著者
石川 孝子 福井 小紀子 岡本 有子
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.153-162, 2018 (Released:2018-04-25)
参考文献数
31
被引用文献数
1

【目的】終末期がん患者の死亡場所の希望と実際の一致を促進する可能性のある,訪問看護師による予後理解を促す支援の実施の促進要因を明らかにする.【方法】無作為抽出した全国1,000事業所の訪問看護師に,無記名質問紙調査を実施した.【結果】374名のうち,予後理解を促す支援をした割合は27.8%であった.予後理解を促す支援の実施の促進要因は,医師による患者への余命の告知あり(オッズ比3.22: 95%信頼区間1.81-5.73),予後理解を促す支援は看護師が説明すべきと認識している(2.12: 1.02-4.43),患者へ予後理解を促す支援の必要性を認識している(1.54: 1.08-2.21),1年間のがん患者の自宅看取り数が5人以上(1.78: 1.04-3.05)であった.【結論】患者の希望死亡場所の実現を目指し,訪問看護師による予後理解を促す支援の実施を促進するためには,上記4項目の推進の必要性が示された.
著者
石川 日出志 七海 雅人 中野 泰 佐藤 信 平川 新 平川 南 千田 嘉博 川島 秀一 浅野 久枝 竹井 英文 八木 光則 安達 訓仁 宇部 則保 菅野 智則 斉藤 慶吏 佐藤 剛 菅原 弘樹 高橋 憲太郎 千葉 剛史 福井 淳一 室野 秀文 小谷 竜介 辻本 侑生 藤野 哲寛
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

気仙地域は、海・陸域の複合生態系が豊富な資源を生み出し、縄文時代から現代までそれらを活用した人類営為が展開した。本研究は、当地域の歴史文化を歴史・考古・民俗学の手法で研究し、地域の方々と行政に提供する。これは甚大な東日本大震災被害から復興する当地域の方々を支援する取組でもある。調査は多岐に亙る。考古学では、古代・中世の漁撈関係遺物・集落遺跡データの集成、被災地域石碑の所在調査、中世塚・板碑群調査、中世城館群の縄張図作成等。歴史学では、中世遺跡群と文献史料との比較、熊谷家近世文書群の調査、大島正隆論文の公開等。民俗学では横田・小友地区で民俗慣行の調査と実施。3か年市民向け報告会を開催した。
著者
小金澤 正昭 田村 宜格 奥田 圭 福井 えみ子
出版者
森林立地学会
雑誌
森林立地 (ISSN:03888673)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.99-104, 2013-12-25 (Released:2017-04-03)

2011年3月に起きた東京電力福島第一原子力発電所の爆発事故は,広範な地域に放射性核種を飛散させ,原発から約160 km離れた栃木県奥日光および足尾地域においても低線量ではあるが,放射性セシウムの飛散が確認された。そこで,今後,森林生態系における放射性セシウムの動態と野生動物に及ぼす影響を明らかにしていく上での基礎資料を得るため,両地域において2012年の2月と3月に個体数調整で捕獲された計80個体のニホンジカの筋肉,臓器類および消化管内容物等の計9試料と,各地域における冬季のシカの餌植物8種の放射性セシウム濃度を調べた。9試料のセシウム濃度は,両地域ともに直腸内容物が最も高く,次いで第一胃内容物,筋肉,腎臓,肝臓,心臓,肺,胎児,羊水の順となっていた。このことから,放射性セシウムは,シカの体内全体に蓄積していることが明らかとなった。また,奥日光と足尾における放射性セシウムのシカへの蓄積傾向には,明瞭な差異が認められた。これは,両地域における放射性セシウムの沈着量と冬季の餌資源の違いが反映した結果と考えられた。さらに,直腸内容物の放射性セシウム濃度は,第一胃内容物および餌植物8種よりも高濃度であった。このことから,シカは採食,消化,吸収を通じて,放射性セシウムの濃縮を招いていることが示唆された。
著者
瀨古 祥子 福井 亘 濱田 佳奈
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究(オンライン論文集) (ISSN:1883261X)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.7-10, 2015-12-09 (Released:2016-01-29)
参考文献数
16

This paper will examine citizens’ thoughts on the pavement/curb failure by street tree roots in urban area of Kyoto city. The problem is a street tree root growth that rift up and break many pavements and curds. Through some questionnaire, this paper can know they have various thoughts on the problem. Citizens feel that street having the failures is not safe for their daily life. They also think the failure is not good for trees and the townscape. Some experts point out the size of planting plots and the wide of sidewalk is too small for street trees. This study also researches the incidence rate of the failure. We chose some main streets to this research. The sites of this research are 4 main streets running north-south in Kyoto city. All species of street trees for the research is maidenhair tree. As a result, people living in front of a street has the highest rate of the failure has stronger opinion on the problems than other cases. About 49% of them want to improve the condition of sidewalk and planting plot, and about 58% of them feel that the pavement/curb failure by street tree roots is not safe for walking. Improvement of comfortable sidewalk for street trees and people is required.
著者
山口 修 福井 和広
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.6, pp.1045-1052, 2001-06-01
被引用文献数
48

