著者
門脇 拓也 丸山 三智佳 早川 智彦 松澤 直熙 岩崎 健一郎 石川 正俊
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.23-30, 2019 (Released:2019-03-31)
参考文献数
15

Recently, many interactive video display devices using body movement as input have been developed. However, their intrinsic latency before the resulting images are displayed creates a discrepancy between the visual information to the user and the physical sensation. This research aims to investigate the impact on user performance and latency perception when there is latency between the user's physical input to the system and the visual feedback. We developed a video latency control system to film the user's hand movements and control the latency when displaying the video (The standard deviation is 0.38 ms). The minimum latency of the system is 4.3 ms, hence this enables us to investigate the performance and latency perception in unknown low latency range. Using this system, we conducted experiments wherein 20 subjects performed a pointing task based on Fitts' law to clarify the effect of video latency, particularly for low latency. Experimental results showed that when the latency is over 24.3 ms, it begins to be sensed more easily by the user and the performance begins to decrease. This result will be applied to determine a standard limit for video latency in interactive video devices.
著者
石川 正弘 谷 健一郎 桑谷 立 金丸 龍夫 小林 健太
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.122, no.7, pp.291-304, 2016-07-15 (Released:2016-08-02)
参考文献数
71
被引用文献数
1

丹沢層群および丹沢複合深成岩体は,かつての伊豆小笠原弧の火成活動に伴うものと考えられ,丹沢層群と深成岩体は,伊豆小笠原弧の上部地殻と中部地殻が島弧衝突に伴って隆起・露出したと解釈されてきた.しかし近年,丹沢複合深成岩体について岩石学,地球年代学,地球化学,岩石磁気学的な手法を使った再検討が行われ,深成岩体は中部地殻断面ではなく,衝突マグマ活動によって形成されたことが明らかにされた.さらに,丹沢変成岩から組成累帯構造を持つ角閃石が見つかり,従来説の接触変成作用だけではなく,非常に暖かいスラブの沈み込みとそれに続く急上昇プロセスが明らかにされつつある.このように丹沢山地の深成岩と変成岩の形成プロセスに関する視点は今まさに大きく転換しつつある.今回の地質巡検では,伊豆衝突帯のジオダイナミクスという視点から丹沢山地に分布する丹沢層群,丹沢変成岩,丹沢複合深成岩体,足柄層群,神縄断層を案内する.
著者
羽田 勝 布袋屋 啓子 石川 正俊 斎賀 明彦
出版者
一般社団法人 日本顎関節学会
雑誌
日本顎関節学会雑誌 (ISSN:09153004)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.92-107, 1997-06-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
18
被引用文献数
2

楽器演奏が顎関節症の原因となるか否かについては, 必ずしも明らかでない。そこで, 本研究では音楽学部 (366名) と一般学部 (191名) の全学生を対象に演奏楽器の種類と顎関節症の臨床症状の有無や各種既往歴などについて横断的なアンケート調査を行い, 楽器演奏と顎関節症との関連について検討した。アンケート結果の分析に際しては, 音楽学部学生を声楽や管楽器などの演奏に口を使用する口使用群 (116名) と, 鍵盤楽器, 弦楽器や打楽器などの口を使用しない不使用群 (250名) に分けて検討した。その結果, 以下のような知見が得られた。1. 顎関節症の主要3徴候の発生頻度には, 各被験群間で差がなく, 何れの群でも関節雑音の発生頻度が最大であった。2. 口使用群では, 2つ以上の症状を保有する複症者の割合が3年生までは低かったが, 4年生で著しく増加し, 他の被験群よりも有意に高い頻度であった。3. 口使用群の複症者の割合は, 声楽を専攻する学生で有意に高く, リード楽器では複症者や3徴候を全て保有する重症者の発生がなかった。4. Bruxismについては, 各被験群の複症者や重症者において自覚するものが比較的多く, 症状を持たない無症者では少なかった。以上の結果から, 楽器演奏全般が顎関節症と関連を持つ訳ではなく, 声楽において関連性の高いことが示唆された。また, 口使用群ではBruxismがあると顎関節症を誘発する可能性の高いことが示唆された。
著者
石川 正恒
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.1184-1186, 2014 (Released:2014-12-18)
参考文献数
10
被引用文献数
1

髄液は脳室内の脈絡叢で産生され,一方向に流れて,最終的には上矢状洞のクモ膜顆粒から吸収されると考えられてきたが,近年,この髄液が一方向に流れるBulk flow説に対する疑問が出されるようになり,産生・吸収・循環の面から再考を迫られている.髄液産生吸収の主たる部位が脳毛細血管とする説は脳室やくも膜下腔の髄液の由来をあらためて考えなければならない可能性をもたらしているが,新たな視点で髄液をみる機会でもあり,髄液研究の更なる進展が期待される.
著者
尾川 順子 並木 明夫 石川 正俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.628, pp.73-78, 2003-01-28
参考文献数
17
被引用文献数
7

強化学習における割引率を学習進度によって調整することの有用性を示す.学習進度が浅いときには割引率を下げて即時報酬を重視し,学習が進むにつれて次第に割引率を大きくして,将来の報酬も考慮していくという戦略を提案する.また,学習進度の調整法として,指数的調整,TD誤差による調整,信頼度による調整を提案する.これをwindy gridworld 課題により検証する.
著者
常田 文彦 石川 正夫 渋谷 耕司 輿水 正樹 阿部 龍二
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.585-589, 1984
被引用文献数
8 14

