著者
王 晋民 宮本 聡介 今野 裕之 岡本 浩一
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.268-277, 2003 (Released:2009-08-19)
参考文献数
23
被引用文献数
4 5

内部告発は組織における不正行為を暴露して制止させるだけではなく,新たな不正行為を抑止する効果がある.内部告発は内部告発者本人の動機付けと第3者の内部告発に対する許容度の2つ側面がある.前者は潜在的な告発者の告発行動を起こす意向で,後者は,社会や組織構成員の内部告発・内部告発者に対する態度からの影響である.適切な内部告発を推進する環境や内部告発に関する効果的な教育プログラムを作るために,本研究は内部告発行動や内部告発及び告発者に対する態度に対する個人特性・組織特性の影響について社会調査で調べ,その結果に基づいて社会心理学の視点から内部告発に関する制度や教育プログラムに対する提案を試み,内部告発に関する社会心理学研究の役割と方向について検討した.
著者
王 飛雪 中山 徹
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.273, 2014 (Released:2014-07-10)

目的 2009年8月に台湾を襲った台風第8号(Marakot)による集中豪雨により、各地に甚大な被害が発生した。特に最も深刻な被害を受けた高雄市甲仙区にある集落の小林村では、大規模な深層崩壊による村全体が壊滅し、400人以上の犠牲者が出たことで、Marakot台風災害で犠牲者が最も多いところとなった。災害後、台湾政府が主導して、災害地の復興に力に入れたが、小林村について、行政院と住民の座談会によって、三箇所基地に分散する小林社区を再建することになった。本稿では、2013年5月に現地訪問を行い、深層崩壊による村の災害情況を把握し、小林村の復興に関する情況を検討する。方法 高雄市政府及び行政院再建委員会に訪れ、深層崩壊による村の情況把握及び小林村の復興情報をヒアリングして、資料収集を行った。その上に、元小林村の災害地及び再建後の小林社区に訪れ、現地でのヒアリング調査を行った。結果 本研究では、深層崩壊による元村の情況、三基地の復興情報を把握した。さらに、再建地区に産業発展のケースとされる永齢有機農業園区を考察した。現在の小林村は杉林区大愛園区小愛社区、甲仙区五里埔小林社区及び杉林区日光小林社区の三個所基地に分散されて、共通している特徴を持っているが、それぞれの独自性も持っている。三基地の共通点は、単一民族の平埔族の小型社区なので、互いに共通な認識度は高く、平埔族文化の継続と故郷への思いが強いことである。
著者
大塚 康夫 王 野 庄司 一夫
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

本研究では、二酸化炭素を酸化剤として用いて、天然ガスの主成分であるメタンを、エタンならびにその二次的分解生成物であるエチレンに、低温で選択的に直接転換する方法の開発を目指した。さまざまなランタナイド酸化物を触媒とし、固定床石英製反応器中でCH_4とCO_2の反応を行ったところ、プラセオジムやテルビウムの酸化物上では、CH_4からC_2H_6への選択的変換が450〜650℃の低温で極めて速やかに進行することを見いだした。W/Fの増加にともない、C_2H_6収率は増大し最大で8C-mol%に達したが、触媒活性はいずれも反応時間の経過とともに緩やかに低下した。これらの酸化物は上記の反応温度域では容易に酸素を放出するので、その過程で生成した格子欠陥が反応に関与しているものと推論される。次ぎに、耐久性のある高性能複合触媒の開発を目的として、酸化還元能を持つCe、Cr、またはMnの酸化物粉末を、塩基性のCaOを与えるCa硝酸塩水溶液に含浸して焼成したところ、いずれの二元系酸化物触媒も、C_2生成に対して相乗効果を示すことを見いだした。C_2炭化水素の選択率と収率はともにCO_2分圧の上昇に従い増加し、前者は70kPaの分圧で65〜75%に達した。これらの3種の触媒は、ガス流通時間が8〜10hにおいても、安定な性能を示した。TPD、XRD、XPSを用いる触媒解析の結果より、CO_2はまずCa^<2+>サイトに吸着し、吸着CO_2は隣接するCe^<3+>、Cr^<3+>またはMn^<2+>のサイトで活性化されて表面酸素種を与え、この化学種がC_2炭化水素の選択的生成の酸化剤として機能することが明らかとなった。本研究で得られた成果は、多量のCO_2を含む低品位天然ガスの直接転換利用プロセスの発展に貢献するものと期待される。
著者
山口 梓 高橋 央 王 宗洋 今井 由美 野々村 美宗
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.87, no.6, pp.192-196, 2014-06-20 (Released:2014-09-20)
参考文献数
16
被引用文献数
4