ヒューマンインタフェースやセキュリティの分野で, 顔画像を用いた個人識別技術が注目されている.本論文では, ポータブルPC上で動作する顔認識システム"Smartface"について述べる.ユーザに負担の少ない顔認識システムを構築するためには, 顔向きや表情の変化といった人物の変動を吸収する認識法が必要である.本システムでは, ロバストな顔特徴点検出法と動画像を用いた個人識別アルゴリズムを採用する.また, それに伴って増大する計算コストの削減法について述べる.実装したアプリケーション機能は, (1)個人識別による音声応答, 環境設定, (2)顔認識付きスクリーンセーバ, (3)リアルタイム変装シミュレーション, である.本システムは, 特殊な画像処理ハードウェアを用いることなく, カメラを接続したPC上でソフトウェアのみで動作する.
著者
福井 幸男
出版者
関西学院大学
雑誌
商學論究 (ISSN:02872552)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.31-51, 1994-12
著者
福井 勝則 大久保 誠介 羽柴 公博
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

AM帯域に混在する電磁波の観測を行い, 地震発生の1ヶ月前から電磁ノイズが増加し始め, 10日前にピークに達し, その後低下し(空白期間といえる部分が存在), 地震に至るという例が多数見られることを示した. 岩石破壊試験を実施した結果, 電磁ノイズなどの予兆現象が地震のかなり前にピークを迎えることは解釈が難しく, 破壊の集中あるいは水の移動により, 空白期間が発生した可能性が高いことを示した.

2 0 0 0 福井県史

著者
福井県編
出版者
福井県
巻号頁・発行日
1982
著者
福井 準之助
出版者
社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.68, no.11, pp.1046-1071, 1977-11-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
74

Voiding urodynamic studies (V. U. D.) were performed in a series of 75 children with infravesical obstruction other than neurogenic bladder by simultaneously recording the abdominal pressuer, urethral pressure, vesical pressure, anal sphincter tone, electromyograms (EMG) of the anal sphincter and urinary flow rate with a 6-channel polygraph. In addition, patients were tested for sacral nerve reflex wherever deemed necessary by means of urethral pressure profile (U. P. P.) and anal sphincter EMG. Through statistical analysis (by the student t-test) of data obtained for 35 voiding parameters in the V. U. D., attempts were made to clarify the voiding urodynamic characteristics in various disease states as well as to characterize the tracing patterns of individual voiding factors. The results obtained are as follows.1) Urethral hypertoniaUrethral hypertonia with spasms of the pelvic floor musculature: Both in males and females, urethral resistance was increased during micturition due to spastic pelvic floor musculature. In spite of consequent application of abdominal contraction in the facilitation of voiding, a lowered urinary flow rate and protracted urination were noted (Table 2-A). The voiding urodynamic pattern seen in this group of patients was characterized by elevation of urethral pressure and emergence of spikes in the tracing of anal sphincter tonus during urination with concomitant increments of spike discharge and increased amplitude in the anal sphincter EMG (Figs. 3-a and 3-b).Urethral hypertonia without spasms of the pelvic floor musculature: Voiding was apparently aided by the abdominal muscular contraction to overcome the increased posterior urethral resistance, yet, the urinary flow rate remained low. Vesical after-contraction was fairly frequent in this group of patients, and this finding is of particular note when viewed with respect to the detrusor-urethral smooth muscle organization. No significant difference could be observed for any voiding parameter between females in this group and a normal female control group (Table 2-A), and a greater pressure was noted to be required in males than in females for dilatation of the posterior urethra (Table 2-B). In the polygraphic tracing of voiding urodynamics, a normal relaxation of the pelvic floor muscles, increased vesical and urethral pressure and a lowered urinary flow rate were evident during urination (Figs. 4-a and 4-b-i, ii and iii).2) Congenital bladder neck obstructionCongenital bladder neck obstruction with spasms of the pelvic floor musculature: The condition in this group of patients was characterized by stenoses in the two areas of the urinary tract, i. e. the bladder neck and the posterior urethra (chiefly the membranous urethra), with a greater loss of energy at the former site in voiding. A high vesical pressure is eventually required to facilitate urination by overcoming augmented resistance at these sites (Table 2-A). The study has revealed a greater pressure was required to open the posterior urethra in males than in females (Table 2-B). There was evidence for elevation of vesical pressure and only a slight increase of urethral pressure; hence a noticeable difference between these pressures. The tracing of anal sphincter tonus showed spikes during voiding. Coinciding with them were interference waves in the EMG of anal sphincter. The urinary flow rate remained low (Fig. 6-i and 6-ii).Congenital bladder neck obstruction without spasms of the pelvic floor musculature: Energy loss associated with urination occurred primarily in the bladder neck, the condition requiring a high intra-abdominal pressure to open this region of the urinary tract. There was also a high vesical pressure required to facilitate completion of voiding by overcoming the increased resistance of bladder neck. Patients showed low urinary flow rates (Table 2-A). Polygraphic tracings showed a remarkably elevated vesical pressure with a peak in the initial cour
著者
福井 弘之 近藤 正治
出版者
徳島県立農林水産総合技術センター畜産研究所
雑誌
徳島県立農林水産総合技術センター畜産研究所研究報告 (ISSN:1347099X)
巻号頁・発行日
no.2, pp.82-85, 2002-12

