著者
福井 智紀 鶴岡 義彦
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.1-12, 2001-10-31 (Released:2022-06-30)
参考文献数
35
被引用文献数
1

Darwin の自然選択説やLamarck の用不用・獲得形質遺伝説などの主要な進化学説が提示された際に,それを生徒がどのように捉えるかを調査した。調査は,中学生・高校生・大学生に対して実施した。捉え方について,学校段階による差異が見られるかにも着目した。調査は質問紙法で行った。まず,ある進化事象の例を提示した。次に, この進化事象がどのように説明されるべきかについて, 4つの主要な進化学説(自然選択説,用不用・獲得形質遺伝説,定向進化説,大突然変異説)に基づく4人の答えを提示した。被験者に, この4人の説それぞれに対する賛成・反対を, 4段階尺度で回答させた(賛否得点として得点化した)。さらに問題毎に,誰に一番賛成できるかも回答させた。問題は3題で, 1題は退化の事象を提示した。調査の結果,以下の点が明らかになった。1) 現在科学的に妥当とされる自然選択説は,学校段階の上昇とともに支持が増加している。特に,大学生ではこの説の支持が高い。ただし退化の事象についてのみは(実際にはこれも進化の事象であるにも関わらず)学校段階による差異が見られず,大学生による支持も高くない。2) 用不用・獲得形質遺伝説は,現在は科学的に妥当とはされていないにも関わらず,支持は比較的高い。特に,高校生における支持が中学生・大学生と比べて高い。3) 定向進化説は,中学生の支持か高校生・大学生と比べて高い。4) 大突然変異説については,中学生・高校生・大学生の全てで,支持は非常に低い。5) 一番賛成できる説について,およそ3~4割の者は3問題に一貫した回答をした。自然選択説を一貫して選択した者は,大学生では24.1 %と比較的多数存在した。一方で,用不用・獲得形質遺伝説を一貫して選択した者は,中学生・高校生・大学生いずれにおいても1割以上いた。
著者
福井 佳子 徐 信夫 前島 精治 酒谷 省子 草壁 秀成 清金 公裕
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.534-543, 1995 (Released:2010-08-25)
参考文献数
29
被引用文献数
9

昭和52年4月から平成7年3月までの18年間の転移性皮膚癌32症例を集計した。同期間内に当科外来を受診した新患総数に対する転移性皮膚癌患者の頻度は0.04%であった。年齢構成は平均58.9歳 (男: 59.2, 女: 58.6), 原発巣分類では胃癌 (9例)・乳癌 (8例)・肺癌 (7例) が多く, 全体の75%を占めていた。転移部位は胸腹部に多くみられ, 多発型が多かった。臨床像は結節型, 組織像は腺癌が圧倒的に多かった。原発巣発見後皮膚転移までの平均期間は36カ月で, 乳癌は長い傾向にあった。皮膚転移後死亡までの平均期間は5カ月で, 6カ月以内に死亡する例が全体の75%を占めていた。
著者
野本 保夫 川口 良人 酒井 信治 平野 宏 久保 仁 大平 整爾 本間 寿美子 山縣 邦弘 三浦 靖彦 木村 靖夫 栗山 哲 原 茂子 浜田 千江子 佐中 孜 中尾 俊之 本田 雅敬 横田 眞二 須賀 孝夫 森 典子 下村 旭 金 昌雄 今田 聰雄 田中 良治 川西 秀樹 枝国 節雄 福井 博義 中本 雅彦 黒川 清
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.303-311, 1998-04-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
24
被引用文献数
25 25

