著者
福井 里江 原谷 隆史 外島 裕 島 悟 高橋 正也 中田 光紀 深澤 健二 大庭 さよ 佐藤 恵美 廣田 靖子
出版者
公益社団法人日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.213-222, 2004-11-20
被引用文献数
1 11

組織風土尺度30項目版(外島・松田, 1992, 1995)の短縮版を作成し, 信頼性と妥当性を検証するため, 民間企業2社の正社員819名を対象として自記式質問紙調査を実施した. 調査内容は, 原版の組織風土尺度30項目版, NIOSH職業性ストレス調査票(the Generic Job Stress Questionnaire, GJSQ), および一般健康調査12項目版(the 12-item General Health Questionnaire, GHQ-12)であった. 組織風土尺度には伝統性尺度, 組織環境性尺度という2つの下位尺度があり, それらの得点の高低によって, 各従業員が認知する組織風土を伝統自由・組織活発型(イキイキ型), 伝統強制・組織活発型(シブシブ型), 伝統自由・組織不活発型(バラバラ型), 伝統強制・組織不活発型(イヤイヤ型)に分類することができる. 原版の組織風土尺度の主成分分析を行った結果(バリマックス回転, 因子数2), それぞれの因子における因子負荷量が0.50以上であった各6項目を短縮版に採用し, 組織風土尺度12項目版(the 12-item Organizational Climate Scale, OCS-12)とした. 内的一貫性は伝統性因子がα=0.63, 組織環境性因子が0.71と許容範囲であった. OCS12の各下位尺度はGJSQの多くの下位尺度およびGHQ-12と有意に相関し, 構成概念妥当性が比較的高いことが示された. OCS-12を用いて分類した組織風土の4類型間では, イキイキ型における職業性ストレスが最も良好であった. OCS-12は職場の組織風土に関する従業員の認知を測定する上で, おおむね十分な信頼性と妥当性を有することが示唆された. (産衛誌2004;46:213-222)
著者
福井 千春
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

フランス語の最古の武勲詩『ローランの歌』は悲劇の舞台となったスペインにも伝わるが、この地では逆にローランを屠るベルナルドの伝説が形成されていく。この人物は中世を通じて親しまれ、肥大化し、とうとう国民的英雄にまでなって『ドン・キホーテ』になだれこむ。カロリング朝の伝説とアーサー王伝説が結合して、近代文学で新たな意味をおびる様を論じた。
著者
福井 裕行
出版者
徳島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

条件給餌ラットの給餌中止に伴うnose pokingに対して抗ヒスタミン薬の前処置は顕著な効果を示さなかった。一方我々は、弓状核尾側のc-Fos発現におけるPKCδの関与を示唆するデータを得た。以前、視床下部のPKCδを介する肝臓のglucose産生抑制が報告されていることから、我々は条件給餌ラットにおけるヒスタミン神経系を介する肝臓のglycogen代謝調節について検討した。条件給餌ラットにおいて給餌中止直後に対する、給餌中止4時間後の肝臓におけるグリコーゲン量を測定ところ、リン酸緩衝液を投与した対照群においてはあまり変化が見られなかったのに対し、抗ヒスタミン薬投与群においてはグリコーゲン量の有意な減少が見られた。このことから、ヒスタミンH1受容体(HIR)を介する肝臓のグリコーゲン分解抑制が示唆された。肝臓におけるHIRの発現は弱く、この変化は中枢のヒスタミン神経機能を反映していると考えられた。これまでに中枢ヒスタミン神経系による末梢エネルギー代謝調節機構はほとんど研究されておらず、本研究により弓状核尾側部位を介する中枢-末梢シグナル連関が初めて明らかとなることが期待される。さらに我々は、給餌中止により興奮するヒスタミン神経細胞群の同定を行った。ヒスタミン神経の細胞体が局在する結節乳頭核(TM)におけるc-Fosとヒスタミン合成酵素であるヒスチジンデカルボキシレース(HDC)との共発現について検討したところE3 subgroupのヒスタミン神経のみに顕著な興奮が見られた。本研究から、TMには各部位へと投射しその部位を介する特異な機能に関与する機能的にヘテロなヒスタミン神経細胞群が存在することが示唆された。
著者
上田 明頌 西川 敬之 福井 健一 森山 甲一 栗原 聡 沼尾 正行
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

