著者
伊藤 隆 渡辺 賢治 池内 隆夫 石毛 敦 小曽戸 洋 崎山 武志 田原 英一 三浦 於菟 関矢 信康 及川 哲郎 木村 容子
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.195-201, 2009 (Released:2009-08-05)
参考文献数
1

東洋医学論文には東洋医学を西洋医学のルールで論じることに起因した特異性がある。西洋医学に比較すると,人文科学的要素の多い東洋医学では記述が主観的になる傾向がある。目的,方法,結果,考察は,論文内容を客観化させ,査読者と読者の理解を容易ならしめるために必要な形式と考えられる。より客観的な記述のためには,指定された用語を用いることが理想であるが,現実的には多義性のある用語もあり,論文中での定義を明確にする必要がある。伝統医学では症状と所見と診断の区別が不明瞭な傾向があるが,科学論文では明確に区別して記述しなくてはいけない。新知見を主張するためには,問題の解決がどこまでなされているかをできるだけ明らかにする必要がある。投稿規定の改訂点である,漢方製剤名の記述方法,要旨の文字数,メール投稿について解説した。編集作業の手順について紹介し,再査読と却下の内容に関する最近の議論を述べた。
著者
小田原 啓 工藤 茂雄 井龍 康文 佐藤 時幸
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.111, no.6, pp.313-331, 2005 (Released:2005-10-01)
参考文献数
69
被引用文献数
9 6

沖縄本島中部の読谷村には,主に第四紀更新世のサンゴ礁堆積物からなる琉球層群が広く分布する.同層群は先第三系の名護層と上部新生界の座喜味層を不整合関係で覆う.本地域の琉球層群は,伊良皆層と楚辺層よりなる.伊良皆層は伊良皆付近で掘削されたコア試料のみに認められ,溶解・浸食を受け赤色化したサンゴ石灰岩・砕屑性石灰岩および礫岩からなり,層厚は11 mを超える.伊良皆層は楚辺層に不整合関係で覆われる.楚辺層は5つのユニットの累重体であり,個々のユニットは低海水準期の浅海相であるサンゴ石灰岩から高海水準期の沖合相である石灰藻球・Cycloclypeus-Operculina・砕屑性石灰岩へと上方深海化する整合一連のシーケンスよりなる.本層の分布高度は80 mに及び,層厚は70 mに達する.楚辺層の年代は,石灰質ナンノ化石より0.41-0.85 Maである.層位学的位置および年代より,楚辺層は徳之島,沖永良部島,与論島,沖縄本島南部,宮古島の琉球層群主部の一部と対比される可能性がある.
著者
佐藤 時幸 中川 洋 小松原 純子 松本 良 井龍 康文 松田 博貴 大村 亜希子 小田原 啓 武内 里香
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.110, no.1, pp.38-50, 2004-01-15
参考文献数
25
被引用文献数
5 10

沖縄本島南部のうりずん露頭とそれに近接する守礼ゴルフ場露頭における知念層の石灰質ナンノ化石および浮遊性有孔虫化石生層序を検討した.その結果,知念層基底の地質時代は両露頭とも1.97 Maよりやや古い鮮新世末に対比されるが,うりずん露頭における知念層の基底の地質年代は,守礼ゴルフ場露頭の同基底年代よりやや古い.また,うりずん露頭および守礼ゴルフ場露頭のいずれにも時間間隙が認められたが,うりずん露頭では知念層下部に約30万年の時間間隙が,守礼ゴルフ場では新里層と知念層の境界に若干の時間間隙が推定され,両露頭は近接するにもかかわらず,時間間隙の層準および規模が異なることが明らかとなった.本研究の結果は,琉球列島が現在のようなサンゴ礁の広がる海域へと姿を変えた過程を復元するためには,知念層およびその上下層の岩相層序と微化石層序との関係を解明することが,重要であることを示唆している.
著者
田原慶吉 編
出版者
田原慶吉
巻号頁・発行日
1920
著者
船津 麻美 田原 義朗 山中 桜子 後藤 雅宏
出版者
THE MEMBRANE SOCIETY OF JAPAN
雑誌
(ISSN:03851036)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.57-62, 2011-03-01
参考文献数
20
被引用文献数
2