硬化性被嚢性腹膜炎 (sclerosing encapsulating peritonitis, SEP) はCAPD療法における最も重篤な合併症の1つである. 平成7-9年度にわたり, 厚生省長期慢性疾患総合研究事業慢性腎不全研究班に参加した『CAPD療法の評価と適応に関する研究班』にてこの病態に焦点をあてSEPの診断基準, 治療のガイドラインを作成し検討を重ねてきた. 今回平成7-8年度の成果を土台に1年間経験を各施設より持ち寄りその実際的な問題点を明らかにし, 改訂するべき事項があればさらに検討を続けることを目的として叡知をあつめ, 平成9年度硬化性被嚢性腹膜炎コンセンサス会議を開催した.今回は主に診断指針の見直しおよび治療および中止基準の妥当性に焦点をあて検討し改訂案を作成した. 診断基準に関しては昨年度に提示した定義に根本的な変更点はなかった. しかし, 治療法に関し若干の手直しを行った. 栄養補給は経静脈的高カロリー輸液 (TPN) を主体に行うが, 具体的投与量を提示した. 一部症例にステロイド薬 (含パルス療法) がSEP発症直後の症例に著効を示した症例に加えて, 一方不幸な転帰をとった症例も報告された. また, 外科的腸管剥離についても再検討を行った. 中止基準に関しては一部の手直しと小児症例に関するガイドラインも新たに加えた.以上当研究班で3年余にわたる作業を行ってきたが, 現時点での諸家のコンセンサスを得たSEP診断治療指針 (案) を上梓することができた. しかしながら本病態の多様性, 治療に対する反応性の相違から基本的な治療方針の提示にとどめた. 今後さらに中止基準を含んだSEP予防法の確立や生体適合性の良い透析液の開発が重要であることはいうまでもない.
著者
福井 昌則 大立 博昭 黒田 昌克
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 夏季研究発表大会 予稿集 2022 夏季研究発表大会 (ISSN:27584801)
巻号頁・発行日
pp.55-59, 2022 (Released:2023-02-24)
参考文献数
9

本研究の目的は,ゲームの利用方法,および幸福感の関連性が,ゲームプレイ時間によってどのように異なるかについて構造的に把握することである.1 日のゲームプレイ時間(1 週間平均),「ゲームの利用と満足」尺度,「日本版主観的幸福感」尺度を準備し,私立大学情報系学部の2 年生256 名対象に調査を実施した.「ゲームの利用と満足」の各因子と幸福感の関連性について,プレイヤ別に多母集団同時分析を行ったところ,ライトゲーマとヘビーゲーマでは,幸福度に関与しているゲームの利用と満足の因子に違いがあることが認められた.
著者
福井 謙太郎 藤井 亮吏 田原 大輔 早川 洋一 古屋 康則
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.173-186, 2007-11-26 (Released:2011-12-02)
参考文献数
39
被引用文献数
1

Gonadal development and serum profiles of sex steroids in reproductive KAJIKA, Cottus sp.SE (small egg type), were monitored over a 12-month period. The female reproductive cycle was divided into the following 5 periods based on oocyte development: recovery period (May to August), cortical alveoli formation period (September), vitellogenic period (October to December), reproductive period (January and February) and spent period (March and April). Based on ovarian histological observations, females may spawn 2 or 3 times in one reproductive period. Serum levels of estradiol-17β increased during the vitellogenic period, indicating regulation of the vitellogenetic progress. Serum 17, 20β-dihydroxy-4-pregnen-3-one in females exhibited high levels only during the reproductive period, suggesting a role in inducing final oocyte maturation. The male reproductive cycle was divided into the following 5 periods based on testicular histological observations: resting period (June to August), spermatogonial proliferation period (September), spermatogenic period (October and November), reproductive period (December to February) and spent period (March to May). Parasperm formation, which is known in some cottidae species, was noted, occurring in the sperm ducts during the spermatogenic period, but only in the main testicular lobes during the reproductive period. Serum 11-ketotestosterone levels in males increase of continually during the spermatogenic period, suggesting a role regulation of spermatogenesis in this species.
著者
田中 陽一 福井 美晴
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.95-101, 2023-02-15 (Released:2023-02-15)
参考文献数
24

全人工膝関節置換術後(以下,TKA)に身体知覚異常を呈していた症例に対し,目標共有介入に加えて触圧覚識別課題を併用して実施した.約5週間の介入の結果,身体知覚異常の程度が改善し,疼痛強度も軽減した.本症例の介入結果により,TKA後には複合的な評価に基づき,評価結果から適切な治療介入を組み合わせることが有用ではないかと考えられた.
著者
平山 晃久 山口 昌史 中田 哲誌 奥村 美和 山崎 智美 渡辺 徹志 福井 昭三
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
衛生化学 (ISSN:0013273X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.303-306, 1989-08-31 (Released:2008-05-30)
参考文献数
7
被引用文献数
6 7

