1 0 0 0 OA 陰符経

著者
遠藤隆吉 著
出版者
巣園学舎出版部
巻号頁・発行日
1912
著者
中島 敬二 上田 貴志 植田 美那子 望月 敦史 近藤 洋平 稲見 昌彦 遠藤 求 深城 英弘 河内 孝之 小田 祥久 塚谷 裕一
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2019-06-28

植物は一生を通じて器官や組織を作り続けながら成長する。このような特性に起因して、植物の形態には固有の周期性が現れる。植物の周期形態は遺伝的プログラムや環境変化といった、内的・外的因子により変化し、植物はこれを積極的に利用することで、器官のかたちや細胞の機能を変化させる。植物の形態や成長に現われるこのような「可塑的な周期性」は、植物個体の内部に潜在する未知の周期性とその変調に起因すると考えられるが、周期の実体やそれが形態へ現れる仕組みは不明である。本新学術領域では、植物科学者・情報科学者・理論生物学者が密接に連携して共同研究を展開し、周期と変調の視点から植物の発生原理を解明する。
著者
田中 康雄 山本 智章 遠藤 剛 岡邨 直人 関根 裕之 西澤 岳之 大野 健太
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Cb1155-Cb1155, 2012

【はじめに】 上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(以下OCD)は重症化しやすく,野球選手生命を奪う恐れがある.OCDは早期発見・治療にて完治されることが報告されている.新潟県ではOCDの早期発見を目的に平成19年より野球肘検診を実施している.また成長期の投げすぎは投球肘障害の要因の一つとして重要である.平成20年から学童軟式野球新人戦での投球数報告を義務付け,現在1投手80球の努力目標を掲げている.今回,平成23年の野球肘検診結果,指導者に対するアンケート調査,平成23年の学童軟式野球新人戦の投球数調査をまとめ,今後の障害予防活動の一助とする事を目的とした.【方法】 対象は学童軟式野球新人戦に参加し検診を希望した37チーム485名(5年生271名,4年生153名,3年生49名,2年生9名,1年生3名).大会会場にてPTによる理学所見(肘関節の関節可動域検査,圧痛・外反ストレス時痛検査),医師・検査技師による肘関節の超音波診断を実施した.異常のあった選手に医療機関の受診を勧めた.検診に参加したチームの指導者に対してアンケートを配布し,指導経験,投球数制限,日本臨床スポーツ医学会の提言の認知などについて調査した.また大会期間中の全試合投手の投球数報告を集計し解析した.統計学的分析は対応のないt検定を用い有意水準を5%以下とした.【説明と同意】 事前に文書と口頭で各チームの監督,保護者に対して検診の目的,内容について説明し同意を得ている.【結果】 超音波によるOCD疑いで医療機関への受診を勧めた選手は485名中13名(2.6%)であり,そのうち現在肘の痛みがある選手は3名(23.1%),肘関節可動域制限のある選手は4名(30.8%),腕橈関節の圧痛のある選手は0名(0%),外反ストレス陽性は2名(15.4%)であった.指導者アンケートは29チーム(78.4%)より回答があり,年齢43.6±8.4歳,指導経験7.3±6.8年で,試合における投球数制限を必要と考えている指導者は25名(86.2%),日本臨床スポーツ医学会の提言を知っている指導者は3名(10.3%)であった.大会で計測できた全84試合の1試合平均投球数は79.2球,5回成立試合(時間制限,コールドを除く)29試合83.3球,時間制限試合26試合88.4球,コールド試合29試合66.7球であった.コールド試合の平均投球数は5回成立試合,時間制限試合と比較し有意に少なかった(p<.001).投手一人あたりの投球数をみると,完投投手の平均投球数は67.9球,途中交代をした投手は44.6球で,完投投手の平均投球数は途中交代をした投手の平均投球数と比べ有意に多かった(p<.001).日本臨床スポーツ医学会の提言の認知の有無で投球数をみると,知っているチームの平均投球数は先発投手一人あたり77.2球,中継ぎ投手一人あたり31.0球,知らないチームでは先発投手一人あたり65.4球,中継ぎ投手一人あたり26.8球であった.【考察】 今回,小学5年生を中心にした野球肘検診を行い13名(2.6%)のOCD疑い選手を早期発見できた.腕橈関節の圧痛症状のある選手が0%,そのほかの理学所見も30%程度であることから,初期には無症候性で進行していることが考えられる.症状が出現し病院受診する頃には重症化していることが考えられる.またOCDは小学5年生前後に発症するといわれており,OCDを早期発見するためにはこの時期に野球肘検診が必要である.一試合投球数ではコールド試合が5回成立試合,時間制限試合と比較して有意に少なく,一人あたりの投球数は途中交代をした投手が完投投手と比較し有意に少なかった.過剰な投球数を抑えるためにもコールド試合は有効であり,一試合での投球数の上限を決めた上で複数投手での継投が望ましいと思われる.今回の調査では一試合の平均投球数は目標の80球以内に収まっていた.しかし,今後更に投球数制限を徹底するためには投球数と障害の関係を示すエビデンスを蓄積していくことが求められる.【理学療法学研究としての意義】 小学5年生において野球肘検診を広く実施しOCDを早期に発見することは,OCDの重症化を予防するために重要である.また成長期の選手を指導する指導者に対してスポーツ障害に対する意識調査を行うこと,大会での投球数を調査することは,野球を継続する子供たちを守るための障害予防の一助となると考える.
著者
後藤 新弥 遠藤 大哉

