著者
中山 尚貴 尾崎 弘幸 海老名 俊明 小菅 雅美 日比 潔 塚原 健吾 奥田 純 岩橋 徳明 矢野 英人 仲地 達哉 遠藤 光明 三橋 孝之 大塚 文之 草間 郁好 小村 直弘 木村 一雄 羽柴 克孝 田原 良雄 小菅 宇之 杉山 貢
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.54-57, 2007

症例は30歳,男性.2006年6月,スポーツジムのランニングマシンで運動中に突然,心窩部不快感が出現し,運動を中止したが痙攣を伴う意識消失をきたし倒れた.スポーツジムのトレーナーがただちに心肺停止を確認し,施設内の自動体外式除細動器(AED)を装着した.AEDの音声に従い除細動ボタンを1回押し,すみやかに自己心拍が再開したが,AED使用後にリセットボタンを押したため,メモリーが消去され,心肺停止の原因として致死性不整脈の関与は確認できなかった.<BR>入院後,トレッドミル運動負荷心電図検査で広範囲の誘導でST低下を認め,冠動脈造影検査を施行し冠動脈瘤を伴う重症多枝病変を認めた.心肺停止の原因は心筋虚血による心室細動もしくは無脈性心室頻拍と推定し,冠動脈バイパス術を施行した.<BR>AEDの普及に伴い非医療従事者によるAEDを使用した救命例が本邦でも徐々に報告されており,本症例は現場にあったAEDをただちに使用したことが社会復帰に大きく貢献したと考えられる.ただし,本症例で使用したAEDのように,一部機種ではリセットボタンを押すことによりメモリーが消去され,事後検証が困難になることは注意すべき点であり改善を要する.
著者
金城 須美子 田原 美和 Kinjo Sumiko Tahara Miwa
出版者
琉球大学教育学部
雑誌
琉球大学教育学部紀要 第一部・第二部 (ISSN:03865738)
巻号頁・発行日
no.47, pp.181-189, 1995-10

米国統治時代、沖縄に導入された洋風(米国系)ファーストフードが、沖縄県民の食生活にどの様に受け入れられているのか、その利用状況と意識調査を行った。調査対象は琉球大学学生と社会人(沖縄銀行行員)である。その結果は次の通りであった。1.琉球大学学生の県内出身学生は県外学生に比較して洋風ファーストフードの利用頻度は高く、外食産業(飲食店)の中で最も多く利用している。利用回数は、月に2回以上と答えた者が県内学生は76.8%で県外学生の52.2%に比べて多い。2.洋風ファーストフードの嗜好性については、県内・県外学生で大差はないが、ビックマック、モスバーガー、ピザ、タコスなどは県内学生に好まれている。3.洋風ファーストフードを利用することについて、琉球大学学生は肯定的な意識があり、今後も取り入れたいとする者が約60%あった。4.社会人の洋風ファーストフードの利用頻度は若い年代ほど高いが、50代以上の年代でも月1回以上利用している者が約50%であった。また、今後も食生活に取り入れたいと回答した者が、どの年代も54%以上あり、利用することに肯定的な意識をもっている。5.米国資本のA&Wが導入されて30年を経た現在、洋風ファーストフードは手軽な食事、あるいは間食・主菜に利用され、沖縄の食生活スタイルに定着している。これは米国統治によって、県民がアメリカ型食生活を直に体験し、それを受け入れたことが大きく影響していると考える。
著者
田原 聖隆 藤井 千陽 高田 亜佐子
出版者
一般社団法人日本エネルギー学会
雑誌
日本エネルギー学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.24, pp.248-249, 2015-07-27

In this study we were carried out the LCA of consumer's behavior level for LCT training. And we calculated the environmental load of the consumer behavior. There are big differences of the environmental load of each behavior by setting of the condition because consumer behaviors have variety. So, we calculated the consumer behavior on the condition that it was average and representative as possible. However, in order to lead to environmentally friendly behavior, consumer behavior was also calculated in different conditions that may be affected. For example the behavior of "to take a meal", we calculated about 100 Japanese typical menus. And in order to understand the differences in the environmental load of eco cooking, we calculated several type of cooking way on same menu.
著者
瀧川 勝雄 国分 信彦 梶原 大義 土肥 美恵 田原 溶夫
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.489-493, 1972 (Released:2010-07-30)
参考文献数
28
被引用文献数
15 15

Using rabbits and rats injured in experimental Whiplash, changes in glycolysis and enzyme activities of the cervical cords, and the effects of Pantui extracts, Pantocrin were investigated in detail. In the cervical cords, depressed glycolysis and lowered activities of aldolase, GOT, and alkaline phosphatase were noted. Cervical injuries were greater in rats than rabbits while hexokinase, glycerokinase and GPT were inhibited. Three enzymes in the rabbits were also inhibited. This enzymological difference between the two species appeared to be dependent on the extent of injury. Pantocrin remarkably improved abnormal glycolysis and the lowered enzyme activities of cervical cords from both injured animals.
著者
瀧川 勝雄 国分 信彦 田原 溶夫 土肥 美恵
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.473-488, 1972 (Released:2010-07-30)
参考文献数
51
被引用文献数
4 4

