著者
桂 研一郎 須田 智 戸田 諭補 金丸 拓也 太田 成男 片山 泰朗
出版者
The Japan Stroke Society
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.147-149, 2014

要旨:近年,急性期血栓溶解療法,機械的血栓除去術などにより急性期再灌流療法の進歩は著しい.しかしながらその恩恵を受けられるのは限られた患者であり,依然としてより効果のある脳保護療法の登場がまたれている.我々が今回紹介するのは新しい観点からの脳保護療法の試みである.第一は治療効果が高い脳保護的な蛋白質に,蛋白細胞導入ドメインを融合させることにより,静脈内への1 回投与で神経細胞にまで到達させ脳保護的に働かせる方法である.次に全く新しい方法として,低濃度の水素ガスを吸入させると,脳梗塞体積が減少する結果を報告してきた.水素ガスには軽微なフリーラジカルスカベンジ作用があり,最も毒性の強いhydroxyl radical を選択的に消去することがわかってきている.さらに,すでに臨床で使用されている薬物を脳梗塞急性期治療に応用する方法として,抗てんかん薬であるバルプロ酸の急性期脳保護効果についても紹介する.
著者
岡安 祥夫 片山 正樹 篠原 徹
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.8-12, 1996-01-10 (Released:2009-11-12)
参考文献数
8

工場プラントの運転安定化, 要員極少化の技術課題の一つとして, アミノ酸 (リジン) 精製工程における結晶の色測定への画像処理技術の適用が検討された.これまで結晶溶解液の分光光度計の透過率を人手により測定し監視していたが, 常時分析はできず, オンライン測定方法の導入が望まれていた.本論では分光光度計の原理である光の透過率の式と結晶面における光反射の式との関係を解析し, 画像処理測定値による透過率の推算式を導出した.この推算式の各パラメータを, 画像処理の実験により決定することによって, 推算式により検量誤差 3% の精度で分光光度計の実測透過率を推定できることが確認された.さらにカラー画像処理システムを実プラントに設置し, リジン結晶の色の 24 時間オンライン測定を実施することによって, その実用性の評価がおこなわれた.
著者
片山 直美
出版者
美味技術学会
雑誌
美味技術研究会誌 (ISSN:13481282)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.11, pp.47-51, 2008-01-31 (Released:2010-06-28)
参考文献数
8

ギャバ (GABA: γ-アミノブチリル酸) は古くから哺乳類動物の脳や脊髄に多く含まれ手いることが知られており, 1950年には抽出もされ, 多くの研究がなされてきた。特に中枢神経における制御系の神経伝達物質であることがわかっている。生体内において主に, 脳内の血流を活発にし, 酸素供給量を増やし, 脳細胞の代謝を高めることがわかっているため, イライラや体調不良を防ぐ働きを持っことになる。ギャバは睡眠中の特に深い眠りのときに生成されるため, 睡眠不足の人ではギャバ不足になる可能性がある。睡眠障害や自律神経の失調, 鬱, 更年期障害や老年期の不眠といった症状の改善にも効果が期待できる。さらに血圧を下げる効果, これは腎臓の働きを活発にし, 利尿作用を促すことで血圧を下げるため, 高血圧の予防となる。またアルコール代謝を高めることも肝機能の働きを促す効果があるため期待できる。内臓の働きが活発になるため, 消費エネルギー量を高め, 血中のコレステロールや中性脂肪をコントロールして脂質代謝を促すこともわかってきた。今後糖尿病や肥満の予防に役立つ可能性がある。このように生体に有用であるギャバは, 日本茶や米類について一定の条件を決めて保存することで含量を増加させることができる。また, 大麦, カボチャ, 発酵食品 (チーズ, 味噌, 醤油など), 漬物 (しば漬け, すぐき, キムチ, ぬか漬け), ヨーグルト, 納豆, 粥, スピルリナなどの食品でのギャバ含量を増加させる様々な製造法の研究が進められている。そこで本研究はより多くのギャバを日常生活で取り入れる応用研究を行うために, ギャバを自然富化した米をもちいて, その食味について官能試験を行い, 日常的にギャバ添加米を用いることができるかどうかを検討することにした。無洗白米を基準に, ギャバを富化した無洗白米, ギャバを富化した無洗玄米, 無洗混合ギャバ米 (玄米1対白米2) において(味) (香り) (見た目)の官能試験を10点満点で行った結果, 白米 (8.2, 8.0, 8.3), 白米ギャバ (7.5, 8.7, 7.5), 玄米ギャバ (5.0, 3.5, 6.7), 混合ギャバ (6.8, 4.3, 6.3) となり, 白米ギャバの場合においては, ほぼ白米と同じ評価を得ることができた。今後日常的に取り巻く外的ストレス環境に打ち勝って, 精神的安定を保ち短時間であっても十分な睡眠と体の回復を行うために, ギャバを自然富化した米を日常生活に取り入れることは有用であると考える。
著者
平塚 祥子 熊野 宏昭 片山 潤 岸川 幸生 菱沼 隆則 山内 祐一 水柿 道直
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.120, no.2, pp.224-229, 2000-02-01
被引用文献数
1

