著者
加藤 清雄 遠藤 広行 国則 文子 峯尾 仁 牛島 純一
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.11, pp.978-984, 1987

めん羊の膵外分泌に及ぼす静脈内ペンタガストリン投与の影響を, CCK-8に対する反応と比較しながら検索した. 無麻酔めん羊において, CCK-8は膵液流量, 蛋白質濃度およびアミラーゼ活性何れも増加させたが, ペンタガストリンは膵液流量を増加させずに蛋白質濃度およびアミラーゼ活性を有意に増加させた. ペンタガストリンは, 麻酔下で幽門部を結紮されためん羊においても膵外分泌増加効果を示した. ペンタガストリンによる蛋白質とアミラーゼの最大放出量は, 無麻酔下においても麻酔下においてもCCK-8の場合より少なかった. これらの結果は, ペンタガストリンは腸相を介することなく膵腺房細胞刺激効果を有するが, この効果はCCK-8よりも小さいことを示している.
著者
松本 敬 遠藤 伶 高木 健士 重野 寛
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.10, pp.1-6, 2009-09-03
参考文献数
8

P2P ファイル共有において,レアリティが高く入手の難しいブロックが発生し,ブロック収集効率が下がるブロックのレアリティ問題が存在する.ブロックとは,共有するファイルを予め決められたサイズに分割した断片のことである.そこで,本稿ではブロック収集効率を上げるためにブロックのレアリティを考慮した P2P ファイル共有手法 CAS の提案を行う.CAS ではレアリティ問題の原因であるブロックの初期分散速度とピア離脱の2点に対処することで,ブロック収集効率を上げる.さらに,シミュレーション評価を行い CAS のブロック収集効率における有用性及び悪意あるピアがネットワークに存在する場合の対応性を示す.This paper discusses a rarity problem of blocks in P2P file sharing that degenerates the blocks collection efficiency of peer by the blocks that have high rarity and thus difficult to obtain it. Blocks are the divided fragments of shared files as which size is decided previously. The aim of this proposal is to improve the blocks collection efficiency of peer in P2P. We propose CAS that considers the rarities of blocks. In the proposal, CAS deals both the initial dispersion speed of blocks and the peer departure to improve the blocks collection efficiency. In addition, we evaluated the proposal by simulation and showed the availability of CAS for blocks collection efficiency of peer and the correspondence analysis of CAS when malicious peers exist in P2P Network.
著者
浅野 由ミ 舘 鄰 上北 尚正 河西 恭子 遠藤 秀紀 山田 格 佐分 作久良 山内 啓太郎 東條 英昭 名取 正彦
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.10, pp.351-362, 1999

絶滅種や稀少種の機能遺伝子を解析することは,遺伝子資源の保全や進化学的研究の見地から重要な課題である.本研究は,毛皮あるいは剥製標本の表皮から効率的にゲノムDNAを抽出する方法を開発し,絶滅種や稀少種の機能遺伝子を解析することを最終的な目的として行ったものである.一般に,絶滅種や希少種の剥製•毛皮標本は数も少く,貴重であるので,DNA抽出のような,破壊的解析のための材料を入手することは,困難な場合が多い.従来報告されている古代DNAの抽出法では,いずれも,抽出のために比較的大きな標本片を用いており,少量の標品しか入手できない場合には適用できない.本研究では,特に,原材料となる剥製や毛皮標本の形をできるだけ損傷しないことに留意し,約1mm角の毛皮断片からゲノムDNAを効率よく抽出する方法の確立と,PCR解析を行うための条件の検討を行った.また,本研究で確立した方法を用いて,製作年次の異なる食肉目動物毛皮標本から回収したゲノムDNAをテンプレートとして,歯のエナメル質タンパク質をコードしているアメロゲニン遺伝子断片の回収と塩基配列の解析を試みた.結果の一部として,モンゴルオオカミの毛皮標本から抽出したゲノムDNAのアメロゲニン遺伝子の配列の一部を解読することができたので,イヌ(ゴールデンリトリーバー)の血液から抽出したゲノムDNAのアメロゲニン遺伝子の配列と比較したところ,モンゴルオオカミとイヌの配列は100%一致したが,イヌの品種間,あるいは個体差による配列の多型が存在する可能性もある。イヌ,オオカミのアメロゲニン遺伝子の塩基配列は従来報告が無く,部分的ではあるが配列が決定されたのは本論文が始めてである.イヌとオオカミの種間の違い,および,イヌの品種間の多型については,今後,さらに検討が必要である.

