著者
西村 豪生 岩佐 絵里子 入江 道生 金子 雅志 福元 健 上田 清志 片山 悦子
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J97-B, no.5, pp.393-406, 2014-05-01

設備コストの低減や運用柔軟化を目的として,セッション制御サーバシステムの仮想化プラットホームへの移行が行われつつある.本環境では,仮想化されたハードウェアリソースをリソースプールとして共有化し,各サーバシステムの要求に応じて動的なリソース割り当てを行う.本論文では,仮想化プラットホーム上のセッション制御サーバシステムを前提とし,リソースプール中のハードウェアリソースを一時的に活用することにより,キャリア網の構成装置に求められる無停止ソフトウェアアップデートを実現する手法を提案する.具体的には,現用のシステムとは独立して更新済みのソフトウェアが動作するシステムを構築し,動的な移行を行うことで冗長性を維持したまま無停止ソフトウェアアップデートを実現する.また,セッション制御アプリケーションがリソースプールや複数世代のシステムを意識することなくソフトウェアアップデートを実施可能とするミドルウェアを提案し,プロトタイプ実装によって提案するソフトウェアアップデート方式がサービスに深刻な影響を与えることなくセッション制御サーバをアップデート可能であることを示した.
著者
神取 秀樹 須藤 雄気 井上 圭一 岩田 達也 片山 耕大 山田 大智
出版者
名古屋工業大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2013-06-28

多くの生体分子は共通の構造をもとに多彩な機能を演出している。本課題で我々は、ロドプシンやフラビンタンパク質などを対象として機能の発見・転換・創成をテーマに柔らかさと機能との関わりを研究した。その結果、内向きプロトンポンプや新規チャネルロドプシン、環状ヌクレオチドを光で分解する酵素ロドプシンなどの発見を報告した。一方、機能転換については、ロドプシンやDNA光回復酵素に対して限られた変異導入により機能転換に成功したが逆方向は成功せず、非対称な機能転換が明らかになった。機能の創成に関しては、光駆動ナトリウムポンプの構造基盤に基づき、カリウムやセシウムをポンプするタンパク質を創成することができた。
著者
片山 圭巳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.116, pp.93-98, 2008-06-20

本研究は英語母語話者と日本語母語話者がどのように音響的差異を使って音声語彙認識をするか、またアクセント知覚をするかを調査した。まず、音声作成プログラム(Sensyn)を使って、日本語の「雨」と「飴」の音声を作成し、二つの音声の基本周波数の差を開始点と終点で8分割し、9段階の音声刺激を作成した。日本語母語話者には日本語「雨」か「飴」を、英語母語話者には英語でアクセントが第一音節にあるか第二音節にあるかを弁別するように指示をした。米国出身の英語母語話者3名と東京地方出身の日本語母語話者3名が、無作為に提示された9段階の刺激音を10回ずつ聞いて弁別をした。
著者
片山 由美
出版者
立正大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013-04-26

本年度は申請にあたって目標に掲げた課題に取り組むにあたり、インド仏教における『法華経』の受容と展開に注目し、昨年度の研究成果を整理しなおして国際学会で発表を行った。『維摩経』と『法華経』の両経典には共通した構造を持つ物語(「法供養」)が見られる。『法華経』「普門品」と『維摩経』「菩薩品」の梵文写本、蔵訳、漢訳に着目し、そこに見られる「法施」の概念が両経典で異なることを指摘した。また神変表現に着目し、両経典が共通のソースを基盤としている可能性を指摘した。『法華経』第14章「安楽行品」の冒頭散文部分、ya khalv esu dharmesv avicarana avikalpanaの解釈について取り上げ、梵文諸写本、蔵訳、漢文と比較しながら検討をした。梵語写本の解釈可能性は一通りではなく、様々な解釈可能性があるが、文脈を考慮すると「avicaraとavikalapana」と解釈するのが適切であると考えられる。また中国の注釈書の解釈も二通りに分かれる。「不分別を行ぜず」と「行ぜず分別せず」という解釈である。前者は慧思の『法華経安楽行義』や天台大師の『妙法蓮華経文句』に見られる。天台大師は慧思の解釈を踏襲し、中道を中心とした理論に当てはめ、「不分別」を「無相」「中道」と置き換え、それにさえも執着しないと解する。後者は吉蔵の『法華義疏』、法雲の『法華経義記』、基の『妙法蓮華経玄賛』にみられる。吉蔵は、「分別せず」の対象として「亦行」と「不行」と分けて解釈する。基は、「行ぜず」「分別せず」に分けて解釈し、その根拠を『般若経』の「無所住に住する=無諸行を行ずる」に求めている。「行ぜしところなし、分別せずところなし」というように、その目的語がないことを、「真際」であらわす。法雲は、両者を2つにわけ、その根拠を「空」に求め、法空を得た時、無分別であるが故に、行ぜざると解釈する。
著者
遠矢 純一郎 片山 智栄
出版者
日経BP社
雑誌
日経メディカル (ISSN:03851699)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.145-151, 2010-03

