著者
片山 一朗
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.6, no.Suppl.9, pp.B1-B5, 2007 (Released:2012-04-18)
参考文献数
21

紫外線療法は難治性のアトピー性皮膚炎の治療法としてヨーロッパを中心に臨床応用されている。本邦ではPUVA療法が,欧米ではUVA-1療法のなどの有効性が報告されており,最近はナローバンドUVBの試みが開始されている。本講演ではアトピー性皮膚炎の病因論から考える光線療法の作用機序として以下のキーワードに関して最近の知見を概説し,紫外線療法の位置付けと今後の展望を考察した。
著者
前田 剛 春山 秀遠 山下 正義 大野 奈穂子 石崎 菜穂 長谷川 一弘 田中 茂男 渋谷 諄 小宮 正道 牧山 康秀 秋元 芳明 平山 晃康 片山 容一
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.7, pp.517-522, 2006-07-20
被引用文献数
4

スポーツによる顎顔面骨骨折は,交通事故,転落・転倒に次いで3番目に多く,10〜20歳代の男性が大多数を占めた.種目では野球/ソフトボールが最も多く,次いで空手,サッカー,ラグビー,ボクシングの順であった.受傷原因は,格闘技においては全例が打撃を含めた対人衝突であったが,球技においても大多数が対人衝突による受傷であった.骨折の好発部位は下顎骨体部であり,多発骨折例では下顎骨体部と対側の角部との骨折が最も多く認められた.スポーツによる頭蓋顎顔面骨骨折の特徴を十分理解したうえで,マウスガードやフェイスガード付ヘルメットなど各種スポーツの特性にあった予防対策の検討を行うことが必要であると考えられた.
著者
片山 佳樹
出版者
九州大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

これまでに開発してきた細胞内キナーゼ応答型の遺伝子転写制御剤を用いて転写制御がDNA鎖の運動性に依存することを証明するために、DNAを蛍光修飾して、その蛍光寿命変化から評価を試みたが、DNA鎖の運動と蛍光寿命のタイムスケールに違いがあり、種々の検討でも評価は困難であった。そこで次に、蛍光偏光解消を利用してDNA鎖の運動性の評価を検討した。DNA鎖を蛍光性インターカレーターで標識し、プロテインキナーゼCの基質をグラフとした高分子型遺伝子制御剤と複合体を形成後、遺伝子の転写が抑制されることを確認してから、蛍光偏光解消を評価した。その結果、遊離のDNA鎖に比較して、高効率に遺伝子転写が抑制される当該複合体においてはその運動性が大きく低下していることが明らかとなった。次いで、この複合体中の基質ペプチドをプロテインキナーゼCでリン酸化して転写が回復するが複合体は崩壊しない時点での蛍光変更解消を評価したところ、確かにDNA鎖の運動性が回復していた。本成果は、遺伝子の転写制御を支配する物理化学的因子を明らかにし、新しい遺伝子転写制御メカニズムを提唱するものである。また、この原理を利用し、複合体内のDNA鎖の運動をさらに効率よく抑制できるように主鎖をポリエチレンイミンとし、さらに疎水基を導入したタイプの制御剤を開発したところ、極めて高効率に遺伝子転写を抑制した。さらに、標的キナーゼであるプロテインキナーゼCαは、がん細胞で特異的に亢進しているため、これをがん細胞に適用したところ、本キナーゼが活性化していない場合に比べ、数百倍という大きな遺伝子発現がみられた。本制御剤は、がん細胞特異的な遺伝子制御剤として、正常細胞での副作用を大きく抑制できる新規な治療デバイスとなることが期待される。
著者
三浦 孝仁 中塚 茂巳 山田 眞佐喜 片山 敬子 株丹 恵子
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

この研究は、障害者のための潜水指導方法を確立することである。その為に、(1)障害者ダイビング指導団体の現状と課題の調査、(2)潜水活動中の神経活動の推定、(3)障害者ダイバーの障害の種類、(4)障害者ダイバーの血圧及び肺機能測定、(5)障害者ダイバーの水中移動・停止のための泳法を水中ビデオにより撮影・画像分析、(6)障害者ダイバーの水面における回転技術、(7)水中におけるバランス確保のためのウエイト取り付け方法について調査・分析を行った。
著者
片山 昭宏 田中 宏一良 押野 隆弘 田村 秀行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.803-811, 1996-05-25
被引用文献数
19

本論文では, 実写画像の立体表示システムにおいて, 観察者の視点移動に伴って, 表示される画像が滑らかに変化する視点追従型立体画像表示方式を提案する. この方式は, 想定できる視点位置の画像をすべて用意し, これを観察者の視点位置に応じて切換表示するという考えに基づいている. しかし, 想定される視点位置すべての画像を得ることは, あらゆる位置にカメラを配置し撮影することとなり困難である. そこで, 本手法ではこの問題を限られた視点位置の実写画像に対して補間・再構成処理し, 任意視点位置の画像を生成することにより解決した. この方式は, 表示デバイスに依存しないので, メガネ式, レンチキュラ式, ホログラフィックステレオグラム式などの多様な3次元画像ディスプレイ方式に適用可能である.
著者
永田 勝秀 片山 幸太郎 東條 秀太郎 佐藤 泰生 松沢 耕介
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.264-272, 2005-06-30 (Released:2014-11-15)
参考文献数
17