これまで我々は個人の感性を学習し、それを反映させた楽曲を自動生成するシステムを開発してきた。本論文では、音楽の重要な要素であるメロディのモチーフがどのように展開されるかを学習し、それを自動作曲システムに反映させることを提案する。これにより、メロディの質が向上し、より個人の感性に訴える曲が生み出された。
著者
福井 秀夫 畠中 薫里 久米 良昭 玉井 克哉
出版者
政策研究大学院大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

1.土地利用及び環境の融合領域に係る法改正スキームの構築都市計画・建築規制、借家法制、不動産競売法制、景観法制、都市環境法制等に関する法律を対象に、現行制度の問題点を摘出したうえで、これを解決するための具体的法改正スキームを構築した。そのうえで、コースの定理等法と経済学のツールを適用した分析を行い、その妥当性を検証した。2.土地利用・交通需要予測総合モデルによる法改正影響の分析東京大都市圏(一都三県+茨城南部)を対象とする土地利用・交通需要予測総合モデルを利用し、ロードプライシングを始め、都市計画・建築規制、環境・景観法制に係る法改正を実施した場合に、交通流動、環境負荷及び都市構造に与える影響を推計した。具体的には、東京23区業務地区で20%増の容積率緩和を行った場合、域外からの流入等により就業人口が23区合計で約140万人増大する。これに伴い自動車交通量は、環6〜環2間で2.1%、環2内で5.5%増大する。これに対して環状8号線内側地域を課金エリアとし、この中に19ゾーンを設定したうえで、(a)エリア外から(環8を超えて)流入する車両及び(b)エリア内でゾーン境界を都心方向又は環状方向に通過する車両に課金する(課金額は一律200円)道路課金を導入するとともに、三環状道路が整備されれば、環6〜環2間自動車交通量は3%減少し、環2内でも1.2%の増大に留まる。3.法改正による総合的な費用・便益分析の実施20%増の容積率緩和により、オフィス賃料収入は年間4917億円増大する。これに対する道路混雑による社会的損失は、道路課金導入及び三環状道路整備が行われれば、年間713億円に留まる。このほか、容積率緩和による環境・景観悪化による社会的費用計測手法を開発し、法改正が社会にもたらす影響のバランスシートを作成する方法論を構築した。4.立法に係る学術的方法論の普遍化以上の成果を踏まえ、より普遍的な「仮説-検証」型立法の方法論を構築した。
著者
徳田 貴志 河合 浩志 岡田 裕 福井 泰好
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.76, no.770, pp.1255-1262, 2010-10-25
被引用文献数
3

Although three-dimensional finite element analysis has become a common tool in the industries to perform their design analyses, there still exist some difficulties in performing three-dimensional fracture analyses. One of them is that although automatic mesh generation techniques are available for tetrahedral finite elements, hexahedral finite elements are commonly used in three-dimensional crack analyses. The other is that the analysis models tend to be large in their scales. Therefore performing a three-dimensional fracture analysis takes much manual labor in the analysis model generation processes and computational time. In present research, the authors have been developing a fracture mechanics analysis system that minimizes the manual labor. The key components in the analysis system are a mesh generation software and the virtual crack closure-integral method (VCCM) for the second-order tetrahedral finite element to evaluate the crack parameters (the energy release rates and the stress intensity factors). Based on them, the software system was carefully designed to handle large scale analysis model. In this paper, as the first report, the outlines of the system and the finite element model procedures are described.
著者
栗田 真悟 得平 司 内山 匡将 根来 政徳 福井 浩之 岡本 浩明 谷本 武晴 白井 一郎 本田 侑子 住田 幹男 大園 健二 相原 雅治
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, 2008-04-20