これまで、在宅医療の業務をITを使って効率化するには、コストや技術の面がネックとなっていた。しかし、スマートフォン「iPhone」の登場によって、安価でスムーズなシステム構築が可能になった。 高齢社会が加速する現代において、ますますその必要性が高まっている「在宅医療」だが、業務を行っていく上で、現場にはまだ次のような課題が残されている。
著者
片山 正樹 Masaki Katayama
雑誌
人文論究 (ISSN:02866773)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.1-11, 1984-09-20
著者
加藤 岳人 七野 滋彦 佐藤 太一郎 秋田 幸彦 河野 弘 梛野 正人 金井 道夫 三浦 由雄 片山 信 山本 英夫
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.735-739, 1983-04-01
被引用文献数
19

鈍的腹部外傷による小腸・腸間膜損傷の病型は,破裂・断裂・挫傷の3型に分類される.腸管の破裂や断裂は遅発性のものを除けば診断は比較的容易で,多くは開腹に至り救命しうる.一方,挫傷は症状も軽微で何らの後遺症も残さず治癒することが多い.しかしまれな合併症として遅発性穿孔や腸狭窄をきたす場合がある.今回われわれは外傷性小腸狭窄を呈した2症例を経験し,術前診断が可能であったので文献的考察を加えて報告する.
著者
角野 由夫 青木 知世 寺谷 尚子 梅村 宗太郎 片山 泰三 五十嵐 麻咲美 関口 玲奈 菊地 悠一郎 鈴木 友里 上本 季更 小林 雅裕 村上 英貴 澤崎 絵理子 土田 恭子 南谷 太一 西口 知久
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.87, no.1, pp.7-17, 2012

Since 1992, geodetic measurements with GPS have been taken in the southern area of the Matsumoto basin, Nagano Prefecture, central Japan. The Matsumoto basin is located on the Itoigawa-Shizuoka Tectonic Line, which has recently been regarded as a plate boundary between the Eurasian plate and the North American plate. The GPS network of Shinshu University, established along the Itoigawa-Shizuoka Tectonic Line, consists of four observation stations: Shinshu University, Muroyama, Nakayama, and Matsumoto City Hall. The observed data were analyzed using broadcast ephemeris and default meteorological values with the double-difference technique. From the present GPS measurements, it was found that, during the period from 1992 to 2010, the distance between Muroyama and Shinshu University̶about 12km in the east-west direction̶contracted 4 cm (4 ppm). Subsequently, during the three years from 2010 to 2012, the temporal change of the baseline length between Muroyama and Shinshu University showed an extension of 4 cm (4 ppm). In particular, the steep change of the baseline length between them showed an extension of 1.5 cm following the massive Tohoku Earthquake, with a magnitude of 9.0 on March 11, 2011. The distance between Nakayama and Shinshu University̶about 6 km in the north-south direction̶extended 1 cm (2 ppm) during the period from 1992 to 2010. Subsequently, in 2011, it contracted 1.5 cm following the Naganoken Chubu Earthquakes, with magnitudes of 5.4 and 5.1, on June 30, 2011, which struck Matsumoto city. Crustal deformation in the southern area of the Matsumoto basin, Nagano Prefecture during the last twenty years, 1992-2012, is reported and discussed in the present study.
著者
片山 知子
出版者
京都大学大学院教育学研究科
雑誌
京都大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13452142)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.241-252, 2009-03-31

