著者
山本 正治 渡辺 厳一 遠藤 和男
出版者
新潟大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

新潟県に多発する胆道癌(特に胆嚢癌)の原因として「複合要因説」を仮説にとり研究を進めてきた。即ち、「胆石症や胆嚢炎等を有する者がハイリスク・グループを形成し、彼らが地域特有の環境因子に暴露されることで胆嚢癌が発生する」という仮説である。地域特有の環境因子としては、種々因子を検討したなかで、ジフェニルエーテル系農薬(特にクロルニトロフェン、CNP)が残っている。この度の研究は、この仮説検証を動物モデルを用いて行うことにある。実験には雌ゴールデン・ハムスターを用い、次の5群を設定した。1群は胆石(ビーズ・ワックス)埋め込み手術+普通食、2群は胆石埋め込み手術+CNP(5000ppm)含有食、3群は発癌物質3-メチルコラントレン(3-MC)を含む胆石+普通食、4群は3-MC入り胆石+CNP、5群は胆嚢切開・縫合+普通食である。動物数はそれぞれ20匹とした。胆石埋め込み手術は、動物(9〜10週令)搬入1週間後に行い、その後2週間回復を待ち、投与実験を開始した。実験期間は、第22週までとした。なお、2群のCNP投与は第17週までとし、以後は普通食に切り換えた。CNP投与群(2群と4群)の体重増加は対照群(5群)及びCNP非投与群(1群と3群)に比べ、抑制されていたが、第17週の中止後は、1群、2群と5群で差を認めなかった。摂餌量も同様の傾向を示した。実験期間中の死亡例は、1群及び2群で、72週間中それぞれ3例(15.0%)であった。また、対照群(5群)でも3例(15.0%)であった。3群と4群で、17週間中死亡例はなかった。1群では肝臓の腫瘍1例、2群で肝臓の腫瘍を2例認めた。また、2群の胆嚢の緑色拡大を認めている。病理組織学的検索は、現在実施中である。3群と4群との間には、格別の差はなかった。
著者
傳 康晴 小磯 花絵 森本 郁代 高梨 克也 横森 大輔 遠藤 智子 名塩 征史 黒嶋 智美 石本 祐一 居關 友里子
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究の目的は、(1)新たに構築する特定場面(教授・接客・公的場面)と日常場面を統合した会話コーパスを構築し、(2)これらの多様な場面の会話コーパスの相互利用により、会話行動を多角的・総合的に分析することで、日本人の会話行動に関する言語・相互行為研究に新展開をもたらすことてである。本年度は以下のことを行なった。・国立国語研究所で開発中の『日本語日常会話コーパス』の指針に基づき、収録・公開に関わる倫理的なガイドラインをとりまとめた。・このガイドラインに基づき、以下のような場面の会話データ計106時間を収録した(うち30時間程度は公開可能):教授場面(武道指導・音楽練習・ゼミなど)・接客場面(理容室・コンビニなど)・公的場面(共同制作・宗教儀礼など)・これら新規収録データおよび既有データを用いて以下のような言語・相互行為分析を行ない、国際会議や論文集で発表するとともに、年度末に成果発表のシンポジウムを開催した:参与構造・社会的役割・身体配置・意見形成・認識的スタンス・メタファー表現・視覚の相互行為的基盤・環境認知・以上を支える研究基盤として、研究用付加情報(談話行為・発話連鎖アノテーション)やコーパス共有環境を試行した。
著者
遠藤 紘一
出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジ- (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.17, no.7, pp.184-187, 2008-08

タイガー・ウッズが使うゴルフクラブを使えば、誰でもボールを300ヤード以上も飛ばせるかといえば、そうではない。むしろ普通のクラブよりますます飛ばなくなったり、球筋が定まらずに苦労したりする可能性もある。 1990年代後半から"魔法の杖"の経営改革ツールとして登場したERP(統合基幹業務)パッケージとは、そういうものではなかったかと私は考えている。
著者
遠藤 広光 北川 大二
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:18847374)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.95-99, 2006

A single merlucciid specimen (BSKU 70615, 472 mm in standard length), trawled off Hachinohe, Aomori Prefecture, Japan, was identified as <I>Merluccius productus</I> (Ayres, 1855) based on the following combination of counts: number of anal-fin rays (41), gill rakers on first arch (20/19), vertebrae (23+31=54), ribs (3), and lateral line scales (135). All other characters are consistent with those of the species previously described. Merluccius productus is distributed widely on the Pacific coast off North America from California to the Gulf of Alaska. It is also known from three records from Tatar Strait (the Sea of Okhotsk), Bering Sea, and Attu Island (west end of Aleutian Islands). The specimen is therefore the first recorded from Japan, and the western North Pacifc. This occurrence from outside of the normal distribution may be the result of some biological traits of the species such as strong swimming ability and offshore migration.
著者
遠藤 尚
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, 2015