In this article, we report a novel oil gel sheet, which is contained ascorbic acid and hyaluronic acid as an ingredient of cosmetics. An efficient permeation method of the ingredients into a deep skin would be a key technology to develop novel functional cosmetics. The outer surface of the skin that is stratum corneum has a strong barrier to avoid the invasion of hazardous materials into our body. The barrier function causes the difficulty in the transport of effective ingredients into a deep region of our skin. To overcome this problem, solid-in-oil (S/O) nano dispersion technique has been developed by coating the ingredients with hydrophobic surfactant molecules. The coated hyaluronic acid was well dispersed in an oil phase and its permeation rate into the skin was significantly enhanced by the formation of the complex. An oil gel sheet was created by utilizing the S/O techniques for ascorbic acid and hyaluronic acid. The oil gel sheet could improve the moisture condition of faces by using at least 30 minutes.
著者
田原 賢
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.753, pp.110-114, 2003-09-15

8回にわたる連載の途中から、「私の現場での対応とは異なる部分がある」「この部分をもっと詳しく解説してほしい」といった読者の声が編集部に寄せられるようになった。そうした質問にまとめて答える。田原氏の木構法の知識を現場でどのように応用すればよいかを読み取ってほしい。
著者
高増 広大 田原 康之 清 雄一 大須賀 昭彦
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:21888825)
巻号頁・発行日
vol.2016-SE-191, no.2, pp.1-8, 2016-03-07

近年,スマートフォンの普及率が世界的に増加しているのに付随してスマートフォンアプリケーションの需要が高まっており,開発が進められてきている.そのため同じ課題を解決できるアプリケーション,すなわち類似したアプリケーションが多数出現している.そこでユーザはアプリケーションを利用して目的を満たす事は最低限の条件として,アプリケーションのコンテンツや使い易さ等,自分がこだわる観点でのアプリケーションの選定を行いたくなると考えられるが,多数の中からの選定は困難である.本研究では,ユーザが目的を達成する為にアプリケーションを導入するという前提で,ユーザのこだわりを考慮した推薦システムを提案する.そのために,通常アプリケーションの入手先となるアプリストアに投稿された他のユーザのレビューコメントに自然言語処理手法を適用する.具体的には,コメントから類似アプリケーションの特徴を表すと考えられる単語を抽出し,ユーザはそこから興味を持った単語を選ぶ.アプリケーションのレビューコメントにおいて単語の評価がネガティブかポジティブかを判定することにより,アプリケーションのその単語に関する評価値を算出し,ランク付けして推薦する.算出した評価値を,実際にアプリを使用した被験者による評価と比較し,またレビュー内に出現する単語に対するネガティブ・ポジティブの判定を,人手で作成した正解データと照らし合わせる事でシステムの評価を行った.
著者
モンティーンーアート パンヤット 中薗 孝裕 岡本 智伸 小田原 健 菊地 正武 椛田 聖孝
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.115-121, 1998-07-31
被引用文献数
2

日本において動物園は, 有害物質による汚染のない排水の制御や飼料コストの増加などいくつかの問題をかかえている。本研究では, 生物的浄化や飼料としての水生植物の利用を熊本市動植物園内で行った。 3種類の水生植物(ホテイアオイ, ボンテデリア, マコモ)を汚水の流入する池で栽培したとき, 水中における全リンの濃度は, 植物の成長に伴い有意に減少した。 収穫した3種の植物は,湿地帯に生息する草食動物の嗜好性において良い結果がえられた。さらに, 飼料としての植物の利用は本動物園において1ヶ月当たり少なくとも約8万円の飼料費削減をもたらした。サイレージ調製について検討した結果, 添加物の必要性が認められた。 この研究から, マコモ, ポンテデリア, ホテイアオイのような水生植物による富栄養池の生物的浄化とその飼料としての利用は動物園において有効であることが示唆された。
著者
伊東 明彦 千田 恵 田原 博人
出版者
宇都宮大学
雑誌
宇都宮大学教育学部教育実践総合センター紀要 (ISSN:13452495)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.473-482, 2007-07-01
被引用文献数
2

