著者
王 彩華 棚橋 英樹 佐藤 雄隆 平湯 秀和 丹羽 義典 山本 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.421, pp.155-160, 2001-11-08
参考文献数
13

本研究では, K2Tで得られた高解像度パノラマレンジデータと全方向ステレオシステム(SOS)で得られた高解像度全方向画像の位置合わせとセンサの相対的な姿勢の推定について考える.本手法はまずそれぞれのパノラマ画像の縦方向のエッジヒストグラムをマッチングし, 2つのセンサーの方位角を合わせる.次に, 各方位角において, それを中心とした90°の視野角を用いて透視射影のエッジ画像を生成し, 横方向のエッジヒストグラムを生成する.これらの横方向のエッジヒストグラムをマッチングすることによってセンサの縦方向の位置と軸の傾きを推定する.実験では, シーンの状況が多少違う画像を用いて, 提案手法の有効性とロバスト性について検証した.
著者
王 篠卉
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.39-51, 2007

本稿は、中国ナショナルチームに所属した男子高飛び込み選手である田亮の「除名事件」を手がかりに、「改革開放」の過渡期にある中国スポーツ選手が従来の「国家的英雄」から「大衆的スター」として社会に受け入れられることを通し、市場経済が引き続き成長する社会背景の下で、「国家」の政治性が漸次的に衰退しつつある中国におけるスポーツ改革の現状が今後どのように変化していくのかについて分析するものである。田亮は「挙国体制」下の中国で育てられたオリンピック金メダリストであり、中国スポーツにおける代表的な「国家的英雄」であった。国家は彼のようなオリンピック金メダリストらを理想的な「中国人」の像として形作り、ナショナルアイデンティティの具現化に役立たせた。一方、「改革開放」政策の進展にしたがって、国家の権力により統制されたスポーツの「挙国体制」に対峙して「スポーツ市場」が成立し、拡大しつつある。経済面でのメリットを図る国家は、田をそこに送り出したが、メディアによって田のイメージが作り直され、「国家的英雄」像に全くそぐわないものとなった。「国家」はこれを理由として田をナショナルチームから除名したが、それにもかかわらず、彼は「大衆的スター」としてスポーツ市場のメカニズムの中で人々に認められるようになった。田の「除名事件」は中国スポーツ改革の軋轢を反映する事件であり、そのうえ、彼が国家から見放された後でも「大衆的スター」として社会に受容されることは、市場経済の影響で進化しつつある社会に対して、「国家」が徐々に支配し得なくなる現状を語っている象徴的な例でもある。このような状況における中国のスポーツ改革は今後いかに改革の方向を調整するか、これについて、本稿は最後に明らかにした。
著者
王 俊義 藍 洲 表 昌佑 サム チンシャン ベイカス トンジュール 高 菁 ラハマン アジイズル 船田 龍平 児島 史秀 原田 博司 加藤 修三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.445, pp.437-442, 2009-02-25

本稿では広帯域ミリ波無線通信システムである60GHz WPAN(wireless personal area network)におけるビームフォーミングを実現するため,ビームコードブックの基礎設計と性能評価を行っている.提案コードブックは,広帯域通信システムにおいて異なる周波数の波長の違いに起因するビームの変移を軽減するために設計され,振幅を変化させず4種類のフェーズシフト(0,90,180,270度)のみで構成され,特に60GHz帯無線通信システムにおいて電力損失を最小化しながら高速,高性能のデータ通信を可能にする.また提案したコードブックはアンテナ構成と独立しているため,単一アンテナ素子,セクタアンテナ,スイッチドアンテナ,および1次元,2次元などの線形アンテナ配列に対応している.本稿では60GHz WPANのような広帯域無線通信システムに対応できるビームコードブックの設計方式を明らかにしている.
著者
王 丹凝 王 政 徐 午
出版者
The Gender History Association of Japan
雑誌
ジェンダー史学 (ISSN:18804357)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.45-56, 2014