本県の気候風土に適し、収量性、品質等が安定した優良品種を選定するため、前年の成績を基にイタリアンライグラス早~中晩生系12品種について比較試験を実施した結果、次の成果が得られた。生育特性:発芽、初期生育はニオウダチとハルカゼが他品種より劣った。草丈は供試品種の中で1番草はワセユタカの126cm、2番草はエクセレントの98cmが最も高く、4倍体ではエースとマンモスの127cmが高かった。倒伏は1番草でハルカゼとワセユタカにみられた。病害虫の被害は全品種共見られなかった。収量特性:生草合計収量はタチワセの870kg/a、乾物合計収量はタチワセ、タチムシャの199kg/aが最も高い収量であった。4倍体品種では、生草収量でエースの685kg/a、乾物収量はヒーローの108kg/aが最も高い収量であった。
著者
福井 弘之 近藤 正治
出版者
徳島県立農林水産総合技術センター畜産研究所
雑誌
徳島県立農林水産総合技術センター畜産研究所研究報告 (ISSN:1347099X)
巻号頁・発行日
no.1, pp.106-110, 2001-12

本県の気候風土に適し、収量性、品質等が安定した優良品種を選定し、普及促進を図るため、前年の成績を基にイタリアンライグラス早生系10品種、エンバク6品種について比較試験を実施した結果、次の成果が得られた。 (イタリアンライグラス) 生育特性:発芽、初期生育は概ね良好であった。草丈は供試品種の中で1番草はタチマサリのl13cm、2番草はエクセレントの103cmが最も高かった。倒伏は1番草でハルカゼにみられた。病虫害の被害は全品種共見られなかった。 収量特性:生草合計収量ではエクセレントの835kg/a、乾物合計収量でもエクセレントの220㎏/aが最も高い収量であった。 (エンバク) 生育特性:発芽、初期生育は概ね良であった。出穂はハヤブサが最も早く3月10日、最も遅かったのがヘイオーツとアムリIIの4月24日であった。草丈はアムリIIの127cmが最も高く、倒伏は乾燥エンバクとニューオーツでみられ、病虫害の被害は全品種共見られなかった。 収量特性:生草収量の合計収量ではスプリンターの687kg/a、乾物合計収量でもスプリンターの185㎏が最も多い収量であった。
著者
兼宗 進 御手洗 理英 中谷 多哉子 福井 眞吾 久野 靖
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.42, no.SIG11(PRO12), pp.78-90, 2001-11-15

情報社会の急速な発展にともない,初中等教育の中で情報の比重が高まっている.計算機の働きを最も効果的に学ぶ手段の1 つはプログラミングを体験することであるが,教育現場ではBasic やLogoといった数世代前の言語が使われることが多く,現代のソフトウェアシステムの理解につながらないという問題が存在する.本稿では,初中等教育での利用が可能なプログラミング言語「ドリトル」およびその実行系の設計と実装について述べる.ドリトルはオブジェクト指向言語であり,あらかじめ用意された各種のオブジェクトを活用した教育を可能とする一方,Self 言語と同様のプロトタイプ方式の採用により,クラスや継承などの高度な抽象概念の理解を不要にしている.その他,変数や命令語などの識別子と記号が日本語文字で統一されている,メソッドを属性と統合的に扱えるといった特徴を持つ.処理系はJava2 で書かれたインタプリタとして実装し,教育現場のさまざまな環境で動作できるようにした.
著者
福井 栄二郎
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.310-310, 2008

本発表は、看護学生が医療人類学を学ぶ意味を考察する。彼女たちは必ずしも文化人類学的な思考に同調せず、進化主義的な考えを持っていることも多い。では、近代医療の実務者としてトレーニングを積む彼女たちに、文化相対主義を基本姿勢とする医療人類学を教える意味はどこにあるのだろうか。こうした問題をアンケート調査から考察し、文化相対主義と進化主義を架橋するような実践を探ってみたい。