The failure of patients to comply with treatment regimens recommended by their physicians is a significant clinical problem. Researches on the assessment of compliance have, however, been precluded by methodological difficulties such as lack of adequate measures. The purpose of this study was to develop a self-administered questionnaire to evaluate drug compliance. First, questionnaire containing a 52-items complied by two doctors, a pharmacist and a nurse, was tested on 81 outpatients, all volunteers, attending the departments of psychosomatic medicine and internal medicine. Four items were temporarily removed for later analysis because they directly inquired about drug compliance (drug compliance items). The other 48 items were analyzed and three factors consisting of 26 items were further studied : expectation on taking medicine, rejection to taking medicine and seeking knowledge of drugs. Chronback's alpha coefficients representing internal consistency of the three factors were sufficiently high (ranging from .75 to .84). Furthermore, we preformed a simplified pill count to validate the 4 drug compliance items. There was a weak to moderate correlation between the result of pill count and each of 4 drug compliance items. A new self-administered questionnaire of 30 items was thus developed and named the Drug Compliance Scale.
著者
中尾 敬 光元 麻世 片山 香 宮谷 真人
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.7, pp.11-18, 2007

本研究では、職業選択時に記録される競合関連陰性電位(conflict related negativity, CRN)様成分が実際に競合を反映しているのかどうかを検討した。職業選択課題(例: どちらの職に就きますか? 「ダンサー、化学者」)、競合あり課題(例:有意味語はどちらですか? 「大学教授、大営教援」)、競合なし課題(例: 有意味語はどちらですか? 「たこ焼き屋、*****」)時の脳波を記録し、 CRN様成分を比較した。その結果、全ての条件においてCRN様成分が認められ、職業選択課題時の振幅が競合なし課題時の振幅よりも大きかった。また、CRN様成分の電源推定を行ったところ、職業選択課題時と競合あり課題時のCRN様成分の電源は共に補足運動野であった。このことから、職業選択時のCRN様成分は補足運動野における競合の解消過程を反映している可能性が示唆された。今後の研究で必要な条件設定について考察した。
著者
片山 直美 山口 貴代 大島 加奈子 小野田 さつき 古山 直美 冨永 美知穂 田中 理恵 瀬古 友美 住田 実穂
出版者
Japanese Society of Taste Technology
雑誌
美味技術研究会誌 (ISSN:13481282)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.9, pp.39-47, 2007