要旨中国女性学協会(CSWS)は非営利団体として1989 年以来、中国のジェンダー研究および女性学の発展に積極的に関わってきた。CSWS は世界中の優れた研究者の協力を得て学術的資源を蓄積し、ジェンダー理論、フェミニスト実践および女性開発のフェミニスト批判の議論を中国本土に紹介してきた。またフォード財団やヘンリー・ルース財団など著名な財団による資金援助の下、本土とディアスポラのフェミニスト研究者やアクティビストらの情報交換や相互の学びをサポートしてきた。本論は、トランスナショナル・フェミニズムの枠組みを通じてCSWS の経験を理解し、その歩みを振り返る。第一に、国家の関心事がいかにグローバルおよびトランスナショナルな性質を持つのかを考察する。第二に、国境横断的な経験がいかにディアスポラと本土の中国人フェミニストたちのアイデンティティの一部を構成するようになったかを論じる。第三に、最も重要な課題として、ローカルな利益とグローバルな重要性の両方を備えた社会活動・社会運動としてのCSWS の経験がいかに重要な国際的協働の事例であるかを検討する。「大きな出来事や変化過程は本質として確かにトランスナショナルであるが、それらは特定のローカル/ナショナルな文脈を介した方法で知覚され、経験され、交渉される。」リーラ· フェルナンデスディアスポラの中国フェミニストの活動に20 年以上参与し観察してきた者として、この紙面を借りて、独自性のあるトランスナショナルな女性組織、中国女性学協会(Chinese Society forWomen's Studies / CSWS)の発展の歴史を振り返ってみたい。このように批判的に回顧することで、中国と世界のフェミニズムをさらに発展させるための道筋を模索できればと願っている。言い換えれば、この願いはローカルな特有性をそなえつつ、明らかにトランスナショナルな展望をもっている。私たちの分析のレンズのほとんどは中国製ではない。さらに、私たちが批判的な検証を行う対象は、国境によって規定されるものではない。このことはすでにグローバル時代の特徴を示しているといえよう。つまり、私たちはローカルとグローバルな文脈の両方に同時的に属している。グローバルな趨勢というものは多様な地点を横断し、まったく同じかたちで経験されることはないのだが、私たちディアスポラのようにトランスナショナルな媒介者たちは、明らかに類似した現象をグローバルに共有することができる。
著者
張 寓杰 寺井 あすか 董 媛 王 月 中川 正宣
出版者
Japanese Cognitive Science Society
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.439-469, 2013

This study, at first, constructs a computational model of inductive reasoning based<br> on the probabilistic concept structure estimated by the statistical analysis of large scale<br> Chinese language data. In order to examine the efficiency of the model, which has al-<br>ready been certified about the Japanese language (Sakamoto & Nakagawa 2008, 2010),<br>the study verifies the validity of the model using the psychological experiment. The<br> new computational model of inductive reasoning is constructed based on the statistical<br> analysis of extended Japanese language data, including not only the news paper articles<br> but also literature. The validity of the model is then verified using the psychological<br> experiment.<br> Furthermore, from the comparison between simulation results of both models, the<br> study examines the hypothesis that the inductive reasoning process does not necessar-<br>ily depend on the individual language system. Finally, through the detailed comparison<br> between the results of both models, the commonality and difference between both cul-<br>tures and social systems hidden in the back of both languages is discussed.
著者
明仁親王
出版者
日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.93-114, 1969-12-20 (Released:2010-06-28)
参考文献数
34

In order to establish a firmer classification of gobies, certain characters (listed in the title) were examined.The gobies studied were arranged in four groups on the basis of three featurs (Table2), namely, the presence or absence of the mesopterygoid and of the upper postcleithrum, and the number of branchiostegals.These characters were thought to be more reliable than the other four that were investigated-namely, the pelvic fins, scapula, lower postcleithrum, and suborbitals-because of individual variations in the latter at the intraspecific level and interspecific variations among related species.The characters of the four groups are shown in table2.Group 1 is thought to be the least specialized, because of minimal reduction of bones and the completely separated pelvic fins with a spine and five branched soft rays (except Percottus glehni).In many of the included species the enclosing scapula type, and in two of them a suborbital, were present.Groups 2 and 3 are intermediate between groups 1 and 4 from the point of view of these characters.Group 4 is regarded as the most specialized because of the greatest loss of bones.None of the members of this group (except one among threespecimens of Eleotriodes longipinnis and one among sixteen specimens of E.strigatus) displayed completely separated pelvic fins with five branched soft rays, and none had the enclosing scapula.Instead, the membrane uniting the pelvic fins, the pelvic frenum, fewer pelvic soft rays, and the blotched scapula or no scapula were found.Although group 4 seems capable of being divided, it is left undivided in this study because of the characters used.Owing to the limited number of species and characters examined here it is impossible to know more than that these four groups show four levels of specialization.
著者
王 治文 張 〓 外里 冨佐江 飛松 好子 岩谷 力
出版者
東北文化学園大学
雑誌
リハビリテーション科学 : 東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科紀要 (ISSN:13497197)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.13-22, 2007-03

社会的不利は障害を受けた個人が従来の役割を果すことに制限を受けることと考えられる.社会的不利の測定が重要であるにも関わらず,台湾では信頼性と妥当性が確認された尺度はない.この研究の目的は広く用いられる社会的不利の尺度Craig Handicap Assessment and Reporting Technique-Short Form (CHART-SF)の信頼性を繰り返してストにより検証することである.我々はCHARTの原作者の許可を得,CHART-SFとその採点法を中国語に翻訳し逆翻訳と確認作業を行った.信頼性の検証は再テスト法を用い,21名の脊髄損傷者に電話インタビューで行われた.分析はピアソンの積率相関係数と対応のあるt検定を使用した.結果では,社会統合領域以外CHART-SFのすべての領域において1回目と2回目のテスト間の相関係数は0.80以上であり,すべての項目回答において有意な相関があり有意な差はなかった.この結果からCHART-SF中国語版は社会的不利を測定するための信頼できる尺度であることを検証した.