著者
西村 友紀子 森山 直樹 石部 裕一
出版者
Japan Society of Pain Clinicians
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.137-140, 2003-04-25 (Released:2009-12-21)
参考文献数
8
被引用文献数
2

目的: 星状神経節近傍への直線偏光近赤外線照射が手と頭部の体温および血流に及ぼす影響を調べた. 方法: 健康成人20人で二重盲検比較試験を行った. 直線偏光近赤外線治療器 (SUPERLIZER HA-550®, 東京医研) の通常装置と出力0%のダミー器を用い, 日を変えて左側星状神経節近傍に7分間の照射を施行した. 測定項目は, 室温, 両側手掌深部温, 両側第3手指尖表面温, 両側拇指球血流速度, 両側鼓膜温, 左側中大脳動脈血流速度および両側前額部頭蓋内酸素飽和度で, 照射15分前から照射後30分までの各パラメータを連続測定し, 照射開始前, 照射7分終了時, 照射終了から30分後の3時点の値を記録した. 結果: 照射により, 同側の第3手指尖表面温と中大脳動脈血流速度は有意に上昇したが, 対側ならびにダミー群との間にはすべてのデータにおいて有意差が認められなかった. 結論: 左側星状神経節近傍への直線偏光近赤外線照射は, 健康成人の手と頭部の体温および血流に影響を及ぼさない.
著者
井澤 美苗 信野 明美 西村 友宏 登美 斉俊 中島 恵美
出版者
日本香粧品学会
雑誌
日本香粧品学会誌 (ISSN:18802532)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.197-200, 2013-09-30 (Released:2014-10-29)
参考文献数
9

Recent clinical research utilizing noninvasive functional measurement techniques has indicated that placebo effects might be therapeutically useful, because clear responses to placebo administration have been observed in patients' brains. Both physiological and mental states are affected by placebo and a role of brain receptor(s) was suggested. Factors influencing the placebo effect are the Pavlov reaction, expectation, cognition, and conditioning. Further, the nocebo effect is a negative reaction caused by anxiety, which acts as a confounding factor. Different outcomes may be obtained depending upon whether the placebo effect is evaluated in terms of objective or subjective responses. Correlation analyses of outcomes from various clinical trials indicate that placebo improves subjective response more effectively than objective parameters. Psychosocial care of patients is an important aspect of welfare, and a better understanding of the mechanism of the placebo effect will be helpful in this regard. Cognitive therapy is well known to be as efficacious as antidepressant medication for treating depression. Therefore, we studied the relationship between activity in the cerebral prefrontal area and counseling intervention. Aromatherapy is known to be effective to improve mood. We thus evaluated the influence of counseling on the efficacy of aromatherapy in healthy young women. Participants in a room filled with the fragrance of bergamot completed both a self-reported questionnaire (motivation, feeling of drowsiness and general fatigue) and multi-dimensional fatigue inventory-20 (MFI-20). Further, as an objective measure of changes in stress, blood flow in the inferior frontal cortex was evaluated by near-infrared spectroscopy (NIRS). MFI-20 showed that the combination of aromatherapy with counseling significantly improved both brain activity and motivation, as compared to aromatherapy alone, though the self-reported questionnaire showed no significant difference. Regional blood flow in the inferior frontal cortex was significantly decreased by exposure to aromatherapy with counseling, compared to aromatherapy alone (p<0.05). The value of the NIRS-derived laterality index (LI), which is considered to be a measure of stress, was decreased by aromatherapy with counseling. Thus, we confirmed that the combination of aromatherapy with counseling intervention significantly improved mood and stress. Our results also demonstrated that counseling intervention increased the effectiveness of aromatherapy.
著者
西村 敬子 西村 友希 丸山 浩徳
出版者
愛知教育大学実践総合センター
雑誌
愛知教育大学教育実践総合センタ-紀要 (ISSN:13442597)
巻号頁・発行日
no.13, pp.169-177, 2010-02

今,日本は急速にキャラ化しているといわれ,私たちの周りには様々なキャラクターグッズがあふれている。子どもたちにとってキャラクターは欠かすことのできないものとなっている。この子どもたちを取りまく生活の中で,肥満や偏食など,食に関する問題が多く発生している。そこで,子どもが自ら健康で自分の体に合わせた食生活について学ぶ手助けをするために食育キャラクター「食まるファイブ」を誕生させた。本研究ではこの「キャラクター」及び「キャラ」という言葉の定義を調べた。さらに子どもたちが楽しく食について学ぶことができるように食育キャラクター「食まるファイブ」のキャラを立て「食まるファイブ」グッズ作製を行った。
著者
西村 友幸
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.71-82, 2006-03-20 (Released:2022-08-05)
参考文献数
33

フォン・ヒッペルは,問題解決の場所を説明するために,期待利益仮説と情報粘着性仮説を提示してきた.本稿は,これら 2つの見かけ上距離のある仮説の統合を図る.具体的には, 「粘着的な知識(情報)は,供与するよりも内部活用するほうが,期待利益の点で有利である」という結論が導かれる.
著者
西村 友海
出版者
慶應義塾大学大学院法学研究科内『法学政治学論究』刊行会
雑誌
法学政治学論究 : 法律・政治・社会 (ISSN:0916278X)
巻号頁・発行日
no.124, pp.165-186, 2020