2015年には団塊の世代がすべて65歳を超えて4人に1人が高齢者という, 文字通りの超高齢社会を迎えるわが国において, 加齢に伴う身体機能の低下のため, 栄養不足や誤嚥性肺炎などの原因となる嚥下機能低下による摂食障害は大きな問題として取り上げられることが推測される。そこで本研究は現在市販されている嚥下食品に対して, 「見た目」や「香り」などの主観的な要素と「飲み込みやすさ」などの客観的な要素を取り入れて評価を行うことで, より良い嚥下食の開発に役立てることを目的とした。被験者として健康成人16名(20.4±0.51才, 女性:名古屋女子大学家政学部食物栄養学科学生)を用いて, 嚥下食品(全176品目)に対して評価した。方法は, 被験者に「見た目」「味」「香り」「のど越し」「舌触り」に対してそれぞれの食品を食べた後, 10段階評価を行なわせた。結果, 冷たくてのど越しの良い「ゼリー類」に高い評価が下された。また「煮こごり」「カレー」「シチュー」など香辛料を用いたさまざまな食品が選ばれ, 香りや見た目に違和感のない食品に対する評価が高かった。今後, 作成される嚥下食において「香り」と「見た目」の一致は重要で, さらに「香辛料」を用いて食欲をそそる調理方法が必要である。また盛り付けに対する配慮が必要である。
著者
渡邉 俊平 片山 統裕 辛島 彰洋 田中 徹 虫明 元 中尾 光之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.113, no.314, pp.13-18, 2013-11-15

本研究では,脳への電極埋め込み手術中に観測される細胞外電位信号と電極の位置情報を統合し,脳内の構造と状態の時間的変化を可視化する手法(脳内LFPマッピング)を提案する.この手法では,コンピュータ制御された電動マニピュレータで位置決めされたシリコン製多点リニア電極で細胞外電位信号を記録し,各記録点の多細胞活動及び局所フィールド電位の時空間ダイナミクスを解析する.その結果を時間及び空間を軸とする平面上にマッピングする.本手法をウレタン麻酔下のマウスの大脳に提案法を適用することにより,ニューロン活動,海馬θ波,γ波,シャープ波およびシャープ波リップルの時空間的パターンを視覚化する.これにより,本手法が脳内の構造と状態の時間変化を把握するために有用であることを示す.
著者
片山 正彦
出版者
戦国史研究会
雑誌
戦国史研究 (ISSN:02877449)
巻号頁・発行日
no.53, pp.15-25, 2007-02
著者
山崎 文雄 副島 紀代 目黒 公郎 片山 恒雄
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.507, pp.265-277, 1995-01-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
23
被引用文献数
1 5

釧路沖地震後の釧路市1,000世帯に対し, 日頃の地震対策, 釧路沖地震による家庭での被害やライフラインの停止状況などを尋ねるアンケート調査を実施した. その結果を見ると, 家屋の構造被害が約半数にも上り, 家具の転倒や照明機器の落下・破損が20%を越えるなど, 被害の大きさが明らかになった. また被害発生の比率は傾斜地, 台地, 平坦地の順に大きく, この地震による揺れと地形が関係深いことが示された. ライフラインの停止は, 停電が約半数, 断水が約1/3, ガスの停止が2割強の家庭で発生し, 電話は輻輳状態となった. しかし住民の困惑度は, 停止の有無より継続時間により影響されることが示された. ライフライン停止の許容時間は半日以内という回答が多く, 許容時間は電力, 電話, 水道, ガスの順に短かった.
著者
片山潜 著
出版者
大倉書店
巻号頁・発行日
1898
著者
川合 隆男 鹿又 伸夫 熊田 俊郎 阿久津 昌三 片山 龍太郎
出版者
慶應義塾大学大学院社会学研究科
雑誌
慶応義塾大学大学院社会学研究科紀要 (ISSN:0912456X)
巻号頁・発行日
no.22, pp.p87-95, 1982

研究ノート〔I〕 はしがき〔II〕 P. A. ソローキンの社会移動論(一)〔III〕 P. A. ソローキンの社会移動論(二)〔IV〕 P. A. ソローキンの社会移動論の再検討
著者
片山潜 著
出版者
きんぐすれい館
巻号頁・発行日
1897
著者
片山克武 編
出版者
啓文社
巻号頁・発行日
vol.後集甲号, 1901
著者
片山克武 編
出版者
啓文社
巻号頁・発行日
vol.前集(自明治8年1月至明治12年12月), 1901