著者
田原 俊彦 大石 哲
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集
巻号頁・発行日
vol.27, 2014

近年,局地的集中豪雨,台風等による気象災害が問題となっており,その一例として河川増水による浸水被害が挙げられる.河川増水による浸水被害を抑制するためには,河川上流に位置するダムによる洪水調節の最適化が重要である.そこで本研究では,2013年台風第18号(MAN-YI)による一連の降雨時における桂川上流の日吉ダムの放流操作に動的計画法(DP),確率動的計画法(SDP)を用い,気象庁の週間アンサンブル数値予報GPVを導入することにより,事前放流を考慮したダムの放流操作の最適化の検討を行った.その結果, SDP,DPによるダムの放流操作は,週間アンサンブル予報の予報精度がある程度高ければ,実際の操作よりも洪水調節効果が高くなるが,予報精度が低ければ実際の操作よりも洪水調節効果が低くなる可能性があることがわかった.また,週間アンサンブル予報を用いて事前放流を行い,降雨が始まればダムの流入量,下流の流量を見ながら適宜ダムの放流操作を修正する提案手法においても十分に洪水調節効果を高めることができると示された.
著者
大田原 俊輔
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.411-413, 1971-07-01 (Released:2011-05-24)
参考文献数
13
著者
田原 保二 国広 哲男
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:00471798)
巻号頁・発行日
vol.1955, no.29, pp.66-73, 1955

本文は部材の変形にともなうPC鋼線の付加的な影響を考慮に入れた場合のプレストレストコンクリート門構ラーメンの計算を示したものであり, さらにこれらの計算値を本邦最初のプレストレストコンクリートラーメン橋である御祓橋における測定値と比較し, この計算法の妥当性を指摘したものである。
著者
田原 保二 猪股 俊司 南 俊次 宇野田 修
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:00471798)
巻号頁・発行日
vol.1959, no.60, pp.b1-b44, 1959

わが国のプレストレスト コンクリート橋梁は1954年以降急速に発展し, 1955年に至り支間40mの上松川橋の出現を見るに至つたが, 更に1956年末に至り大阪府金剛大橋においてわが国最初のプレストレスト コンクリート箱桁の施工に成功した。本論文は大阪府土木部によつて企画し実施されたこの箱桁の設計, 施工並びにこれに伴つて行われた一連の試験および実験に関するものである。本橋は径間30.40m, 桁高1.10mでその比は1:27.6であり, 径間に比し桁高を特に小さく制限される場合の一解法として特に価値あるものと考えられる。
著者
鈴木 もとこ 清 雄一 田原 康之 大須賀 昭彦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.11, pp.1799-1807, 2017-11-15

今後ロボットが家庭に普及するために,人間とペットとロボットの3者が良い関係を築くことが大切である.我々は人とのインタラクションを目的に作られたロボットがペットと家庭で共生するために,ロボットにペットが好む行動をさせ,ペットがロボットをより好むようにすることを目標とする.本研究では,犬の世話行動をするロボットに注目した.世話行動をするケアロボットと世話行動をしないノンケアロボットの2台を用意し,ロボットが世話行動を行った後に犬がどちらのロボットをより好むか調査した.具体的には,ロボットが行う犬の世話行動は,飼い主へのアンケート結果をもとに餌やりとボール遊びの2種類とした.結果,犬は餌やりの世話行動をするケアロボットをノンケアロボットよりも有意に好むことが分かった.一方でボール遊びの世話行動については,ロボットとボール遊びをする犬としない犬の2群に分けられ,ボール遊びをする犬はボール遊びの世話行動をするケアロボットをノンケアロボットより有意に好むことが明らかになった.この知見は今後,家庭におけるロボットのペットに対する関わり方の指針となることが期待される.It is important for human beings, pets and robots to establish a good relationship in order for robots become popular to homes in the future. We are supposed to coexist between humans and robots that were made for human interaction at home. Then, let the robot take actions preferred by the pet and aim to make the robot more preferably by the pet. In this research, we focused on robots that take care of dogs. We used two robots that take care actions robot and non-care action robot, and surveyed which robot the dog likes more preferably after the robot takes care action. Specifically, the behavior of robot was two types of feeding and ball play based on the questionnaire result of the owner. As a result, it became clear that the dog significantly prefers the care robot which takes care of bait feeding than the non-care robot. On the other hand, as for the behavior of taking care of the ball play, it is divided into two groups: a dog which play ball with a robot, a dog which does not play ball with a robot. It became clear that dogs playing balls significantly prefer care robots to take care of ball playing than non-care robots. It is expected that this finding will be a guide for how robots are involved in pets at home.
著者
平田 大二 山下 浩之 坂本 泉 小田原 啓 滝野 義幸 鬼頭 毅 藤巻 三樹雄 萬年 一剛 新井田 秀一 笠間 友博 齊藤 靖二
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.119, no.5, pp.911-916, 2010-10-25 (Released:2011-01-21)
参考文献数
12