【目的】全人工股関節置換術(以下THA)の術後,中・長期後の合併症で最も問題なのはコンポーネントの弛みである.この原因には、コンポーネントの設置不良や,感染,外傷などと,ポリエチレン摩耗粉によって生じる骨溶解による無菌性の弛みと言われている.今回この無菌性の弛みに影響する因子について調査検討を行った.<BR>【対象と方法】対象は,当院において初回THAを施行され2002年10月~2006年12月までの間に,再置換術を施行した19名26股のうち,複数回再置換術を施行した症例を除き,調査項目(年齢,初回THA手術日,再置換術日,再置換術前JOAscore,関節可動域,筋力,身長,体重,職業歴,Life-Space Assessment,1日の歩行時間,移動形態,趣味,再置換に対するきっかけ)が得られた女性9例11股(初回THA平均年齢は53.0±4.0歳,再置換平均年齢65.82±8.32歳)である.項目はカルテによる調査と電話での聞き取り調査を行った.方法は初回THA手術から再置換術までの経過期間の平均値より早期に再置換に至った症例(以下短期群)と,平均値よりも遅く再置換に至った症例群(以下長期群)と定義し,この2群間における調査項目について比較検討した.統計処理はt検定を用い,有意水準を5%未満とした.<BR>【結果および考察】THA再置換術までの日数の平均値は12.9±5.45年であり,短期群6名の平均年齢61.1±3.6歳,長期群5名の平均年齢74.8±8.0歳,再置換までの平均年数はそれぞれ8.9±1.98年,17.6±4.32年で有意差がみられた(p<0.008).術側JOAscoreにおいて短期群74.7±19.66点,長期群46.4±10.16点であり,短期群で有意に点数が高かった(p<0.016).また,JOAscoreの疼痛の項目に関して短期群31.7±9.83点,長期群19.0±5.48点,車・バスの乗り降りの項目に関して,短期群3.0±1.10点,長期群1.2±1.10点,ADL合計点においても短期群16.0±3.58点,長期群10.4±3.29点と各々の項目で短期群で有意に高かった(p<0.012, p<0.024,p<0.025).術側屈曲筋力MMTにおいて短期群4.5±0.55,長期群3.2±0.84,術側外転筋力MMTにおいて短期群4.3±0.82,長期群3.8±0.84であり,短期群で有意に筋力が高かった(屈曲p<0.031,外転p<0.003).移動形態では独歩,一本杖,二本杖で分類し検討した結果,短期群で有意に補装具が少ない傾向にあった(p<0.047).趣味では毎日スポーツジムに通う,毎日の散歩,年に数回の旅行に分類し検討した結果,短期群で有意に活動量において多い傾向がみられた(p<0.045).しかし,Gunnarらによる研究とは異なりBMIにおいて2群間で有意差はなかった(p<0.367).これらの結果から,短期群では疼痛が軽く筋力も長期群より強いため,ADL能力も高かったと考えられる.また仕事や趣味,さらに移動形態では,より独歩に近いことからも短期群の活動性の高さが伺える.すなわち,今回の調査では活動性が高いことが弛みを助長し,再置換のリスクを高める要因のうちの一つであることが示唆された.<BR>
著者
王 大慶 福井 幸夫 伊藤 哲也 中島 員洋 加藤 四郎 内貴 正治 栗村 敬 若宮 伸隆
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.567-572, 1990-06-15

ハムガニツウ・ダイハー(HD)抗原は, Nーグリコリルノイラミン酸を抗原決定基とする異好抗原であり, ヒト・ニワトリ以外の動物血清に存在することが知られている. 今回, 我々は, 9種の動物血清(牛胎児, 子牛, 馬, 山羊, 猿, 家兎, モルモット, ラット, マウス)を用いて, SDS-PAGE, Western blottingを行い, アビジン・ビオチン・アルカリホスファターゼ法を用いた高感度免疫染色により, HD抗原糖蛋白を検出した. HD抗原は, 血清蛋白中では, 銀染色の感度限界程度の微量蛋白であり, 動物によって, その分子量に多様性が認められた. 又, 牛血清では, 加齢による新しいHD蛋白の出現が, 認められた. これらの動物血清におけるHD抗原糖蛋白は, 糖脂質同様, "血清病"を惹起する可能性のあることが示唆された.
著者
福井 守
出版者
駒澤大学
雑誌
法学論集 (ISSN:04393287)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.65-84, 1974-12-15
著者
福井 春雄 正田 敏幸 藤原 公 村岡 高志 次田 隆志
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会四国支部紀事 (ISSN:0915230X)
巻号頁・発行日
no.26, pp.9-16, 1989-12-25