一 はじめに (一) 本稿の背景と目標 (二) 本稿の構成二 伝統的な試み : 知識アプローチ (一) 二種類の推論の区別 (二) ルールベース型 (三) 事例ベース型 (四) 小括三 現代的な試み : 学習アプローチ (一) 機械学習・分類問題と法的判断 (二) 判例の自然言語処理と判決の「予測」 (三) 小括四 若干の検討 (一) いったい彼らは何を作ろうとしているのか (二) 規範モデルとしての解釈 (三) 記述モデルとしての解釈 (四) 法学にとってのその意義五 その他の応用六 おわりに
著者
山﨑 正啓 三浦 千明 西村 友秀 矢作 満 山﨑 裕司
出版者
行動リハビリテーション研究会
雑誌
行動リハビリテーション (ISSN:21866449)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.26-28, 2018-03-31 (Released:2023-05-29)
参考文献数
7

看取り目的で入院した重度認知症患者の暴言・拒食行動に対して応用行動分析学的介入を行った.介入前,言語聴覚療法中の平均暴言回数は29回,摂食行動は全く見られなかった.介入では,分化強化の技法を用いた.つまり,患者の暴言は消去し,適切な行動が生起した際には,称賛や身体接触などの強化刺激を付与した.拒食に対しては,食事時の環境調整と摂取した際に注目・称賛などの強化刺激を付与した.その結果,暴言は減少し,フォローアップ期にはほぼ消失した.食事は,徐々に食事摂取量が増加し,フォローアップ期には全量摂取が可能となった.今回の応用行動分析学的介入は,認知症患者の暴言,拒食行動を減少させるうえで有効に機能したものと考えられた.
著者
西村 友幸
出版者
朝日プリント社
雑誌
サンライズ = SunRise
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.32-33, 2021-07-01
著者
西村 友幸
出版者
サンライズ編集部
雑誌
SunRise
巻号頁・発行日
vol.20, no.12, pp.34-36, 2017-03-01
著者
西村 友三郎 米盛 徳市
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.29, pp.304-305, 2013

文部科学省は、ICT環境整備を進めるとともにIT活用による学力向上を通して、次世代を見据えた人的基盤づくりを図るために先導的な研究事業等を行う「学校教育情報化推進総合プラン」を推進してきた。本プランは「確かな学力」の向上を図るには、授業においてICTを効果的に活用することは不可欠であるとしている。これに対して、文科省が実施している、各県の教員のICT活用指導力と全国学力テストとの相関分析の結果、相関関係がないことが分かった。ICT環境を整備し、教員のICT活用指導力が向上すれば学力も向上するという文科省の見解は間違っていたのであろうか。調査研究等の課題について分析した。
著者
池畑 孝次郎 石部 裕一 広沢 寿一 西村 友紀子
出版者
日本生気象学会
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1,2, pp.31-35, 2002 (Released:2002-10-16)
参考文献数
7

気象変化に伴う天気痛は広く知られた事実であるが,気象因子の何を身体のどの部位で捉えているかについては不明な点が多い.下肢伸展挙上試験に示される筋緊張が気圧に同期して変化する傾向について我々は既に報告した.この現象を更に検証する目的で人工的に気圧を調節して下肢伸展挙上試験の角度(SLR)を計測した.対象は健康成人8名(女性2名,男性6名,平均年令26.3才)である.SLRは1)大気圧,2)20hPa加圧,3)60hPa減圧,4)40hPa加圧で計測した.その結果,SLRは気圧に同期して有意に変化し,気圧が上昇するとSLRは増加し,気圧が低下すると減少した.日常体験する範囲の気圧変化でSLRに示される筋緊張が有意に変化することが明らかになり,関節が気圧の検出器で関節受容器反射を生じている可能性が高いと考えられる.天気痛の一機序を説明し得る可能性を指摘した.
著者
西村 友洋 樋口 雄大 山口 弘純 東野 輝夫
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.2511-2523, 2014-12-15

スマートフォンの普及にともない,歩行者向けのナビゲーションが広く利用されてるようになっている.日常的に多くの人々が往来する地下街や商業ビルなどにおいて,各地点の混雑状況を把握することができれば,ユーザの状況に応じた移動支援などが可能になり,ナビゲーションシステムの利便性が大幅に向上することが期待される.そこで本論文では,スマートフォンに内蔵されたマイクおよび加速度センサを用いて端末保持者の周囲の雑踏音およびユーザ自身の歩行動作をセンシングすることで,周辺の混雑状況を推定する手法を提案する.一般に混雑時には周囲の群衆の歩行速度に合わせて移動するため,平時と比べて歩行のステップ周期に変化が生じる.また,混雑時は,環境音の低周波成分が増大する傾向がある.提案手法では,これらの知見に基づき,加速度および環境音の測定値から特徴量を抽出し,各ユーザのモバイル端末上でリアルタイムに混雑状況の判定を行う.各端末による判定結果をクラウドサーバ上で共有することで,混雑情報の参加型センシングが実現できる.実環境において性能評価実験を行い,周辺の混雑状況を平均約70%の精度で認識できることを確認した.
著者
西村友伸 大用庫智 高橋達二
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.101-102, 2013-03-06

本研究では人間認知の適応的特性の大規模コンピューティングへの適用例として、ヒトの認知バイアス(対称性・相互排他性)を持つ行動価値関数、 Kohno & Takahashi (2012) が提案したLSVR (loosely symmetric model with variable reference) モデルを用い、モンテカルロ木探索の評価値として実装し、囲碁AIでのゲーム木探索を通して効果を確認した。同様の行動価値関数としては期待損失の限界に保証を持つUCB1が有名だが、LSVRがUCB1と比較して、サンプリング回数が少ない時、また探索の幅が非常に広い時に、より良い性能をもたらすことを示す。更に、LSVRとUCB1の両者を使い分けるハイブリッドモデルについても検証し、その効果も確認した。