ヒト指の力学的特性と表面形状を模した接触子を用いて,五つの化粧用スポンジの摩擦評価を行い,触感との関係を解析した。被験者が指でスポンジに触れたときには,さらさら・ふわふわ・すべすべしていて,ざらざらしていないスポンジが好まれた。さらに,これらの触覚はスポンジの摩擦・力学特性とセルの形態によって支配されていることが明らかになった。これらの成果は,化粧用スポンジを設計・開発するうえで有用である。
著者
王 彩華 坂上 勝彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.81, no.8, pp.1885-1894, 1998-08-25
被引用文献数
10

ステレオマッチングの信頼性と精度を向上するために, モーションステレオによって3次元物体形状を獲得する手法を提案する.本手法では, 2枚のステレオ画像のほかに, 物体を少しだけ動かして撮影したもう2枚のステレオの画像(合計4枚)を使う.まず, 4枚の画像から求められるステレオマッチングとオプティカルフローを, 背景が静止で物体が剛体である条件のもとで統合し4枚の画像間の対応を求める.ステレオ情報とモーション情報を同時に使うことによって, 従来のステレオ手法より信頼性の高いマッチングが得られる.更に, 4枚の画像の間の対応をアクティブネットで表し, 各ネットの内部ひずみ, 画像間の適合性, 視差と動きの整合性, 局所剛体性によって定義されているネットのエネルギー汎関数を最小化することによって, 4枚の画像の間の最適マッチングを求める.また, 剛体性のある動き領域(物体)を抽出し, 3次元物体形状を獲得することができる.いくつかの画像での実験結果はこの手法の有効性を示している.
著者
王 欣
出版者
同志社大学
雑誌
同志社国文学 (ISSN:03898717)
巻号頁・発行日
vol.73, pp.60-72, 2010-12

本稿ではまず、物語の展開にしたがい、『世間狙』三之巻三の宇治江が僧と問答する場面を考察し、この場面の宇治江の造形が、『七小町』五段目のお蘭の方の造形と一致することが解明された。つぎに、宇治江の一夜孕みの趣向を検討し、この場面の宇治江の造形が、『七小町』四段目のお蘭の方の造形と最も強い関連性を持つことがわかった。よって、『世間狙』三之巻三の宇治江の造形と、『七小町』のお蘭の方の造形との関連性が一番強く表れていることが明らかになった。本文从与僧人的问答以及一夜怀胎这两个情节设定着手,对《世间猴》三卷三中宇治江的人物造形进行了分析,从而发现《世间猴》三卷三中宇治江的人物造形和木偶戏《七小町》中阿兰的造形具有极强的关联性。
著者
姚 慧頴 張 萠蓉 安 宗超 王 星宇 鐘 杰夫 王 沙莉
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.456-462, 1998

嗅覚識別テストすなわち、University of Pennsylvania Smell Idenitification Test (UPSIT) 国際版を北京人嗅覚正常者100名に実施した。方法は嗅素を10-20μmマイクロカプセル紙、各紙に4つの嗅素を仕込んである。嗅素を選択する"scratch and sniff 法"、"forced choice法"で回答を選択させる。以下に示す結果が得られた。1. UPSIT の平均正答率は、20問に対して北京人では年代層により有意の差が認められた。2. 年代層別では60歳代より正答率の低下が分析された。3. 各ニオイの正答における順位では、北京人、日本人、米国人の環境、文化の違いに留意すべきであろう。今後は、北京人に匂い文化の発達を考えると、現在の嗅素をそのまま用いる事には幾らか問題がある。中国人に馴染みの嗅素、例えば納豆、豚饅、ギョウザ、中国酒などを含めた嗅素組み合わせによるSITを開発する必要がある。
著者
近藤 公夫 王 敏 日色 真帆 三上 晴久 廣川 美子 川村 政美
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1995