前報においては,根菜類のモデルとしてハツカダイコンを用い,各種濃度のキトサン溶液による種子被覆および,キチン・キトサンを土壌混和してポット栽培試験を行い,キチン・キトサンによる作物の生長促進効果とその作用性を調べた。その結果,0.01%キトサン溶液の種子被覆によって顕著な根部肥大効果が認められ,またキトサンの種子被覆および土壌混和によって,ハツカダイコンの根部および葉部におけるキチナーゼ活性が賦活された。さらに,根部への窒素およびカリウムの吸収量増加が認められ,キトサンによる作物への作用性が示唆された。しかし,キチンの土壌混和による根部肥大等の効果は見られなかった。そこで本報では,前報で根菜類に対する生長促進効果の認められたキトサンに注目し,種々のキトサン処理を施した各種の作物について圃場における栽培実験を行い,各種作物への栽培適用性を検討した。
著者
立丸 允啓 大峯 三郎 馬場 健太郎 福井 貴暁 緒方 宏武 和田 菜摘 長野 友彦 小泉 幸毅
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.33-41, 2023-04-20 (Released:2023-04-20)
参考文献数
27

【目的】本研究の目的は,脳卒中患者における歩行自立判定指標として杖把持片脚立位時間が妥当性を認めるか検証することであった。【方法】脳卒中患者103名を解析対象とし相関分析,退院時病棟内歩行能力での2群間比較,多重ロジスティック回帰分析を行った。【結果】杖把持麻痺側・非麻痺側片脚立位時間ともに相関係数はBerg Balance Scaleが最高値で,歩行自立群と見守り群との比較でも有意差が認められた。多重ロジスティック回帰分析では,杖把持麻痺側片脚立位時間と認知関連行動アセスメント(Cognitive-related Behavioral Assessment:以下,CBA)が選択された。【結論】脳卒中患者の歩行自立判定指標として,杖把持麻痺側・非麻痺側片脚立位時間ともに妥当な評価方法であることが確認された。また,杖把持麻痺側片脚立位時間とCBAとの組み合わせが高精度な歩行自立判定指標になることが示唆された。
著者
トムソン木下 千尋 福井 なぎさ
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.172, pp.48-61, 2019 (Released:2021-04-26)
参考文献数
21

本稿は,オーストラリアでの日本語教員養成と教育実習を一大学の事例から検討するものである。背景にある課題として、初等・中等教育の学習者が多いオーストラリアでは初等・中等教育の教師の養成が重要であることが挙げられる。また,大学における日本語教育担当者の育成はシステマティックには行われていないのが現状である。さらに,オーストラリアで短期滞在し教育実習をする日本の大学の学生も多い。ここでは,該当大学の教育実践を実践コミュニティ,越境的学習という二つの論点から紹介し,これらの教員養成課題に日本語教育関係者が貢献できるのは,日本語教育実践をしっかり行うことだとする。自らが持つ日本語教育の理念,該当大学の場合は,日本語教育を通じて「つながる力」をつけることを実践し,それを体験してもらうことが将来の日本語教員の育成につながると考える。
著者
吉岡 昌美 中江 弘美 篠原 千尋 十川 悠香 福井 誠 日野出 大輔 中野 雅徳
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.16-24, 2023-04-30 (Released:2023-09-10)
参考文献数
13