<b>1.はじめに </b> <br> 発展途上国農村地域において、薪炭は依然として重要な家庭用燃料であり、森林資源の維持、管理等との関係で地理学、および周辺分野においても検討されてきた。人口密度が高く、開発の進んだインドネシア、ジャワ島においても、自然資源と住民の世帯生計の両立は重要な課題である。ジャワ島については、Parikesit et al.(2001)が、西ジャワ州における1997年の調査を元に、農村世帯生計における森林以外から得られる薪の重要性を指摘している。しかし、2000年以降、灯油からLPGへの家庭用燃料転換プログラムの実施や離農の進行など、ジャワ島農村部住民をとりまく社会経済的状況は大きく変動しており、農村世帯の燃料源や薪の利用状況にも変化がみられることが推察される。そこで、本報告では、2012年から2014年にかけて、中部ジャワ州1村、および西ジャワ州3村において実施した調査を元に、世帯の燃料源と薪の利用状況および入手経路を検討し、ジャワ島農村部における薪燃料の位置づけと薪資源の維持管理の現状について明らかにすることを目的とする。<br><b>2.対象地域の概要と研究方法</b> <br> 本研究の調査対象地域は、中部ジャワ州プマラン県ススカン村(A村)、および、西ジャワ州西バンドゥン県スンテンジャヤ村(B村)、チアンジュール県シンダンジャヤ村(C村)、チビウク村(D村)である。A村は、ジャワ島中部北海岸、チョマル川氾濫原下流部に位置しており、農地の大部分は水田である。また、A村は、ジャカルタとスラバヤを結ぶ幹線道路から北へ約3kmと近く、郡庁所在地からも4kmの位置にあるため、都市とのアクセスが容易な村となっている。B、C、D村は、西ジャワ州チタルム川流域の村である。B村はチタルム川上流部に位置し、総面積の53%を森林が占める。C村およびD村は、チタルム川中流域盆地部の穀倉地域に位置する互いに隣接した村である。B村はチラタ湖南岸に接しており、C村は郡庁所在地となっている。<br> A村では、2012年8月から9月にかけて175世帯を対象とした世帯経済調査を実施した。また、B村およびC村では、2013年9月にそれぞれ、120世帯、111世帯を対象とした同様の調査を行った。D村についても、2014年12月に、110世帯を対象とした調査を実施した。調査項目は、世帯構成員の属性、世帯構成員の就業状況、世帯の動産・不動産所有状況、農地の経営状況、燃料源等である。<br><b>&nbsp; 3.ジャワ島農村部における薪燃料の位置づけと薪資源の維持管理状況</b><br> 2006年に実施された家庭用燃料転換プログラムにより、灯油からLPGへの燃料の転換が進んだことが明らかとなった。一方で、いずれの村においても、薪を利用する世帯が一定の割合を占めており、特に比較的所得の低い世帯において薪の利用が多くみられた。また、副次的な燃料として薪を利用する世帯もみられた。このように、薪は、ジャワ島農村部において世帯支出の抑制や安定化という機能を依然として維持していることが確認された。また、薪の入手は、集落の屋敷地周辺で行われている場合が多く、採取に際した規制等もほとんど観察されなかった。これは、薪を利用する世帯が限られているため、薪の需要量が、屋敷地周辺の枯れ木や間伐材の発生量の範囲内にあることが一因にあるものと推察される。<br><b>参考文献</b><br> Parikesit, K. Takeuchi, A. Tsunekawa, O.S. Abdoellah 2001. Non-forest fuelwood acquisition and transition in type of energy for domestic uses in the changing agricultural landscape of the upper Citarum watershed, Indonesia. <i>Agriculture, Ecosystems and Environment</i> 84: 245-258.
著者
遠藤 健司 康 玉鵬 鈴木 秀和 小林 浩人 田中 英俊 山本 謙吾
出版者
日本腰痛学会
雑誌
日本腰痛学会雑誌 (ISSN:13459074)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.129-133, 2008 (Released:2008-12-22)
参考文献数
13
被引用文献数
2

腰椎椎間板ヘルニア患者の全脊柱アライメントを計測し,体幹前傾傾向のある群と前傾傾向のない群を比較検討した.全体の約50%で体幹前傾傾向が存在していた.前傾群では,前屈制限,下肢伸展挙上制限が強く,JOAスコアは低値で,約半数に側弯を合併していた.矢状面アライメントは,前弯の減少,骨盤の後傾が顕著であった.体幹前傾を認める腰椎椎間板ヘルニアは重症例が多く,腰椎―仙椎は矢状面で直線化しており,腰椎骨盤周囲の筋緊張が強いことが示唆された.
著者
遠藤 明久
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会論文報告集 (ISSN:03871185)
巻号頁・発行日
vol.104, pp.38-42, 1964-10-30 (Released:2017-08-30)