We prepared two types of bone defect fillers (BDFs) which were made from a mixture of α-tricalcium phosphate (α-TCP) with chitosan or alginate in solution. A solidifier was added to the mixtures. These solutions were then kneaded to be solidified. The solid substances, named chitosan-BDF and alginate-BDF, were implanted in femurs of guinea pig to study the effects of the BDFs on the processes of bone formation by EPMA. The alginate-BDF was surrounded with growing bone from all directions at 6 months after the operation and seemed to have an affinity to the tissues. However, no degraded or absorbed form of the BDF was observed. In contrast, most of the chitosan-BDF was replaced by growing bone at 6 months. The adjacent part of the BDF to surrounding cortical bone was especially well-absorbed, probably due to being involved in a reabsorption process after ossification. According to the data, both BDFs were shown to have excellent mechanical properties for filling bone defects. Especially, the chitosan-BDF would be useful as bone defect filler because of its induction of ossification and its smooth absorption.
著者
片山 隆 宅間 雅彦 森本 清 中村 征四郎 高島 史男 丸山 剛郎
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.191-196, 1990-02-01 (Released:2010-08-10)
参考文献数
10

In order to evaluate the effect of titanium diameter on reinforcement of titaniumhydroxyapatite implant and calculate the diameter of the implant under loading, stress analysis was performed using the finite element method. In finite element model, 100% or 70% of root length was supported by PMMA in place of bone and the implant was loaded 15 kgf at 45° of the implant axis.The results were obtained as follows, 1. In the case of 100% support, the titanium diameter had little effect on the reinforcement of the implant, whereas in the case of 70% support, it had much effect.2. The diameter of this implant was calculated to be more than 3.7mm under loading.From these results and the view point of manufacturing techniques, the diameter of this implant was supposed to need 4.0mm and that of titanium was to be 2.0mm.
著者
片山 卓也 渡辺 治 佐伯 元司 米崎 直樹
出版者
東京工業大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1986

属性文法にもとづくソフトウェア自動合成システムの講成法についての研究を行った。このようなシステムの構成には、適切な仕様記述言語とそれで書かれた仕様からソフトウェアを生成するためのシステムが存在しなければならないが、本研究では、それらのいずれをも属性文法にもとづく形式的体系で記述しようとしたものである。元来、属性文法はプログラム言語の意味記述のために導入された形式的体系であるが、その本質は木構造上の関数的計算であり、ソフトウェアやその構成プロセス、ソフトウェアオブジェクトベースの記述には有効な形式的体系である。本研究はこのような観点にたって、ソフトウェア自動合成システムの構成に属性文法にもとづく形式的体系を用いようとしたものである。本研究で得られた主な成果は次の通りである。1.属性文法にもとづく階層的関数型言語AGとそのプログラミング環境SAGEシステムの構成、2.階層的関数型ソフトウェアプロセスモデルHFSPの提案とそのSAGEシステム上での実働化、3.オブジェクト指向属性文法OAGの提案とその評価法、およびソフトウェアデータベース記述への応用。言語AGとその環境SAGEについては、言語の仕様決定、SAGEシステムの各構成要素の設計と構成を行ったが、現在SAGEシステムは一般公開が可能な状態になっている。ソフトウェアプロセスモデルHFSPは、属性文法にもとづく階層的関数型計算モデルをソフトウェアプロセスに適用したものであり、いくつかのソフトウェアプロセスの記述およびそのSAGE上でのプロトタイプ実現を通してその有効性を確かめることが出来た。OAGはオブジェクト指向的機構を用いて属性文法に状態や自己改変概念を導入したものである。OAGの形式化、評価法およびオブジェクトベースの代表的局面の記述を通して、OAGの有効性を確認することができた。
著者
香月 亮二 塩山 勉 岩城 智香子 阿部 覚 片山 健二郎 小松 裕太
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2013, 2013

外部電源無しで使用済燃料プールが冷却できるシステムを開発している。システムの一部である放熱器はフィン付管群と煙突で構成され、自然対流により熱を大気に放出する。自然対流による熱伝達率は小さいため、放熱器が大きくなることが問題となる。そこで、コンパクトな放熱器となる管群構成を検討した。管群の縦方向ピッチをパラメータとした試験により、縦方向ピッチがフィン外径の5倍のとき熱伝達率が単管の1.6倍で最大となる結果を得た。また、試験で得た熱伝達率を用いた、煙突内の空気に生じる浮力と抵抗、伝熱のバランス計算により、1本あたりの伝熱量が最大となる段数を評価した。
著者
吉田 忠雄 加藤 正大 大竹 宏直 加藤 健 寺西 正明 片山 直美 中島 務
出版者
Japan Society for Equilibrium Research
雑誌
Equilibrium research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.247-253, 2013-08-01
被引用文献数
3