要介護高齢者の口腔機能低下やそれに伴う食形態の制限は,低栄養や免疫機能低下を通じて発熱や肺炎の発症リスクを上昇させると考えられる.本研究では,経口摂取が可能な施設入所要介護高齢者を対象に,「口腔ケア支援簡易版アセスメントシート」を用いた約1 年半のコホート調査を行い,その間の37.5℃以上の発熱とベースラインの口腔アセスメント結果との関連性について調べ,発熱発生に関連する要因を明らかにすることを目的とした.1 年間の発熱の有無が確定できた259 名を対象に分析した結果,1年間の発熱有無と主食形態,開口困難,舌の前突困難,飲み込みにくさ,口腔ケア自発性なし,開口保持困難,水分保持困難との間に有意な関連を認めた.さらに,観察期間を限定せずデータが得られた279 名を対象にこれらの項目と発熱発生との関連性について分析した結果,年齢,性別,BMI, 認知症自立度で調整しても開口困難,舌の前突困難,飲み込みにくさ,口腔ケア自発性なし,開口保持困難,水分保持困難との間に有意な関連性が認められた.また,年齢が高いほど,BMI が低いほど発熱リスクは高く,女性に比べて男性で発熱リスクが高いことも明らかとなった.以上のことから,開口,舌の前突,飲み込み,水分保持などに関する口腔機能の低下が,発熱リスクの予測因子となりうる可能性が示唆された.
著者
大浦 真一 松尾 和弥 福井 義一
出版者
一般社団法人 日本健康心理学会
雑誌
Journal of Health Psychology Research (ISSN:21898790)
巻号頁・発行日
vol.32, no.Special_issue, pp.127-134, 2020-03-20 (Released:2020-03-20)
参考文献数
42
被引用文献数
1 2

People that grow up in environments of maltreatment often have problems in their interpersonal relationships, and the lack of empathy could be a background factor in their difficulties. However, the results of recent studies have questioned this contention, and therefore, more detailed investigations are required. Experiences of maltreatment are known to negatively influence attachment, which is required to foster empathy. Therefore, we investigated the influence of maltreatment experiences on empathy via internal working models of attachment from a cognitive-emotional perspective and differences in the orientation of empathy. A questionnaire survey was conducted with university students (N=278). Results of structural equation modeling of their responses indicated that experiences of maltreatment increased self-oriented empathy through negative attachment-anxiety (model of the self). Moreover, such experiences reduced other-oriented empathy through attachment-avoidance (model of other). These results suggest that those growing up in environments of maltreatment not only lack empathy but are also unbalanced.
著者
福井 秀樹
出版者
公共選択学会
雑誌
公共選択 (ISSN:21872953)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.77, pp.89-113, 2022 (Released:2023-03-29)
参考文献数
19

This paper investigates the effectiveness of matching techniques in improving covariate balance and reducing bias in estimating the effects of treatment through Monte Carlo simulation analysis. The results suggest that Propensity score matching (PSM), Mahalanobis distance matching (MDM), and Coarsened exact matching (CEM) are all effective in improving covariate balance, and that the "PSM paradox" pointed out by King and Nielsen (2019) is not observed in the relationship between the number of pruned observations and covariate balance. Rather, the results suggest that regardless of the matching method, improving covariate balance may lead to a paradoxical situation: beyond a certain point, the improvement of covariate balance no longer contributes to reducing bias in estimated effects of treatment. Also suggested is that even though the matching techniques cannot adjust for the bias of excluded variables and unmeasured confounders, when both are present, estimation after matching may reduce bias in estimated treatment effects better than OLS without matching.
著者
松尾 和弥 福井 義一
出版者
一般社団法人 日本健康心理学会
雑誌
Journal of Health Psychology Research (ISSN:21898790)
巻号頁・発行日
vol.32, no.Special_issue, pp.117-125, 2020-03-20 (Released:2020-03-20)
参考文献数
61

Childhood abuse is known to have a significant negative impact on social perception. Therefore, abused people have highly negative psychosocial adaptation. In this paper, we focused on facial expression recognition among social cognition and discussed interpersonal relationships of abused people. Childhood abuse encourages excessively sensitive reactions to negative facial expressions and inhibits the establishment of good relationships with others. We have discussed these reactions from the following perspectives: (1) adaptation to severe environments, (2) the lack of learning and biased learning, and (3) problems of attachment. We also examined methods of intervention for correcting problems related to the recognition of facial expressions. Finally, we have discussed possibilities for future research.