0.1% NH2OH (2.5 ml), 5 N HCl (2.5 ml) and 1% m-aminophenol solution (1 ml) were added to unsaturated fatty acid methyl enters (10 mg), and the mixture was heated in a boiling water bath at 100°C for 20 min. The reaction mixtures were measured for their fluorescence intensity at Ex. 356 nm and Em. 505 nm, and the amounts of acrolein formed were determined from its calibration curve. Methyl linolenate oxidized for 20 h at 80°C, 2258.2μg/g of acrolein were formed, whereas 208.1μg/g of malondialdehyde were determined by the thiobarbituric acid method. Thus the determination of acrolein in oxidized lipid may have some fundamental significance for the evaluation of lipid oxidation. It was of interest that acrolein is formed not only from glycerin and triglyceride but also from unsaturated fatty acids by their autoxidation.
著者
冨永 哲志 豊田 則成 福井 邦宗
出版者
日本スポーツ心理学会
雑誌
スポーツ心理学研究 (ISSN:03887014)
巻号頁・発行日
pp.2015-1415, (Released:2015-11-28)
参考文献数
42
被引用文献数
2 1

The objective of this study was to qualitatively examine and conceptualize a model of the development of ability in the performance process. This qualitative research study was based on the research question, “How do performers narrate the process when they develop the ability to do something?” Data were collected observations and introspective reports from 8 performers who had learned to juggling for the first time and were analyzed using the Trajectory Equifinality Model.Results showed that performers slowly developed a sensuous understanding about the exercise task because they sought to perform better. Moreover, performers developed the ability to complete the task because of their improved sensuous understanding. That is to say, performers’ narration of the process of ability development reflects a qualitative shift resulting from an understanding of oneself through repeated “self-regulation”and “over-adjustment” .The following three points are also discussed: 1) The knack of ability development in performance, 2) They were confronted with their personality implied at qualitative shift, 3) The meaning of “stagnant performance” during task achievement.
著者
福井 正道
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.3-11, 1966-03-15 (Released:2018-11-30)
著者
福井孝治 [著]
出版者
理想社
巻号頁・発行日
1936
著者
宮脇 富士夫 福井 康裕 大内 克洋 吉光 喜太郎
出版者
東京電機大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

C++で記述したプログラムとUppaalで記述した外科モデルとの交信を可能とするソフトウェア的アダプタであるDTRONの開発によって、SNRの末梢神経系と中枢神経系が統合され、SNRは術中情報および自分自身の行動やその目的を”認識”できるようになった。手術野で使用されている手術器具情報を実時間に取得するシステムはほぼ完成した。RFIDアンテナが隙間無く敷き詰められた手術器具トレイ上の手術器具の認証と位置同定はまだであるが、隣り合うアンテナを2mm離せば同定は可能となった。腹部内臓の実時間同定に関して、種々の波長の光に対するウサギ腹部臓器表面の反射特性に臓器特異的なパターンがあることが判った。

1 0 0 0 経済と社会

著者
福井 孝治
出版者
大阪商科大学
巻号頁・発行日
1950

博士論文
著者
佐藤 洋一 福井 至 岩本 隆茂
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.47-62, 2002-03-31 (Released:2019-04-06)

本研究の目的は、福井・西山(1995)の作成した、論理情動行動療法に基づくComputer-AssistedCounselingのためのコンピューター・プログラムを基盤に、より実用性の高いプログラムを作成して、その効果を検証することであった。福井・西山(1995)のプログラムはJapanese Irrational Belief Test(松村,1991)の項目を用いて、不合理な信念を合理的な信念に変容するものである。しかし福井・西山(1995)の手続きでは1セッションあたりの所要時間が非常に長くなる恐れがあり、実用性に乏しいため、本研究では実施回数は変えずに、1セッションあたりの所要時間が50分程度でおさまるプログラムとした。また、論理情動行動療法のABCモデルの説明を加え、さらに不合理な信念をもっている場合の損な点と得な点を考えてくるというホームワークを追加した。実験の結果、本プログラムには、福井・西山(1995)のプログラムと同等以上の不安低減効果があることが示された。
著者
仲西 修 山室 宰 福井 偉功人 神 房次 冨宿 博隆 木庭 浩高 堀内 信子 西 正勝
出版者
九州歯科学会
雑誌
九州歯科学会雑誌 (ISSN:03686833)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.265-267, 1995-08-25 (Released:2017-12-21)
参考文献数
5

The activity of topical anesthesia for the needling pain of local anesthetic injection was examined by using visual analog scale in the eight healthy volunteers. Volunteers were applied topical anesthesia (5% benzocaine) or placebo at mucobuccal region of canine. The needling pain of local anesthetic injection was assessed at mucobuccal region of canine at 1.5 minutes after applying topical anesthesia or placebo. There were no significant differences between these two groups ; one was applied topical anesthesia, the other was applied placebo. We assumed that the time allowed from application of topical anesthesia to local anesthesia to local anesthetic infiltration was not long enough to cause differences.