1 0 0 0 OA 茶湯評林 9巻

著者
遠藤元閑
出版者
山口茂兵衛
巻号頁・発行日
vol.[5], 1697
著者
遠藤 雄一
出版者
一般社団法人 プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.58-63, 2005

ユーザー要件を完全に固めていない段階で, プロジェクトを早く立ち上げ, 開発しながら要件を固めて行き, 短納期で成果をだす開発手法XP(eXtreme Programming)が, 脚光を浴びている.また, この開発手法は, 開発者本位でもあり, 開発者からも非常に良い評価を得ている.ところが, プロジェクトマネジメントの観点からみると, その方法論に疑念を抱かせる面がある.その為, プロジェクト・マネジャーが, XPを採用すると表明した例は非常に少ない.本稿では, XPが, 何故これほどまでに評価されているのか, しかし, 何故, プロジェクト・マネジャーがその採用に躊躇するのかを, プロジェクトマネジメントの観点から明らかにする.その上で, 如何にしたら, プロジェクト・マネジャーが, XPを積極的に採用できるようになるかを論じる.これにより, 今求められている短納期, 高品質の開発が, XPにより可能であることを考察してみる.
著者
遠藤 敏彦 畑 章一 山〓 博之
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.347-353, 2005 (Released:2008-04-11)
参考文献数
7
被引用文献数
3

糖尿病患者の血糖コントロールに血糖自己測定が有用であることは周知の事実であり, 現在, 20種を超える血糖自己測定機器が発売されている. そのうち, 8機種を用いて基礎的検討 (再現性試験, ブドウ糖添加試験) を行うとともに, 血液量や他の糖類・還元性物質が測定値異常の原因となりうるか検討した. その結果, 再現性やブドウ糖添加試験は, 機種により差異があることが確認された. さらに, 血液量不足や他の糖類・還元性物質により, 測定値異常を示す機種があることが確認された. これらの結果を踏まえ, 糖尿病療養指導士は, 血糖自己測定器の操作方法や性能を熟知した上で, 適切な自己血糖測定の指導を行う必要があると考えられた.
著者
宇多 高明 百瀬 尚至 遠藤 和正 三波 俊郎 古池 鋼 石川 仁憲
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.I_1206-I_1211, 2011 (Released:2011-12-08)
参考文献数
2

遠州灘海岸(天竜川河口から浜名湖の今切口)の広域の海浜変形について深浅測量データなどを基に分析を行った.対象海岸のうち,馬込川河口から今切口の間では,沖合の2箇所に規模の大きな深みが定常的に存在し,その背後では汀線が後退している.また,粗粒材養浜区間では汀線はほぼ維持されているが,汀線より200m以上沖では砂分の供給不足により徐々に侵食が進んでいる.海浜縦断形は一様な緩勾配斜面から凹状の断面へと変化しつつあり,当初は馬込川河口の西側近傍にのみあった凹状の海浜縦断形が西側へと広がりを示していることが実測データから明らかにされた.
著者
室賀 麗 遠藤 圭子 杉本 久美子
出版者
小児歯誌
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.407-414, 2008