銅クロロフィリンナトリウム(SCC)より消臭力が優れていて,口腔に利用できる消臭剤を探索するためにメチルメルカプタンを用いた消臭力試験法を設定し,生薬,スパイス等植物のメタノール抽出物の効果を測定した.その結果次の点が明らかになった.<br> (1)消臭作用を示した植物(消臭率60%以上のもの)は65科167種中23科40種,このうちシソ科に属する植物14種はすべてが有効であった.<br> (2) SCC程度以上の消臭力を示したものは6種あり,そのうちスナウ,ホオノキ,クコは過去に消臭作用をもつ植物として発表されたことはない.またセージ,ローズマリー,タイムはその精油に魚臭抑制作用があることが知られているが,本研究では非精油画分にメチルメルカプタン捕捉作用が認められ,新規の消臭成分め存在が示唆された.
著者
安部 明 岩田 博武 石川 正夫 西川 誠
出版者
一般社団法人日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.29-50, 1971-03-01
被引用文献数
1 2

昭和45年7月1日の集中豪雨によって,千葉県の南部では,山地の崩壊と流出土砂によるダムアップがもたらす河川災害が発生した.この報告においては,山地の崩壊についての発生機構を現地における地形・地質の関連からあきらかにするとともに,河川災害が河川の中〜上流域に集中するにいたった,河川災害の発生機構について推論するものである.
著者
石川 正俊 下条 誠
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.24, no.7, pp.662-669, 1988-07-30 (Released:2009-03-27)
参考文献数
13
被引用文献数
3 13

An imaging tactile sensor for the measurement of pressure distributions and a real-time tactile image processing system using the sensor are described.The sensor has a 64×64 array of sensitive sites using pressure-conductive rubber and electrodes on PC board. The scanning circuit of the sensor realizes precise and high speed scanning, 16.7ms per one frame, using a FET at every site for switching. As the output of this sensor is a video signal, pressure distributions can be visualized by a monitor TV and can be recorded by a video tape recorder.By connecting the sensor with a high speed image processor, tactile image processing has been realized. In this paper, showing some examples such as smoothing, contour, trace, and adaptation of tactile images, features of tactile image processing are definitely shown by comparing with visual image processing. This system is used as a developing system of tactile processing algorisms as well as for the measurement of pressure distributions of human body with beds or chairs in the field of human engineering.In this paper, the structure of the sensor and the architacture of the system are described and experimantal results are shown.
著者
高山 慈子 三浦 英司 細井 紀雄 前田 伸子 渋谷 耕司 石川 正夫
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.208-220, 2000-04-10 (Released:2010-08-10)
参考文献数
23
被引用文献数
2 1

This study was conducted to investigate the principal factors involved in the discoloration of 12 Wt% Au-Ag-Pt alloy. Luminance of cast clasps, oral conditions, the presence cariogenic microbes such as Streptococcus mutans and Lactobacillus in saliva, Candida on the tongue and the amount of volatile sulfur compounds (VSC: H2S and CH3SH) produced by the tongue coating were evaluated in 70 subjects (VSC: 45 subjects). The surfaces of cast clasps were observed using an electron probe X-ray microanalyzer and changes in the surface were evaluated in relation to the degree of discoloration.The results were as follows:1. The Mann-Whitney U-test revealed statistically significant differences (p<0.05) between the production of CH3SH and VSC (CH3SH+H2S) and luminance.2. Examinations of the cross section of markedly discolored casts revealed a very rough surface. A distinct peak of S was also indicated by linear analysis.The results demonstrated that among the many different factors such as oral conditions and oral flora, the production of CH3SH was the most significantly related to the discoloration of 12 Wt% Au-Ag-Pt alloy. The potential for discoloration tended to be higher in subjects who had a high production of CH3SH.
著者
下条 誠 牧野 了太 小川 博教 鈴木 隆文 並木 明夫 斎藤 敬 石川 正俊 満渕 邦彦
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2002, 2002
被引用文献数
3

神経系を介して生体系と機械系を一体化しようとする試みは, 医用生体工学の中でも最も注目を浴びている領域の一つである。しかしながら, いまだ世界において実際に遠隔地にある外部機器と生体の感覚神経を接続し, 人工感覚を生成するシステムを作成した報告は全く見あたらない。本研究では, 遠隔地にあるロボットハンドを被験者がネットワーク経由で操作を行い, ハンドと対象物との接触情報を, 再度ネットワーク経由で被験者の触感覚神経を刺激することで, ハンドに加えられた感覚刺激を自分の手に感覚が加えられたものとして感じる事を可能とするシステムを開発し, 実験に成功した。本報告ではこの実験システムに関して報告する
著者
小室 孝 石井 抱 石川 正俊 吉田 淳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.75-82, 2001-01-01
被引用文献数
39

本論文では, 高速ビジョンの特性を生かしたアルゴリズムを専用ハードウェア化することで画素数や速度の向上を図った新しいビジョンチップのアーキテクスチャを示す.また, 同アーキテクスチャに基づき, 0.6μmCMOSプロセスを使用し, 64×64画素を集積したチップを試作した.その動作報告を行う.