"地元"柏市の「ふつうの人」のスポーツへの愛好度や,スポーツ活動の実態を等身大で探ろうと,学生らとともに柏市駅前で「町行く人」を対象に調査したまとめ報告である。複数の項目に亘ってアンケートを実施した結果,以下のような興味深い傾向が抽出された。* プロサッカーは好感度が高かった。ところが,地元柏レイソルの大看板の下で調査したにもかかわらず,レイソルの名前を言えない人が2 割以上いた。* さらに,地元柏レイソルの選手を1 人も知らない人が6 割近かった。一方日本代表なら3 人以上の名前を知っている人が9 割近かった。J リーグ側は「地元密着」を掲げているが,現状は地元未着である*大相撲を「大嫌い」と決めつける人が3 割近くいた。八百長疑惑などが背景か。*東京五輪の「招致活動」に好感を抱いたのは半数に満たなかった(7 月時点)。* 文武両道という概念を「重要である」と答えたのは,平成生まれが約44%,大人世代が38%で,若い人の方がスポーツの倫理観を重要視している傾向がうかがわれた。* 「日常的にスポーツをしている」人は全体の42%を占めたが,「したいけどしていない」人が27%に達し,スポーツ行政への大きな課題が見えてきた。* 「町を行くふつうの人」のスポーツ活動へのさらなる支援が必要だと痛感した。東京五輪開催への最優先課題は,イベントとしての成功やトップ選手のメダル数ではなく,実は日本のスポーツの実数値であり,またその土台である,「ふつうの人のスポーツ活動」の支援促進ではないだろうか。
著者
三木 文雄 生野 善康 INOUE Eiji 村田 哲人 谷澤 伸一 坂元 一夫 田原 旭 斎藤 玲 富沢 磨須美 平賀 洋明 菊地 弘毅 山本 朝子 武部 和夫 中村 光男 宮沢 正 田村 豊一 遠藤 勝美 米田 政志 井戸 康夫 上原 修 岡本 勝博 相楽 衛男 滝島 任 井田 士朗 今野 淳 大泉 耕太郎 青沼 清一 渡辺 彰 佐藤 和男 林 泉 勝 正孝 奥井 津二 河合 美枝子 福井 俊夫 荒川 正昭 和田 光一 森本 隆夫 蒲沢 知子 武田 元 関根 理 薄田 芳丸 青木 信樹 宮原 正 斎藤 篤 嶋田 甚五郎 柴 孝也 池本 秀雄 渡辺 一功 小林 宏行 高村 研二 吉田 雅彦 真下 啓明 山根 至二 富 俊明 可部 順三郎 石橋 弘義 工藤 宏一郎 太田 健 谷本 普一 中谷 龍王 吉村 邦彦 中森 祥隆 蝶名林 直彦 中田 紘一郎 渡辺 健太郎 小山 優 飯島 福生 稲松 孝思 浦山 京子 東 冬彦 船津 雄三 藤森 一平 小林 芳夫 安達 正則 深谷 一太 大久保 隆男 伊藤 章 松本 裕 鈴木 淳一 吉池 保博 綿貫 裕司 小田切 繁樹 千場 純 鈴木 周雄 室橋 光宇 福田 勉 木内 充世 芦刈 靖彦 下方 薫 吉井 才司 高納 修 酒井 秀造 西脇 敬祐 竹浦 茂樹 岸本 広次 佐竹 辰夫 高木 健三 山木 健市 笹本 基秀 佐々木 智康 武内 俊彦 加藤 政仁 加藤 錠一 伊藤 剛 山本 俊幸 鈴木 幹三 山本 和英 足立 暁 大山 馨 鈴木 国功 大谷 信夫 早瀬 満 久世 文幸 辻野 弘之 稲葉 宣雄 池田 宣昭 松原 恒雄 牛田 伸一 網谷 良一 中西 通泰 大久保 滉 上田 良弘 成田 亘啓 澤木 政好 三笠 桂一 安永 幸二郎 米津 精文 飯田 夕 榊原 嘉彦 螺良 英郎 濱田 朝夫 福山 興一 福岡 正博 伊藤 正己 平尾 文男 小松 孝 前川 暢夫 西山 秀樹 鈴木 雄二郎 堀川 禎夫 田村 正和 副島 林造 二木 芳人 安達 倫文 中川 義久 角 優 栗村 統 佐々木 英夫 福原 弘文 森本 忠雄 澤江 義郎 岡田 薫 熊谷 幸雄 重松 信昭 相沢 久道 瀧井 昌英 大堂 孝文 品川 知明 原 耕平 斎藤 厚 広田 正毅 山口 恵三 河野 茂 古賀 宏延 渡辺 講一 藤田 紀代 植田 保子 河野 浩太 松本 慶蔵 永武 毅 力富 直人 那須 勝 後藤 純 後藤 陽一郎 重野 秀昭 田代 隆良
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.914-943, 1987
被引用文献数
2