The bottom topography of lake Ashi-no-ko, in the Hakone volcano caldera, was examined using the SeaBat8101 narrow multi-beam sonar system. The purpose of micro-topographical observations of the lake bottom is to understand the tectonic relations between the historical formation-process of the caldera and the strike-slip motion in the Tanna-Hirayama active fault system. At the southeastern part of the lake, west of the Dougashima, undulations at the bottom such as swells, hollows, and stairs extending in the northwest-southeast direction, were observed. These bottom-forms show a northern extension of the Hakonemachi active fault, running along the east side of lake Ashi-no-ko. They may correspond to one of the north spray faults of the Kita-Izu active fault system, which is the source of the A.D.1930 Kita-Izu earthquake, and to motions of the western margin of the Manazuru micro-plate, in relation to caldera formation as a strike-slip basin.
著者
大須賀 愛幸 植松 洋子 山嶋 裕季子 田原 正一 宮川 弘之 高梨 麻由 門間 公夫
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.73-79, 2018-04-25 (Released:2018-04-25)
参考文献数
12

高タンパク食品中の酸性タール色素分析法について,回収率に優れ,かつ簡便で迅速な試験法を作成した.試薬量等のスケールダウンを行い,さらにポリアミド (PA) カラムに負荷する液の調製法として,溶媒留去の替わりに抽出液を水で希釈し有機溶媒濃度を下げ,色素をPAカラムに保持させることにより,操作の簡便化および迅速化を達成した.またPAカラムで色素を精製する際,負荷する液のpHを汎用されるpH 3~4からpH 8.5にすることで,高タンパク食品における,キサンテン系色素の回収率が大きく向上した.高タンパク食品の中でも特に酸性タール色素の分析が困難とされてきた辛子明太子での11種類の色素の回収率はpH 8.5で精製することで63~101%となり,pH 3.5での精製(回収率18~95%)に比べ大幅な改善が認められた(5 μg/g添加).
著者
田原 範子
出版者
四天王寺大学大学院
雑誌
四天王寺大学大学院研究論集 (ISSN:18836364)
巻号頁・発行日
no.12, pp.49-66, 2018-03-20

国立ハンセン病療養所「松丘保養園」に暮らす滝田十和男さんのライフヒストリーである。滝田十和男さんは、1925(大正14)年、福島県で生まれた。10 歳の頃にハンセン病を発症し、1937(昭和12)年9月21 日、12 歳の時、同じくハンセン病を発症した父親と一緒に警察に付き添われて強制的に北部保養院に入所した。その後、療養所内の小学校を卒業し、患者の介護や療養所内のさまざまな仕事に従事した。療養所を飛び出し外で行商をしたり、精密機械工組み立ての仕事をしたりした後、手足の麻痺が進んだこともあり、東北新生園へと再入所し、戦争中の厳しい時を生き抜き、知り合いを頼って再び松丘保養園に戻った。若い頃に「生きた証として形に遺せるものは短歌くらいしかない」と始めた短歌は、その才能を認められて、北部保養院で初めて1956 年に歌集を出版することになった。歌人であり、俳人でもあった。松丘ではプロミン獲得運動の委員、盲人会の書記、カトリック教会信徒会の世話役なども務めた。 滝田さんは私たちの来訪を快く受け入れ、体調を気にする看護師や職員の心配をよそに、自身の経験や療養所のできごとを語った。その記憶の鮮明さ、語る言葉の芳醇なことに私たち聞き手は驚いた。聞き取り時間は、2015 年9 月2 日に1 時間30 分、9 月3 日に52 分であった。聞き手は、平田勝政1)、和田謙一郎2)、田原範子3)である。聞き取り時点で滝田十和男さんは90 歳であった。その後、2016 年2 月2 日に1 時間10 分、2 月3 日に4 時間15 分の聞き取りを行った。聞き手は平田勝政、田原範子であり、いずれも病棟の待合室で行った。滝田さんの語りからは常に、今、生きていることへの感謝、人間が生きることへの敬意が感じられた。それは、「療養所にいて、ほんとにかわいそうな人生送ったっていう風に思われるかもしれないけども、療養所は療養所なりに、やっぱり人間の生きる社会ですから、生きた社会ですから、それなりにね。やっぱり人間として生かしてもらってありがたいなー」という言葉に凝縮されている。聞き取りはIC レコーダーで録音し、後日、松下かおり(四天王寺大学卒業生)が音声を文字データとし、田原が最終チェックを行った。 滝田十和男さんは2016 年8 月17 日、91 歳で永眠された。松丘保養園の川西園長によれば、8 月19 日に園内の松丘カトリック教会で告別ミサが執り行われた。福島から数名の親族が来て、交流のあった人びとや入所者、職員が多数参列して滝田さんに相応しいとてもよい告別式だったという。2016 年2 月2 日、平田と田原は、納骨堂のなかの滝田さんの骨壺を拝むことができた。本稿では、2015 年9 月の聞き取り調査にもとづいてライフヒストリーを記す4)。
著者
田原
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
no.176, pp.1015-1016, 1896-10-26
著者
田原 宏人
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.94, pp.91-112, 2014-05-31 (Released:2015-06-03)
参考文献数
35
被引用文献数
1