日本の文化史に1000年前の金色堂に見られる黄金よりも、500年前の銀閣に銀をもって蔽った漆のたたずまいを好ましいかに思う今日の心象、その心象が形成された風景の源流を三内丸山以来の伝統に考えるのは是か非か。あえて日本の赤をめぐる景観の源流として三内丸山の風景をとりあげ、そこに出土した赤漆の色に「日本の赤と中国の赤」に関する調査研究の拡大と深化に係わる発展的な端緒を求めたいと考える。おそらく今日の科学をもってすれば什器に見られる彩文の赤漆について、あるいは同様に出土している黒漆などに関しても、その原色を解明して三内丸山の文化に迫る可能性は考えられよう。そこから四季の自然に恵まれ秋季の紅葉があざやかな東北日本にあって、今も日本民族の心象に伝わる縄文文化に投影された赤の風景を、その植生に見られる景観の変化から考え得るとも思われる。さらには重ねて司馬遼太郎氏がこの地を北のまほろばと記した秋色を思えば、日本の赤についての源流を縄文時代の赤漆と山野の紅葉から妄想した次第について、ひとつの心象的な風景へと思いを致さざる得ない。4000年前以上もの太古に三内丸山社会が見せた情景、遠近の人々を集めた祭祀のにわに赤が演じた風景とは何であったのか。それは後世の神前に舞う乙女達の白衣紅裳とは果たして連なるものか、あるいは東アジア文化に如何なる位置を占め、それは如何なる変遷を経て今日の伝統文化と結ばれ得るのか。それは自然科学から考古学そして歴史学から文化人類学、それぞれの検討を総合した上に新しい展開を今後に期待させる課題に連なるであろう。
著者
王 鋒 佐川 貢一 猪岡 光
出版者
日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.191-200, 2000-08-15
被引用文献数
9
著者
王 鋒 佐川 貢一 石原 正 猪岡 光
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. D, 産業応用部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. D, A publication of Industry Applications Society (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.122, no.7, pp.730-735, 2002-07-01
被引用文献数
9 11 5

This paper describes the development of a driver assistance system for improving passenger ride comfort of automobiles. Based on results of psychophysical experiments of subjective ride comfort evaluation, a linear multiple regression model that evaluates the ride discomfort index (RDI) is proposed using longitudinal acceleration and jerk of the automobile as explanatory variables. In order to reduce the ride discomfort caused by the velocity fluctuation of an automobile, a microcomputer-based driver assistance system that evaluates the RDI and informs the driver of the RDI in real time by both visual and auditory means is developed. Experiments show that, with the help of the system, a driver can improve his/her driving skills and modify his/her driving behavior to provide passenger-friendly maneuvers and improve passenger ride comfort, thus verify the usefulness of the proposed driver assistance system.
著者
川井 啓市 劉 輝雄 施 壽全 楊 國郷 翁 昭紋 林 肇堂 王 正一 王 徳宏 渡辺 能行 山口 俊晴 土橋 康成 高橋 俊雄 CHUAN Shin-Shou YANG Kuo-Ching MIN Weng-Chao LIN Jaw-Town WANG Cheng-Yi WANG Teh-Hong LIU Hui-Hsiung 青池 晟
出版者
京都府立医科大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1991