Physical, morphological and pharmacological studies of an experimental Whiplash Injury were done, using rabbits, to elucidate the injury mechanism and the effects of Pantui extracts, Pantocrin, on the injury. A device of rotary type, which is capable of producing concentrated exterior force effectively to the cervical region, was used to simulate experimental Whiplash Injury. The injured caput and cervical regions were physically, roentgenologically and pathologically examined and the requirement for producing Whiplash Injury of no serious damage was established, i.e., acceleration of 20G to the device and a weight of 300g an the rabbit head. In addition, a new method for optokinetic stimulation was employed to study nystagmus reactions on injured rabbits. Abnormally exaggerated patterns and lowered frequencies in the ENG were noted 3 to 21 days after the injury accompanying depressed glycolysis in cerebrospinal regions. Pantocrin, administered to the injured rabbits at an intramuscular dose of 1ml (ca. 1.5mg as a dry wt.) per kg daily from the 3rd to 21st day after injury, was markedly effective for improving the abnormalities in both ENG patterns and cerebrospinal glycolysis.
著者
和田 耕治 森山 美緒 奈良井 理恵 田原 裕之 鹿熊 律子 佐藤 敏彦 相澤 好治
出版者
公益社団法人日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.103-109, 2007-05
被引用文献数
5

慢性疾患は労働者の仕事の生産性に影響を与える.本調査は関東地方にある事業場の労働者を対象にして慢性疾患による仕事の生産性への影響の評価として,慢性疾患の有訴率,慢性疾患の影響として労働障害指数,欠勤による損失労働時間を測定することを目的とした.関東地方にある4つの製造業の事業場における労働者544名を対象に2006年4月から6月の定期健康診断の際にStanford Presenteeism Scaleの日本語版を配布した. 433名(回答率79.6%)から有効な回答を得た.48.9 %の労働者が,なんらかの慢性疾患が仕事の生産性に影響を与えたと回答した.最も仕事の生産性に影響を与えていた慢性疾患のうち,有訴率が高かったのは,「アレルギー」(13.3%),「腰痛・首の不調」(9.7%)であった.労働障害指数が高かった慢性疾患は,「うつ病・不安又は情緒不安定」と「偏頭痛・慢性頭痛」であった.最も影響を与えていた慢性疾患で欠勤により損失した労働時間の総計は,対象労働者の総労働時間の1.4%であった.欠勤による損失労働時間の高かった疾患は「アレルギー」,「腰痛・首の不調」,「うつ病・不安又は情緒不安定」であった.こうした結果をもとに,生産性に影響を与える疾患に対しての対策を講じることが可能となる.
著者
橋田 拓志 田原 司睦 中村 実 宇治橋 善史 河場 基行 原田 リリアン
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.493-494, 2015-03-17

近年、トランザクション処理と高速分析処理を兼ね備えたOLXPが提案されている。こうした背景を踏まえ、我々はOSSのRDBMSであるPosgreSQLベースのOLXPシステムの設計を行っている。このシステムは、トランザクション処理については従来のPostgreSQLのテーブルデータ、分析処理についてはカラムナ構造の複製テーブルを参照して高速化を図っている。OLXP実現に際して課題の一つにトランザクション実現がある。機能面では複製テーブルアクセス時のMVCCサポート、また性能面ではトランザクション処理に伴うデータ更新速度の低下の抑制が課題となっている。本発表ではPostgreSQLベースのOLXPシステムに向けたトランザクション実現方式に焦点を絞り、検討結果を報告する。
著者
小田原 誠 荻野 裕司 瀧澤 佳津枝 木村 守 中村 訓男 木元 幸一
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.81-86, 2008-03-15 (Released:2008-04-30)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

大麦黒酢,大麦糖化液,酢酸を高血圧自然発症ラット(SHR)に与え,大麦黒酢が血圧に与える影響について調べた.その作用機序の検討としてin vitroにおけるアンジオテンシンI変換酵素(ACE)阻害活性の測定を行った.また,酸度とエキス分を等しくした大麦黒酢と米黒酢について,SHRを用いた単回投与試験を行い,血圧降下作用を比較した.(1)単回投与試験,連続投与試験のいずれにおいても,大麦黒酢は蒸留水(対照)と比較して有意に血圧を降下させることが示された.これにより,大麦黒酢は血圧降下作用を有することが明らかとなった.(2)連続投与試験において,酢酸だけでなく大麦糖化液においても血圧降下作用が認められたことから,大麦黒酢の血圧降下作用は,酢酸と大麦由来の成分の両方によるものと考えられた.(3)大麦糖化液ならびに中和した大麦黒酢においてACE阻害活性が認められたことから,大麦黒酢には大麦由来の血圧降下作用物質が含まれ,ACEを阻害することで血圧上昇を抑制していることが示された.(4)酸度とエキス分が等しくなるように調製した大麦黒酢と米黒酢について,SHRを用いた単回投与試験を行った.大麦黒酢と米黒酢はどちらも対照と比較して有意に血圧が降下しており,今回の実験では大麦黒酢の方が血圧降下の程度が高かった.このことから,大麦黒酢は米黒酢と同等以上の血圧降下作用を有することが示された.
著者
小田原 悦子
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.286-291, 2013-10-25 (Released:2015-07-06)
参考文献数
15

作業療法は1917年に設立され,作業を使って障害,病気の人が社会に復帰するように援助する専門職としてアメリカで教育が始まった.作業療法の設立者が専門職を人間の健康は日常の作業によって形成されるという包括的な見方に基礎づけたことを反映し,学生教育は幅広いものであった.その始まりから,臨床家の教育に影響する健康の概念に関する2度の大きな転機があった.1.リハビリテーション医療との密接な連携によって保護されたが,伝統的な医学モデルに影響を受け,医療診断に基づいた臨床を発展させた.2.健康のより広い概念,参加モデルへ再度移行した.作業療法研究者,教育者の視点から,第2の転機における文化人類学の貢献を述べる.