Following the previous paper this paper deals with T. MORIYAMA's and I. NAKAMURA's careers. They were the persons on the part of the KAITAKUSHI in charge of the construction of the Sale and Reception Room of the KAITAKUSHI. T. MORIYAMA (1842-1920) was the clansman of Saga, and I. NAKAMURA (1835-89?) was a carpenter in the last years of the Edo. Both the architects were employed by the KAITAKUSHI in 5th of the Meiji Era, then designed various occidental style buildings of the KAITAKUSHI and supervised these constructions. From 11th to 14th of the Meiji they were appointed as the constructing foremen of the Sale and Reception Room (designed by J. Conder). And through their performances for this construction they engaged as the engineering executives of Kokyozoeijimukyoku (imperial palace construction bureau, estab. in 1812).
著者
大町 達夫 紺野 克昭 遠藤 達哉 年縄 巧
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.489, pp.251-260, 1994
被引用文献数
20

常時微動にレイリー波が多く含まれていることを前提に, 微動の水平動と上下動の振幅比を用いて地盤の卓越周期を推定する上で障害となっていた幾つかの問題点を理論的に解明するとともに, 常時微動と表面波との関連性を明らかにした. それに基づいて多層地盤の卓越周期の簡便な推定手順を具体的に提案した. 最後に, 東京都区内の全中学校を測定点とする常時微動を実測した結果を用いて東京都区部の周期マッピングを行い, 既往のマップと比較して提案の実用性を実証した.
著者
遠藤 徹 中野 雄介 板谷 天馬 筏 紀晶 矢持 進
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.I_1196-I_1200, 2014 (Released:2014-11-12)
参考文献数
10

It is thought that a salt marsh located at coastal urban area absorbs and emits large amounts of carbon dioxide (CO2). In this study, a field investigation on CO2 budget was conducted at Osaka-Nanko bird sanctuary, and CO2 fluxes were measured at tidal flat, sea surface and reed field by using chamber methods in order to estimate CO2 budgets of the salt marsh. The results of this study were as follows: (1) CO2 fluxes of tidal flat and reed field were one order larger than that of sea surface. (2) It was estimated that CO2 flux emitted from tidal flat was 3.26 g/m2/day and CO2 flux absorbed by reed grass field was 1.53 g/m2/day in October 2013. (3) It was suggested from the result of seasonal change of fluxes that the absorbed amount of CO2 becomes larger on summer than on autumn.
著者
遠藤 由美
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.p157-163, 1992-06

Traditionally, discrepancies between positive ideal-self and real-self have been associated with low self-esteem. The basic idea of general positiveness of real-self is considered an index of self-esteem. But Rosenberg (1965) emphasized two different meanings, that is, 'good enough' and 'very good' being involved in self-esteem. His self-esteem scale favored the former. In the present study, it was hypothesized that not a general positiveness, but a personalized positiveness together with a non-negativeness were correlated with self-esteem (Rosenberg). Personalized standard were defined as high rating scores of positive and negative ideal selves. The results of the present study supported the hypothesis, especially in a negative ideal-self. It was suggested that self-esteem was more a function of distance how far I am from the person who I won't to be.
著者
大西 隆之 谷生 良太 長沼 次郎 遠藤 真
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.1-6, 2001
参考文献数
5

高品質なMPEG-2モバイルアプリケーションを実現するため, 筆者らはノートPCを用いたモバイル環境に適した超小型MPEG-2エンコーダPCカードを開発した.本稿では, このMPEG-2エンコーダPCカードを用いたポータブルなIP映像伝送システムによる, 日本とマレーシア間の双方向国際映像伝送実験について示す.低ビットレートに対応可能なMPEG-2符号化パラメータの選定, および, 伝送遅延の測定と画品質の評価を行い, MPEG-2伝送レートが1.2Mbps程度の国際長距離回線においても, 本システムによるテレビ会議アプリケーションが実用的に運用可能であることを実証した.
著者
佐藤 次雄 菅野 佳実 遠藤 忠 島田 昌彦
出版者
公益社団法人 日本セラミックス協会
雑誌
窯業協會誌 (ISSN:00090255)
巻号頁・発行日
vol.94, no.1085, pp.133-138, 1986-01-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