Clavulanic acid (以下CVAと略す) とticarcillin (以下TIPCと略す) の1: 15の配合剤, BRL28500 (以下BRLと略す) の呼吸器感染症に対する有効性と安全性をpiperacillin (以下PIPCと略す) を対照薬剤として, welI-controlled studyひこより比較検討した.<BR>感染症状明確な15歳以上の慢性呼吸器感染症 (慢性気管支炎, びまん性汎細気管支炎, 感染を伴った気管支拡張症・肺気腫・肺線維症・気管支喘息など) およびその急性増悪, 細菌性肺炎, 肺化膿症を対象とし, BRLは1回1.6g (TIPC1.5g+CVA0.1g) 宛, PIPCは1回2.0g宛, いずれも1日2回, 原則として14日間点滴静注により投与し, 臨床効果, 症状改善度, 細菌学的効果, 副作用・臨床検査値異常化の有無, 有用性について両薬剤投与群間で比較を行い, 以下の成績を得た.<BR>1. 薬剤投与314例 (BRL投与161例, PIPC投与153例) 中, 45例を除外した269例 (BRL投与138例, PIPC投与131例) について有効性の解析を行い, 副作用は293例 (BRL投与148例, PIPC投与145例) について, 臨床検査値異常化は286例 (BRL投与141例, PIPC投与145例) について解析を実施した.<BR>2. 小委員会判定による臨床効果は, 全症例ではBRL投与群78.8%, PIPC投与群79.4%, 肺炎・肺化膿症症例ではBRL投与群 (79例) 82.1%, PIPC投与群 (73例) 79.5%, 慢性気道感染症症例ではBRL投与群 (59例) 74.6%, PIPC投与群 (58例) 79.3%の有効率で, いずれも両薬剤投与群間に有意差を認めなかった.<BR>3. 症状改善度は, 肺炎・肺化膿症症例では赤沈値の14日後の改善度に関してPIPC投与群よりBRL投与群がすぐれ, 慢性気道感染症症例では胸部ラ音, 白血球数, CRPの3日後の改善度に関してBRL投与群よりPIPC投与群がすぐれ, それぞれ両薬剤投与群間に有意差が認められた.<BR>4. 細菌学的効果はBRL投与群68例, PIPC投与群57例について検討を実施し, 全体の除菌率はBRL投与群75.0%, PIPC投与群71.9%と両薬剤投与群間に有意差は認められないが, Klebsiella spp. 感染症においては, BRL投与群の除菌率87.5%, PIPC投与群の除菌率16.7%と両薬剤群間に有意差が認められた. また, 起炎菌のPIPCに対する感受性をMIC50μg/ml以上と50μg/ml未満に層別すると, MIC50μg/ml未満の感性菌感染例ではBRL投与群の除菌率69.6%に対してPIPC投与群の除菌率94.7%とPIPCがすぐれる傾向がみられ, 一方, MIC50μg/ml以上の耐性菌感染例ではPIPC投与群の除菌率12.5%に対して, BRL投与群の除菌率は66.7%と高く, 両薬剤間に有意差が認められた.<BR>5. 副作用解析対象293例中, 何らかの自他覚的副作用の出現例はBRL投与群5例, PIPC投与群11例で, 両薬剤投与群間に有意差は認められなかった.<BR>6. 臨床検査値異常化解析対象286例中, 何らかの異常化が認められた症例は, BRL投与141例中45例 (31.9%), PIPC投与145例中28例 (19.3%) で, 両薬剤投与群間に有意差が認められた. 臨床検査項目別にみると, GPT上昇がBRL投与140例中26例 (18.6%), PIPC投与140例中14例 (10.0%), BUN上昇がBRL投与128例中0, PIPC投与127例中4例 (3.1%) と, それぞれ両薬剤投与群間での異常化率の差に有意傾向が認められた.<BR>7. 有効性と安全性を勘案して判定した有用性は, 全症例ではBRL投与群の有用率 (極めて有用+有用) 76.3%, PIPC投与群の有用率の74.8%, 肺炎・肺化膿症症例における有用率はBRL投与群81.0%, PIPC投与群75.3%, 慢性気道感染症症例における有用率はBRL投与群70.0%, PIPC投与群74.1%と, いずれも両薬剤投与群間に有意差は認められなかった.<BR>以上の成績より, BRL1日3.2gの投与はPIPC1日4gの投与と略同等の呼吸器感染症に対する有効性と安全性を示し, とくにβ-lactamase産生菌感染症に対しても有効性を示すことが確認され, BRLが呼吸器感染症の治療上有用性の高い薬剤であると考えられた.
著者
遠藤 英樹
出版者
特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.289-296, 2006
被引用文献数
1