Development of 3-tesla enhanced magnetic resonance imaging (MRI) provides a tool for the visualization of endolymphatic hydrops (EH). This technique was first developed in animal experiments and adapted in patients with inner ear diseases including Menieres disease (MD). Up to the present, we have demonstrated EH in many MD patients. Recently, we have succeeded in obtaining a 3D-real IR-like image even after intravenous standard-dose gadolinium administration. This type of image was named the HYDROPS (HYbriD of Reversed image Of Positive endolymph Signal and native image of positive perilymph signal). The relationship between unilateral MD and EH has not yet been explored. We studied 76 patients with unilateral MD who were evaluated using MRI. The mean age of the subjects was 53.4 years (range 17 to 80 years). Forty-two were women and 34 were men. Symptomatic and non-symptomatic ears were categorized into 4 groups (healthy, 76; possible, 48; Probable, 13; and definite, 15) based on AAO-HNS definitions. MRI was performed 4 hours after intravenous gadolinium administration. Overall, 152 ears were evaluated. EH in the cochlea was present in 57 of 76 symptomatic ears (73.7%) and 34 of 76 (44.7%) non symptomatic ears. Ears with definite MD had EH more frequently in the cochlea than ears in the healthy ears groups. Furthermore, EH in the vestibule with definite MD was larger than ears in any of the other groups. Our reports showed for the first time that there was Ba relationship between the degrees of EH and the stage of MD. Moreover, in fewer than half of unilateral MD patients EH was seen in the cochlea with non-symptomatic ears. EH in healthy ears may be an indicator of bilateral MD. Using MRI to identify this covert EH in asymptomatic patients may offer the possibility of early detection or prevention of MD.
著者
鈴木 聡 森松 博史 江木 盛時 清水 一好 松崎 孝 佐藤 哲文 片山 浩 森田 潔
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.215-220, 2011-04-01 (Released:2011-10-05)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

術後の発作性心房細動の発生は,ICUや病院滞在日数,医療費の増加につながることが報告されており,その管理は重要である。我々は,食道癌術後に難治性の発作性心房細動を合併し,短時間作用型β1選択的遮断薬である塩酸ランジオロールを使用した7例を経験した。症例は51~87歳で,いずれも男性であった。複数の抗不整脈薬が無効であり,塩酸ランジオロール投与を開始した。初期の急速投与は行わず,4.3~33.5μg/kg/minと低用量の範囲で開始し,投与前と投与1時間後の心拍数は平均153[140, 167][95%信頼区間] /minから101[88, 116] /min(P<0.0001)と有意な低下を認めた。平均血圧は88[78, 94] mmHgから82[74, 89] mmHg(P=0.37)と有意な変化を認めず,重症な低血圧に陥る症例もなかった。6例では投与開始24時間以内に洞調律に回復した。複数の抗不整脈薬に抵抗性の食道癌術後発作性心房細動に対する低用量の塩酸ランジオロール投与は,大きな血圧の低下なく心拍数の安定をもたらした。
著者
南 裕子 神崎 初美 岡本 玲子 大野 かおり 内布 敦子 神原 咲子 片山 貴文 井伊 久美子 新井 香奈子
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

まちの保健室に対する住民のニーズを2つの記述的研究により調査した。ひとつは兵庫県全土で開催されているまちの保健室来訪者を対象としたもので、405人の有効回答者で最も多かった疾患は高血圧(22.8%)、次に糖尿病(9.1%),高脂血症(8.9%),不整脈(1.2%),リウマチ(1.0%)であった。もう一方は地域住民3064人のうち有効回答858人(23.7%)へ認知症に関するまちの保健室のニーズを調査した。認知症の種類や薬物療法について知らないものが、41.2%と57.5%であった。身近に疑いのある人が「いる」は23.6%、認知症について相談してみたいは85.9%であった。また、まちの保健室を新たに立ち上げる準備のため(10項目)、設立のため(10項目)、立ち上げた後の効果的な運営のため(7項目)の立ち上げ運営支援マニュアルを作成した。相談技術を開発するためには、がん専門看護師によるがん患者へのフォーカスグループインタビューを企画し、がん療養相談技術カテゴリーを作成した。また、専門家による口腔ケア支援のモデルを作成した。女性の健康班では、相談機能において後方支援に期待される機能を明らかにするために、ボランティアNsへのインタビューを実施し、結果を基に相談の実態及び困難を支援できるマニュアルを作成した。ボランティア看護師のための教育研修を継続実施している。その効果を測定するため講習会の前後で得点を比較しほぼ全項目で有意に改善していた(p<0.05)。平成18年度129拠点で実施された活動実績報告と教育・研修会班が実施したボランティア看護師へのアンケート・座談会から抽出した質問集に、班で作成した回答を加えWeb上に反映させボNsが簡単に利用できる仕組みとした。看護師がまちの保健室活動を行うにあたっての困難は、「本職が忙しい」「活動に対する上司の理解がない」が主であり、職場での理解が必要であることが分かった。まちの保健室看護師支援を目的とし、Webと携帯サイトにFAQを作成し、記述や閲覧ができるようにした。これは、セミナーグループワークでの発言やWeb上の記述から作成した。