著者
倉爪 亮 米田 完 田中 俊太郎 玉木 達也 太田 祐介 長谷川 勉
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.21, no.7, pp.811-818, 2003-10-15
参考文献数
26
被引用文献数
4 1

From 1970's, legged robots have attracted much attention of many researchers. In spite of this, it has been regarded that dynamically stable walking is very difficult to be tackled for any types of legged robots. For a trot gait for quadruped walking robots, we have proposed "the sway compensation trajectory". This method utilizes a lateral, longitudinal, and vertical motion of a robot body to keep a zero moment point (ZMP) on a diagonal line between support legs. In this paper, we develop the sway compensation trajectory for a biped robot, and show that dynamically stable walking is realized. This method makes it quite easy to design stable ZMP and COG (center of gravity) trajectories, which have been regarded as a very complicated and delicate problem. The effectiveness of the proposed method is verified through computer simulations and walking experiments by a humanoid robot HOAP-1, and YANBO-3.
著者
田中 俊男
出版者
島根大学教育学部
雑誌
島根大学教育学部紀要. 教育科学, 人文・社会科学, 自然科学 (ISSN:18808581)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.94-85, 2015-02

本稿では、小学校における長期安定教材であり、国民的童話文学とも言うべき新美南吉「ごんぎつね」を取り上げる。「ごんぎつね」本文の問題に触れた後、第一、二章では教科書と「赤い鳥」という二つの場を想定し、きつねが活躍する他の物語群との相関で「ごんぎつね」をとらえる。第三章では「ごんぎつね」のテキスト分析を試みる。まず情報伝達という観点から反復・反省と遅れの操作を見る。次に「鶴の恩返し」や南吉の他の初期作との共通点を述べ、南吉の作劇術を考察する。
著者
吉川 敏子 吉川 真司 小山田 宏一 鷺森 浩幸 田中 俊明 坂井 秀弥 藤本 悠
出版者
奈良大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

2019年度は3年間の補助事業の2年目として、昨年度の成果を踏まえ、概ね4つの方面での成果を得た。まず1つめは、当初より予定していた朝鮮半島の牧の故地を巡見し、韓国の研究者と交流したことである。韓国における古代牧の研究自体がまだ始まったばかりであり、今後、国際的な視野を広げつつ本研究課題を継続的に行っていく上での課題を得た。2つめは、平安時代の勅旨牧設置4カ国のうち、信濃国と上野国の古代牧推定地を巡見し、昨年度巡見した甲斐国との比較検討ができたことである。上野の場合は、榛名山噴火の火山灰降下により、通常は遺らない古墳時代の地表面の人為的痕跡が調査されてきたが、現地に立ち、地形を実見しながら牧の景観復元について学べたことは、これを畿内の古代牧に置き換えて検討する際に、両地域の相違点も含めて大いに参考となるとの手応えを得た。また、信濃国望月牧では実際に土塁の痕跡を地表にとどめており、具体的に畿内牧の故地を検討する際には、地中に埋もれたものも含め、留意すべき遺構であることを注意喚起された。3つめは、昨年度に続き、個別具体的な畿内の古代牧についての検討を進められたことである。年度中に、研究代表者による河内国辛嶋牧、研究協力者である山中章による大和国広瀬牧・伊賀国薦生牧についての研究論文を発表し、本年度の研究会において報告と検討を行った摂津国鳥養牧、同垂水牧、河内国楠葉についても、近年中に成果を公表できると考えている。4つめは、本年度より、古代の馬を研究する考古学のグループとの情報交換を積極的に行える関係を築いたことである。本科研補助事業の研究は、現在のところ文献史学と地理学に比重がかかっているが、考古学を基軸とする研究会との研究協力により、古代の牧と馬の双方向から、古代社会における馬の生産と利用の具体相の解明を加速させられると考える。
著者
田中 俊宏
出版者
経営史学会
雑誌
経営史学 (ISSN:03869113)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.31-53, 1979-10-10 (Released:2009-11-06)

French railway industry had the first boom years in the Monarchie de Juillet. But it is worthy to mention that in this period english capitalists also were interested in french railway construction and its exploitation. Their capital invested in french railway companies amounted to one-third of the total stock capital. Sometimes the french co-operated with the english and sometimes the french intended to exclude the english from the management of railway company. The object of this paper is to analize this english impact-french response relation. Firstly, the author extracts five main 'groups' which existed among french interests and english interests; the Laffitte & Blount group, the London Merchant Bankers group, the Haute banquiers group, the Talabot group and the Paris-Orléans group. Secondly, the author intends to clear the characteristics and behavior-pattern of each group. Thirdly, the author analizes which group acquired the predominant position in the board of directors. In the beginning, the board of directors ordinarily was composed of members of many different groups. But later, among directors, the comté de direction was formed, which include just a few members who belonged to the same group. And actually it took charge of management. Other director consequently were resigned to the feeble position. In this process, the english directors were often eliminated from the center of management.
著者
石井 信之 木庭 大槻 許 多 佐藤 イテヒョン 清水 千晶 田中 俊 林田 優太郎 菅原 美咲 水野 潤造 武藤 徳子 鈴木 二郎 室町 幸一郎 下島 かおり 藤巻 龍治 宇都宮 舞衣 山田 寛子
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.38-43, 2020

