靭帯損傷では膝関節・足関節が多かった.(5)発生時期:月別にみると4月が最も発生件数が多く、3月と5月と8月と続いた.(6)ポジション別発生状況:MFが20件(41%)で最も多く、ついでDFが16件(32.6%)、FWが10件(20.4%)、GKが3件(6%)であった.(7)試合復帰状況:重症度を1週間以内を軽症、1週間以上4週間未満を中等症、4週間以上を重症と分け、軽症:28件(57.1%)、05年5件・06年10件・07年13件、中等症:8件(16.4件)、05年0件・06年4件・07年4件、重症:13件(26.5%)、05年3件・06年4件・07年6件であった.<BR><BR>【考察】ケガの発生状況は下肢に集中しており、サッカーの競技特性と一致し、その6割がコンタクトプレイによる外傷が原因であった.各年度の有疾患率が増加したのは、チームドクターやPTが関わることでケガに対する意識が高まり初期症状のうちに受診してくる選手が増えたためと考えている.年度別にて重症例が増えていることに関しては、試合中におこるアクシデントにて長期離脱が余儀なくされたケースであった.
著者
野田 英嗣 WIDYAPARAGA Adhika 小清水 孝夫 迫田 直也 河野 正道 高田 保之
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
動力・エネルギー技術の最前線講演論文集 : シンポジウム
巻号頁・発行日
vol.2012, no.17, pp.109-110, 2012-06-20

Thermoacoustic refrigeration is a very attractive method of temperature control due to its environment friendliness. The thermoacoustic heat pumping occurs within a regenerator positioned in the thermoacoustic device. The acoustic field within the device consists of acoustic travelling waves propagating in positive and negative directions and as such, the regenerator temperature gradient will be influenced by both. To investigate the effect of these individual travelling waves, we constructed a thermoacoustic device consisting using two opposite facing speakers thus enabling manipulation of positive and negative direction travelling waves. By decomposing the measured acoustic field into its positive and negative propagating components and calculating the acoustic power using the two sensor method, the effect of the individual travelling waves on the direction of acoustic power and regenerator temperature gradient was observed.
著者
廣松 卓真 小清水 孝夫 WIDYAPARAGA Adhika 河野 正道 高田 保之
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
スターリングサイクルシンポジウム講演論文集 (ISSN:09189238)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.17, pp.71-72, 2014-12-05

We have constructed and tested a shell and tube heat exchanger with a dual speaker thermoacoustic device. We have tested a shell and tube heat exchanger by changing the phase between two speakers at both ends of the device. Five thermocouples are positioned within the regenerator and inlet and outlet water temperature were measured with two other thermocouples. Two pressure sensors are positioned each side of the device along the regenerator. We have measured the regenerator temperature and pressure at both sides of the regenerator with changing the mass flow rate of coolant water. The temperature distribution of regenerator and the acoustic power were gained from measured values.
著者
柳原 和夫 河野 正道
出版者
大同特殊鋼株式会社
雑誌
電気製鋼 (ISSN:00118389)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.109-118, 1992-04-15 (Released:2009-05-25)
参考文献数
2

The tribological conditions between tools and work pieces on cold/warm forging of steels are very severe because of high contacting pressure, high temperature, and large surface extension of work pieces. Therefore, many lubricants and estimating methods have been developed. But even using these methods, it's difficult to estimate that lubricants have a good effect on production or not.We have estimated many lubricants by ring compression and spike forging test to find new coating which is substitutes for conventional one such as Zn-phosphate and Na-stearate coating or oxalate and resin coating on cold/warm forging of steels.We selected some lubricants by spike forging test which gave large extension to work pieces and agreed with the result of backward extrusion qualitativly, and further evaluated the lubricants by heading test and mass production test of bolts by multi stage cold bolts former.As a result of tests, we found the new coating method which was over coated by Ca-stearate with MoS2 or Ca-hydroxide with PTFE on the inorganic salts precoating such as K2SO4 or Na2B4O7·5H2O.
著者
松山 剛士 河野 正司 荒井 良明 池田 圭介 平野 秀利
出版者
日本顎口腔機能学会
雑誌
日本顎口腔機能学会雑誌 (ISSN:13409085)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.159-165, 1996-01-31
被引用文献数
12

咀嚼運動は咀嚼筋, 頭頸部筋, 舌筋, その他の口腔軟組織の協調活動により行われるリズミカルな運動である.また, 頭位の変化が顎口腔機能に及ぼす影響についての報告がある.これらより, 咀嚼時に下顎運動に伴って, 頭部もリズミカルに運動しているとの推測ができるが, その報告は極めて少ない.本研究の目的は, 下顎運動に伴って生じる頭部運動の特徴を明らかにし, 下顎運動との協調性を検討することである.我々は, 頭部運動と下顎運動とを同時に測定する実験システムを構築し, さらに顎運動と同時に左右咬筋, 胸鎖乳突筋の筋電図も同時測定した.測定に際しては, 被験者の頭部固定は行わず, 無拘束の状態とした.被験者には, 顎口腔系に異常を認めない, 成人男子3名を選択し, ガムの片側咀嚼を指示した.その結果, 1.タッピング運動時には, 下顎運動に同期した上顎切歯点の上下的な周期運動が観察され, 側方成分は少なかった.2.下顎運動に側方要素が加わる咀嚼運動では, 頭部運動にも左右的な運動要素による周期運動が認められ, その運動は下顎運動と協調していた.3.この頭部の協調運動は, 咀嚼運動の前期に特に高頻度に観察された.4.咀嚼運動時に観察される頭部の側方運動周期は, 下顎の周期と約170〜190msec遅れた位相偏位が認められた.この結果, タッピング運動に比較して, 下顎運動に側方要素が含まれる咀嚼運動には, 頭部も側方要素を含んだ周期運動を行っており, またその運動には, 下顎運動, 咀嚼筋, 頭頸部の筋の筋活動との協調性が認められることが明らかとなった.
著者
岩片 信吾 西 克師 河野 正司 石岡 靖
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.89-96, 1994-11-30 (Released:2014-02-26)
参考文献数
18