教員養成系学部の大学生を対象として,1976年に実施した「天文基本調査」とほぼ同じ調査を2006年に実施し,大学生の天文に関する知識が30年間にどのように変化したのかを検討した.その結果,月の満ち欠け,太陽光のあたり方の季節変化など,ほとんどすべての調査項目について,大学生の知識は有意に低下していることが明らかとなった.また,自由記述式の設問の回答を分析した結果,月の満ち欠けが,月,地球,太陽の相対的な位置に関係すると考えている学生は40%程度であり,月の満ち欠けの仕組みを正しく説明できた学生は約10%に過ぎないことも分かった.
著者
田中 司 真田 敏 大塚 頌子 大田原 俊輔
出版者
一般社団法人 日本てんかん学会
雑誌
てんかん研究 (ISSN:09120890)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.147-154, 1984-09-30 (Released:2011-01-25)
参考文献数
20

急性脳症後, 高度の知能障害とてんかんを発現した3歳5ヵ月の男児に見られた極めて特異な反射てんかんの症例を報告した。はじめは自発性発作のみであったが, 経過中特定の言葉を聞くことにより同様の発作が誘発されるようになった。誘因となる言葉は初期は “テレビ” のみであったが, 次第に “テープ”, “テ”, さらに種々の “テ” のつく言葉でも誘発されるようになった。臨床発作型はすべて脱力発作で, 発作時脳波はdesynchronizationを示した。なお刺激からdesynchronizationの出現までの潜時は約500msec.で, 発作発現には脳幹のみならず大脳皮質も関与していることが示唆された。誘発性発作に対してはconditioning treatmentが有効であった。
著者
前田 道明 水口 康雄 高橋 宏 室橋 豊穂 大田原 幸人 谷山 勢之輔 柚木 角正 西園 実 宮崎 武人 土屋 高夫 MATSUMOTO Mitsuyuki 高井 鐐二 塩沢 活
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR TUBERCULOSIS
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.38, no.12, pp.524-529, 1963

Bacteriological examination was made on all cases, to whom radiography was indicated according to the results of miniature X-ray findings and tuberculin reaction in the tuberculosis mass surveys carried out in Okierabu-island (1961) and Setouchi-town (1962).<BR>The majority of the specimens examined was laryngeal swab and a few cases was examined by sputum. These specimens were kept in an icebox and each specimen was cultured on three slants of 1% Ogawa's egg media after pretreatment with 4% NaOH on the same day. Then, the slants were kept in an incubator at 37°C and observed for 8weeks.<BR>All of the acid-fast bacilli were investigated on their biological characteristics. Drug resistance was tested by the indirect test method on the strains which were identified as human type tubercle bacilli.
著者
長坂 秀雄 飛松 敏美 田原 美香 横堀 誠一 秋永 誠
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.240-250, 2003-09-25 (Released:2010-03-08)
参考文献数
8
被引用文献数
1 2

This paper deals with the system interaction performance of the BWR drywell local cooler (DWC) in combination with containment spray as a Japanese Phase-II accident management (AM). By using almost full height simulation test facility (GIRAFFE-DWC) with volumetric scaling ratio of 1/600 for a typical BWR containment, the system integral tests simulating BWR low pressure vessel failure sequence were accomplished during about 14 hours. In case of DWC application, the containment pressure increase was found milder due to DWC heat removal performance. Initial spray timing was delayed about 3 hours and each spray period was reduced almost by half, which contributed to the containment gas compression. These containment pressure transients were confirmed by analyzing the severe accident analysis code of MELCOR. It was concluded that the application of a BWR DWC to Phase-II AM measure is quite promising from the point of delaying or preventing the containment venting.
著者
西川 肇 藤井 壽生 工藤 勝輝 露木 延夫 近藤 勉 田原 達人
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.706, pp.77-85, 2002-05-22 (Released:2010-08-24)
参考文献数
15
被引用文献数
2 2