<p> 目的 : 現在では, 歯科用実体顕微鏡や拡大鏡を使用した拡大視野下の長時間にわたる精密歯科診療が求められ, 歯科医師や歯科衛生士の正確な手技への支援や肉体的負担を軽減できる歯科診療支援システムの開発が必要とされている. 本研究は歯科診療アシストスーツを開発することで, 歯科診療の精密性向上, 診療成功率の向上, および歯科医師や歯科衛生士の肉体的負担軽減を目的とする.</p><p> 材料と方法 : 歯科診療アシストスーツの上腕負担軽減効果を解析するために, 表面筋電図による解析と定量評価機能を有した臨床シミュレーション装置を使用した臼歯部窩洞形成を実施した.</p><p> 結果 : 歯科診療アシストスーツを作動することで, 上腕二頭筋および上腕三頭筋の平均振幅値はいずれも有意に減少し, 上腕の負担軽減効果が認められた. 臼歯部窩洞形成の客観的総合評価は, 歯科診療アシストスーツ作動前と比較して作動後に有意な高得点を示した.</p><p> 結論 : 本研究で開発した歯科診療アシストスーツは, 上腕二頭筋と上腕三頭筋の緊張を軽減することによって, 診療精度の向上と長時間診療における術者の負担軽減を可能にする装置であることが示された.</p>
著者
ジャリリナスラバディ サイード 糸井 龍一 ヴァルディマルソン ポール 藤井 光 田中 俊昭
出版者
日本地熱学会
雑誌
日本地熱学会誌 (ISSN:03886735)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.113-121, 2011-07-25
参考文献数
19

サバラン地熱地域はイラン国の東北部に位置し,現在開発が進められている。建設予定のシングルフラッシュ型発電所の分離熱水が有するエネルギーとエクセルギーは生産流体の全エネルギーおよび全エクセルギーのそれぞれ54.8%,41.4%を占める。分離熱水は複合発電および地域熱利用システムに利用することができる。この分離熱水活用のためにシングルフラッシュ型発電所と併せた複合発電システムとしてバイナリー発電を採用した場合のフィージビリティスタディをおこなった。その結果バイナリー発電所の出力として17,151kWが得られた。エネルギーおよびエクセルギーに関する数学モデルを構築し,それをソフトウェアEngineering Equation Solverを用いて解析を行った。その結果,凝縮器と蒸発器において最大のエクセルギー損失が発生し,エクセルギー全損失に占める割合はそれぞれ12.1%,33.4%である。バイナリー発電所のエネルギー効率およびエクセルギー効率は,それぞれ6.25%および34.4%である。さらに,グラスマン図を用いてバイナリー発電所内におけるエクセルギーの全体的な流れを示した。これらの結果より,エクセルギー解析を行うことは生産されたエネルギーを地熱発電所にて最適に利用するうえで有用であることを明らかにした。
著者
田中 俊明
出版者
梅光学院大学子ども未来会議
雑誌
子ども未来学研究 (ISSN:18817424)
巻号頁・発行日
no.13, pp.3-11, 2018-12-28

本論文では、子どもの心の安らぎや喜びという視点から野外の自然に触れること、及び、野外に出かけて自然の世界を美しく楽しいものとして感じる心を幼児期から育み強めていくことについて進化心理学的に考察した。子どもたちが野外の自然に触れて、自然の世界を美しく楽しいものとして感じることは、不安やストレスから解放されて、心の底から安らぎと喜びを感じて生きることに直結すること。それが進化的過去に形成された人間の本性にマッチした、子どもが人間らしく成長していくために適した生き方なのだという視点を、今後の保育や教育の中に取り入れることの必要性について論述した。
著者
田中 俊一
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.239-251, 1968-03-05 (Released:2008-12-25)
著者
竹中 隆 田中 俊幸 Jessi Johnson 周輝 Takenaka Takashi Tanaka Toshiyuki Johnson Jessi Zhou Hui
雑誌
【C】平成19年電気学会電子・情報・システム部門大会講演論文集
巻号頁・発行日
pp.186-191, 2007-09-04

マイクロ波を用いた乳がん検出法として逆散乱解析手法に基づくトモグラフィ法を提案している.乳房の回りにアレイ・アンテナを配置し,送信アンテナからマイクロ波パルスを乳房に照射し,受信アンテナで受信した散乱波データを用いて乳房内部の電気的特性に関する分布(誘電率分布及び導電率分布)を映像化する方法である.画像処理に時間がかかるが組織を特定できる利点を有する.このマイクロ波トモグラフィ法をMRIデータにもとづく2次元マイクロ波用数値ファントムに適用し,直径5mm程度の乳がんを検出できる可能性を示している.
著者
長尾 由実子 中村 芳明 田中 俊一 亀山 忠光 庄司 紘史
出版者
特定非営利活動法人 日本口腔科学会
雑誌
日本口腔科学会雑誌 (ISSN:00290297)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.579-584, 1993-07-10 (Released:2011-09-07)
参考文献数
21