SiC, Si3N4及びAlN試料を900°-1200℃の温度域において, K2SO4あるいはK2CO3溶融塩中に浸し, 0.1-20h反応を行わせ腐食挙動を調べた. AlNセラミックスは本実験条件下では, AlON及びα-Al2O3酸化被膜が形成されカリウム塩溶融塩腐食に対し極めて安定であり, ほとんど重量減少を示さなかった. SiCセラミックスはK2CO3溶融塩にはわずかに溶解しただけであるが, K2SO4溶融塩とは定量的に反応し, K2SO4/SiC反応モル比は0.8であった. Si3N4セラミックスは窒素雰囲気下ではK2SO4及びK2CO3溶融塩いずれとも定量的に反応し, 各々の反応モル比はK2SO4/Si3N4=1.6, K2CO3/Si3N4=3.5であった. 一方Si3N4-K2SO4系の反応は空気中では酸化物被膜の生成により抑制された. 窒素雰囲気下におけるSi3N4とK2SO4あるいはK2CO3との反応は, 固液不均一反応における表面化学反応律速の速度式に良く適合し, 見掛けの活性化エネルギーはそれぞれ724kJ/mol及び126kJ/molであった.
著者
遠藤 知弘 岩瀬 仁紀 山根 義宏 山本 章夫
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.159, 2007

空間・エネルギー効果を考慮した3次中性子相関法の理論式を、高次検出器インポータンスを用いて、見通しの良いコンパクト表現で導出した。これに基づく未臨界度の表式は、従来の実効増倍率や未臨界反応度と異なる。その特徴を数値計算例で示す。
著者
奥田 稔 高坂 知節 三宅 浩郷 原田 康夫 石川 哮 犬山 征夫 間口 四郎 新川 秀一 池野 敬一 松原 篤 稲村 直樹 中林 成一郎 後藤 了 小野寺 亮 遠藤 里見 亀井 民雄 室井 昌彦 馬場 廣太郎 島田 均 舩坂 宗太郎 大橋 伸也 鄭 正舟 小澤 実佳 八木 聰明 大久保 公裕 後藤 穣 服部 康夫 上野 則之 柏戸 泉 大塚 博邦 山口 潤 佃 守 池間 陽子 坂井 真 新川 敦 小林 良弘 佐藤 むつみ 山崎 充代 藤井 一省 福里 博 寺田 多恵 小川 裕 加賀 達美 渡辺 行雄 中川 肇 島 岳彦 齋藤 等 森 繁人 村上 嘉彦 久松 建一 岩田 重信 井畑 克朗 坂倉 康夫 鵜飼 幸太郎 竹内 万彦 増田 佐和子 村上 泰 竹中 洋 松永 喬 上田 隆志 天津 睦郎 石田 春彦 生駒 尚秋 鈴木 健男 涌谷 忠雄 宮國 泰明 夜陣 紘治 森 直樹 田頭 宣治 宮脇 浩紀 青木 正則 小林 優子 高橋 正紘 沖中 芳彦 遠藤 史郎 池田 卓生 関谷 透 奥園 達也 進 武幹 前山 忠嗣 恒冨 今日子 増山 敬祐 浅井 栄敏 土生 健二郎 中崎 孝志 吹上 忠祐 角田 憲昭 渡辺 隆 野口 聡 隈上 秀伯 吉見 龍一郎 茂木 五郎 鈴木 正志 大橋 和史
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.633-658, 1996-09-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
21

通年性アレルギー性鼻炎患者211例を対象に, KW-467910mg/日 (KW群) の有効性, 安全性および有用性をoxatomide 60mg/日 (OX群) を対照薬として多施設二重盲検群間比較試験により検討した.最終全般改善度の「改善」以上は, KW群61-6%, OX群57.6%で, 両群間に有意差は認められなかつたが, 同等性の検証を行った結果, KW群はOX群と比較して同等ないしそれ以上と考えられた. 概括安全度の「安全性に問題なし」と評価された症例は, KW群68.0%, OX群61.4%で, 両群間に有意差は認められなかった. 主な副作用症状は両群とも眠気であった. 有用度の「有用」以上は, KW群54.9%, OX群50.5%であり両群間に有意差はなかったが, KW群の方がやや有用率が高かった.以上の成績より, KW-4679は通年性アレルギー性鼻炎に対して, 臨床的に有用性の高い薬剤であると考えられた.
著者
遠藤 正浩
出版者
学研メディカル秀潤社
雑誌
画像診断 (ISSN:02850524)
巻号頁・発行日
vol.34, no.11, 2014-09-10

症例1 60 歳台,女性.検診で胸部異常影を指摘された際に,精査のCT で偶然にすりガラス影を示す結節(以下,すりガラス状結節)を指摘された.症例2 70 歳台,女性.子宮頸癌術後の経過観察のCT で,偶然に異常を指摘された.呼吸器症状などはない.