Symptoms of physically abused children are shown over a wide area, both physical and mental, including psychological and social disorders. Currently, research and case studies are being carried out on abused children. In this article, the writer focuses attention on the actions and changes in the physical sense of abused children in an interview, and examines one case. The breakdown of the child in this case assumed to be caused by primitive physical sense, and was assumed to cause other psychological disorders. The writer examined such physical sense based on the theory of illusion called primitive physical sense by Didier Anzieu. In this case, the skin sense of the client was internalized and recovered from breakdown based on change in the relationship of two people. Furthermore, with the regaining of physical sense, personal boundaries of the client expanded beyond the two-people relationship and interview room, and to past experiences in his/ her hometown. This became a vessel, sense was reintegrated, feelings could be expressed, and self-reconstruction occurred. In this way, regaining physical sense was considered to be the turning point of this interview and is assumed to be effective when considering interviews of other abused children, as well.
著者
清水 優子 牛島 廣治 北島 正章 片山 浩之 遠矢 幸伸
出版者
Japanese Society for Infection Prevention and Control
雑誌
日本環境感染学会誌 = Japanese journal of environmental infections (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.388-394, 2009-11-25
被引用文献数
3 3

ヒトノロウイルス(HuNoV)は,未だ細胞培養系が確立されていないため,各種消毒薬のHuNoVに対する有効性について十分な知見が得られていない.そこで,HuNoVに形態学的にも遺伝学的にも類似し細胞培養可能なマウスノロウイルス(MNV)を用い,塩素系およびエタノール系消毒薬の不活化効果をTissue Culture Infectious Dose 50% (TCID<sub>50</sub>)法を指標に評価した.次亜塩素酸ナトリウムおよびジクロルイソシアヌル酸ナトリウム(塩素系消毒薬)は,200 ppm, 30秒間の接触でMNVは99.998% (4.8 log<sub>10</sub>)以上不活化して検出限界以下となり,125 ppmの場合でも30秒間で99.99% (4 log<sub>10</sub>)以上の不活化が認められた.70 v/v%エタノール,0.18 w/v%クロルヘキシジングルコン酸塩含有72 v/v%エタノールおよび0.18 w/v%ベンザルコニウム塩化物含有75 v/v%エタノールは,30秒間の接触で検出限界以下までウイルス感染価を低下させた.<br>   本研究で対象とした2種類の塩素系消毒薬は,いずれも終濃度125 ppmで高いMNV不活化効果を示した.また,3種類のエタノール系消毒薬については,エタノール濃度70 v/v%以上で使用すれば,いずれも短時間でMNVの不活化が達成できることが分かった.以上の結果から,これらの市販の消毒薬はHuNoVに対しても高い不活化効果を有することが期待され,ノロウイルス感染症の発生制御および拡大防止の感染対策を目的とした環境用消毒薬として有用であると考えられる.<br>
著者
田中 仁 許 衛東 宮原 曉 山田 康博 堤 一昭 秋田 茂 青野 繁治 片山 剛 三好 恵真子 今泉 秀人 大谷 順子 竹内 俊隆 高橋 慶吉 木村 自 思 沁夫 西村 成雄 丸田 孝志 江 沛 許 育銘 周 太平 李 朝津
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

(1)統合後の大阪大学における現代中国研究の部局横断的プラットフォームとして、中国文化フォーラムを改組した。(2)中国南開大学・台湾東華大学との研究セミナーの共同開催をふまえて、東アジア学校間交流の定例化をめざした。(3)『大阪大学中国文化フォーラム・ディスカッションペーパー』を刊行した。(4) 本研究の成果を、時間軸・社会空間軸・日中関係軸の三部構成とし、各部で歴史学と諸ディシプリンとの対話を提示する『共進化する現代中国研究』としてとりまとめた。
著者
片山 真人 松田 浩 福島 登志夫
出版者
国立天文台
雑誌
国立天文台報 (ISSN:09156321)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.57-67, 2008-10
著者
片山 栄助
出版者
日本昆虫学会
雑誌
昆蟲. ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.1-10, 2004-03-25
参考文献数
23