十二指腸潰瘍が胃潰瘍よりも多く,かつ胃瘍が少ない沖繩県に隣接する台湾でも十二指潰腸瘍が胃潰瘍より多いといわれており,台湾における胃癌や大腸癌の実態を明かにし,その発生要因を検討するのが本研究の目的である。記述疫学的に死亡統計をみてみると,台湾では,男で胃癌の漸減傾向,直腸癌と結腸癌の増加傾向が,女で胃癌の減少傾向,結腸癌の漸減傾向,直腸癌の漸増傾向がみられたのに対して,日本では男で台湾と同様の推移が,女で胃癌が減少傾向,直腸癌が漸減傾向,結腸癌が増加傾向を示していた。また,日本では結腸癌の増加傾向が著しいが,台湾では過去15年間に一貫して結腸癌の方が直腸癌よりも高率であり,いわゆる欧米的なパターンを呈していたことが強調される。臨床統計として台湾大学医学院内科において1992年1年間に診断したすべての胃癌患者は男52例,女30例,合計82例であった。同様に大腸癌は男22例,女18例,合計40例であった。大腸癌の部位は結腸癌23例(男11例,女12例),直腸癌17例(男11例,女6例)と,男では結腸癌と直腸癌は同数であったが,女と合計では結腸癌の方が多かった。1990年1年間の京都府立医大・第一外学教室で新たに診療したすべての胃癌患者は男73例,女38例,合計111例であった。同様に大腸癌は男20例,女13例,合計33例であった。その部位は結腸癌15例(男8例,女7例),直腸癌18例(男12例,女6例)で,直腸癌の方が多かった。台湾におけるこれらの胃癌の組織型をみてみると,well differentiated adenocarcinoma10%,moderate differentiated adenocarcinoma15%,poorly differentiated adenocarcinoma45%,signet ring cell carcioma11%,その他9%不明11%であった。同様に台湾の大腸癌の組織型は,well differentiated adenocarcinoma 5%,moderate differentiated adenocarcinoma48%,poorly differentiated adenocarcinoma3%,詳細不明のadenocarcinoma38%,その他8%であった。このような組織型はわが国における実験と大差なかった。1991年12月より台湾大学医学院内科他3施設において内視鏡検査受診者に対するライフスタイルなどの調査を開始した。1993年1月末現在で上部消化管内視鏡検査受診者7856人と大腸内視鏡検査受診者589人分の資料を収集した。最終的に胃癌患者は約100例,大腸癌患者は約50例になる予定である。このうち,既に整理の終わった胃癌患者30例と大腸癌患者24例の資料を用いて分析疫学の症例・対照研究の手法で台湾における胃癌と大腸癌のリスク・ファクターの検討を行った。解析に用いた胃癌症例は男18例,女12例,合計30例である。対照は上部消化管内視鏡検査で著変なかった男47例,女156例,合計203例である。これらの対象の既往歴,癌の家族歴,飲酒,喫煙及び食餌習慣について性・年齢階級の絞絡を補正するためにMantel-Haenzel法によって各要因単独の暴露ありのオッズ比を求めた。その結果,統計学的に10%以上の有意水準で有意であった要因について,相互の絞絡を補正するために多変量解析のunconditional logistic regression analysisを用いて解析した。高血圧の既往があることとのオッズ比は0.02であり,香辛料を週に2-3回以上摂取することのオッズ比は0.07でともに有意に胃癌のリスを下げていた。同様に大腸癌症例男13例,女11例,合計24例と大腸内視鏡検査で著変なかった対照の男47例,女60例,合計107例について単独の要因について解析した。牛肉を週を1-2回以上摂取することは有意に大腸癌のリスクを0.30に下げ,塩からい食品を毎日摂取することは有意に大腸癌のリスク3.52倍高めていた。なお,大腸癌については少数例であり多変量解析は行えなかった。この結果の評価については,最終的に収集できた全胃癌症例と大腸癌症例を用いて行う予定である。また,背景の遺伝子の解析としてPGC RFLPパターンは台湾の胃潰瘍では前庭部と他部位で異なっていた。
著者
王 駿キ 佐藤 栄一 延原 肇
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

本稿では、データ圧縮技術をテキスト分類に使用することによりテキストの言語に依存しない話題分類を実現し、短文投稿サイトTwitterに投稿されている複数の言語のTweetの分類を行う。また、圧縮の代わりにTweet文字列のエントロピーを用いた場合についても評価し、それぞれの手法の分類精度の比較を行った。

1 0 0 0 汉缅大词典

著者
王子崇编
出版者
云南教育出版社
巻号頁・発行日
1987
著者
王 昭武 オウ ショウブ Wang Zhaowu
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.285-374, 2009-03-31

研究ノート(Note)中止未遂の成立要件として、いかなる場合に任意性があるかという任意性の判断基準について 、様々な学説が主張され、まさに「中止犯解釈の最大の争点」でもある。本稿は、従来の判例と学説を詳細に分析したうえ、減免根拠と判断基準との整合性を保つべきであるという観点から、「新しい限定主観説を基本とする折衷説」を提唱する。具体的には、まず、ここにいう任意性は、単に行為者の自発的意思であるというだけでは足りず、中止未遂の法的趣旨の実現に寄与し、違法性または責任の減少を根拠づけられる法的意味での任意性でなければならないから、行為者が悪かったと思ってやめたという程度の「法敵対的意思の放棄」、「法益侵害回避意思」が必要である。さらに、「新しい限定主観説」に一定の限定を加える必要があり、それは、社会一般人の目から見て、「行為者本人の属する類型人」ならばその状況下で「やろうと思えばできた」と思ったであろうという程度の客観性に根拠づけられる必要もある。
著者
山口 徹 棚橋 訓 吉田 俊爾 朽木 量 深山 直子 佐藤 孝雄 王 在〓 下田 健太郎 小林 竜太
出版者
慶應義塾大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2008

今みる景観を自然の営力と人間の営為の絡み合いの歴史的産物と位置づけ、オセアニア環礁(低い島)と八重山諸島石垣島(高い島)のホーリスティックな景観史を、ジオ考古学、形質人類学、歴史人類学、文化人類学の諸学の協働によって明らかにし、その中で人とサンゴ(礁)のかかわり合いを遠い過去から現在まで見とおした。立場や系譜が必ずしも同じではない人々のあいだに、サンゴ(礁)とのこれからの「共存」のあり方への共通関心を喚起する目的で、研究成果を活用したアウトリーチに積極的に取り組んだ。