河川流域における森林が緑のダムとして大きく評価されるようになってきている. 森林の保水機能を軸とした沿水・利水の対策が求めはじめられた今日, 河川流域を単位とした森林の生育状況からその保水機能を定量的に評価することが河川管理上で重要なキーポイントとなる. 本研究は, 東京都民の水瓶である多摩川小河内ダム上流域を対象に, ランドサットデータで判読した森林の生育状況と林地土壌の理学的性質との相関性を定量的に分析し, 流域の持つ森林機能について解析した.
著者
中尾 理恵子 田原 靖昭 石井 伸子 門司 和彦
出版者
長崎大学
雑誌
保健学研究 (ISSN:18814441)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.59-65, 2007-10

A大学1年次生と2年次生の健康診断時に喫煙状況,ニコチン依存度(Fagerstrom Tolerance Questionnaire, FTQ),タバコに関連する疾患の知識,他の人の喫煙への認識を質問調査した。男子学生では「毎日喫煙する」者の割合は,1年次生15.5%(124/799),2年次生20.9%(127/607),女子学生では1年次生1.6%(10/639),2年次生2.4%(13/545)であった。18〜21歳の男子学生で「毎日喫煙する」242名のうち,94名(38.8%)は18歳未満で喫煙を開始していた。18歳未満開始群は,1日の喫煙本数が16.5(SD6.3),FTQが5.4(SD1.4)であり,18歳以降開始群の1日喫煙本数とFTQよりも有意に高かった(ともにp<0.05)。タバコ関連疾患の知識は,肺癌以外は低い認知であり,全項目で18歳未満開始群が高い認知であった。中学生や高校生の喫煙をやめるべきと考えているのは18歳開始群が高値であり,その他,将来の結婚相手や医師・看護師・教師などの喫煙をやめるべきと答えたのは18歳未満開始群が高い割合を示した。18歳未満開始群,18歳以降開始群ともに80%以上のものが将来的に禁煙を希望しており,大学としての禁煙教育と支援については,1. 18歳未満開始群をはじめとした喫煙者に対する禁煙支援対策と 2. 18歳以降開始群をはじめとした大学に入ってから喫煙を始める者への喫煙予防対策の両方が大切であることが明らかとなった。
著者
田原 如菜 坂地 泰紀 酒井 浩之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.429, pp.5-10, 2014-01-30

本研究では,キャラクターに対応する印象表現をTwitterから抽出する手法を提案する.具体的には,キャラクターとして,ゆるキャラを対象とし,キャラクター名に対応する印象表現(「可愛い」や「癒される」等)を抽出する.人手で印象表現辞書(喜,怒,哀,怖,恥,好,嫌,昂,驚,安,楽,その他のカテゴリーから成る363表現)を作成し,キャラクター名と印象表現辞書に存在する印象表現が含まれているツイートを取得する.そして,キャラクターごとに印象表現を抽出し,実際にアンケートで印象調査した結果と,本手法で抽出した印象表現を比べて評価した.
著者
Monroy Carlota Rodas Antonieta Mejia Mildred 田原 雄一郎
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.187-193, 1998
被引用文献数
2 13

チャガス病媒介者であるサシガメ(Triatomadimidiata & T. nitida)が生息する土壁の割れ目やすき間をセメントや石灰で埋めることで, 彼等の生息数を減らす事を試みた。双方(セメント及び石灰)の塗装を行った場合, 翌年は平均92%も生息数が減少した。石灰だけでは34%の減少に止まった。また, 部分的な改善(塗装)では53%の減少であった。他方, 何も施さない場合の生息数には変化がなかった。しかしながら, Tripanosoma cruziの保有率には変化がなかった。また, 研究室内の試験で壁材の塗装はサシガメの寿命に変化を及ぼさなかった。