炭酸ガスレーザーは波長10600nmの気体レーザーであり,水分に吸収される特長を利用して皮膚科・形成外科領域では,皮膚小腫瘍の治療に多用されている.腫瘍の大小により,発振モード(シングルパルス,リピートパルス,連続波,スーパーパルス,スキャン)を選ぶことができる.日常の診療においても治療の選択範囲を広げる意味においても大変,有用なレーザーであるが,施術者は機器の特徴と出力設定,副作用について充分に理解しておく必要がある.
著者
須藤 沙弥香 高橋 俊章 神先 秀人 遠藤 優喜子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A1037, 2008 (Released:2008-05-13)

【目的】「食べる」という動作は、栄養を摂取し生きていくために必要な動作であり、摂食姿勢は円滑な咀嚼・嚥下を行う上で重要な因子である。嚥下障害がある場合に、ギャッジアップ30度ないし45度程度での食事摂取を推奨するとの報告があり、座位が不安定な場合などにも、ギャッジアップの状態で食事摂取を行うことがある。しかし、通常われわれは頭部や体幹を自由な状態にして食事をしており、後方へ傾斜した状態は頭部や体幹の制限をするため必ずしも自然な姿勢とは言いがたい。そこで本研究の目的は、ギャッジアップ45度、65度の肢位並びに端座位の肢位の違いが咀嚼・嚥下に及ぼす影響を明らかにすることである。【方法】神経学的疾患ならびに顎形態異常を有さないベッド上長座位が可能な健常成人男性5名(平均年齢22.4歳±0.5)及び女性5名(平均年齢22歳±1.2)を対象とした。なお、対象者全員に文書にて十分な説明を行い、同意を得た。ギャッジアップ45度(枕使用・不使用)、65度(枕使用・不使用)、端座位の5つの肢位で、食物テスト、水飲みテスト、反復唾液嚥下テスト(以下RSST) の3つのテストを行った。食物テストはこんにゃくゼリー16gを完食するまでの咀嚼回数・嚥下回数・時間を測定した。水飲みテストは硬度20の冷水30mlの嚥下回数・飲み終えるまでの時間を測定した。また、これらのテストの間、表面筋電計を用いて舌骨上筋群、咬筋、側頭筋、胸鎖乳突筋、僧帽筋の筋活動を測定した。筋活動の比較では各テストにおいて、テストの開始から終了までの積分値を用いた。さらに主観的評価として、各テストにおいて最も楽な姿勢を問診にて調査した。統計処理は、多重比較検定を用い、有意水準は5%とした。【結果】筋活動量の比較においては、食物テストとRSSTを行った際の胸鎖乳突筋の活動量が、端座位と比較してギャッジアップ45度枕使用時において有意な増加が認められた。また、RSSTを行った際の僧帽筋の活動量は、端座位と比較して他の全ての姿勢において有意な増加が認められた。主観的評価においては、端座位がゼリーの咀嚼・嚥下、水の嚥下、唾液の嚥下いずれにおいても最も楽な姿勢であった。端座位の次に楽な姿勢は、ゼリーの咀嚼・嚥下、水の嚥下においてギャッジアップ65度枕使用であった。またゼリーの咀嚼回数、水の嚥下回数では明らかな差は認められなかった。【考察】結果より、端座位と比較して、ギャッジアップ45度、65度どちらも胸鎖乳突筋及び僧帽筋の筋活動量が増加した。これらは主観的評価から得られた、端座位がゼリーの咀嚼・嚥下、水の嚥下、唾液の嚥下いずれにおいても最も楽な姿勢であったという結果と一致しており、本研究の対象である健常成人においてはギャッジアップベッドの食事姿勢が咀嚼・嚥下に不利な影響を及ぼしている可能性が示唆された。
著者
長嶺 一輝 遠藤 聡志 山田 孝治 當間 愛晃 赤嶺 有平
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.3K4J201, 2019