歯科保健医療の専門家が,どの程度児童虐待に関する義務等について認識しているかを明らかにし,その児童虐待防止・早期発見における役割を検討するため,歯科診療所の歯科医師,歯科衛生士と保健所等の歯科衛生士にアンケート調査を行った。<BR>その結果,児童虐待について関心を有する者の割合は,保健関係歯科衛生士100%,歯科医師93.6%,診療所歯科衛生士69.6%であり,診療所歯科衛生士は他群より関心度が低かった。児童虐待に関する情報源について,診療所歯科衛生士では「学生時代の授業」という回答が多く,卒業後知る機会が少なかったと推察された。また,児童虐待の通告義務について知っている者は,保健関係歯科衛生士で81.1%,歯科医師で66.0%,診療所歯科衛生士で44.9%であり,診療所歯科衛生士で認知度が低かった。通告義務に関して,守秘義務違反に問われないことを知っている者は多かったが,立証責任がないことを知っている者は少なかった。<BR>実際に虐待が疑われるケースの経験がある者は,保健関係の歯科衛生士で73.0%であったのに対して,歯科医師で36.2%,診療所歯科衛生士ではわずか4.4%であった。さらに,経験を有する歯科医師のうち76.5%が通告しておらず,通告時に不安を感じることが一要因と推測された。また,虐待防止にむけた子育て支援に取り組んでいる診療所は未だ少なく,意識的取り組みの必要性が示唆された。
著者
野中 俊昭 大山 忠夫 遠藤 靖典 吉川 広
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.71, no.705, pp.1604-1610, 2005-05-25 (Released:2011-03-04)
参考文献数
14
被引用文献数
1

Dynamic behavior of train sets on railways during braking can be regarded as the combination of the translation and the rotation. That is, both the kinetic energy for the translation of train sets and the one for the rotation of each axle are decreased to zero as the braking force and the adhesion force of each axle have an effect on each other. However, dynamic models for brakes of train sets have been hardly represented and discussed. Furthermore, a reduction of wheel damages has never been evaluated for control performances of Anti-lock Braking System (ABS), in spite of one of the most important aims of ABS. In this paper, we propose a dynamic model for brakes of train sets consisting of n axles and an equation for evaluating wheel damages. And we show that the proposed model and equations are useful to evaluate the control performances of ABS for train sets.
著者
遠藤 由紀子 Yukiko Endo
出版者
昭和女子大学大学院生活機構研究科
雑誌
昭和女子大学大学院生活機構研究科紀要 = Bulletin of the Graduate School of Human Life Sciences, Showa Women's University (ISSN:09182276)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.31-43, 2006-03-31

We cited as an example the Kotoni soldier village and the Ebetsu soldier village, comparing the detities of shrines in these two Tonden soldier village. In the Kotoni soldier village where many kyu-aizu-hanshi settled worshippedthe ancestor of their former feudal domain as the deity of their village shrine, while in the Ebetsu soldier village, the place of worship of the Ise shrine which is representative of the country unified under the centralistic Emperor system was made to serve as a village shrine. This indicates that kyu-aizu-hanshi for whom the Meiji era started with the defeat of the Boshin War lived vigorously, cultivating the land to build a nation, while still retaining in a new world the sense of identity as a member of their former feudal domain.
著者
遠藤 薫
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.4_8-4_13, 2018-04-01 (Released:2018-08-10)
参考文献数
18
被引用文献数
2
著者
宇津木 弘 遠藤 敦 鈴木 昇 高崎 完二
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.11, pp.707-715, 1983-11-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
6

遠心式液体クロマトグラフによる色素のトルエン溶液からの色素の流動及び分離機構を検討した。充テン剤を通しての色素の流動は同心円を描いて流動するが, 半径方向成分のみが関与し, 回転方向成分は関与していない。充テン剤は等容積の同心円状に配列した微小円環要素群から成るとし, 各要素がカラムクロマトグラフィーでの有効段と同じ作用をすると仮定すれば, 遠心クロマトグラフでの色素の分離もカラムクロマトグラフィーでのプレート理論に準じた取扱いで説明可能であることが認められた。この取扱いで求められる分配係数は, 吸着平衡測定結果から求められる分配係数と良い一致を示すことが認められた。