Amyotrophic lateral sclerosis (ALS) is a progressive neuromuscular disease that affects both upper motor neurons and lower motor neurons.Here is a case of ALS with predominantly bulbar involvement. The patient is a 63-year-old male. He was referred to the Department of Oral Surgery, Kurume University School of Medicine with chief complaints of inability to speak clearly and difficulty in eating. On oral examination, atrophy and muscular fasciculation in the tongue were found. There was no loss of aberrations in taste. Except for dysphagia and masticatory disturbance. he had no difficulty practicing his profession. Subseqently, he was diagnosed by the neurologist as having progressive bulbar palsy (PBP) in a motor neuron disease.When the onset of ALS is predominantly bulbar in origin, the patient may first consult a dentist because of the oralfacial symptoms of dysphagia, dysarthria, masticatory disturbance, and muscular weakness. It is important for the dentist to recognize a motor disability and to control the condition without neglecting the nature and severity of the disease.
著者
古川 福実 松永 佳世子 秋田 浩孝 上田 説子 薄木 晶子 菊地 克子 幸野 健 田中 俊宏 林 伸和 船坂 陽子 師井 洋一 山本 有紀 米井 希
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.118, no.3, pp.347-356, 2008-03-20 (Released:2014-12-03)

Chemical peeling is one of dermatological treatments for certain cutaneous diseases or conditions or aesthetic improvement, which consists of the application of one or more chemical agents to the skin. Chemical peeling has been very popular in medical fields as well as aesthetic fields. Since scientific background and adequate approach is not completely understood or established, medical and social problems have been reported. This prompted us to establish and distribute standard guideline of care for chemical peeling. Previous guidelines such as 2001 version and 2004 version included the minimums for the indications, the chemicals used, their applications, associated precautions, and postpeeling care and findings. The principles were as follows :1) chemical peeling should be performed under the control and the responsibility of the physician. 2) the physician should have knowledge of the skin and subcutaneous tissue and understand the mechanism of wound-healing. 3) the physician should be board-certified in an appropriate specialty such as dermatology. 4) the ultimate judgment regarding the appropriateness of any specific chemical peeling procedure must be made by the physician in light of all standard therapeutic ways, which are presented by each individual patient. Keeping these concepts, this new version of guidelines includes more scientific and detailed approaches from the evidence-based medicine.
著者
原口 増穂 牧山 和也 千住 雅博 船津 史郎 長部 雅之 田中 俊郎 橘川 桂三 井手 孝 小森 宗治 福田 博英 森 理比古 村田 育夫 田中 義人 原 耕平 関根 一郎
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.45-49, 1987 (Released:2009-06-05)
参考文献数
11

高アミラーゼ血症を伴ったクローン病の1例を経験した.症例は27歳の男性で上腹部痛を主訴に受診高アミラーゼ血症がみられたため膵炎として治療したが約3カ月にわたって高アミラーゼ値は持続した.アミラーゼ値の正常化後も腹痛が続くためにさらに精査を進め,小腸造影での縦走潰瘍などの典型的な所見と生検によるサルコイド様肉芽腫の証明によりクローン病の確診を得た.高アミラーゼ血症については,ERP,CT,USにて膵炎を疑わせる膵管あるいは膵実質の器質的変化がみられないこと,高アミラーゼ値の持続期間が長いこと,腹痛とアミラーゼ値の相関が乏しいことなどより膵由来のものではないと考えられた.したがって本症例はクローン病に膵炎が合併したものではなく,高アミラーゼ血症を伴ったことについては他の機序,たとえば腸管アミラーゼの関与などが示唆され,興味ある症例と思われ,文献的考察を加え報告した.
著者
金子 雄介 田村 浩気 河合 伸浩 田中 俊太郎 岡 知博
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.492-505, 2019-07-15

貿易実務は,正本性の高い書類を多くの取引参加者が扱うため,高い改ざん耐性を持つシステムによる業務効率化が期待されているが,網羅的な解決には至っていない.筆者らは,ブロックチェーンを用い,銀行APIやIoTセンサなども活用した貿易取引ワークフローシステムを構築した.試用の結果,貿易手続きの所要時間が40分の1(現行手続きにおける書類運送時間を除いても4分の1)に短縮できることを確認した.併せて,商用化に向け解決すべき課題を整理した.
著者
田中 俊太郎 倉爪 亮 長谷川 勉 米田 完 玉木 達也
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2003, 2003
被引用文献数
1

2足歩行機械の安定動歩行を実現するために, 簡単な単一質点モデルで計算された重心軌道を多質点モデルを用いた収束計算により修正することで, 動的安定点に近い ZMP 軌道, 重心軌道を同時に得る手法を提案する。