<p>近年,深層強化学習エージェントは驚くべき発展を見せ,素晴らしい成果を挙げている.一方で,エージェントの行動のみを視認して,根拠となった画像特徴を推測するのは困難であるという問題がある.これに対し,エージェントが持つニューラルネットの入出力を用いて判断根拠を可視化することで,行動を分析しようとする試みが行われている.可視化手法の一つに顕著性マップの生成がある.しかし,行動毎に顕著性マップを得る手法はあまり研究されていない.本稿では,深層強化学習エージェントの行動を視覚的に分析する際に,エージェントの持つニューラルネットから各行動ごとに顕著性マップを得る手法を提案する.実験の結果,環境から得られる状態観測内のオブジェクトが,エージェントの各行動に及ぼす影響を可視化する顕著性マップを得られた.</p>
著者
梶原 友美 遠藤 淑美
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.308-318, 2017
被引用文献数
3

<p><b>目的:</b>精神科救急病棟への非自発的入院初期の看護援助に対する認識を看護師,患者の視点から明らかにする.</p><p><b>方法:</b>看護師,患者に半構造化面接を行い,質的統合法(KJ法)を用いて分析した.面接は,入院初期の参加観察を参考にした.</p><p><b>結果:</b>対象は,看護師,患者,各5人であった.看護師の認識は9枚のラベルに分類され,【暴力につながり得るリスクの排除】の一方,【意に反した中でなんとか行う患者の意に沿う援助】といった論理構造となった.患者の認識は6枚のラベルに分類され,【入院時の理不尽な対応への怒りとあきらめ】の一方,【治療の受け入れにつながる患者の立場に立った関わり】といった論理構造となった.</p><p><b>結論:</b>看護師,患者とも,看護援助に対し,強制的な治療遂行の一方,主体性の支持という2つの側面があると認識していた.患者の意に反した治療の遂行は,必要な治療でも,患者に強制力を認識させる.一方,主体性の支持は,治療を安全に行いつつ,患者の強制力の認識を減らすと考えられ,入院初期から意識すべき側面といえよう.</p>
著者
田中 和幸 遠藤 麻美 長舩 哲齊 八木沢 誠 袴田 大蔵 志沢 邦夫
出版者
日本体育大学
雑誌
日本体育大学紀要 (ISSN:02850613)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.87-96, 1999-09-30

本研究の一部は日本体育学会東京支部第26回大会で発表した。
著者
遠藤 勇気 木竜 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.57, pp.15-20, 2011-05-13
参考文献数
7