顎関節は, 加齢に伴い形態学的に変化することが知られている。しかし顎関節の形態的変化に対応した下顎頭運動の変化にっいては, これまで十分には明らかにされていなかった。本研究では高齢で, かっ歯の欠損が少なく, 咬頭嵌合位の安定した者の下顎頭の運動路を詳細に分析し, その変化の機構について考察した。被験者は, 60歳以上の高齢者10名 (60~79歳) とし, 対照は, 25歳未満の若年者11名 (19~24歳) とした。前方滑走運動及び側方滑走運動時の切歯点及び解剖学的下顎頭中央点における運動路の形態の特徴について分析した。その結果, 以下のことが明らかになった。1. 切歯点の運動路には, 高齢者と若年者との間に差が認められなかった。2. 前方滑走運動時の下顎頭運動路および非作業側下顎頭運動路の矢状面投影角は, 高齢者の方が, 若年者よりも小さい値を示した。また, 前方滑走運動時の下顎頭運動路の彎曲度は, 高齢者の方が若年者よりも大きい値を示した。これらの結果は, 高齢者では関節隆起後方斜面の平坦化が生じているという事象に対応していると考えられる。3. 作業側下顎頭の移動距離および非作業側下顎頭運動路の水平面投影角と彎曲度には, 高齢者と若年者との間に差が認められなかった。これらの項目は, 主に側頭下顎靱帯の状態と関係していると考えられることから, 高齢者でも咬合状態の変化が少ない場合には, 靱帯の変化は少ないことが示唆された。
著者
高村 智恵 横江 絢子 穴澤 梨江 相澤 豊昭 河野 正和 酒井 俊彦 戸島 洋一
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.219-222, 2015-03-25 (Released:2016-10-29)

背景.良性石綿胸水は職業性の比較的高濃度の石綿ばく露により生じる疾患と考えられているが,疫学的調査が十分ではなく,その実態については不明な点が多い.症例.76歳男性.職業性の石綿ばく露歴はないが,小児期よりかつて操業していた石綿工場近隣に居住しており,工場周辺でよく遊んでいた.健診で右胸水貯留を指摘され経過観察をしていたが,胸水の増加を認めたため入院となった.胸水は血性,滲出性でリンパ球優位であり,確定診断のため局所麻酔下胸腔鏡検査を施行した.胸腔鏡検査では壁側胸膜にプラークを認めたが,腫瘍を疑う所見はなく,発赤部の生検でも悪性細胞は検出されなかった.上記より良性石綿胸水と診断してフォローしているが, 2年以上経過した現在でも悪性腫瘍の出現はない.結論.近隣ばく露が原因と考えられる良性石綿胸水の1例を経験した.良性石綿胸水は比較的低濃度の石綿ばく露でも発症し得るため,原因不明の胸水の鑑別診断には当疾患も念頭に置き,職業歴のみならず,居住歴も聴取することが重要である.

1 0 0 0 OA

著者
河野 正治
出版者
日本文化人類学会
雑誌
文化人類学 (ISSN:13490648)
巻号頁・発行日
vol.85, no.1, pp.042-055, 2020 (Released:2020-10-08)
参考文献数
55

With the blurring of social boundaries in the global age, there has been considerable interdisciplinary attention on the concept of hospitality regarding the relationship between the self and the other. Jacques Derrida uncovered an aporia between the ethical requirement of absolute openness toward the other and the exclusionary sovereignty of the self. From an anthropological perspective, however, the philosophical discussion of hospitality pays little attention to details and scales of a particular situation with regard to receiving the other as a guest. Rather, it is through an ethnographically grounded engagement with hospitality that anthropologists should grasp the complexity of the situation relating the self to the other. In this special theme, we will attempt to hospitality as a heuristic concept for eliciting multiple heterogeneities of social relations and moral principles and thereby aim to reveal ethnographically diverse ways of relating the self to the other.
著者
森満 保 河野 正 平井 卓哉 栗田 壽男
出版者
日本セトロジー研究会
雑誌
日本セトロジー研究 (ISSN:18813445)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.7-12, 2010 (Released:2019-12-04)

2009年3月19日.宮崎県串間市大字大納恋ヶ浦の浜辺に単独座礁死したハナゴンドウ(雄)の、聴器の病理組織所見を報告した。両側鼓室胞内から、クラシカウダ属寄生虫、各十隻前後を採取した。鯨石の脱灰・HE染色による病理組織検査では、内耳炎の所見は無く、ラセン神経節にも著変を認めなかった。しかし内耳道内の蝸牛神経は、道底近辺では略正常であったが、中間部から中枢側まで、高度の変性と崩壊を認めた。また周耳骨周囲の結合組織内に散在する寄生虫卵と、輪切りにされた寄生虫体を認め、更に蝸牛周辺の結合組織内に著明な石灰化巣を認めた。顔面神経は略正常であった。単独上陸死の原因として、クラシカウダの異所寄生(聴器)により、エコーロケーション機能を失ったための採餌不能・飢餓衰弱を推測した。