教育において平等をいかにして実現するか。数多の研究がこの課題に取り組んできた。だが,苅谷剛彦によれば,日本における教育の平等を求めるレトリックはきわめて特異であり,「能力主義的差別」という言い回しは,彼の見るところ,一種の範疇錯誤である。以来20年,平等主義者たちはこの批判にうまく対応しきれていない。本論文は,教育の内外における分配の正義に関する諸論点を論じる。そのさい,平等主義,優先主義,十分主義(適切性)という異なる三種の分配原理に着目する。平等が教育における正義の重要な価値であるとしても,それは一つの価値に過ぎない。いかなる原理に基礎を置くかに応じて,何をいかに分配すべきかに関する規範的な判断は変わってくる。よって,本稿は,各原理の相違点と,その含意を理解するために,それぞれを支持する論者たちによって繰り広げられている論争に多くの紙数を費やしている。結果,分配の正義に関する今日の知見に照らすならば,40年前の教育実践集に記録されたバナキュラーな声には,大方の予想に反して,平等だけではなく,十分性が,そして時として優先性が,教育における正義の要求であるとの実践感覚が,暗黙裏に反映されていた,ということが明らかになる。彼らには,望ましい教育を構築するために利用可能な言語的資源が欠けていたのである。
著者
大城 まみ 森山 克子 我那覇 ゆりか 名嘉 裕子 田原 美和
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017

【目的】「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」の一環として,1960~1970(昭和35~45)年頃までには,定着していた家庭料理の中でも,本報では,沖縄県の行事食・日常食のおやつについて紹介する。<br />【方法】1.行事食・日常食として食べられているおやつについて,平成24~26年度の聞き書き調査報告書,その後の補足調査,文献等を基に整理する。2.聞き書き調査は,沖縄県の北部(本部町崎本部),中部(読谷村宇座・沖縄市登川),南部(那覇市与儀),宮古(宮古島市伊良部町),八重山(石垣市登野城)の5地域で行った。<br />【結果】この時期に定着していたおやつの中で,次世代に伝え継ぎたい沖縄のおやつは,行事食として,ムーチーは,旧暦12月8日に月桃(サンニン)の葉に包んで蒸した餅を食べた。子どもの健康・成長を祈願し,また鬼餅ともいうように悪鬼悪霊退散を祈る厄払いとする習わしがある。フチャギは,旧暦の八月十五夜に供え物として,細長い楕円形の餅の表面に,茹でた小豆をまぶした餅を食べた。宮古では黒小豆を使用する事が特徴である。行事食・日常食ともに食されていたのはサーターアンダギー(砂糖天ぷら)で結納などの祝いごとに欠かせない品であり,現在は日常食のおやつとしても食べられている。チンビンは旧暦の5月4日に子どもの健康祈願などで食べられた。日常食では,だしに小麦粉と卵とニラ等を混ぜ,クレープ状に焼いたヒラヤーチー,細かく切った豚肉と味噌を炒め,砂糖等で調味して作ったあぶら味噌を薄焼きの皮で巻いたポーポーがある。