筋力向上トレーニングは今や競技を問わず,アスリートにとって必要不可欠なものとなっている.一般的に,どのスポーツにおいても下肢筋を鍛えることは重要である.下肢筋の筋力向上トレーニングにおいて代表的なトレーニングのひとつが"スクワット運動"である.スクワット運動は沈み込みの深さの違いによって分類され,実際のトレーニング現場等においては徐々に沈み込みを深くしていくというトレーニング手法がとられている.しかし,沈み込みを深くしていく上での判断基準が不明確である.本研究では,被験者を熟練者群と未熟練者群とに分け,3パターンのスクワット運動を実施し,トレーニング中の筋活動を表面筋電図を用いて計測した.更に,非負値行列因子分解を用いて運動動作を表現する筋シナジーを抽出し,抽出した筋シナジーと各被験者群における%RMS平均波形から相関係数値を算出し比較を行なった.その結果,大腿二頭筋の筋シナジーパターンがトレーニング決定に有効な評価指標となる可能性が示唆された.
著者
遠藤 達哉 早川 真由 高橋 敬亮 杉山 未紗 齋藤 昭彦 村上 幸士
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2016, 2017

<p>【はじめに,目的】</p><p></p><p>医療用弾性タイツは保存療法として下肢の静脈循環障害や浮腫を伴う疾患へ利用されている。弾性タイツに関する先行研究では,下腿三頭筋に着目した研究が多く,運動時に頻見する走行や跳躍動作で重要となる膝関節伸筋群の研究は少ない。</p><p></p><p>本研究では,若年層における弾性タイツによる効果を膝関節伸筋群に着目し明らかにすることで,走行や跳躍動作を繰り返す運動時や,それらの動作を用いた運動介入において有意義な知見になると考えた。</p><p></p><p>そこで,弾性タイツ着用時と非着用時における膝関節伸筋群の筋持久力の相違について,等速性筋力測定機器を使用して明らかにすることを目的とした。</p><p></p><p></p><p></p><p></p><p>【方法】</p><p></p><p>健常男子大学生26名を対象とした。測定肢位は椅子座位で,三角クッションを使用し背もたれが90°になるように設定した。右足関節は底屈位に保持した状態で,下腿の遠位端をパッドで固定し,右大腿部固定時のベルトの圧は対象内での条件を一定にするため80hpaとした。測定範囲は膝関節90°~最大伸展位とした。測定は角速度180deg/secにて,最大努力で30回3セットを行った。筋疲労を考慮しセット間は1分間の休憩を設けた。筋持久力の評価指標は,2セット目の等速運動開始4から8回の最大筋力値の平均に対し,3セット目の終了5回の最大筋力値の平均の差とした。なお1セット目は準備期として除外した。また,測定前後の変化を比較するため安静座位にて大転子と大腿骨外側上顆間1/2部位にて大腿周径を測定。</p><p></p><p></p><p></p><p></p><p>【結果】</p><p></p><p>弾性タイツ着用群,非着用群の筋持久力の比較では,弾性タイツ着用群において1.43±0.26Nm/kg,非着用群において1.67±0.26Nm/kgであり,弾性タイツ着用群は非着用群と比較し,筋持久力の低下が有意に抑制された(p<0.01)。弾性タイツ着用群は,運動前後で平均0.69±0.20cm有意に増加した(p<0.05)。また,弾性タイツ非着用群は,運動前後で平均0.96±0.14cm有意に増加した(p<0.01)。よって,弾性タイツ非着用群と比較し,弾性タイツ着用群では増加が抑制された。</p><p></p><p></p><p>【結論】</p><p></p><p>筋持久力は筋の有酸素的作業能をさしており,筋への酸素の供給が筋持久力を決定する生理的因子であるため,末梢の血液循環と筋の代謝が大きな影響を与える。筋の血流量が多いほど筋の酸素摂取量が大きく,筋持久力は高い。そのため,弾性タイツ着用群では,末梢の血液循環が向上したと推察する。これにより,筋の酸素摂取量が増加し膝関節伸筋群の遅筋線維への酸素供給の増加が考えられる。また,速筋線維の収縮にともなって生じる乳酸などの代謝産物を速やかに除去できると考える。</p><p></p><p>本研究の結果では,弾性タイツの圧により末梢の血液循環が向上し,筋の酸素摂取量が増加したため,膝関節伸展筋群の筋持久力の低下が抑制されたと考える。</p><p></p><p>今後は本研究の結果を生かし,走行,跳躍などを必要とするスポーツ場面において弾性タイツ着用における効果について検討していきたい。</p>