クズハキリバチの営巣場所と巣の構造について,2002年8月に栃木県黒磯市で採取した巣で調査した.ハキリバチ類の育房では一般に最内側の葉片数枚が,透明な粘着物で緊密に接着されているが,本種では粘着物による接着は認められなかった.しかし葉片の縁をところどころ大顎でかんで,外側の葉片に密着するよう加工していた.特に育房蓋の最内側葉片では周縁部を丹念に加工して,側壁の葉片に強く密着させていた.育房側壁の卵形葉片では,葉表が育房の外側向きと内側向きに使用された葉片が混在していて,一定の傾向は見られなかった.しかし育房蓋の円形葉片では,葉表を内側向きに使用した葉片が明らかに多かった.育房蓋の葉片数は完成巣の最終育房を除くと2〜4(平均3.4)枚で,育房の配列順序に従って増加または減少するという傾向は見られなかった.これに対して完成巣の最終育房では10〜18(平均14.0)枚で,極端に多かった.育房当たり総葉片数は平均49.5枚で,本種の従来の記録に比べてきわめて多かった.本種の営巣場所である樹木の空洞などは,営巣空間の大きさが個々に大きく変異するので,営巣空間を充てんするのに必要な葉片数は事例ごとに変動する.老熟幼虫または繭を含んでいる育房では,蓋の最内側葉片に無数の微小孔が見られた.また,ときどき育房側壁の最内側葉片の上端部付近にも,同様の微小孔が見られた.これらの微小孔は老熟幼虫が大顎で葉片表面をかじることによって作られたと考えられるが,この行動の意味については不明である.
著者
片山 学 大原 利興 村野 健太郎
出版者
公益社団法人大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.200-217, 2004-07-10
被引用文献数
10

地域気象モデルRAMSと結合した物質輸送モデルHYPACTを用いて東アジアにおける硫黄化合物の動態をシミュレートし,1995年7月と12月におけるソース・リセプター関係を定量化することにより,日本列島への沈着量の発生源地域別構成とその季節変動を解析した。本研究で用いたモデルは,従来のソース・リセプター解析用モデルとは異なり,地域気象モデルで計算された時空間分解能の高い気象データを活用することにより物質輸送モデルで必要とする各種の気象パラメータを精緻に与えているところに特徴がある。変質・沈着プロセスを組み込んだHYPACTは国内各地で観測されたSO_2とSO_4^<2->の地上濃度およびSO_4^<2->湿性沈着量を良好に再現する。このモデルを使って東アジアにおけるソース・リセプター関係を解析した結果,日本への硫黄沈着量の発生源地域別寄与率は7月には火山36%,日本28%,中国18%,朝鮮半島12%,12月には中国58%,朝鮮半島17%,日本13%,火山8%となり季節によって大きく変化する。すなわち,7月と12月における日本列島の硫黄沈着を比較すると,7月には火山を含む国内発生源の寄与が64%にも達するのに対して,12月にはその寄与は21%に低下し越境汚染の寄与牢が75%まで増加する。このように7月と12月において発生源地域別寄与率が大きく異なる原因は基本的に風系パターンの違いによって説明できる。また,日本海側と太平洋側の季節別沈着量を比較すると,太平洋側では7月の沈着量が12月の沈着量に比べて3倍程度増加するのに対して,日本海側における12月の沈着量は7月の沈着量に比べて約10%増加する程度である。このため日本全体では,越境大気汚染の寄与が大きな12月よりも火山を含む国内発生源の寄与が増加する7月の方が沈着量が20%程度多くなる。以上のことから,日本での沈着量の季節変動を議論する場合,越境汚染よりもむしろ火山を含む国内発生源影響の季節変動が重要である。
著者
片山 善博 高橋 秀典
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.484, pp.32-35, 2009-11-27

知事に当選する前に鳥取県政を勉強し、当選後は財政改革が重要だと考えていました。当選後に大型事業を精査し、大型の箱もの事業をいくつかやめました。 中止した中部ダムも、精査した事業の一つです。中部ダムの機能は大きくは利水と治水。このうち利水は、地域の状況を考えると要らないのではないかとすぐに判断できた。